走り続ける、変わり続ける。
大阪市高速電気軌道は大阪府大阪市で地下鉄・新交通システムを運営している鉄道会社、愛称及びブランド名は「Osaka Metro」
大阪市交通局の民営化により2017年発足、2018年4月1日に運営開始
社章は大阪市交通局時代からそのまま継承しており本社はかつての大阪市交通局本庁舎が使われている
沿革
大阪市営地下鉄時代
- 1933年:御堂筋線梅田~心斎橋が開業
- 1935年:御堂筋線心斎橋~難波が開業
- 1938年:御堂筋線難波~天王寺が開業
- 1942年:四つ橋線大国町~花園町が開業
- 1951年:御堂筋線天王寺~昭和町が開業
- 1952年:御堂筋線昭和町~西田辺が開業
- 1956年:四つ橋線花園町~岸里が開業
- 1958年:四つ橋線岸里~玉出が開業
- 1960年:御堂筋線西田辺~我孫子が開業
- 1961年:中央線大阪港~弁天町が開業
- 1964年
- 御堂筋線梅田~新大阪が開業
- 中央線弁天町~本町が開業
- 1965年:四つ橋線西梅田~大国町が開業
- 1967年
- 谷町線東梅田~谷町四丁目が開業
- 中央線谷町四丁目~森ノ宮が開業
- 1968年
- 谷町線谷町四丁目~天王寺が開業
- 中央線森ノ宮~深江橋が開業
- 1969年
- 中央線本町~谷町四丁目が開業
- 千日前線野田阪神~桜川・谷町九丁目~今里が開業
- 堺筋線天神橋筋六丁目~動物園前が開業、阪急京都線・千里線と直通運転開始
- 市電運転終了
- 1970年
- 御堂筋線新大阪~江坂が開業、北大阪急行電鉄と直通運転開始
- 千日前線桜川~谷町九丁目が開業
- トロリーバス運転終了
- 1972年:四つ橋線玉出~住之江公園が開業
- 1974年:谷町線東梅田~都島が開業
- 1977年:谷町線都島~守口が開業
- 1980年:谷町線天王寺~八尾南が開業
- 1981年
- 千日前線新深江~南巽が開業
- 南港ポートタウン線中ふ頭~住之江公園が開業
- 1983年:谷町線守口~大日が開業
- 1985年:中央線深江橋~長田が開業、翌年に近鉄東大阪線と直通運転開始
- 1987年:御堂筋線我孫子~中百舌鳥が開業
- 1990年:鶴見緑地線京橋~鶴見緑地が開業
- 1993年:堺筋線動物園前~天下茶屋が開業
- 1996年:長堀鶴見緑地線心斎橋~京橋が開業
- 1997年
- 長堀鶴見緑地線大正~心斎橋・鶴見緑地~門真南が開業
- OTS線大阪港~コスモスクエア~中ふ頭が開業し地下鉄中央線・ニュートラムと直通運転開始
- 2003年:市営交通100周年、市営地下鉄70周年
- 2005年:OTS線を譲り受けそれぞれ中央線・ニュートラムに編入
- 2006年:今里筋線今里~井高野が開業
- 2017年:大阪市営地下鉄民営化に向けた準備会社として大阪市高速電気軌道・大阪シティバスが設立
- 2018年:大阪市営地下鉄が民営化し地下鉄事業は大阪市高速電気軌道、バス事業は大阪シティバスへ継承
大阪市高速電気軌道
- 2019年
- いまざとライナーの試験運転開始
- 御堂筋線・谷町線・四つ橋線・中央線・堺筋線で初の弱冷房車を設定開始
- 顔認証システムを使った改札実験を2020年9月末まで実施
- 2025年(予定)
- 大阪夢洲万博開催に伴い中央線コスモスクエア~夢洲間開業(予定)
路線
路線は地下鉄8路線と「ニュートラム」と称したAGT1路線を運営
路線はほぼ大阪市内に位置しているが御堂筋線の北花田~中百舌鳥は堺市、江坂は吹田市、谷町線の大日・守口は守口市、八尾南は八尾市
中央線の高井田・長田は東大阪市、長堀鶴見緑地線の門真南は門真市に位置している
地下鉄の軌間は全て1435mm標準軌で路線ごとに第三軌条集電方式・架線集電方式に分かれており長堀鶴見緑地線と今里筋線は鉄輪式リニアを採用
ラインカラー | 路線記号 | 路線名 | 区間 | 駅数 | 距離 | 方式 |
臙脂色 | M | 御堂筋線 | 江坂~中百舌鳥 | 20 | 24.5km | 第三軌条 |
京紫色 | T | 谷町線 | 大日~八尾南 | 26 | 28.3km | |
縹色 | Y | 四つ橋線 | 西梅田~住之江公園 | 11 | 11.4km | |
緑色 | C | 中央線 | 長田~大阪港 | 14 | 17.9km | |
紅梅色 | S | 千日前線 | 野田阪神~南巽 | 14 | 13.1km | |
茶色 | K | 堺筋線 | 天神橋筋六丁目~天下茶屋 | 10 | 8.5km | 架線 |
萌黄色 | N | 長堀鶴見緑地線 | 大正~門真南 | 17 | 15.0km | 鉄輪式リニア |
柑子色 | I | 今里筋線 | 今里~井高野 | 11 | 11.9km | 鉄輪式リニア |
水色 | P | 南港ポートタウン線 | コスモスクエア~住之江公園 | 10 | 7.9km | AGT |
ラインカラーにはそれぞれ意味があるが公式から発表されているものは長堀鶴見緑地線と今里筋線だけで
それ以外は公的な資料が残っていないためあくまで推測で知らないうちに定着したもの
- 御堂筋線:大阪の大動脈ということから赤(臙脂色)
- 谷町線:四天王寺などの寺が多く高僧の袈裟の色から紫(京紫)
- 四つ橋線:御堂筋線に対し静脈であり海寄りを走るから青(縹色)
- 中央線:大阪城公園の側を通るから木々をイメージした緑
- 千日前線:夜の繁華街を通ることからネオンをイメージした桃(紅梅色)
- 堺筋線:相互直通運転を行う阪急に合わせて茶色(ビビットブラウン)
- 長堀鶴見緑地線:鶴見緑地で開催された国際花と緑の博覧会のテーマカラーである黄緑(萌黄色)
- 今里筋線:朝に東から昇る太陽のような暖かさをイメージしたゴールデンオレンジ
絶対あまりもの(柑子色) - 南港ポートタウン線:海と空を模した水色(セルリアンブルー)
車両
2020年に関西の大手私鉄に先駆け全車両VVVF化を達成した
現役車両(赤文字はかつて運用されていた路線)
- 新20系(御堂筋線・谷町線・四つ橋線・中央線・千日前線)
- 66系(堺筋線)
- 70系(長堀鶴見緑地線)
- 80系(長堀鶴見緑地線・今里筋線)
- 30000系(御堂筋線・谷町線)
- 30000A系(中央線、万博終了後は谷町線へ転属予定)
- 200系(南港ポートタウン線)
- 400系
オニゴーリ・G-SHOCK・バトルドーム(中央線)
引退車両(大阪市営地下鉄・Osaka Metro共通)
大阪市営地下鉄時代に引退
- 初代100形
- 初代200形
- 300形
- 400形
- 500形
- 600形
- 1000形
- 1100形・2代目100形
- 1200形・2代目200形
- 6000形・800形
- 6100形・900形
- 30系
- 50系
- 60系
Osaka Metro転換後に引退
- 10・10A系(御堂筋線、2022年引退)
- 20系(中央線、2024年引退)
- 100A系(南港ポートタウン線、2019年引退)
余談
- 大阪大空襲の時、難波や心斎橋は空襲の被害を受けて壊滅状態となっていたが梅田は比較的被害を受けていなかったため避難電車を走らせて大阪市民の命を救ったという伝説がある
- このエピソードはNHKの連続テレビ小説「ごちそうさん」128話で心斎橋から地下鉄に乗り梅田方面へ避難する場面がある
- 御堂筋線の営業係数は44と公営地下鉄時代は最小、民営化後は名古屋市営地下鉄東山線に1位の座を譲ったが大きな差を開けている
営業係数は他の私鉄を含めるとJR東日本の山手線、JR東海の東海道新幹線と同じくらい
そのため長い間「御堂筋線の黒字で他路線の赤字を埋める」という状態が続いたが2005年に谷町線が黒字転換したのを皮切りに2007年に中央線、2008年に堺筋線、2013年に四つ橋線が黒字転換した
また他の路線も赤字幅は縮まっている傾向にある(今里筋線は営業係数が500代から200代まで減少した) - 中央線に九条駅、千日前線に小路駅がある、しかも両駅は阿波座で乗り換えれば行ける
これは狙ってやっていないし開業年はこっちの方が先(九条駅開業は1964年、小路駅開業は1981年、きんモザ初掲載は2009年) - 2019年に英語版の公式サイトで御堂筋線を「ミドウマッスルライン」、堺筋線を「サカイマッスルライン」、太子橋を「プリンスブリッジ」と誤訳する珍事件が発生、サイトは一時閉鎖され誤訳は修正された
- 事業規模は大手私鉄に匹敵するレベルで資本金は2500億円とJR東日本を上回っているが日本民営鉄道協会に加入していないということで大手私鉄には分類されていない(大手私鉄への分類は日本民営鉄道協会の加入が絶対条件となっている)、売上高は遠州鉄道・静岡鉄道に次ぐ3位で売上高が1000億円を超えている中小私鉄はこの3社しかない