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Last-modified: 2010-01-21 (木) 01:29:01

登場人物紹介

  • GM:ゲーム・マスター(ゲームの進行役)。
  • A子:TRPG初心者の女の子。
  • B代:TRPGはそこそこ慣れている女の子。A子の友人。
  • C男:歴戦のTRPGプレイヤー青年。

参加者集合

GM「それじゃ、準備が整ったところで早速始めましょう」
一同「は~い」
GM「今回はA子さんが初めてなんで、BちゃんもC男も新キャラでお願いします」
A子「新キャラ?」
C男「要するに、今までやってた話に、新しい人が入って来てもついていけないだろうから、“今までの続き”は止めて新しく始めようってことさ」
A子「そうしてもらえると助かりますけど、なんだか申し訳ないです」
B代「気にしなくていいよー。特にキャンペーンとかやってたわけじゃないから」
A子「キャンペーン?」
C男「前編・後編とか第一話・第二話・第三話みたいな続き物のこと。俺たちの場合、一話完結でやってたから新しく始めても全然困らないし、一人だけ話についてけなかったら面白くないだろ? 俺たちもA子さんに楽しんでもらいたいからさ、最初から一緒にやればみんなで楽しめるじゃん」
A子「ありがとうございます、私も頑張りますね」
B代「ま、肩の力は抜いて気楽にねー」

 TRPGに新しい参加者が加わると、大抵のサークルでは新しいゲームを始めるはずです。彼らが言う“今までの話”以外にも、新規参加者にはいろいろと「ついていけない」部分があるのです。
 逆に考えれば、こうした気遣いができるか否かで、そのサークルの性質を知ることができると言えます。

GM「A子さんにはゲーム世界について簡単に解説しときましょう。分かりやすく一言で言えば『指輪物語』のような、西洋風のありがちファンタジー世界です」
A子「『指輪物語』?」
B代「『ロード・オブ・ザ・リング』のことだよ」
C男「小説の日本語訳は『指輪物語』ってタイトルなんだ。映画のおかげで原題の方が有名になったけどな」
GM「概ね、剣と魔法のファンタジーって言われて、真っ先に想像する世界だと思ってもらって構いません」
A子「分かりました」

 TRPGのゲーム世界には、ファンタジーや現代、SFと様々あるので、キャラクターを作る前にゲーム世界の大まかなイメージを掴んでおきましょう。
 TRPGには小説や漫画やアニメやゲームを題材としたものも多いのですが、その理由の一つに''「作品を知っていればこうした説明が不要」と言うことがあります。

B代「ねーGM、ハンドアウトは今回なし?」
GM「そうですね、ストーリーとか特にありませんから、戦士系・魔術系・サポート系に1人ずつ分かれてくれれば、特に問題ないですよ。あ、それと今回は、3人とも最初から知り合いってことにしておきましょう」

 ハンドアウトと言うのは、ゲームの進行をスムーズにするためGMが事前に決めておいたキャラクターの設定です。ハンドアウトが用意されている場合、その中からプレイヤーが自分の好みの設定を選べます。

C男「んじゃ、戦士はA子さんで決まりで、B代が魔術師なんかやるわけないから、俺が魔術師な」
A子「え? 私が戦士ですか?」
C男「戦士が一番、覚えることが少ないからな。他のクラスだとルールやデータがたくさんあるから覚えるだけでも大変だし、強くて便利な能力があっても、ちゃんと使えなきゃ意味ないだろ? だから最初は、戦士をしながらルールやデータを覚えて、慣れてきたら他のクラスに挑戦する、で」
A子「はい」
B代「大丈夫よ、分からないことがあったら教えるし、なんたって戦士はTRPGの主役なんだから。今日はA子が主役よ主役!」
GM「リアルでも主役ですけどね(笑)。それじゃクラスが決まったところで、キャラクター作成始めてください」

 TRPGの始まりは、概ねこうした雑談を交えたものになります。特に決まった形式があるわけではないので、こだわらず緊張せず気楽に構えてください。

キャララクター紹介

GM「キャラもだいたい出来たみたいなので、そろそろ本編に移りましょうか」
一同「はーい」
GM「それじゃまずはキャラ紹介をお願いします。時計回り順で行きましょう」
A子「ってことは私からですね。クラスは人間・戦士・スピード型にしました。名前はサヤ、16歳の女の子です」
C男「元ネタは血+か?」
A子→サヤ「はい(笑)」
B代「武器は当然、日本刀(笑)」
サヤ「私もそうしたかったんだけど(笑)、GMに止められました」
GM「今回の舞台には、似非日本は存在しないと言うことで」
B代「大抵のTRPGは、似非日本刀が存在するけどねぇ」
C男「初心者に、基本から外れたプレイを刷り込むな(笑)」

 サヤの場合は女性キャラクターですが、いわゆるHFO、Human(人間)・Fighter(戦士)・Otoko(男性)と言う特殊性のない地味なキャラクターの典型と考えてもらって良いでしょう。戦闘が多いTRPGでは活躍の場も多く、パーティーには必須のキャラクターです。

GM「サヤさんのキャラ紹介は、こんなとこですかね。じゃ、次はC男」
C男「おう。クラスは人間・魔術師・水属性。名前は考えるのが面倒だったからティムで」
B代「タップで1点ダメージですか」
サヤ「?」
GM「そこ初心者に分からない話をしない(笑)」
B代「はーい(笑)」
C男→ティム「本当はエルフの方が良かったんだけど、B代が人間キャラやるわけないから人間で」
サヤ「私もエルフの方が良かったな(笑)」
ティム「でも世界観的に、3人中2人が亜人間のパーティーは怪しすぎるから」
GM「どうせBちゃんはハーフリングだろ? ぱっと見だけなら人間にも見えるし、エルフでも良かったと思うけどね」
ティム「でもほらコイツのことだから、見た目人間でも実はヒゲを剃ったドワーフとかやりそうじゃんか」
GM「確かに(笑)」

 このゲーム世界の水属性は、回復や補助をメインとした汎用性の高い魔法です。いわゆる神官・僧侶系のキャラクターだと思ってもらって間違いありません。やはりパーティーに最低一人は欲しいキャラクターでしょう。

B代「酷いなー、今日は真面目に作れって言われたから真面目に作ったのにー」
GM「じゃあ、その真面目に作ったキャラとやらを紹介してもらいましょうか」
B代「聞いて驚け、クラスはなんとハーフリング・サポート・シーフ型」
GM、ティム「おお、まともだ!」
サヤ「ハーフリング? シーフ?」
B代「シーフは盗賊ね」
サヤ「ってことは悪い人?」
GM「いえいえ、TRPGの盗賊は、どちらかと言うとスパイとか忍者とかに近いですね。泥棒するより、そういう特殊な技術やコネを使って仲間をサポートするんです」
サヤ「スパイ! なんかカッコよさそう!」
ティム「いやー、そこまでカッコよくないぞ。どっちかってーと戦うより逃げる方が得意だし、パーティーで行動するときは仲間の危険を減らすのが役割だな。主役ってほど活躍できるわけじゃないけど、いないと困る脇役って感じか」
サヤ「へぇ、B代らしいかも」
B代「いやーそれほどでも」
ティム「んで、ハーフリングってのは要するにホビットだ」
サヤ「フロド様と同じってことですね!」
ティム「(様付けかよ……)」
GM「そそ。ホビットって種族は『指輪物語』の作者が作ったんで、名前をそのまま使うといろいろ問題があるんですよ」
B代「んで、背の高さが人間の半分、ハーフだからハーフリングって名前になったの」
サヤ「へぇ」
B代「だから見た目は子供だけど頭脳は大人、人呼んで名探偵チップ(笑)」
ティム「チップ? 今度は何のゲームキャラだ」
B代→チップ「甘いなティムくん、フルネームはチップ・スターだ」
GM、ティム「ポテチかい!(笑)」
チップ「だって目の前にあるから(笑)」
GM「ああ、チップはいつもこうなので、サヤさんは気にしなくていいですよ」
サヤ「はぁ……」

 TRPGは戦闘以外にも、様々なハプニングが起こります。そうした場面で活躍するのがシーフのようなサポート系キャラクターです。例えば敵をすばやく発見したり、罠を仕掛けて敵を不利にしたり、逆に仕掛けられた罠を外して味方を有利に導いたりするなど、まさに「いないと困る脇役」なのです。