報道機関や選挙関係者の情報収集方法

Last-modified: 2009-10-06 (火) 12:30:31
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 1998年7月の参院選では各紙とも、大きく予想を外したが、あのようなことは例外と言える。信頼度にはかなりのものがある。そして、一番信頼度が高いのは、報道機関による投票所での出口調査による調査である。やはり、投票当日だけに信頼度は抜群だ。

 出口調査とは選挙結果を事前に予測するため、投票所の出口で、投票した人に直接投票行動を尋ねて調べることで、それに基づいて実際の得票数を推定すること。有権者の関心が集まる選挙の際に、テレビ局、新聞社などによって行われる。開票が進んでいない段階での候補者の当選の見込み(当選確実、当確)を推定するための主要な材料のひとつであるとともに、投票行動を定量的に分析するためにも用いられる。 

 投票区の投票所に調査員が派遣され、調査員は出口を通過する人を数え、均等な人数間隔・もしくは時間間隔をおいて調査への協力を依頼する。協力が得られた場合は、質問を書いた用紙を渡し、投票者の筆記によって回答をしてもらう。調査員はその回答を読み取り、携帯電話などの機器を用いてその場でデータを集計者に送信する。質問では、投票先のほか投票理由、支持政党を調べることが多い。その他、性別や年齢の情報を加える場合もある。

当選確実(当確)を出す基準はそれぞれの報道機関が独自に決めている。多くの場合、出口調査の結果は開票の途中経過に次ぐ大きな判断材料となる。
次に、オートコンタクトシステムによる調査である。これは、コンピュータにより登録された音声案内を各家庭の電話にかけ続け、その受け手は音声案内に従い電話のボタンを押していくだけという単純な調査である。しかし、これが当たる。その証拠に各選挙関係者からの信頼も厚い。そのほかの有効な手がかりとして、初期の開票作業の目視による観察が挙げられる。開票作業では最初に投票箱を開けて票を候補者別におおむね山分けする。報道機関の記者はその山を遠くから双眼鏡で確認し比較することによって、当選者を予想することができる。ほかにも、各選挙区における立候補者の知名度や実績、地盤や組織票の強さ・各区における支持政党の傾向など、投票前のアンケートや経験則に基づく情報が活用される。  

 しかし、出口調査には、その方法に起因する偏りが存在する。ひとつの要因は、期日前投票に対する調査が困難なことである。期日前投票は、2007年の参院選では総投票数の18%におよぶなど、投票全体のうち無視できない部分を占める。しかしながら、期日前投票では投票の日時が広く分散するため、当日投票と比較して大きなコストがかかることから本格的な調査が困難である。そのほか、回答に協力する人と拒否する人との間での違い、投票者の少ない投票区の切り捨てによるカバー率低下の問題も存在する。 
 テレビ局同士の間では当確情報の速さと正確さを競う傾向が強いため、選挙特別番組での当確報道の誤報が多いことが問題となっている。当確を出しておきながら実際に落選してしまった場合や、調査結果からくる政党別議席予想と実際の結果が大幅にずれていた場合、テレビ局では責任者の更迭人事をとっている。