宿屋

Last-modified: 2024-05-12 (日) 06:03:01

登録日:2018-05-05 (土) 02:14:16
更新日:2024-05-12 (日) 06:03:01
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Tag: 宿屋 ホテル RPG ゲーム用語 INN ゆうべはおたのしみでしたね 旅館 モーテル 民宿 回復 宿泊 宿泊施設 お泊まり ビジネスホテル カプセルホテル ゲストハウス 旅館業法



ゆうべはおたのしみでしたね

概要

宿屋とは、宿泊施設の一種である。英語?で言うと「inn」。ホテルとは施設の規模で区別されることが多い。
日本国内でも「東横イン」、「ルートイン」、「ドーミーイン」など、「INN」の看板を掲げているチェーンがある。

大抵料金は食事により変わってくる。特に旅館の場合、部屋の設備よりは食事のランクで料金は変わる。
料金先払いか後払いか、現金しか対応していないかクレジットカード?が使えるかは場所による。

色々な宿屋の種類と主な特色

ホテル

基本的にINNよりは規模が大きめの洋風旅館。当然料金もお高め。一泊1万~10万円なところが多い。
現代では「宿」と言われて真っ先に思い浮かぶのはこれが多いだろう。

日本では「シティホテル」や「リゾートホテル」といった、一定以上の設備が充実した宿泊施設を指すことが多い。
こうしたホテルの大抵はレストランやバー、結婚式?場、大規模宴会場といった宿泊以外の施設にも注力しており、これらを利用するために(それも格式や贅沢さを求めて)訪れる客も多い。

海外では富裕層向けに、一泊数十万~百万円はする超豪華なホテルや、カジノが併設されているホテルもある。

モーテル

「モーターホテル」の略称で、自動車に乗ったまま入場できる安価な宿泊施設のこと。
特にアメリカ?で発達した施設であり、旅のお供としてお馴染み。映画にも出てくる。
…のだが、日本だと何故か妙にいかがわしいイメージが定着してしまっている。

B&B

「ベッド&ブレックファスト」。イギリス発祥の小規模な宿泊施設。家族経営である場合が多い。
名前の通り、朝食?が料金に含まれているのが特徴。

木賃宿(きちんやど)

食事が料金に含まれていない安価な宿。別名「素泊まり」。
食事をしたければ炊事に使う薪代を払わなければいけないからこの名前が付いた。

旅籠(はたご)

食事が付いた本格的な和風宿。旅の醍醐味。

本陣

本来は戦場の指令拠点だが、江戸時代には大名や旗本などだけが利用できそれ以外の一般客は相手にしない宿泊施設という意味になった。参勤交代用の宿という意味合いが強かったので、明治維新以降は姿を消した。
……が、現代でも旅籠以上の格調高い和風旅館の屋号や売り文句として「本陣」を採用しているケースは少なくない。

旅館

食事、温泉?、景色などを売りにした現代の旅籠。浴衣と?でゆったり寛げる和風宿。
着物?を着た女将さんと仲居さんたちが出迎えてくれる。
基本的に団体客がターゲットで、大抵は宴会用の大広間が存在する。芸者やコンパニオンを呼んでのどんちゃん騒ぎは旅館の名物。
提供される食事は日本料理が多い。
一方でほとんどの旅館はぼっち?お断り*1
ラブライブ!サンシャイン!!?』の聖地・安田屋旅館に泊まろうとして断念せざるを得なかったぼっちライバーは数知れず……。
一方で、『ガールズ&パンツァー?』で二度にわたって破壊された事でお馴染み「肴屋本店」の様にお一人プランを用意し、巡礼者を積極的に迎えるスタイルを取るところも。

ビジネスホテル

略してビジホ。アパホテル、東横インなどが代表例。
「泊まる」という最低限の機能だけを維持した現代の木賃宿。
旅館とは逆に一人客がメインで、部屋はシングルルームが多く、室内はベッドでほぼ埋まるほど狭い。
ただし「ビジネス」ホテルなだけあって、Wi-Fi、ズボンプレッサー、コインランドリー、コピーサービスなど、ビジネス客向けの設備・サービスは充実している。更にホテルによっては仕事終わりのお楽しみのVODやボディケアサービスも提供している。

食事に関しては、サービスを各社競っているためケースバイケース。一応レストランは1軒だけあるが、バーや宴会場といったレストラン以外の施設は無い場合が多数。
素っ気ないところだと?の塩焼き定食くらいしか出してくれないが、力を入れているところだと有名ブランドのパンが食べ放題というように結構差がある。
そうでなくても客の需要やコスト削減の観点から大抵は(シティホテル程豪華ではないが)ビュッフェスタイルが採られる。それでも基本的に納豆や焼き魚、スクランブルエッグ?、ベーコンといったありふれた料理しか出ないが、それだけにご当地の名産が提供されているとちょっと嬉しい。
また、ビジネスホテルのレストランは「宿泊客に朝食を提供する」ための存在で、基本朝食の時間帯しか空いていない(ルームサービスもまず無いと言っていい)が、ドーミーインなどのように夜間に軽食をサービスしてくれるチェーンもある。

それでも清潔・交通の便が良い・一人でも泊まれる・何より割安と何だかんだで使い勝手は良く、ビジネスだけでなく観光目的で利用する客も多いはず。
所在地にアニメの聖地がある場合、ロビーに関連グッズやPOPをバンバン飾るビジホも見られる。格式という枷の無いビジホだからこそ取れる集客手段と言えよう。

カプセルホテル

ビジネスホテル以上に機能を削ぎ落した宿泊施設。実は日本発祥で、最近では機能を極限までそぎ落とした点が「近未来っぽい」とかで外国人にも人気らしい。
居室は「立って半畳寝て一畳」を地で行くほどにこれ以上ないぐらいの省スペースだが、実際はそこまで狭くは感じない(個人差はあるだろうが)。
テレビやコンセントがあることが多く、施設によっては漫画を持ち込めたり共有スペースに置いてありそこで読み放題だったりするため意外と退屈はしにくいかも。
ただし遮音性が低いので、隣の人のいびきなどで眠れないというリスクも考えられる。
またサウナ施設が併設されていることが多いため、大浴場やサウナが好きな人であれば破格のコスパ。そうでなくとも基本ビジネスホテルより安い。更に予約無しで利用できるところもある。
ただ、ホテルによっては男性専用・女性専用と分かれているところも少なくないので、よく確認しよう。

ラブホテル?

通称「ラブホ」。一昔前はこれが「モーテル」と呼ばれることもあった。
18禁。♡♡♡(アーン)な行為をするための宿泊施設。そのためか通常のホテルなら旅館業法の適用を受けるところ、ラブホは風営法の適用を受ける。
諸々の事情で幹線道路や高速道路の脇に建っている事が多い。遊園地のような変わった造りをしている建物が多いことでも知られ、あと回転ベッドなどなど珍しいギミックもその手のマニアには人気とか……。
宿泊だけでなく休憩のためのプランもあれば、最近では女子会やシルバー層向けのプランに注力しているところもある。
創作作品?では、「受付が機械なので顔を見られない」という理由で宿に選んだ人も。年頃の少女?がいつどうしてそれを知ったのか

民宿

個人経営の小規模な宿泊施設。一番伝統的な「宿屋」に近い形式かもしれない。
建物や内装や食事が西洋風だと「ペンション」と呼ばれる。
宿によっては下記の「ユースホステル」寄りのところもある。

列車や船舶

ブルートレイン?などの寝台列車やフェリーには、長距離を一晩以上かけて進むために乗客が休める客室がある。
二段ベッドのみで狭い部屋もあるが、グレードの高い部屋や豪華客船だと正に「走る(動く)ホテル」と呼べるほどになる。

コテージ

小型の家一軒を丸々借り受ける形式の宿泊施設。
基本的に避暑地や湖畔など風光明媚な場所にあり、宿泊者は風景やアウトドアを楽しめる。

ユースホステル

世界中に存在する。施設を管理し食事などの提供を行う「ペアレント」がいるが、基本的に食事の配膳と後片付け、寝室の準備や清掃まで利用者が行うのが原則。*2
寝室も基本は男女別の相部屋だが、家族部屋などを設ける施設も増えている。
相部屋という関係上、初対面の相手との交流が増える傾向にあり、一般的なホテルや旅館とは全く違う側面を持つ。
また場所によっては「ミーティング」という全員参加の交流会のあるユースホステルもあり、これらの点からコミュ障な人にはハードルが高いかもしれない

ゲストハウス

ユースホステルより安価な宿で、主にバックパッカー向け。施設にもよるがトイレやシャワーなどの水回りが共有となっている。
多くの国ではこの定義だが、イギリスでは大規模なB&Bを指す。

ドヤ

現代に続く木賃宿の末裔のような施設で、通常のホテルではありえないほど安価で宿泊できるのが特徴。簡易宿泊施設とも呼ばれ、カプセルホテルとは別の意味で泊まることに特化した施設である。
まさしく安かろう悪かろうを地で行くもので、快適性や清潔さ、プライバシーや防災意識のレベルは総じて低く、死者が出る火災が発生したことも……
もともと主な利用者は出稼ぎや日雇いの肉体労働者であり、各都市でドヤが密集した「ドヤ街」と呼ばれる地域が形成されると、そこが肉体労働者達のメッカとなった。労働者達は稼いだ日銭から宿泊費を捻出し、半ば定住するような形で部屋に滞在することが多かった。
貧しく余裕の無い人間や、それを食い物にする犯罪者などが出入りすることが多かったため、現在では「ドヤ街」は昭和の負の遺産として、ほぼ侮辱や罵倒の意味を持つ差別用語となりつつある。
その他、アパートの家賃が払えない貧しい高齢者が住居として利用していることも多い。
現在、有名なドヤ街は東京都?の山谷、神奈川県の寿町、大阪府のあいりん地区など。
興味本位で立ち入るべきではないエリアばかり。特にあいりん地区はやばい。
ちなみに、ネットカフェはその性質や客層から「現代化されたドヤ」と称されることもある。


RPGでの宿屋

なぜか宿泊するだけでHPとMPが全回復する回復施設として登場する。
HPとMPそれぞれ1ポイント単位で回復させるのに料金が比例してかかる場合?や、部屋のグレードが高いほど効果が大きくなるという作品?や、どのグレードで泊まっても効果が同じな作品?*3もある。
「INN」の看板の意味がわからず戸惑った子供も多いのではないだろうか。

基本的に料金は現実と比較すると格安。泊まれないと詰むので仕方ないが。
後半の町程料金が上がる傾向にあるが、それで効果に差は無い。
ただし、回復量と費用が比例する場合は高額になるためあらかじめ回復魔法でHPを全快させてから泊まることでかかる費用を節約するケースもある
また、「満室のため宿泊を断られる」ということも基本的にはない。

なお、大抵の場合料金は「基本料金×パーティー人数」という単純な計算になる。
ゲームによっては「何人泊まっても料金は一律」だったり「無料で利用できる」ということになっていたりと、それで商売が成立するのか心配になるような宿屋もある。
前者はみんなで一緒に大部屋にでも泊っているのか、後者の場合プレイヤーが使用する財布とは別の、隠れた生活費用財布からでも支払われているのか……?
また、基本的にはRPGでは食事や空腹などの概念を入れるとゲームシステムが煩雑になりプレイに悪影響を及ぼすので、ゲーム本体では採用しないが、小説など外伝作品の類では食事は宿屋で宿泊休憩込みで取っている場合が多い。

一晩寝るだけで死亡してなけりゃ全回復するとか、一体どういう肉体をしているのか謎過ぎるが、その辺はゲーム的な都合という奴である*4*5

どう考えても人が来ないような場所でも平然と営業している場合もある。一体どうやって生計を立てているのか、RPG七不思議の一つと言えるだろう。
逆に、作品世界における観光地の宿屋である場合、他の町の宿屋よりも一回り大きな施設になり、施設名も「ホテル」や「旅館」になっていることがある。
基本的な役割は他の宿屋と変わらないが、ご当地アイテムを売ってくれるお店や、サブイベントの発生する温泉などのレジャー施設が一緒になっていることも多い。

「ゆうべはおたのしみでしたね」もそうだが、若い男女でパーティーを組んで宿泊する以上どうしても♡♡♡なネタは避けて通れない。
流石にゲーム内で明言されるのは初代『ドラクエ』ぐらいだが、二次創作なら間違いなくこの手のネタは登場する。というかエロ同人誌?の定番ネタである。

「宿泊することでイベントが進行する」ことも結構ある。その場合、料金は取られないことが多い。

ゲームにおける宿屋の仲間

主人公の自宅

定番回復ポイント。大抵ベッドは一つしかないが、なぜかパーティー全員が泊まれる。もちろん料金は取られない。
仲間キャラの家でも寝室に入ったりベッドに入ったりすると宿泊できる場合が多い。
ドラクエ3』ではバラモス?を倒すまでは無料で泊まれるが、それ以降は宿泊自体ができなくなる。
ドラクエ10?』ではハウジングで配置した自分の家のベッドはもちろん、生家*6も再建させれば泊まれるし、大魔王となった暁には城の私室も宿屋も無料である。
モンスターハンターシリーズ』でこれに当てはまるのは『MHST?』のみで、それ以外の作品では拠点からの出発時は必ずライフが満タンの状態のため、ベッドはセーブするためだけの設備である。

『メタルサーガ 砂塵の鎖』では母親?がちゃんと料金を請求してくるレアケースで「旅立った以上は甘やかさない。自分の力でどうにか出来ないのなら冒険を辞めなさい」と対応される。
厳しい仕様だが「子供が親元を旅立って独り立ちする」という秀逸な演出にもなっている。

空き家、空き部屋

宿屋が無いような田舎の村や人の居ない廃墟の街や村などでたまに見るパターン。
その空き家や空き部屋を所有している人が好意で貸してくれるパターンもあるが、堂々と不法侵入して勝手に休むパターンが一番多い。
たまに強盗やモンスターに襲撃されるイベントもあるので油断はできないが。
なお類似のものとして山小屋(どちらかと言うと避難小屋だが)などがある。

回復の泉

『ドラクエ』シリーズの定番。調べるとなぜか全回復する不思議な泉。
ただし、作品によっては飲んだり浸かったりするとダメージや?などの状態異常?を受ける泉もあるため、どの泉で回復できるのか知っておかないといけない。
『女神転生シリーズ』でも第一作目から登場し、消耗に応じたマッカを払って全回復する。

ポケモンセンター?

ポケモン』シリーズにおける宿屋的施設。なんと利用料金は何度使っても完全無料という太っ腹。
設置されたパソコンでポケモンや道具の預かり・引き出しも行えるため倉庫的な役割も。
第五世代以降のシリーズではフレンドリィショップやカフェ(第七世代のみ)も合併されている。
ゲーム版では宿泊設備は確認できないが、アニメではベッドなどが設置されており、サトシ?一行がよくお世話になっていた。
なお運営はそのポケモンセンターのジョーイ?さん(と、アシスタントのポケモン)がほぼワンオペで担っている様子。ポケモンの回復に宿泊者の対応にと、どう考えても一人と数匹では人手不足なのでは……。

セーブポイント?

近年の『ファイナルファンタジー』シリーズだと、セーブポイントに触れるだけで全回復する親切仕様になっている。アクションゲームにも多い。何でそれだけで怪我が治るんだという疑問が出てくるが。
ともあれ、再開時に全快の状態で始められるため地味にありがたい。

テント/コテージ

セーブポイントにまだ回復機能が無かった昔の『ファイナルファンタジー』シリーズではお馴染みだったアイテム。
『1』と『6』ではさらに寝袋があり、寝袋→テント→コテージと効果が豪華になっていくが、最終的にコテージも消滅してテントに統一された。
さらにはワールドマップ上でのみいつでも全回復とセーブができる便利なアイテムだったが、セーブポイントに触れるだけで全回復する親切仕様になってからはテントすら消えてしまった。
なぜ使う毎に消えていくのかは永遠の謎*7
世界樹の迷宮Ⅲ?』では、迷宮内の野営地点で使うことで探索中の回復を可能とするアイテムとして登場した。が、回復量が一定のため後半では回復が追い付かないという使い辛さのせいか、以降のシリーズには登場していない。

追記・修正は宿で寝る前に、または眠れないときにお願いします。


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*1 2名以上の宿泊が前提。1人で2名分の宿泊料を払うなら応相談、というお宿もあるようだが。
*2 ただし、近年は保健所などの指導により利用者が片付けや清掃を行わない施設もある。
*3 『2』以降は安い部屋に泊まると蚊が出現することがある。また、泊まった部屋でしか手に入らないアイテムが一部の宿屋で存在する。
*4 日本製RPGで10~20代の主人公が多数を占めるのは、この描写を不自然に思わせないためだという説がある。30代以上になると、悲しいかな一晩寝た程度では疲れが取りきれなくなるのだ……。
*5 ちなみにTRPGなどだと、回復するのはMPやそれに準じる魔法などの使用回数だけで、HPは全快にはならないというものの方がほとんど。『ウィザードリィ』では部屋のグレードによってHPの回復量が変わるが、実質的にMPだけ回復する無料の「小屋」が一番効率がいいため、冒険者はみんな馬小屋に泊まるということがネタにされることも。
*6 Ver.4ストーリーでそうではなかったことが判明するが、「0歳から育ってきた家」という点には間違いない
*7 マジレスするなら、テントを含めた一泊分のアウトフィールド用宿泊キットの表現だからだろうが。ちなみにコテージは魔法で小さくなっている小屋という設定。