勇者デンジュモクの冒険5

Last-modified: 2017-07-28 (金) 13:18:08



前回までのあらすじ
賢者ブルルのもとで修行中のデンジュモク、ナマコブシ、マッシブーン、カミツルギ、ウツロイド、赤ウツロイド

とうとうデンジュモクの過去が明らかになるのであった!


ーあれは、数年前の話だ。 その頃俺がいた村はド田舎の貧しい村でな……
村の中じゃあ俺だけしか魔法を使えなかった。
ーだから俺ってばちょっと威張ってた訳さ。 今となっては黒歴史だけどな
ーそんな俺に、あるとき『あいつら』が現れた。

コソクムシ『あの……もしかして貴方はあの有名なデンジュモクさんですか?』
デンジュモク『あ? そうだけど……』
ヤトウモリ『やっぱり! あの! 俺たち貴方に弟子入りしたいんす!』
ヒンバス『私達弱いからいじめられてて……』
イトマル『強くなっていじめられないようにしたいんすよ!』
アメタマ『お願いします!』
ヌメラ『お願い!』
デンジュモク『…………ったくわーったよ』
弱虫『『!!』』
デンジュモク『ただし! 俺ァ中途半端なことはしねェ! やるなら本気でやるからな!』
コソクムシ『望むところっすよ!』

ー単純に、俺は弟分が欲しかったんだろうな……こうして、俺と『あいつら』は出会った


デンジュモク『オラ走れ! そんなんじゃ強くなれねーぞ!』
コソクムシ『はい……ッ!』
ヤトウモリ『ハア、ハア……キツイっすねぇ』

ーなんとなく俺はあいつらの師匠になっちまったわけだけど、レベルアップはしているようだった

コソクムシ『……!』パアアア
イトマル『これは!』パアアア
アメタマ『とうとう……』パアアア
ヒンバス『来たわね』パアアア
ヌメラ『進化が!』パアアア


ー長い時間が経って、あいつらは凄く強くなった。
ーもう誰にもいじめられなくなり、村でも信頼されるようになっていった。
ーそんな時期だったよ。 女神が封印されて魔王軍が勢力を広げたのは

???『この村で戦える奴は出てこい! さもなくば……やれ』
魔王兵『はっ』ドゴッ
ミロカロス『!! 家が!』
デンジュモク『シッ! 静かにしてろ!』
ヌメルゴン『でも、村が……』
アリアドス『村人も何人か人質にとられてんすよ!』
デンジュモク『出ていったら何されるかわかったもんじゃねえだろ!』
アメモース『…………』
グソクムシャ『分かりやしたデンジュモクさん、俺らだけで行きます』
デンジュモク『ハア!? 何言って……』


ヤトウモリ『ここにいるっすよ!』
ミロカロス『村人たちを解放しなさい!』
???『ほう……なかなか強そうな奴らだな……6人か。 わかった。 私が直々に相手してやろう……』

ー俺は…………ずっと隠れてた。
ー情けねーよなぁ……俺あいつらの師匠だってのに…


グソクムシャ『く……っ うう……』
???『一般人にしてはよくやったほうだがな。 まあ私に勝てる者など存在しないが』
デンジュモク『……ッ! 待て!』
???『? 何だ貴様は』
デンジュモク『俺はそいつらの師匠だ! そいつらを離せ!』
???『度胸もないような輩の命令を聞く筋合いはないな……』シュン
デンジュモク『!!』

ーその野郎は魔王兵と、あいつら6人と共に……消えた


ネクロズマ「…………そうか」
デンジュモク「……こうやって人に話すのは2回目だな
…………あー喋ると楽になるモンだなァ……俺さ、あいつらにまた会って謝りたいんだ。
もう逃げないって……伝えてやりてえ」
カプ・ブルル「……それでいい」
ネクロズマ「! ブルル殿」
デンジュモク「おっさん」
カプ・ブルル「お前さんは、決意はあってもまだ覚悟……何のために戦うのかが決められていなかった。
こうして誰かに話すことで定まったようだな」
デンジュモク「…………賢者」
カプ・ブルル「それと、仲間に隠し事はしない方がいいぞ」
デンジュモク「えっ!? あ、お前ら!」
カミツルギ「デンジュモク! 何秘密にしてんのさ!」
赤ウツロイド「キャラに合わんことしおって」
マッシブーン「それじゃあまるで主人公みたいだぞ」
ウツロイド「イヤ、主人公なんだよ」
デンジュモク「…………ナマコブシお前」
ナマコブシ「アハハすいません喋っちゃいました。 でも……悪いことはないでしょ?」
デンジュモク「! ……ま、そうだな」


デンジュモク「なぁネクロズマ、お前これからどうするんだ?」
ネクロズマ「我は……変わらず各地を回って鍛錬を積む予定だが」
デンジュモク「もしやることないんだったら、俺たちと一緒に行かねーか?」
ネクロズマ「…………すまないが遠慮しておく。 お前たちと一緒にいるとバカが移りそうだからな」
デンジュモク「んだと!?」
ウツロイド「まあまあ」
カミツルギ「て言うか僕らもう人数的に充分だしね」
マッシブーン「こうして見るとなんだかライバルみたいだな!」
ネクロズマ「ライバル……フ、悪くない……それでは失礼する」
デンジュモク「おう、またな」


赤ウツロイド「次の目的地は海沿いの洞窟か……」
ナマコブシ「最後の賢者、彼岸のレヒレさんがいるところですね!」
デンジュモク「よし、いくぞお前ら!」


ナマコブシ「セーブしますか?」
デンジュモク「はい」
ナマコブシ「前回のデータに上書きしてもよろしいですか?」
デンジュモク「はい」
ナマコブシ「セーブが完了しました!」
デンジュモク「一体この儀式には何の意味があるんだろうな……」
ナマコブシ「さあ……」


続く