勇者デンジュモクの冒険4

Last-modified: 2017-07-28 (金) 13:16:53



前回までのあらすじ

孤高の強さを持つ戦士、ネクロズマと戦い、自らの力不足や覚悟の未熟さを知ったデンジュモクとナマコブシ、マッシブーン、カミツルギ、ウツロイド、赤ウツロイドは、精神を鍛えるという賢者ブルルのもとへ来ていた!


カプ・ブルル「ほう……それでお前たちは精神を鍛えたいと」
デンジュモク「ああ! 頼むぜおっさん!」
カプ・ブルル「フム……その気迫、ネクロズマを思い出すな」
赤ウツロイド「知っているんですか?」
カプ・ブルル「知っているも何も、ネクロズマはここで修行を受けた勇者のひとりだ。 まあまずは上がりなさい」


カプ・ブルル「ネクロズマ……今や閃光の大神官<シャイニング>なんて呼ばれているが、もともと彼奴は女神フェローチェを護る戦士だったんだ」
マッシブーン「女神を護る戦士……だが女神は」
カプ・ブルル「そうだ。 彼奴は魔王に敗北し、女神を封印されてしまった…… その1か月後、ネクロズマはここに来たんだ」
デンジュモク「…………そうか(アイツも……守れなかったんだ)」
カプ・ブルル「では修行に移る。 皆座禅を組んで並びなさい」
ウツロイド「……あの、明らかに座禅できないメンバーがいるんですが」
カプ・ブルル「…………ご 都 合 主 義 だ ☆


カミツルギ「…………(むー)」ピクッ
カプ・ブルル「喝ッ!」バシッ!
カミツルギ「痛ぁッ!」
カプ・ブルル「まだまだ集中力が足りないぞ。 ナマコブシを見ろ」
ナマコブシ「……Now Loading……」
カミツルギ「ちょッ怖いよ! ナマコブシがすごくこの世界の根幹に関わることを口走ってるゥ!」
マッシブーン「案ずるな。 こういうのは納得したモン勝ちだ」
ウツロイド「そうそう」
赤ウツロイド「諦めろ」
カミツルギ「えっ僕がツッコミなの!? おかしいってねえ!」


デンジュモク「…………」
カプ・ブルル「喝ッ!」バシッ!
デンジュモク「あ痛ァ! ちょ俺動いてねーだろ!」
カプ・ブルル「……雑念」
デンジュモク「へ?」
カプ・ブルル「お前はまだ、自分と向き合えていない。 少し外の空気を吸ってきなさい」
デンジュモク「……へーい」


ナマコブシ「デンジュモクさん……」
ウツロイド「ねえ、ナマコブシ」
ナマコブシ「なんです?」
ウツロイド「ナマコブシってデンジュモクと古い付き合いだよね。 勇者狩りの時の反応で昔何かあったことは明白だけど、何があったの?」
マッシブーン「ああ、それは気になるな」
カミツルギ「幻覚に見てた……よね」
赤ウツロイド「許してくれと言っていたな」
ナマコブシ「そうですね……どこから話せばいいんでしょう……僕も当時のことは本人に聞いただけなんですが……とりあえずデンジュモクさんが住んでいた村の話からしますね」


デンジュモク「…………ハア……」
ネクロズマ「どうした? 今もひとりか」
デンジュモク「うおっ驚かせんじゃねえ!」
ネクロズマ「諦めて帰ったものだと思っていたからな」
デンジュモク「…………なァ、お前も何かを守れなくて、その償いに戦ってるのか」
ネクロズマ「……賢者から聞いたな
まあ守れなかったというのは本当だが、償いではないな。 取り返すためだ」
デンジュモク「ふーん……女神ってどんな人?」
ネクロズマ「…………少なくともお前が思うような、聖母のような人格ではないぞ。 我が儘で人の話は聞かないわ、民のことは考えないわ……最悪の女神だな」
デンジュモク「…………」
ネクロズマ「だがアレでもいないはいないで……面白くない
それに……アレを守るのが仕事だからな」
デンジュモク「ふーん……お前女神のコト好きなんだなwwww」
ネクロズマ「ばっ……別にそういうのじゃない、ただアレのいないこの国が静かすぎるだけだ」
デンジュモク「ふーんwwww」
ネクロズマ「……煩いぞ
それよりさっき『お前も』と言っていたが、お前は何かあるのか? 言いたくないのなら言わなくていいが」
デンジュモク「……イヤ、言うわ
あれは数年前の話だ」


グソクムシャ『デンジュモクさん!
今日もよろしくお願いします!』
アメモース『今日は何やるんでしたっけ?』
ミロカロス『体力増強……だったかしら』
アリアドス『キツそうっすねー』
ヤトウモリ『それでもやるっすけどねー』
ヌメルゴン『楽しみ~♪』
デンジュモク『おう! 行くぞお前ら!』


デンジュモク「俺が、」


ナマコブシ「大切なものを守れなかった話……です」


続く