APRS Digipeater

Last-modified: 2011-02-09 (水) 18:27:12

APRS デジピーターの解説
◎ 概要


APRSデジピーターとは、主にAPRSで扱うUIパケットの中継を行う設備で山岳及び低地に設置し、
I-Gateが許容しきれないエリアをカバーする目的で設置されるものである。

1200baud AFSK運用では主に昔のハードウェアTNC(TNC-22、TNC-20等)を使用し、中のEPROMを
UIDIGIというプログラムが書き込まれた物に載せ替えて運用を行う。
9600baud GMSK運用では主にKENWOOD社製 パケット通信対応無線機 TM-D700をはじめ、TM-D710やRC-D710、TH-D72、
ALINCO社製 内臓TNCユニット(オプション品)を装備した無線機等を使用して運用を行う。

それぞれの不変的なルール等の決まり事は下に別けて記載するので、電波輻輳状態を引き起こさない為にも
構築者は参考にし可能な限り遵守願いたい。



全てのデジピーターで共通して言える事は、デジピーター局を構築する場合、ビーコン欄には利用者が必要とする運用情報を記載しましょう。

  1. 5桁PHG
  2. 対応デジパス
  3. 設置場所(山)名 / 標高等
  4. 運用周波数

と、いう優先順位でデジ局に関する情報を記載するようにしましょう。
運用周波数やボーレートに関する情報はステータスビーコンで送信する方法でもかまいません。
対応デジパスは短縮した書き方が一般的で、以下の表を参考にして記載しましょう。

短縮コード対応デジパスパラダイム・方式類別
W1WIDE1-1The new WIDEn-N PARADIGM方式全地域型
汎用デジパス
W2WIDE2-N
RRELAYRELAY PARADIGM方式
WWIDE
SSn 又は SSn-NSSn-NSTATE/SECTION/REGION PARADIGM 方式地域限定型デジパス
SSSn 又は SSSn-NSSSn-N

またビーコンを作る際は、APRS対応無線機の王道。KENWOOD社製 TM-D710 で綺麗に表示出来る事を考慮し、
1行目 25文字、2行目 17文字 となり文章が途切れる事が極力無いように製作する。

例:) JJ4RJE-3 広島県呉市 野呂山1200baud山岳WIDEデジピーターの例

1234567890123456789012345678901234567890123456789012345678901234567890
                             123456789012345678901234512345678901234567
!3416.05NS13241.16E#PHG37505/W1,HSn,CGn Mt.Noro(839m)/ Kure Hiroshima

例:) ステータスビーコン

1234567890123456789012345678901234567890123456789012345678901234567890
 123456789012345678901234512345678901234567
>144.660MHz WFM 1200baud b3/ ADMIN by D.C.N.



追々それぞれの解説ページを用意する予定です。



WIDE (山岳)デジピーターとは… ( SSID-3 ) ←こちらをクリックして詳細も是非ご覧下さい。 

  • 山岳地 標高 250m~600m 位へ設置する設備。
  • 最寄り I-Gateまで85~95%の確率でパケットを確実に到達出来る事が設置条件。
  • 送出デジパスは、I-Gateへ到達可能な場所に置局する事が大前提の為、設定しない事を厳守しなければならない。
  • 配下となる I-Gate は2~3局まで。(多くのI-Gateが受信してしまう場合、該当局にNoGate設定を要請し経路を整形する。
  • 電波は、1200baud AFSK で運用される。日本全土統一周波数は 144.660MHz
  • SSIDは -3 で運用される。
  • 対応デジパスは、 WIDE1-1 WIDEn-N (UI-Trace) SSn-N 都道府県規模(UI-Flood)  ( The new WIDEn-N PARADIGM方式 )又は
     WIDE1-1 SSn-N 都道府県規模(UI-Trace) SSn-N エリア規模(UI-Flood)  ( WIDE1-1 + STATE/SECTION/REGION PARADIGM 方式 )
    等がベストである。


Fill-in (低地)デジピーターとは… ( SSID-1 ) ←こちらをクリックして詳細も是非ご覧下さい。 

  • 主に低地 標高 20~250m 位へ設置する設備。
  • 主にWIDEデジがカバー出来ないエリアを担当する為の設備で、到達可能な専属WIDEデジピーターが存在する事が設置条件。
  • WIDEデジへ中継させる以外に低地のI-Gateへの1段目のデジとして動作する場合もある。
  • 送出デジパスは、専属の特定WIDEデジ局へ中継可能な場所に置局する為、特定WIDE局のコールを指定する事を厳守しなければならない。
    送出デジパスの項目にWIDE1-1等の汎用デジパスを絶対設定してはならない
  • 配下にとなる WIDEデジは原則 1局。 I-Gateの場合も安定稼働する1~2局が望ましい。
  • 電波は、1200baud AFSK で運用される。日本全土統一周波数は 144.660MHz
  • SSIDは -1 で運用される。 (SSIDの1とは 移動局から見て1段目のデジ局となるという意味に由来する。
  • 対応デジパスは、 WIDE1-1 SSn-N 都道府県規模(UI-Trace) SSSn-N 県内特定地域規模(UI-Flood)  ( WIDE1-1 + STATE/SECTION/REGION PARADIGM 方式 )等である。


9600baud運用デジピーターとは… ( SSID-2 )?

  • 9600baud 運用では主にデジピーターのリモート制御が出来ない為、設置場所はメンテナンスに行き易い場所が良い
  • 9600baudでは占有帯域幅が広がる為、ナローFMで運用出来る無線機を使用する事を推奨。
  • 基本的に1200baud網の構築経験があり、確実な構築が出来る事が条件。
  • 電波は、9600baud GMSK で運用される。日本全土統一周波数は 144.640MHz
  • SSIDは高地・低地問わず 9600baud デジピーターは SSID-2 で運用される。
  • 対応デジパスは、 WIDE1-1 SSn-N 都道府県規模(UI-Trace) SSSn-N 県内特定地域規模(UI-Flood)  ( WIDE1-1 + STATE/SECTION/REGION PARADIGM 方式 )等である。


I-Gate兼用デジピーターとは…(低地) ( SSID-10 )?

  • インターネットが停止した場合とI-Gate置局場所を越えてのRF通信を行う事を前提に設定をする。
  • 主に都道府県規模の SSn-N か都道府県を四分割し方位記号を埋め込んだ SSSn-N に反応させる。
  • 自局コールにも対応する事は言うまでもない。
  • APRS対応無線機に MY POSITIONを表示させ、I-Gateまでの到達確認の目的で使用しないこと!!
  • ローカルにWIDE又はFill-inのデジピーターが存在する場合、WIDE1-1等のThe new WIDEn-N PARADIGM には反応させない方が良い場合が多い。
  • 対応デジパスは、 SSn-N 都道府県規模(UI-Trace) SSSn-N 県内特定地域規模(UI-Flood)  ( WIDE1-1 + STATE/SECTION/REGION PARADIGM 方式 )等である。







ページ作者: JN4OQT , D.C.N.広島 *1     


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