ケダモノに黄昏を告げる為だけに造られた少女。
無限の鎖の中にありながら自由を謳った男。
終焉の先にあるのは解放か、それとも?
(櫻井氏のブログより引用)
作品解説
- エリオット・キースンの視点で展開されるグランゼーラ革命軍サイドの物語。
- 公開当時、主人公である提督にとって敵役としか見られていなかったキースンという人物に対する読者のイメージに大きな影響を与えた。
- オムニバス形式で綴られており、前中後の三編で構成されている。
登場人物
- エリオット・キースン
本作品の主人公。
タイトルの「自由の男」とは彼のことであると推察される。
小説内の文章は全て彼の口調で書き起こされているが、編を跨ぐごとに口調に変化が現れる。
多数の人物との交流が描かれており、「どういった人物であるか」が描写されている。
語り手であるため当然ながら全編に通して登場する。
また、彼の発言には「嘘」が含まれているとされており、考察に当たってはその嘘を取り払うことが重要となる。 - エリシア・パトルシェフ
ラグナロックのパイロットである幼体固定を施された女性。
タイトルの「黄昏の少女」とは彼女のことであると思われる。
キースンには「パト」と呼ばれている。
主人公であるキースンと共に行動する描写が多く、様々なエピソードが描かれている。
しかし、登場は中編までであり後編には登場しない。 - ボリス・ハルバー
グランゼーラ革命軍の司令官であり、キースンの上司。
作中ではネガティブな表現が比較的多い。
序盤で死亡してしまうため登場の機会はとても少ない。 - ダグラス・カトー
グランゼーラ革命軍の軍人の一人。
疲れているように見受けられるシーンが多いことが特徴の一つ。
キースン同様全編に通して登場しており、エリシア・パトルシェフ以上に彼との絡みが多い。
また、非常に親密な間柄であることを連想させる描写が多く存在する。 - カイザー・ハルトマン
グランゼーラ革命軍の軍人の一人。
登場の機会は少ないが、彼自身の身体的な特徴が描写されている。 - エマ・クロフォード
グランゼーラ革命軍の軍人の一人。
通信でボリス・ハルバーの死亡の報告を行っている。 - クロード・ラウ
グランゼーラ革命軍の軍人の一人。
作中ではカイザー・ハルトマンの副官として登場。
キースンとの関係は良好であり、仲良く会話をしているシーンがある。 - ルカ・ホセ
革命軍ルートにて登場する「ホセ中尉」のこと。
今作ではグランゼーラ革命軍に亡命する。 - エドワード・エルダー
- ギル・ギルバート
- ミランダ・ミラン
- エッカルト・カウフマン
四名ともグランゼーラ革命軍の軍人。
エリオット・キースンの周囲にいる佐官たちで、物語の進行につれて出番が増えていった。
各種考察
一人称視点
この物語はエリオット・キースンの一人称視点で綴られている。
その為全ての情報は彼の視野を通して表現されており、この物語自体が該当期間の彼の「認識」となっている。
読者視点で見ると違和感を感じる点は彼の認識ミスであったり、彼自身が偽の情報を掴まされたがために発生した問題である。
自由の男
タイトルに冠された自由の男とは他でもない語り手、エリオット・キースンその人を指しているとされる。
しかし実際の彼は自由からは程遠い存在であり、本質は全く異なっていた。
この自由という言葉は周囲の人間から見た彼の姿だったのかもしれない。
※少なくとも、エリシア・パトルシェフにとってのキースンは自由の象徴そのものだった。
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