勇者デンジュモクの冒険2

Last-modified: 2017-07-28 (金) 13:14:22



前回までのあらすじ
魔王討伐を目指すデンジュモク、ナマコブシ、マッシブーン、カミツルギは賢者のひとり、戦のコケコに特訓を受けることになった!


その1か月後…………
デンジュモク「か……体が痛い」
カミツルギ「筋肉痛~」
ナマコブシ「なかなかスパルタな特訓でしたねえ……」
マッシブーン「そうか? 俺は楽しかったが」
カミツルギ「ええ!?」
ナマコブシ「タフですね……」
デンジュモク「それはそうと、とりあえず賢者から力を授けてもらうことはできたな!」
ナマコブシ「スタンプですけどね……僕たちはスタンプラリーの旅でもしているんでしょうか……」
カミツルギ「やめてよ後悔しそうになる!」
マッシブーン「で、次の賢者がいるのがこの森か?」
デンジュモク「まあな……命の賢者、テテフだ」


カプ・コケコ『テテフか……気を付けろよ、あいつは決して悪い奴とかめんどくさい試練があるとかはないんだが……
なにぶん命を自由に操る力を持っているから暴走しやすい』
デンジュモク『めんどくせーじゃねえか!』


ナマコブシ「ずいぶん森の奥に進みましたね、そろそろ見つかるんじゃないですか?」
カミツルギ「そうだね、ん……? なんだか周りが、歪んで、…………う、うわああああ!」
デンジュモク「どーしたカミツル……なっ……!?」
???「デンジュモクさん……なんであっしらを助けられなかったんすか……」
???「信じてたのに……」
デンジュモク「お、お前ら……許してくれぇ……俺が……俺が……ッ」
マッシブーン「な、なんだ? これは」
カミツルギ「みんなぁ! 死なないで! ごめんなさい……僕が薬持ってくるの遅かったせいでぇ……」
ナマコブシ「デンジュモクさん! それはおにぎりじゃありません! 帽子です! 何度言ったら……」
マッシブーン(みんな、幻覚を見ているのか……?)


???「フフ、みんな惑わされてるようだね」
???「そうだな」
マッシブーン「ちょーっと待った」
???「!? なんで!? 私達の幻が効かないなんて!」
???「これは対象のトラウマを見せつけて戦意を削ぐ幻……まさか、貴様……」
マッシブーン「そう。 俺の人生にトラウマなんてなーい! 栄光しか見えないぜ! さあ、幻を解くんだ」
???「…………仕方ない、ようね。 赤」
???「ああ」


デンジュモク「魔王の刺客ぅ?」
ウツロイド「そ。 魔王側も賢者の力で女神を復活させられてしまうことがわかってね。 たまにこの森にも刺客を送ってくることがあるの」
赤ウツロイド「私達もこの森の住人として、森を守ろうとしたんだ」
ナマコブシ「なるほど……でも関係無い人を巻き込んじゃダメですよ」
ウツロイド「そうよね……あ、そうだ! 私達も勇者一行に着いていっていい?」
デンジュモク「えッ!?」
赤ウツロイド「ウツロイド!?」
ウツロイド「魔王を倒さなきゃ、どっちにしろ刺客が来るのにはかわりない。 それに見たところ、戦えるのは3人しかいないんでしょ? 私達は白と赤の魔法使い<パラサイト>。 きっと力になれる」
デンジュモク「そういうことならまあ……」
マッシブーン「仲間だな!」
カミツルギ「よろしく!」
赤ウツロイド「ああ、よろしく」
ウツロイド「よろしくっ!」


ナマコブシ「そうだ、2人はテテフさんの居所知ってるんですか?」
赤ウツロイド「まあな」
ウツロイド「あっちの川の近くにいるんだけど……
はっきり言って「ウツロイドーー!」……」
カプ・テテフ「ちょうどいいところに! 新しい試作品ができたんです! あれ、そちらの方達は?」
赤ウツロイド「勇者一行だ。 力を授けてやってくれ」
カプ・テテフ「はい! いいですよ!」
カミツルギ「あれっ? 軽い……」
カプ・テテフ「女神が封印されて困るのはこっちも同じですからね! ただし……」
マッシブーン「ただし?」
カプ・テテフ「私の薬の、実験台になってもらうですぅ!」


ウツロイド「テテフは自分の作り出す鱗粉を使ってよく新しい薬を作るんだよ」
カミツルギ「! それって病気は……」
赤ウツロイド「期待させてすまない、残念ながら体が大きくなるとか人格が入れ替わるとかピカチュウになるとかそういう薬しか作れないんだ。 それにまず、テテフ自身がこの力を上手く扱えていない」
カミツルギ「そっか……」
カプ・テテフ「でも、いつかそういう薬も作れるようになりたいですぅ! さ、この薬セットをどうぞ!」
デンジュモク「な、なんの薬なんだ? これは……」
カプ・テテフ「超パワーアップの薬ですぅ! 身体を活性化させて一時的にすっごく強くなれますよ!」
デンジュモク「そりゃいいな! んぐ……む」
ブシャアアアアア!
カミツルギ「うわああああ! 鼻血がァ!」
カプ・テテフ「あれえ? 入れる量間違えましたかねえ……皆さんもどうですか?」
マッシブーン「……遠慮、しておく」
カミツルギ「僕も……」
ウツロイド「アララ……」
赤ウツロイド「まあ、いつものことだな。 そうだテテフ」
カプ・テテフ「どうしたんです?」
赤ウツロイド「私達はこの一行に着いて行く。 魔王を倒すんだ。 今まで、世話になったな」
カプ・テテフ「2人とも……はい。 きっと……勝ってくださいね!」
ウツロイド「うん!」


デンジュモク「結局余りの薬貰っちまったなあ」
カミツルギ「まあいいじゃん、何かに使えるかもしれないし」
ウツロイド「これで、賢者のスタンプは2つ目なんだね」
マッシブーン「そうだな。 次は砂漠に行く」
赤ウツロイド「砂漠? というと……」
ナマコブシ「実りの賢者、ブルルさんですね」


ナマコブシ「セーブしますか?」
デンジュモク「はい」
ナマコブシ「前回のデータに上書きしてもよろしいですか?」
デンジュモク「…………はい」
ナマコブシ「…………セーブが完了しました!」
デンジュモク「毎回なんなんだよこの儀式はァ!」
ナマコブシ「まあまあいいじゃないですか、デンジュモクさんももう寝ましょうよ」
デンジュモク「ああ、そうだな……おやすみィ」
ナマコブシ「おやすみなさい」


その頃、別の場所
魔王兵「ひいい! 強いぞコイツ!」
???「…………」


続く