*Keyword

Last-modified: 2021-01-11 (月) 16:15:34

用語解説

 TRPG用語として頻繁に使われる言葉とその意味を解説する。一般的な意味と異なる意味を持つ用語もあるが、ここではTRPG用語として使われる意味のみを記している。

英数字(0~9、A~Z)

AC
 アーマー・クラス Armor Class の略。防御能力を示す数値。
 通常、防御能力を示す数値は大きいほど優れているが、ACに限っては数値が小さいほど優れている場合がある。これは、ACの概念を最初に提示したTRPG『Dungeons & Dragons』と、同作を参考に製作されたCRPG『Wizardry』において、数値が小さいほど優れているシステムだったためである。
CRPG
 コンピュータ・ロール・プレイング・ゲーム Computer Role Playing Game の略。
 または、チャット・ロール・プレイング・ゲーム Chat Role Playing Game の略。オンライン・セッションと同義。
DM
 ダンジョン・マスター Dungeon Maseter の略。ゲーム・マスターと同義で、TRPG『Dungeons & Dragons』などで用いられる。
DR
 デュアル・ロール Dual Roll の略。100面体ダイスを、同時に10面体ダイス2個とみなす判定法。TRPG『ガンドッグ』で用いられる。
D%
 100面体ダイス、あるいはそれに相当するダイス。
EXP
 経験値 EXPerience point の略。
FAQ(エフエーキュー、フェイク)
 Frequently Asked Question の略で、「頻繁に(Frequently)訊ねられる(Asked)質問(Question)」の意味。同義語に Q&A がある。いずれもTRPG用語ではない
 初心者や理解の浅い者が頻繁に行う質問を、その回答と共に提示したもの。
 TRPGでは、初心者や理解の浅い者が犯しやすい誤った解釈の是正の他に、デザイナーが明記していないがユーザーが疑問に思ったルールや設定について解説したり、矛盾したルールや設定に対するユーザーの突っ込みにデザイナーが対応したりしている。
FF
 TRPG『Fighting Fantasy』の略。
GM
 ゲーム・マスター Game Master の略。
HFO
 Human Fighter Otoko の略。多くのシステムで特殊能力のない「平凡な」種族とされる Human(人間)、覚えるべき特殊ルールが少なく「基本的な」職業とされる Fighter(戦士)、男性ユーザーが多い TRPG において「魅力のない」性別である Otoko(男)の三拍子が揃ったキャラクターを指す。
 これと言った特徴がない「漢らしい」キャラクターであるが、システムによっては、極めると非常に強力な戦闘能力を発揮する。
HP
 肉体的ダメージの許容限度を示す数値。頭文字の意味には諸説あるが、多くの場合ヒット・ポイント Hit Point の略とされる。同義語にLP(ライフ・ポイント Life Point)などがある。
 HPが0以下になったときの具体的な状態は、システムにより扱いが異なる。代表的なものには、死亡、気絶、戦闘不能などがある。
KP
 ゲーム・キーパー game KeePer の略。ゲーム・マスターと同義で、TRPG『クトゥルフの呼び声(第5版)』『クトゥルフ神話RPG(第6版)』『新クトゥルフ神話RPG(第7版)』などで用いられる。
MP
 精神的ダメージの許容限度や特殊能力の使用限度を示す数値。SPと同義。頭文字の意味には諸説あり、M はマジック Magic 、メンタル Mental 、マインド Mind 、マナ Mana など、P はポイント Point 、パワー Power などが代表的。
NPC
 ノン・プレイヤー・キャラクター Non Player Character の略。
PC
 プレイヤー・キャラクター Player Character の略。
PC1
 ハンドアウトによってPCの役割分担を決定する場合における、主人公格のPC。
 ハンドアウトによってPCの役割分担を決定する場合、通常はシナリオ内での重要性順に番号が割り振られているため、シナリオ内で最も重要なPCとなるPC1が「そのシナリオ内での主人公」と認識されたことに端を発する。
RoC
 ロール・オア・チョイス Roll or Choice の略。Rollとはダイス・ロールの意味で、提示された選択肢を、ダイス・ロールによって無作為に選択しても任意に選択しても良いことを示す。
RPG
 ロール・プレイング・ゲーム Role Playing Game の略。
SAN値(サンち)
 「正気度」「精神の正常度(を示す数値)」を意味する俗語。TRPG『クトゥルフの呼び声(第5版)』『クトゥルフ神話RPG(第6版)』で用いられる能力値 SANity を示す数値を意味する*1。ただし同作において本来「SAN値」と「正気度ポイント」と「最大正気度」は異なる能力である。また同作においてSAN値は固定値のため、SAN値が“増減する”と言った活用法は厳密には誤用である*2
SAN値直葬
 SAN値から派生した語で、“産地直送”に引っかけ「どれほど正気度ポイントが高くても即時に正気度ポイントを失い発狂する」と思えるほどのものを意味する。
SP
 精神的ダメージの許容限度や特殊能力の使用限度を示す数値。MPと同義。頭文字の意味には諸説あり、S はスキル Skill 、スピリチュアル Spiritual などが代表的。PについてはMPを参照のこと。
TRPG
 テーブルトーク・ロール・プレイング・ゲーム Table-talk Role Playing Game の略。
TTRPG
 テーブルトーク・ロール・プレイング・ゲーム Table-Talk Role Playing Game の略。日本で“テーブルトーク”RPGと言う言葉が誕生した黎明期に多く用いられた略称だが、現在ではほとんど用いられない。
ZoC(ゾック)
 ゾーン・オブ・コントロール Zone of Control の略。ウォー・シミュレーション・ゲームや位置関係を重要視するTRPGなどにおいて、1つの駒(で表現されるキャラクターや集団)が、現在の位置を基準として、他の駒にルール的な行動制限を与える範囲。あるいは、そう規定したルールに対する一般名称。

あ行

アーキタイプ Archetype
 元型。TRPGの場合、「キャラクター・テンプレート」とほぼ同義。
アイテム item
 ゲーム内の道具類。
アクセサリ accessory
 ゲームに使用する現実の小道具類。特に、専用カードなど特定のシステム専用の小道具や、フィギュアなどなくても遊べる小道具、マスター・スクリーンなど他のもので代用可能な小道具を示す。
 またはサプリメントと同義。
アタック attack
 攻撃、攻撃すること。
 または攻略、攻略すること。
アドリブ ad-lib
 ゲーム進行中にゲーム・マスターが、準備したシナリオの想定外の状態となったとき、即興で対処すること。
アドリブ・マスター ad-lib master
 ゲーム・マスターのうち、準備するのはゲーム進行の要となる情報のみで、実際のゲーム進行は全て即興で対処する、と言うスタイルを確立している者のこと。
 ただし、ゲーム進行を全て即興で対処するには、ある種の適性と経験が必要不可欠であり、誰にでもできることではない。
ヴァリアント variant
 変化形。限定された状況や能力などを再現するため、元のルールやデータに専用の追加や変更を加えたもの。
エターナル・チャンピオン eternal champion
 システムや背景世界を問わず名前や能力や経歴が同じ設定のPCを使いまわすプレイヤーのこと。
 原義は、イギリスの作家マイケル・ムアコックが書くファンタジー小説の主人公の設定。異なる世界に存在する別々の物語の主人公が、実は同一人物の転生した姿であることを指す。また、彼らを主人公とする物語のシリーズ名でもある。
ヴォイス・チャット voice chat
 ヴォイス、すなわち音声を用いたチャットのこと。
ヴォイチャ
 ヴォイス・チャットの略。チャットも参照のこと。
エネミー enemy
 敵。クリーチャーも参照のこと。
エラッタ errata
 ルールやデータの正誤表。
 原義はエラー error の複数形であり、エラー、すなわち誤りが複数集まったものを指す。
エンカウント encount
 PCが、戦闘対象となるNPCと遭遇すること。
演出(えんしゅつ)
 参加者の気分を盛り上げることを目的としたゲーム行為。各種判定や情景描写など。*System:演出要素も参照のこと。
 狭義には、参加者の気分を盛り上げるため、シナリオ展開に全く影響を与えない判定や情景描写などを指す。この意味での「演出」に対しては、プレイスタイルによって賛否が大きく分かれる。
オーバーキル overkill
 戦闘時に必要最低限を遥かに超過したダメージを与え、その相手を殺害すること。
 または、PCの全滅を目論んでいるような設定や思想、行動などに対する形容詞。
オープン・ダイス open dice
 ゲーム・マスタープレイヤーに見えるようにダイスを振ること。クローズ・ダイスも参照のこと。
 通常、ゲーム・マスターはプレイヤーに見えないようにダイスを振る。これは、行動の成否がプレイヤーには判断できない状況――例えば何かを探して「目的物が見つからなかった」場合、「目的物が本当に存在しなかったのか、存在を見落としたのかは分からない」と言ったもの――を再現しプレイヤーに適度な緊張感を保たせるほか、行動の成否が決まっているのに「成否がどうなるか分からない振りをする」、行動の結果ゲームの進行に支障が出ることが予想された場合に「支障なく進行できたと見做す」と言った、プレイヤーの楽しみを損なう行為を「ごまかす」目的がある。これに対しオープン・ダイスは、一切のごまかしがない真剣勝負の楽しみをプレイヤーに与える場合に行われる。
オフィシャル official
 公式。
オリシス
 オリジナル・システムの略。
オリジナル original
 独自。作者が、白紙の状態から独力で完成させた作品。
 または、派生作品の原点(となる作品)。
オリジナル・システム original system
 作者が、白紙の状態から独自に完成させたTRPGのシステム
 または、個人が趣味の範囲で作成した独自のTRPGのシステム。
オンセ
 オンライン・セッションの略。
オンライン・セッション online session
 インターネットのチャット機能を用いて、ゲームを行うこと。セッションも参照のこと。

か行、が行

期待値(きたいち)
 乱数発生器(ランダマイザ)が発生し得る乱数の結果として「最も期待できる」値。
 概ね平均値、最頻値と同義だが、必ずしも期待値と平均値、最頻値が一致するとは限らない。
キャラクター character
 ゲーム内の登場人物全般。特にプレイヤー・キャラクターのことを指す場合もある。
キャラクター構築(キャラクターこうちく)
 →スクラッチ・ビルド
キャラクター・コンストラクション character construction
 →スクラッチ・ビルド
キャラクター・シート character sheet
 キャラクター、特にプレイヤー・キャラクターの情報を書き留めるための専用紙。
 多くのTRPGに付属する著作物だが、大抵の場合、個人的な使用(要するにTRPGを遊ぶ場合)に限ってコピーが許されている。また、付属する“公式の”キャラクター・シートに不満を持って、自作する者も少なくない。
キャラクター・ビルド character building
 →スクラッチ・ビルド
キャラクター・ロール character role
 受け持った立場や役目(ポジション)、あるいは固有の人格を持った人物(キャラクター)を演じること。単に「ロール role 」とも。ロール・プレイも参照のこと。
キャラシー
 キャラクター・シートの略。
キャンペーン campaign
 同じシステムで同じPCを用いた複数回のゲームで、1つの大きな物語を形成する方式の遊び方。漫画や小説、アニメやドラマなどに例えると「連続もの」に相当する遊び方であり、1回のゲームが単独で物語として成立する場合もキャンペーンの一部となり得る。
 漫画などで「読みきり作品が好評だったので、それを連載化した作品」があるのと同様に、1回きりのゲームで終わる予定だったものがキャンペーン化することもある。
ギルド guild
 同業者組合。PCをゲーム的にバックアップするNPC(まれにPC)の集団を指す。バックアップに対する代償を求めることも珍しくない。
吟遊(ぎんゆう)
 吟遊詩人の略。理想とする自身の分身が理想の活躍をする物語のみを望み、他のゲーム参加者と協調しない参加者のこと。揶揄の意味が含まれるため、使用には要注意。
 システムによっては「吟遊詩人」のクラスが用意されていることもあるが、「ゲーム内の役割」を示すそれらとは異なり、「ゲームの参加者」に対する呼称である。
クイック・スタート quick start
 即時にゲームを始められるよう、必要最低限の項目をまとめたもの。サンプルとほぼ同義だが、キャラクターシナリオなどのデータ類だけでなく、“サンプル”には含まれないゲームに必要な最低限のルールも含まれる。
クラス class
 職業。実質的には、ゲーム的分業における各自の役割を示す。
クリーチャー creature
 NPCのうち、PCの障害となる生命体、擬似生命体。敵専用データ書式が採用されている場合、敵専用データ書式で表記される敵全般を指す。システムによっては「エネミー」「モンスター」などとも呼ぶ。
 原義は「(唯一神によって)創られた生命体」。
クリティカル critical
 ゲーム内行動での、特別な効果を持つ成功。ファンブルも参照のこと。
 実際の効果は、システムにより様々である。
クローズ・ダイス close dice
 ゲーム・マスタープレイヤーに見えないようにダイスを振ること。「クローズド・ダイス closed dice」「シークレット・ダイス secret dice」「ブラインド・ダイス blind dice」とも。オープン・ダイスも参照のこと。
ゲーム・マスター Game Master
 ゲームの進行役。プレイヤーを楽しませ満足させることを役割とし、そのためにNPCを演じたり、ゲーム内行動の可否を判断したりする。システムによって異なる呼び名を使う場合もあるが、役割は変わらない。
 ゲーム・マスターは、ゲームのオーナーであり監督であり審判であり語り手であるため、異称はこうした役割に因むものが多い。例えば、TRPGを映画に見立て、ゲーム・マスターを「プロデューサー」または「ディレクター」と呼ぶ、と言った具合である。
サブ・マスター Sub Master
 2人目(以降)のゲーム・マスター。メインとなるゲーム・マスターが準備したシナリオを明確に知っており、ルールやゲーム進行のサポートを行なう。
 通常、TRPGを遊ぶ際のゲーム・マスターは1名だが、何らかの理由で「ゲーム・マスター側の協力者」を準備することもある。よくある理由としては、ゲーム・マスターとして未熟なのを自覚しているため助力を仰ぐ、男性ゲーム・マスターが女性の登場人物を演じるのは気恥ずかしいので本物の女性に協力してもらう、そのシナリオに常時登場するNPCを演じる負担を軽減するためそのNPC専用となるゲーム参加者、などがある。
 こうしたゲーム・マスターのサポートは、TRPGに熟知したプレイヤーの一人が担うこともある。ただし、プレイヤーは基本的にシナリオを明確に知らない(あるいは知らない振りをする)ため、こうした「ゲーム・マスターに協力的なプレイヤー」はサブ・マスターと呼ばない。
経験値(けいけんち)
 個人の能力や技術の向上に必要な経験を示す数値。同義語に経験点(けいけんてん)などがある。
 TRPGに限らず多くのRPGでは、「経験値が一定量以上貯まった時点で、成長可能な域に達したと見なして総合的な成長ルールが適用できる」累積型か、「一定量の経験値と引き換えに、任意の能力や技術を向上させられる」購入型の成長方式を採っている。そのため「経験値」の経験とは、概ね総合的な経験を指す。
 類義語に熟練度(じゅくれんど)などがある。経験値と同義に扱われるほか、「経験値より限定された専門的な経験を扱い、特定の能力や技術に対してのみ経験値としての役割を持つ」と定義されている事もある。
コーラー caller
 PCが団体行動を行なう際、プレイヤーたちの意見やPCの行動を総括し、代表してゲーム・マスターに伝える役割を担うプレイヤー。プレイヤーたちのまとめ役だが、必ずしもリーダーと言うわけではなく、議長と言う方が相応しい。
 システムによって、ルールで細かく規定しているものと、そうでないものがある。
後衛(こうえい)
 戦闘時に、相手側と直接の接触が不可能な距離を取り、戦闘補助を行う者。直接戦闘能力と戦闘補助能力は、ほぼ反比例している。主に、敵戦力の撹乱や遠距離攻撃による最終的な殲滅、味方の攻撃・防衛能力の強化や回復などを担う。前衛中衛も参照のこと。
 戦闘中に何らかの理由で戦力外となった者が、この位置に下がることもある。
後衛職(こうえいしょく)
 著しく劣る直接戦闘能力と、非常に優れた戦闘補助能力を併せ持つクラス
コンベンション convention
 TRPGで遊ぶことを目的とした集会。概ね誰でも自由に参加できる形態の集会を指すが、TRPGのプレイ人口の少なさから、参加者がほぼ固定されている場合も少なくない。
 交通の便の良い公共施設で開催されることが多く、そうした場所を借りるため、参加希望者は数百円程度の参加費を支払うのが通例である。

さ行、ざ行

賽(さい)
 サイコロ。→ダイス
サイコロ
 →ダイス
サプリメント supplement
 追加ルールやデータ集、シナリオ集など、遊び方の幅を広めるための追加資料全般。
サマリー summary
 要約。TRPGの場合、特にルール・サマリーを指すことが多い。
三題噺(さんだいばなし)
 3つのキーワードから、即興でシナリオを準備すること。あるいは、3つのキーワードから連想し、即興で準備されたシナリオ。
サンプル sample
見本、例示。TRPGの場合、即時にゲームを始められるようゲームに影響する項目が予め設定されたデータ類を指す。ゲームに影響しない「登場人物の名前」「関係のある地名」「過去に関わったことのある組織名」などは自由に決められる場合もある。プレイヤー向けにクラス能力値所有スキルなどが設定された「サンプル・キャラクター」の他、そのシステムに不慣れな参加者(プレイヤーとゲーム・マスターのいずれも)向けに典型的で比較的単純なストーリーを遊べる「サンプル・シナリオ」などがある。
シーン制
 ゲーム(シナリオ)の進行方法を明文化したルール。物語性を重視するシステムで多く見られる。シナリオの起承転結に沿ったゲームの進行を補助するほか、特定のPCを「その場面での中心人物」と定義し全てのPCに均等に活躍の機会を与えたり、「その場面に登場する」ことにシステム面での影響力を持つルールを規定し「その場面に登場する」こと自体にゲーム性を持たせたりしている。
システム system
 ゲーム内世界の物理法則の一部分を、ゲーム的に処理するため明文化したルール群。純粋にルール群のみを指す場合と、対応するデータ類を含めて指す場合とがある。*System:システムとはも参照のこと。
地蔵(じぞう)
 ゲームの当事者でありながら、傍観しているプレイヤー。お地蔵さん。状況によっては揶揄とも解釈されるため、使用には要注意。
 単に積極的な行動を「しない」だけなのか、(いろいろな意味で)ゲームの進行について来れていない(ため行動「できない」)のか、客観的に判別しがたいため、ゲーム・マスターや他のプレイヤーは扱いに困ることが多い。
シナリオ scenario
 1回の、あるいは複数回のゲームを行うためにゲーム・マスターが準備するゲーム用情報。
 公式がシナリオを販売や情報誌に掲載、無料配布などしているほか、有志が自作する場合もある。
 自作シナリオの場合、どの程度の情報を準備するかはゲーム・マスターによって様々で、出来る限り多くの可能性を考えて対応策を事前に考えておくゲーム・マスターもいれば、進行の要となる情報のみを準備し細かな進行は即興で対処するゲーム・マスターもいる。
シナリオ・フック scenario hook
 ゲーム・マスターシナリオを準備する際に、アイディアの取っ掛かり、連想の基となるもの。
スキル skill
 技能。実質的には、後天的に取得できる専門的な技術や知識を示す。
スクラッチ・ビルド scratch building
 キャラクター作成ルールに従って、キャラクターのデータを選択作成すること。「スクラッチ」あるいは「ビルド」と略される。選択可能なデータの一部のみ選択する場合を「スクラッチ・ビルド」、選択可能なデータの全てを選択する場合は「フル・スクラッチ・ビルド」と呼ばれる。通常はプレイヤー・キャラクターに対して使われる語だが、システムによってはクリーチャーをスクラッチできるものもある。「キャラクター構築」「キャラクター・コンストラクション」「キャラクター・ビルド」とも。
 キャラクターのデータを選択する際は、プレイヤーが任意に選択できる場合と、ダイスを振り無作為に決定する場合とがあるが、何れもスクラッチ・ビルドの範疇と見做される。
 原義は「引っ掻く」「引っ掻いて掘り出す」であり、模型を部品から製作することを意味する用語を転用したもの。
スワップ・ダイス swap dice
 同じ種類のダイスを複数個使用し、使用するダイスを1個ずつ厳密に区別するシステムで、ダイスの出目を有利に並べ替えることができるルール。
 最も分かりやすいのは、成功率△%の行動の成否をダイスで決める際、出目の十の位と一の位を入れ替えても良い、と言うもの。
セッション session
 参加者が集まってゲームを行うこと。
前衛(ぜんえい)
 戦闘時に、相手側と直接の接触が可能な距離を取り、格闘技や短柄の武器などで相手側と直接戦闘を行う者。主に、中衛や後衛を護りながら敵戦力の消耗と殲滅を担う。中衛後衛も参照のこと。
前衛職(ぜんえいしょく)
 優れた直接戦闘能力と、数少ない戦闘補助能力を併せ持つクラス。戦闘において非常に優れた能力を発揮するものの、戦闘時以外で役立つ場面は少ない。
相当品(そうとうひん)
 データが存在しないアイテムを、データが存在するアイテムの「名称を変更しただけのもの」として扱うこと。「(データは)○○相当品の(アイテム名は)××」のように使う。
 こうした概念は古くからあったが、TRPG『トーキョーN◎VA』で明文化され、曖昧だった概念に明確な指針を打ち出した。

た行、だ行

ターン turn
 ゲーム内時間の経過をゲーム的に処理するための時間単位。
 ラウンドと同義だが、比較的短い時間を「ターン」、長い時間を「ラウンド」とする傾向があり、「ターン」と「ラウンド」を併用する場合もある。
ダイス dice
 一般に「サイコロ」の呼び名で知られる、六者択一型の、あるいは多者択一型の乱数発生器(ランダマイザ)。TRPGにおいては通常「ダイス」と呼ばれ、乱数発生器(ランダマイザ)としては使用頻度が最も高い。
多面体ダイス
 TRPGでは、正方形6面で構成される一般的な6面体ダイス以外にも、様々な多面体ダイスを用いる(必ず用いるとは限らない)。用いる多面体ダイスは「D」の後に多面体の数値を書いて示され、「D6」は6面体ダイス、「D20」は20面体ダイスを意味する。それらのダイスには、ほとんどの場合1~面数の整数が刻まれており、それらのダイスを用いることは、「1~面数で示される範囲の整数から1つの数値を無作為に選ぶ」ことを意味する。ただし、10の倍数の面数を持つ多面体ダイスでは、0~面数-1(例えば20面の場合、0~19)を乱数の範囲と見なす場合も珍しくない。
 多面体ダイスは、必ずしも正多面体であるとは限らない。これは、正多面体が4面、6面、8面、12面、20面の5種類のみであるのに対し、TRPGで重視される確率を計算・管理するには、発生する乱数の範囲を10の倍数に限る方が都合が良いためである。代表的な多面体ダイスには、D4、D6、D8、D10、D12、D20、D100などがある。
表記法
 TRPGでは一般に、ダイスを用いた判定についての表記が「xDy+z」のように定型化している(この表記法は「ダイスコード」と呼ばれる)。この表記の読み方は、「x個のy面体ダイスを振った合計値に+zする」である。例えば「3D6-5」の場合、「3個の6面体ダイスを振った合計値に-5」した数値を、その結果値と見なすことを示しており、実際の数値は必要になるたびダイスを振って決めることを意味する。
 通常、ダイス1個の場合は「1D6」と書かれるが、省略表記として「D6」と書かれる場合もある。ただし用いる多面体が1種類の場合、「D」の後の数値を省略することもあり、その場合はダイスの個数を示すために「2D」「1D」のように書かれる。ただし「D」のみで表記されることはなく、必ず面数か個数かの数値が併記される。
 特殊な表記として、6×6の表に併記された「D66」のようなものがある。これは66面体ダイスではなく、区別可能な2個の6面体ダイスを振り、併記されている表を参照することを意味する。他の面数の多面体でも、同様の表記をする場合がある。
 また「D100」は、(百分率(パーセント))による確率をそのまま利用できるため、「D%」「%(パーセント)ダイス」と表記される場合もある。
代用
 6面以外の多面体ダイスは、専門店以外での入手は困難であるため、代用品を用いる場合も少なくない。
他の多面体ダイスによる代用
 比較的入手しやすい多面体ダイスを用いて、入手しにくい、あるいは実在しない多面体ダイスを代用するもの。前者の代表的なものは識別可能な2個の10面ダイスを用いた「D100」(片方の下一桁を10の位、もう一方の下一桁を1の位と見なす)であり、後者の代表的なものは二者択一の選択をダイスに委ねる「D2」(奇数と偶数で分けるか、面数の半分以下かそれ以上かで分けるのが一般的)である。
他の乱数発生器による代用
 ダイスではない乱数発生器を用いて、入手しにくい、あるいは実在しない多面体ダイスを代用するもの。トランプから用いる面数に等しい数値のカードを等しい確率になるよう抜き出したり、パソコンなどの電子機器に擬似乱数発生プログラムを組み込んだり、と言った例がある。
ダイス・ロール dice roll
 ダイスを振ること。単に「ロール roll 」とも。
隊列(たいれつ)
 ゲーム内の位置関係が重視される場面における、PC同士の位置関係。主に、ダンジョンなどの閉空間でまとまって行動する場合に使われる。前衛中衛後衛も参照のこと。
~を組(く)む
 ゲーム内の位置関係が重視される場面で、PC同士がまとまって行動する場合に、その位置関係を決定すること。
ダメージ damage
 肉体的、あるいは精神的な痛手。負傷や疲労、傷心など。多くの場合は数値化されているが、抽象的な場合もある。
ダンジョン dungeon
 多数の障害物が設置された、迷路のような場所。
チット chit
 目印として使うための(紙製の)カード。多くの場合、手のひらに収まる程度の大きさで、「何の目印か」を示す文字や記号などが描かれている。
チャート chart
 図表。TRPGでは多くの場合、A×Bのように複数の項目を参照し検索して一つの選択肢を得る方式の表を意味する。
チャット chat
 雑談。インターネット等を介したリアルタイムの相互通信を指す。黎明期には情報量が少ない「テキスト・チャット」が主流だったが、通信速度の向上に伴い短時間に送受信できる情報量が増えたため、「お絵かきチャット」「ヴォイス・チャット」「ビデオ・チャット」のようにその種類も増加傾向にある。
中衛(ちゅうえい)
 戦闘時に、相手側と直接の接触が不可能な距離を取り、戦線を保つため前衛を援護し、殲滅力を確保するため後衛の護衛を担う者。前衛後衛も参照のこと。
 あるいは前衛と後衛の両方の能力を持ち、戦闘時には必要に応じて、不足している役割を担う者。ただし器用貧乏の性で、前衛よりも直接戦闘能力に劣り、後衛よりも戦闘補助能力に劣る事が多い。
中衛職(ちゅうえいしょく)
 直接戦闘能力と戦闘補助能力を、バランスよく併せ持つクラス
テーブルトークRPG
 →テーブルトーク・ロール・プレイング・ゲーム
テーブルトーク・ロール・プレイング・ゲーム Table-talk Role Playing Game
 参加者同士が会話しながら、ルールに従い疑似体験を得るゲーム。極端に言えば、明文化されたルールを持ち会話だけで進行する「ごっこ遊び」。
 なお「テーブルトーク」は和製英語。英語では「Role Playing Game」で通じるが、必要な場合は「pen and paper(ペンシル・アンド・ペーパー)」「tabletop(テーブルトップ)」などと称される。
テンプレート template
 雛型、定型。TRPGの場合、ゲームの準備時間を短縮すべくゲームに影響する項目がある程度設定されたデータ類を指す。キャラクターの能力を選択する際に「定番」となる組み合わせを予め用意した「キャラクター・テンプレート」の他、シナリオを公開する際に必須となる項目を挙げた「シナリオ・テンプレート」、参加希望者(プレイヤーゲームマスターのいずれも)がプレイ仲間やセッションを探す際に好みのシステムやプレイングの傾向などを記した「自己紹介テンプレート」などがある。いずれも「サンプル」とは異なり、プレイに影響ある項目を(一部ではあるが)、記述者自身で決めることができる。
 原義は「型板」「鋳型」のような、同じ形状の物体を作るための基礎となる“型”のこと。一般に「テンプレ」と略されることも多い。
トラップ trap
 罠(わな)。
トランプ playing card
 スペード、ダイヤ、ハート、クラブの4種のスートと1~10およびジャック(11)、クイーン(12)、キング(13)の数値を組み合わせた52種にジョーカーを加えた計53種のカードのセット。TRPGにおいては、主に多者択一型の乱数発生器(ランダマイザ)として用いられる。

な行

能力値(のうりょくち)
 ゲーム内の登場人物について、その人物の基礎的な身体能力や知能を示す数値。
 用いられる項目はシステムによって異なる。多くのシステムは、能力値の直接的な成長を許可していないか、あるいは許可していてもクラススキルを成長させるより不利な条件となっている。
ノン・プレイヤー・キャラクター Non Player Character
 ゲーム・マスターが演じる登場人物。敵味方問わず指す言葉だが、多くの場合、敵対的NPCには「クリーチャー」などのような異称が与えられ、敵対しないNPCとは区別される。
 ゲーム・マスターは、多数の人物を1人で同時に演じなければならない場合も多い。登場人物が同時に多数存在するゲーム内状況では、混乱を避けるために、敵対しない人物の役割を一時的にプレイヤーに託す場合もある。

は行、ば行、ぱ行

パーティー party
 同じ目的で行動する少人数の集団。多くの場合、PC全員をまとめて指す口語として使われる。
ハウス・ルール house rule
 非公式ルール。
ハック・アンド・スラッシュ hack and slash
 TRPGの遊び方のひとつで、戦闘によって敵を倒すことを重視すること。hackは「切り刻む、切り開いて進む」など、slashは「めった切る、深く切り込む」などの意味。
 「敵を倒す=目的達成の象徴となる目標(財宝、人質など)は用意されるが、その他の要素(敵を倒す理由やプレイヤー・キャラクターの人間性、舞台となる背景世界など)は、全くと言って良いほど影響しない」タイプのゲームを示す呼称として用いられることもある。
バリアント variant
 →ヴァリアント
ハンドアウト handout
 配布資料。プレイヤーに見せることを前提としたシナリオ情報を記録した資料であり、シナリオの内容に合わせてゲーム・マスターが事前に準備しておくもの。
 昨今では、「シナリオの進行を円滑にするため、キャラクター作成指針を記述した資料」の意味で使われることが多い。この意味での「ハンドアウト」の場合、シナリオにおける重要度の高い順に番号が割り振られており、「1番のハンドアウト」がシナリオでの中心人物として扱われることが暗黙の了解となっている。
ビルド build
 →スクラッチ・ビルド
ファンブル fumble
 ゲーム内行動での、特別な効果を持つ失敗。クリティカルも参照のこと。
フィギュア figure
 PCNPCを示す立体模型。ゲーム内戦闘において、位置関係を視覚化するための駒として用いる。公認され販売や無料配布されているもののほか、食玩、ダイス、消しゴム等の入手が比較的容易な代用品を用いたり、自作したものを用いたりするケースも多い。
 なおTRPGはウォーゲーム*3の派生として誕生した経緯があるため、独立したウォーゲームとして販売されTRPGにも流用できるフィギュアもある。代表的なものには『Dungeons & Dragons』『ウォーハンマー』『メックウォリアー』などがある。
アクリル・フィギュア acrylic figure
 アクリル製の立体模型。イラストの描かれたアクリル板を、アクリル製の土台にはめ込み立てられるようにしたもの。
プラスチック・フィギュア plastic figure
 プラスチック製の立体模型。多くの場合、立体造形されている。
ペーパー・フィギュア paper figure
 紙製の立体模型。イラストの描かれた紙を、土台にはめ込んだり折り曲げたりして立てられるようにしたもの。
メタル・フィギュア metal figure
 金属製の立体模型。多くの場合、立体造形されている。
プレイヤー player
 進行役でないゲームの参加者。
プレイヤー・キャラクター Player Character
 プレイヤーが演じる、ゲーム内の登場人物。
プレロールド・キャラクター pre-rolled character
 ゲームに影響する項目が予め設定されたPC。公式やシナリオ作成者、ゲーム・マスターなどが「プレイヤーに演じてもらうこと」を想定して設定するため、公式やシナリオ作成者などの意に沿った“無難”な、あるいは“ゲームの進行が行き詰まるような事故を防ぐ”PCだが、必ずしもプレイヤーの意に沿うとは限らない。
 PCがどの程度設定されているかは様々で、規定なども特にない。クラス能力値所有スキルなどゲーム上の能力が設定されている場合もあれば、ゲーム上の能力はほぼ設定されておらずキャラクターの経歴や人間関係などが設定されている場合、ゲーム上の能力の一部とそれに関連する背景などが設定されている場合などがある。
 システムやシナリオによってはサンプル・キャラクターテンプレートハンドアウトなどの形で、PCの設定を予め用意している場合もあるが、それらも広義にはプレロールド・キャラクターと見做される。
フロア・タイル floor tile
 地形を示す正方形の板。ゲーム内戦闘において、位置関係を視覚化するために用いる。スクエア・マップも参照のこと。
ヘビー・ユーザー heavy user
 ゲームに深入りし、特定のシステムに対する造詣が深い参加者。ライト・ユーザーの対義語。
ボイス・チャット voice chat
 →ヴォイス・チャット
ボイチャ
 →ヴォイチャ

ま行

マスター mastar
 ゲーム・マスターの略。主にゲーム・マスターに対する呼びかけに用いられる口語。
 または、酒場の主人(マスター)に対する呼びかけに用いられる口語。ゲーム中では、ゲーム・マスターへの呼びかけと混同して使われることも少なくない。
マスター・スクリーン
 ゲーム・マスターダイスを振る際、その結果をプレイヤーに見られないように視覚的に遮る衝立(ついたて)。ゲームに必要なデータの一覧表が書かれている場合もある。アクセサリオープン・ダイスクローズ・ダイスも参照のこと。
マスタリング mastering
 ゲーム・マスタープレイヤーを楽しませるための技術。
押し
 ゲーム・マスターの望む行動をするようプレイヤーに納得させる技術。これが下手だと単なる強制となり、プレイヤーに不快感を与える。
引き
 プレイヤーが自主的に行動するよう誘導する技術。
金による引き
 ゲーム内で貧乏なプレイヤー・キャラクターに対し、報酬を約束することで行動を誘導する。
色による引き
 ゲーム内でプレイヤー好みの異性NPCを登場させ、そのNPCの哀願によって行動を誘導する。
マップ map
 地図。ゲーム内全般において、位置関係を視覚化するために用いる。
スクエア・マップ square map
 正方形のマス目を基準として位置関係を示す地図。作成が容易なため、簡便に位置関係を示したい場合に用いられる。
ヘクス・マップ hex map
 正六角形のマス目を基準として位置関係を示す地図。斜め方向の距離がスクエア・マップより正確になるため、距離や位置関係を厳密に扱う場合に用いられる。
マンチキン munchkin
 ルールの範疇を超えてでも、とにかく自身が最も有利であることを望む、精神的に未熟なプレイヤー。「洋マンチ」とも。
 日本では「ルールの範囲内で最強を(時にはルールの盲点を突いてでも)追求するプレイヤー」と言う意味で使われることも多く、ルールを超えた有利さを望むプレイヤーと区別するために「和マンチ」とも称される。
メタ・プレイ meta play
 metafiction play の略? プレイヤーが、ゲーム内のキャラクターとしての知識や理由ではなくプレイヤーとしての知識や理由に基づいて、ゲーム内の行動を決定すること。
 meta と言う単語には「より高次元の」と言う意味が含まれる。
モンスター monster
 (想像上の)怪物、化け物。クリーチャーも参照のこと。

や行

ら行

ライト・ユーザー light user
 ゲームに深入りしない参加者。ヘビー・ユーザーの対義語。
ライフ・パス life path
 キャラクター、特にPCの経歴を決定するルール、あるいはルールによって決定されたキャラクター(PC)の経歴。
ラウンド round
 ゲーム内時間の経過をゲーム的に処理するための時間単位。ターンも参照のこと。
乱数(らんすう)
 一定範囲内から、無作為に選択された数値。
ランダマイザ randomizer
 乱数発生器。一定数の選択肢から、誰の意思も介入させずに1つの選択肢を選択するための小道具。ダイストランプなど。
ランダム random
 無作為。誰の意思も介入していないこと。
リソース resource
 ゲーム内状況の優位性に影響を与える各種データ。*Resource:リソースとはも参照のこと。
リドル riddle
 謎。謎掛け。
リプレイ replay
 TRPGを実際に遊んでいる様子を、(主に芝居の台本・脚本風に)記述した記録。
ルール・サマリー rule summary
 ルールの要約。通常は、ルール未経験者に配布するルールの要約が書かれた資料を指す。
ルール・ブック rule book
 ルールが書かれた冊子。
形態による分類
ボックス型
 厚紙製の箱に、ルール・ブックやダイス、キャラクター・シートなどが封入されているもの。一般に、筆記用具を除く最低限のプレイに必要な道具が揃っており、価格も5000円以上と高価。黎明期のTRPGに多いタイプで、流通事情により専門店以外での入手が困難であるため、現在ではほとんど見かけない。
文庫本型
 文庫本にルールやキャラクター・シートが書かれているもの。価格は1000円以内、書店であればどこでも入手可能だが、TRPGで頻繁に使う表や一覧は非常に見にくい。また、ダイスなどの道具も別途必要。
書籍型
 文庫本を除く書籍にルールやキャラクター・シートが書かれているもの。書店であればどこでも入手可能で、TRPGで頻繁に使う表や一覧が見やすく、価格も1500~8000円程度となっている。
ルール領域による分類
基本ルール
 最低限のルールを包括したもの。
追加/拡張ルール
 基本ルールにはない、より詳細なルールを包括したもの。
追加/拡張データ
 基本ルールにはない、新たな種類のデータを包括したもの。
版上げルール
 基本ルールや追加ルール/データを整理し、ゲーム・バランスを調整したりルールの不備などを訂正したりしたもの。
ルルブ
 ルール・ブックの略。
レベル level
 能力や技術の高さを示す単位。
ロール role
 受け持った立場や役目(ポジション)、あるいは固有の人格を持った人物(キャラクター)。後述の roll と区別するため「キャラクター・ロール」とも。ロール・プレイも参照のこと。
ロール roll
 ダイスを振ること。前述の role と区別するため「ダイス・ロール」とも。
ロール・プレイ Role Play
 「受け持った立場や役目(ポジション)を果たす」こと、あるいは「固有の人格を持った人物(キャラクター)を演じる」こと。*PlayStyle:ロールプレイの定義も参照のこと。
 上記のようにロール・プレイの定義には二通りあり、個人によってどちらの定義を重く見るかは異なるため、この認識の違いによる齟齬が生じやすい。可能ならば、事前にロール・プレイの定義についてすり合わせを行なうことが望ましい。
ロール・プレイング・ゲーム Role Playing Game
 日本では「コンピュータ・ロール・プレイング・ゲーム」を、海外では「テーブルトーク・ロール・プレイング・ゲーム」を指す。

わ行

記号、その他

%ダイス(パーセント・ダイス)
 百分率(パーセント)で示される成功率の成否を求める際に使われるダイス。すなわち、100面体ダイス、あるいはそれに相当するダイス。
%ロール(パーセント・ロール)
 百分率(パーセント)で示される成功率の成否をダイスによって求めること。すなわち、所定の成功率以下の出目で成功と定義した上で100面体ダイス、あるいはそれに相当するダイスを振ること。

*1 第5版53頁に「SAN値」と言う記述がある。
*2 なお、第5版20頁、第6版44頁の固定の能力値SANの解説に「正気度」と記述されており、増減する「正気度ポイント」と混同されやすいものと思われる。なお『新クトゥルフ神話RPG(第7版)』29頁には「正気度ポイント(SAN)」と記述されており、また「SANと言う能力値」は廃止されている。
*3 戦争を題材としたボードゲーム。