湯たんぽ

Last-modified: 2008-11-09 (日) 00:14:10

タイトル : 「君と僕」
著者名  : 湯たんぽ
ジャンル : 悲劇の出産
本文  :
 
君の顔を見るだけで満たされていた
声を聞くだけで幸せだった
 
ただ君に逢いたくて
僕は道を急いだ
 
君はいつも楽しそうに笑っていて
そんな君といる僕も
自然と笑みがこぼれてた
 
君と僕は恋人なんかじゃなかったけれど
君と一緒に居られればそれだけでよかった
 
 
でもあの日、全てが変わった
 
 
君の声はいつもより明るくて
とても幸せそうだった
 
何があったのかな、と思っていると
君は愛しそうにお腹を見つめ
子供ができたの、と言った
 
僕はなんとか祝福しようとしたけれど
伝えられなかった気持ちが邪魔をして
何も言うことができなかった
 
 
全てがどこか遠くで起こっていることのようで
 
 
僕はただ静かに
 
パソコンの電源を落とした