103系

Last-modified: 2023-07-30 (日) 13:31:42

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103系とは日本国有鉄道が製造した通勤型車両
1963年から1984年までの21年間に3447両が製造された

概要

国鉄初の新性能通勤電車として1957年に登場した101系を基本とし駅間距離が短い線区やMT比1:1の編成を組成可能な経済性を重視し当時の国鉄の財政・設備・保守などを考慮して設計され3447両が製造された
新規製造3447両に加え72系から20両、101系から36両が編入され総数3505両が在籍していたが105系への改造や老朽化、事故廃車などで全車が同時期に在籍した時期はない
基本的な構造は101系を踏襲しており切妻型車体・三枚窓による運転台のシンプルなデザインで両開きドアロングシート
MT55形直流直巻電動機を使用した抵抗制御MM'ユニット方式
JR化後は北海道と四国以外に事故廃車2両と105系への改造車65両を除いた3436両が継承された
現在は新型車両による置き換えで数を減らしJR東日本とJR東海からは引退、現在はJR西日本所属の40両とJR九州所属の15両、合計55両が残るのみとなっている

番台別解説

900番台(先行試作車)

1963年に山手線用4両2編成が製造、新製配置は池袋電車区
製造後東北本線で公式試運転を行いその後東海道線と山手線で試運転を実施
1964年から量産車が製造されるのを前に1964年3月31日付で900番台へ改番
1967年には量産化改造が行われている

0番台

この形式の基本番台で長期にわたって製造されたので時期に分けて解説する

1964年~1967年製造車

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0番台の初期に製造されたグループで以下の車両が該当する

形式車番
クモハ1031~133
モハ1031~159
モハ1021~292
クハ1031~114・501~616
サハ1031~225

山手線で導入したのを皮切りに首都圏に投入された

先行試作車では4両を2本つないで8両としていたがこの形式では8両貫通編成となり新たにサハ103形が追加された
京浜東北線向けの編成は下十条電車区の検査線が8両分しかなく7+3の10両編成となった
1965年には初の制御電動車であるクモハ103形が登場、クモハ103形は奇数向け専用で対となるクハ103形は偶数向きに固定されていたので1966年に偶数向き専用のクハ103形500番台が登場した
前照灯は101系と同じ白熱灯一灯式で1967年からは客用ドアがステンレス製に変わっている

1967年~1970年製造車

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上に続く量産車で以下の車両が該当

形式車番
クモハ103134~155
モハ103160~278
モハ102293~433
クハ103115~177・617~638
サハ103226~305

1967年の「昭和42年本予算追加車」では高速運転を行う常磐線に投入され高速域からのブレーキ対策として付随車にディスクブレーキを搭載している
昭和42年第三次債務車」では阪和線に投入され関西初の103系となった
11月にはバーニヤ制御の試作車として電動車ユニット3組6両が導入され910番台に区別された
このグループを最後にクモハ103形・クハ103形500番台の製造が終了した

試作冷房車(1970年)

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1968年に京王初代5000系・5100系の増備車に冷房を搭載したのを皮切りに私鉄各社で冷房車を導入しはじめた
国鉄も私鉄とのサービス格差を改善するために試作冷房装置を搭載して山手線に10両1本が製造された

試作冷房編成
クハ103-179モハ103-279モハ102-434サハ103-306モハ103-280モハ102-435サハ103-307モハ103-281モハ102-436クハ103-178

当初は池袋電車区に在籍し1978年の冷房試験終了後量産冷房車と同仕様に改造
1979年からは山手線のATC化に伴い他線区に転属となり2005年に廃車された

1971年・1972年製造車

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保守の省力化を図って1972年2月から製造開始、以下の車両が該当する

形式車番
モハ103282~330
モハ102437~486
クハ103180~212
サハ103308~323

モハ102形がモハ103形より1両多いのは1971年5月の根岸線洋光台事故でモハ102-169が廃車となりその代替としてモハ102-445が製造されたため
側窓は先行試作車と同じユニット窓になり前照灯は2灯式になった

冷房装置は国鉄分割民営化後に実施されJR西日本とJR東日本で冷房装置が異なっている
また昭和46年第三次債務車は主電動機がMT55A型に変更されている

京阪神地区に編成単位で導入され大部分が明石に新製配置されクハ103-188のみ松戸配置になった

1973年製造車

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1972年製造グループに初期から冷房を搭載した編成、以下の車両が該当する

形式車番
モハ103331~413
モハ102487~569
クハ103213~268
サハ103324~359

居住性の改善として座席の奥行きが550mmに拡大された
また車体側面にも行先表示器が設置され前面の行先表示器が電動式になった
当初は山手線・中央線快速・大阪環状線に配置されたが関東地区のATC化を受けて先頭車は1974年に新製中間車と組んで京阪神地区に転属した
中央線快速残留車は後に中央総武線各駅停車に転属、さらに一部は仙石線に転属された

1974年~1981年製造車

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山手線・京浜東北線のATC化と運転環境の向上のために高運転台となった、該当する車両は以下の通り

形式車番
モハ103414~786
モハ102570~899・2001~2043
クハ103269~499・701~844・846・848・850
サハ103360~503

増備する過程でクハ103形が499に達したため500番台との車番重複を避けるために701以降の飛び番が付与された
またモハ102形も899に達したため1000・1200番台との車番重複を避けるために2001以降の飛び番が付与された、飛び番との番台区分はない

北陸トンネル火災事故を受けて火災対策が強化されA-A基準に対応、妻扉のガラスが網入りになり消火器が1両につき2か所設置、1977年後期製造車からは座席下の蹴り込み板がステンレス製になった
サハ103形はこのグループで製造を終了した

1983年~1984年製造車

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103系0番台の最終増備車で以下の車両が該当(クハは知らん間に製造終了してました)

形式車番
モハ103787~793
モハ1022044~2050

この時201系の増備が始まっていたが赤羽線の10両化と山手線の増発用として製造された
1985年に川越へ転属となり2002年~2005年にかけて廃車された

クハ103形500番台

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クハ103形の偶数向き車両でそれ以外はクハ103形と同じ

モハ103形・モハ102形910番台

バーニヤ制御の試作車で3ユニット6両が製造
1995年に廃番

1000番台

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常磐線の複々線化に伴い営団地下鉄千代田線との直通用に製造された
10両16編成が落成し松戸に配置された

登場後千代田線への乗り入れ時営団側の6000系よりも電力使用量が格段に多く
抵抗制御からの放熱でトンネル内が温室状態になりオーバーヒートで車内の床が焦げる、ホームや車内の乗客に熱風が当たるなど営団地下鉄から嫌われていた

1984年から1986年に203系へ置き換えられその後105系へ改造されて廣島へ飛ばされたり常磐快速線・成田線へ転属となった
1989年に地下鉄東西線直通用として1編成が中央総武線各駅停車へ転属、2004年に廃車され形式消滅となった

1200番台

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地下鉄東西線との直通用として登場
基本構造は1000番台と変わらない

2003年に廃車され形式消滅した

1500番台

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福岡市営地下鉄空港線との直通用として登場
塗装は玄界灘をイメージしており青22号のボディにクリーム1号の帯を巻いた

2014年から305系が導入され廃車が進行
残った3両編成が筑前前原西唐津間のワンマン運転に就いている

101系からの編入車

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サハ103形750番台・クハ103形2000・2050番台は101系からの編入車となっている
1992年に101系からの編入車は消滅した

72系からの編入車

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八高線・川越線で運用されていた3000番台は72系を改造して登場した車両
2005年の川越線電化20周年号がラストランとなり引退
引退後もハエ53編成が予備車として残っていたが同年11月に廃車された

サハ103形800番台

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バーニヤ式制御車は他の車両と連結できないので山手線転用時に改造
2003年に形式消滅

モヤ102形

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モハ102形に一部のドア締切・荷物棚の撤去・機材置き場の設置などを行った
改造後事業用に転用され訓練車として使用された
2006年に形式消滅

3500番台

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八高線の八王子高麗川間の電化で3000番台が登場したのと209系が新製されたが
車両が不足したので0番台1本が寒冷地向けに改造され半自動ドアになった
2005年に引退

クハ103形2500・2550番台

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1988年に6両1本を4両2本へ組み替える際不足した先頭車を補うため
中間車が先頭車化改造された
2006年に全廃

5000番台・サハ102形

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片町線の長尾~木津電化に伴い新設された松井山手駅で京橋寄り4両を切り離しそれ以東は3両で運転する運用が実施されることになった
編成組み合わせはTc-M-M'-T'+Mc-M'-TcとなりT'車とMc車に分割併合用の電気連結器を設置し5000番台に改番された
1990年からは松井山手以東が4両で運転されることになりTc-M-M'+Mc-M'-T'-Tcに組成変更された
サハ102形はサハ103形0番台を改造して登場、当初は電気連結器がついていたが組成変更時に撤去された
207系登場に伴い大和路線などの他線に転属した

サハ103形・クモハ103形2500番台

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サハ103形2500番台はサハ103-2501のみ在籍
クモハ103形2500番台は片町線からの転属時に改番され電気連結器が撤去された
その後9両は播但線へ転属、2018年に廃番

3500番台(JR西日本)

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播但線の姫路~寺前の電化に伴い本形式初のワンマン運転対応車および2両編成となった
クモハ103形は2500番台からの改番、クモハ102形はモハ102形に運転台を設置した車両
直通予備ブレーキ・自動解結装置・耐雪ブレーキを装備している
JR東日本にも3500番台が存在するが車番の重複はない

3550番台

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加古川線の全線電化に伴い登場した形式
モハ103形・モハ102形を先頭車化改造した
運転台形状は大きく変わり105系に準じている
加古川線に125系が登場したが中途半端なところで製造が終わったので今でもこの形式が残っている

クモハ103・102形1500番台

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筑肥線は筑前前原を境に輸送力が大きく変わるので6両から3両へ編成短縮
モハ102とモハ103を先頭車化改造し地下鉄線用ATCは未搭載となった

105系への改造

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奈良線・和歌山線の電化と可部線の72系置き換え目的で常磐線の1000番台を中心に0番台含む61両が105系へ改造
また4両編成1本が仙石線向けに2両2本へ改造された、引退後は訓練車へ改造され2008年に廃車解体された
1989年の踏切事故でクハ105-7がダンプカーと衝突し廃車となったが明石で保留車となっているモハ102-385がクハ104-551へ改番されクハ105-7の運転台に接合された
モハ102-385とユニットを組んでいたモハ103-230は廃車された

試験車両

チョッパ制御試験

1969年11月23日~12月1日モハ103-59、1974年7月にモハ103-57を使用して根岸線でチョッパ制御試験を行った

VVVFインバーター制御試験

1992年2月にモハ103-87を東芝府中工場でVVVFインバーター制御装置と901系のモーター等を搭載し大船工場で試験を行った
JR東海でも自社でクモハ103-4を改造して試験を行った

DDM試験

モハ103-502にダイレクトドライブモーターを試験を実施
VVVF化も同時に実施されE993系との比較実験も実施されたが終了後廃車された

廃車

老朽化や新車への置き換えで2022年現在在籍両数は55両と絶滅危惧種になっている
またクハ103-548とモハ102-169が根岸線新杉田~洋光台で土砂崩壊に乗り上げ大破し廃車された
1988年に東中野駅で追突事故が起きクハ103-277・モハ103-334・モハ102-490・サハ103-326・モハ103-21・モハ102-21・サハ103-327・モハ103-336・モハ102-492のうち中間車8両が1989年3月23日付で廃車、クハ103-277が同年7月25日付で廃車となっている
1994年に福知山線三田~新三田でトラックと衝突しクハ103-839が大破し廃車された

譲渡

JR東日本→JR西日本

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福知山線脱線事故で207系1編成が廃車になったのと117系の撤退が重なり車両不足が発生しJR東日本から1編成が駆け付けた
その後先頭車は2010年まで広島で、中間車は2011年まで阪和線や大阪環状線で使用された

インドネシアへの譲渡

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武蔵野線で運転された4両4編成がインドネシアへ譲渡された
老朽化や205系の登場に伴い2016年に引退した

保存車

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クハ103-713が大宮の鉄道博物館
クハ103-525が千葉県いすみ市のポッポの丘
クモハ103-18が美濃太田車両区(保存というより放置?)
クハ103-1が京都鉄道博物館
クモハ103-110が大阪市立消防学校(ただし非公開)
クモハ103-147が個人へ譲渡され保存されている

塗装コレクション

ウグイス(黄緑6号)

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山手線・大和路線などで使用
2022年に消滅

スカイブルー(青22号)

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京浜東北線・阪和線・東海道山陽緩行線などで使用
残りは和田岬線のみ※2023年消滅しました。※

エメラルドグリーン(青緑1号)

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常磐快速線・成田線で使用
現在は消滅

オレンジバーミリオン(朱色1号)

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大阪環状線・中央快速線などで使用
2017年に消滅

カナリアイエロー(黄色5号)

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中央総武線各駅停車・鶴見線などで使用
現在は消滅

シルバーグレー(灰色8号)+エメラルドグリーン(青緑1号)

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地下鉄千代田線直通用
現在は消滅

シルバーグレー(灰色8号)+カナリアイエロー(黄色5号)

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地下鉄東西線直通用
現在は消滅

シルバーグレー(灰色8号)+スカイブルー(青22号)

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地下鉄東西線直通用
現在は消滅

スカイブルー(青22号)+クリーム(クリーム1号)

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地下鉄空港線直通用
現在は消滅※2023年7月に復刻塗装として復活予定※

九州色

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地下鉄空港線直通用
上が初代で下が2代目

仙台色

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仙石線で使用、上が初代で下が2代目
現在は消滅

東海色

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中央西線・関西線(東海区間)で使用

マスカット色

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山陽線岡山地区と広島地区で使用
岡山の名産物であるマスカットが由来
現在は消滅

瀬戸内色

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山陽線広島地区・呉線・可部線で使用
現在は消滅

末期色

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山陽線広島地区・呉線・可部線で使用
現在は消滅

播但色

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播但線で使用

加古川色

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加古川線で使用

USJラッピング

パワーオブハリウッド号

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2001年~2012年3月のラッピング車両
その後スカイブルーへ塗装変更され2018年廃車

ウッディー・ウッドペッカー号

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2001年~2012年6月のラッピング車両
その後オレンジバーミリオンへ塗装変更され2018年廃車

アメリカの街並風景号

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2001年~2004年2月のラッピング車両
その後アメージング・アドベンチャー・オブ・スパイダーマン・ザ・ライド号に塗装変更

ユニバーサルグローブ号

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2001年~2003年のラッピング車両
その後セサミストリート 4-D ムービーマジック号に塗装変更

セサミストリート 4-D ムービーマジック号

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2003年~2012年のラッピング車両
その後オレンジバーミリオンに塗装変更され2016年廃車

アメージング・アドベンチャー・オブ・スパイダーマン・ザ・ライド号

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2004年~2012年のラッピング車両
その後中間車はセサミストリート 4-D ムービーマジック号とウッディー・ウッドペッカー号に編入され先頭車は日根野に転属し2016年廃車

加古川線ラッピング車両

どれも2012年に運行終了
さらに2つの塗装案もあったが経費不足と福知山線脱線事故を連想させることから見送りになった

眼のある電車「見る見る速い」

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銀河の旅

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滝の音、電車の音

[添付]

走れ!Y字路

File not found: "2007-08-26_JR-_Yakujin_Station" at page "103系"[添付]

播但線「銀の馬車道」ラッピング

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アニメ・ドリームトレイン1999

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関門・海峡物語

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OSAKA POWER LOOP

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大阪環状線改造プロジェクトの一環で登場
各車両の大阪環状線沿線の魅力を表現した
2017年運転終了

カオスバトルでの技一覧

  • MT55モーター
  • 警笛
  • 熱風(抵抗制御からの放熱で)
  • 大阪環状線接近メロディー*1

余談

実は国がJR西日本に「103系うるさいから替えろ」と言ったことがある
JR西日本「あんたが作ったんでしょ・・・」

コメント欄

  • 鉄オタwikiですか?????????JR[ここで言うな] -- 50分の902名無し? 2022-12-15 (木) 20:45:44