*World

Last-modified: 2007-03-27 (火) 21:11:48

背景世界

背景世界の再現性と汎用性

  • 専用/特化型システム
     特定の背景世界に特化されたシステム。
  • 汎用型システム
     背景世界に依存しない基本(コア)ルールと、背景世界に応じた追加(オプション)ルールを併用するタイプのシステム。

ジャンル

  • ファンタジー fantasy
     狭義には、非科学的な架空要素が大きな特徴となる世界。科学が未発達な文化・文明を背景としている場合が多いが、科学が発達した文化・文明を背景としたファンタジーも少なからず存在する。
     広義には、架空要素を持つジャンル全般を示し、いわゆるSFなども含む。
     TRPGで用いる場合、狭義の意味であることが多い。
     なお、ファンタジーを小分類する「○○・ファンタジー」の呼称は、いずれも便宜的に区分するためのもので、厳密な定義ではない。
    • ハイ・ファンタジー high fantasy
       広義には、現実世界からの独立性が極めて高い異世界、別世界。
       狭義には、後述のハード・ファンタジーと同義。
       細かい定義は人によって異なるため、ロー・ファンタジーとの境界線は曖昧である。
      • ハード・ファンタジー hard fantasy
         ハイ・ファンタジーの中でも、特にシリアスでリアルなもの。物語的な面白さよりリアリティが重視される。
         些細な部分まで極めて綿密に作りこまれた「実在するかのような」異世界を舞台とし、その世界の歴史や伝説、歴史的人物について語る場合が多い。
      • ライト・ファンタジー light fantasy
         ハイ・ファンタジーの中でも、どちらかと言えばライトでコミカルなもの。リアリティより物語的な面白さが重視される。
         必要最低限の部分だけが作られた「現実世界に比較的近い」異世界を舞台とし、その世界の日常について語る場合が多い。歴史や伝説、歴史的人物に深く関わる場合もあるが、シリアスさやリアルさに欠けていることが多い。
         また、物語的な面白さが重視されるファンタジー全般を、背景世界を問わずライト・ファンタジーと称する場合もある。
    • ロー・ファンタジー low fantasy
       現実世界に架空要素を混在させた世界。元々はハイ・ファンタジーの対義語で、ハイ・ファンタジーに含まれないファンタジー全般を指す。
       例えば、「魔法族が非魔法族から完全に隔離された社会を築き、現代になってもその存在が一般には隠匿され続けている小説『ハリー・ポッター』シリーズ」などがある。
      • エブリデイ・マジック everyday magic
         実在する現実世界(の架空地域)でありながら、架空要素が日常化している世界。
         例えば、「現代では実現し得ない驚異的な技術の塊が存在しているのに、それを日常的なものとしているマンガ『ドラえもん』」などがある。
  • SF Sciense Fiction
     科学が発達し、現実世界で実現化していない科学技術や空想科学が、実在している世界。
  • 歴史/時代もの
     過去に実在し、一般に知られている歴史に基づいた現実世界(の架空地域や架空時代)。
     TRPGの性質上、史実を厳密に再現するより、現代劇や時代劇などのような芝居的リアリティや史実に基づいた架空歴史ものの色彩が強い。
    • 古代
       過去に実在した、文明が未発達な時代の現実世界。
    • 中世
       過去に実在した、科学が未発達な時代の現実世界。
    • 近代
       過去に実在した、科学がある程度発達した現実世界。
    • 現代
       現実世界の現代。
    • 近未来
       現実で将来実現するであろう架空要素が実現化した、現実世界の架空の将来。
    • (遠)未来
       現実に基づかない完全な架空要素が実現化した、現実世界の架空の将来。
    • 伝奇もの
       現実世界の神話や伝説、(信憑性の低い)歴史的事実に基づいたフィクション。
  • クロスオーバー crossover
     複数のジャンルが複合した世界。
  • パラレル・ワールド parallel world
     ほとんど同一だが決定的に異なる点を持つ、複数の世界。
     元々は同一の世界だったものが、何らかの理由で分裂し異なる変化を遂げたものと、最初から全く別の「偶然似ただけ」のものとがある。

架空要素

  • 生命体
     現実世界では確認されていないが、その世界では存在が確認された生命体。
    • 合成型生命体
       異なる複数の実在の生命体(知的であるとは限らない)を部分合成した生命体。
       自然発生的なタイプと人工合成されたタイプとがあり、一般に「キメラ」あるいは「キマイラ」と称される場合、人工合成されたものあることが多い。現実世界の神話や伝説から採られたものも少なくない。
       例えば、いわゆる「ネコ耳」種族や、ギリシア神話に登場する「キマイラ」「ミノタウルス」など。
    • 知的生命体
       その世界の人間(≒現実世界の地球人)とは異なる知的生命体。
       例えば、異星人や、いわゆるエルフ、ドワーフなどの亜人など。
    • 非物質型生命体
       その世界における肉体を持たない生命体。知的であるとは限らない。
    • 擬似生命体
       厳密には生命体ではないが、生命体特有の能力(の一部)を再現可能なため、生命体であるかのように錯覚させられる存在。
      • 有機的擬似生命体
         生きていない状態の有機物で肉体を構成する擬似生命体。
         例えば、スケルトンやゾンビのようなアンデッドなど。
      • 無機的擬似生命体
         生命を持ち得ない無機物で肉体を構成する擬似生命体。
         例えば、ガーゴイルのような無機ゴーレム、漫画『鉄腕アトム』のアトムや漫画『ドラえもん』のドラえもんのような自立型ロボットなど。
      • 非物質型擬似生命体
         その世界における肉体を持たない擬似生命体。
         例えば、幽霊など。
  • 架空物質
     現実世界では確認されていないが、その世界では存在が確認された物質。他の架空要素が存在する要因となる場合もある。
    • 既存物質の架空的性質
       現実世界に存在する物質/物体に、架空の(特殊な)性質を与えたもの。
       例えば、魔法金属の性質を与えられた銀など。背景世界によっては、通常の銀とは別に、より魔法金属としての性質が強められた魔法銀が存在する。
  • 架空技術
     現実世界では未発達だが、その世界では何らかの理由/要因で発達した技術。
    • 空想科学
       現実世界では確認されていないが、その世界では確認された(架空の)物理法則に基づいた科学。
      • 魔法機器/アーティファクト Artifact
         空想科学と魔法/魔術を混合して作られた機器。単に「魔力をエネルギー源とした機械」である場合と、それに加えて「物理的に機械として成り立たない部分を、魔法/魔術の補助によって構成してある」場合とがある。
         アーティファクトの原義は「人造物」「工芸品」などだが、マジック:ザ・ギャザリングで魔法機器を「アーティファクト」と称したことから広まったと思われる。
    • 魔法/魔術
       主に技術な手段を用いて意識的に引き起こされる、人為的な超常現象。特定の条件が揃った自然地帯や場所そのものなど、術者以外が持つ何らかのエネルギーを源にしている場合が多い。魔法あるいは魔術に用いられるエネルギーを、一般に「魔力」と呼ぶ。
       「魔法」や「魔術」についての厳密な定義は、背景世界により様々である。また、超能力と厳密に区別できない背景世界もある。
       なお、その世界の独自性を打ち出すために、「魔法」や「魔術」およびそれらに関連する事象に、独自の呼称を用いる場合もある。
       例えば、ライトノベル『灼眼のシャナ』の「自在法」など。
      • 呪文
         超常現象を引き起こす、音声化された文章。会話語による呪文と専門語による呪文とがあり、一般にどちらか片方のみが有効。
         多くの場合文字が存在し、文字の状態では超常現象は起こらず、文章を全て音声化して初めて超常現象を起こすことができる。特定の身振りや消耗品などの付加条件を伴う場合もある。
         効果の継続時間は、多くの場合一時的。しかし、何らかの理由で永続的な効果を持つものも少なくない(例えば、治癒の魔法が「効果時間が切れて再び負傷や病を得る」ことはない)。
      • ルーン(文字)/魔法文字 Rune
         超常現象を引き起こす図形のうち、文字としても用いられる比較的単純なもの。一文字ごとに何らかの意味を持ち、用途に応じた文字を既存の道具に刻むことが多い。
         効果の継続時間は、図形が保たれる限り永続するものがほとんど。
         本来、ルーン(文字)は魔法文字の一種だが、魔法文字一般を指して「ルーン(文字)」と称する場合もある。
         ルーンruneの原義は「秘儀」であり、古代北欧人が用いた文字を指す。魔力を持つと言われ占いやお守りにも用いられる。
      • 魔法陣
         超常現象を引き起こす図形のうち、幾何学図形と文字を複数組み合わせた複雑なもの。描かれる図形は用途に応じて多様である。魔法陣の内域と外域は魔法的に“隔絶”されており、内域に特殊な力場を一時的に発生させることが多い。
         効果の継続時間は、魔法文字と同様に、図形が保たれる限り永続するものがほとんど。
      • 魔法物質
         物理法則ではありえない超常的な性質を持つ物質。一般に、超常現象を引き起こす能力はないが、特定の用法で超常現象を引き起こしたり、他の超常現象を引き起こす媒介となったりすることも少なくない。
         架空物質の項も参照のこと。
      • 身振り
         誰でも可能だが通常は行わない特定の身振りを、超常現象を引き起こすトリガーとするもの。
         例えば、ドラマ『奥様は魔女』の「鼻の頭を左右に数度動かす」、18禁ゲーム『Fate/stay night』の「指差しによるガント(呪い)撃ち」など。
      • 錬金術 Alchemy
         魔法/魔術と科学の中間に位置する技術。TRPGでは、魔法物質(薬品)を生成する技術を示す場合が多い。
      • 付与魔法 Enchant
         物理法則にのっとった性質を持つ物質に、超常的な性質を付加する技術。主に呪文や魔法文字を介して付加される。
  • 超能力
     主に個人や集団の意志により意識的・無意識的に引き起こされる、人為的な超常現象。術者に内在する何らかのエネルギーを源にしている場合が多い。
     科学が発展した背景世界では、超能力を機械で発生させるシステムが存在する場合もある。
  • 異界
     全く異なる文化・文明・物理法則などを持つ(一般には知られていない)場所。物理的に隔絶されているとは限らない。
     異界間での移動や干渉は、一般に困難あるいは不可能で、一般的でない特殊な技術や能力、あるいは特定の条件下や偶発的な事象によってのみ可能となる場合が多い。また、物理的な移動は不可能でも、精神だけが異界へ移動できる場合もある。