APRS 1200baud WIDE-Digipeater

Last-modified: 2019-10-29 (火) 12:26:33

APRS 1200baud WIDE(広域)デジピーターの解説
◎ 概要


WIDE(広域)デジピーターとは、直接波で交信不可能なゾーンとゾーンを結ぶ橋渡し役の設備である。
従来のアナログ音声レピーター山掛け交信と同等の考え方で、主にI-Gateへ確実に電波を到達可能な場所に設置される設備である。

まずは、その役割と動作について画像を見てイメージ頂きたい。



WIDE(広域)デジピーターの役割イメージ…

WIDE(広域)デジピーターイメージ図


この例では移動体から発せられたビーコンを1hopの山掛けを行いI-Gateへ到達させる事を例としているが、
I-Gateとなる側がHome(VHF)Symbolのインターネットを使わない局であっても、コミュニケーションとしては成立する。

この図で閲覧者に理解頂きたい点は以下である。

  • 山岳デジピーターを置局する場合は、他デジピーターへの干渉が無いかの事前調査を行う事
  • WIDE1-1,WIDE2-1 を設定する事による輻輳を引き起こさないかの確認
  • 他隣県等地域のAPRS運用者と運用計画等を話し合い協力体制を築く事。
  • 担当となるI-Gate(1~3局)があるか?又は置局可能かという事 (受信するI-Gate局が多い場合、I-Gate側で制限が必要。)
    メインとなる担当専属I-Gate局と、サブ局1~2局程度で対応。それ以上は電波輻輳となりうる為、I-Gate構築をしない事が条件。
  • カバーエリアが同県内のみの場合は、SSn-N(都道府県規模)への対応
    カバーエリアが同管区エリアの他県にも及ぶ場合、SSn-N(管区エリア規模)への対応 を行う事。
  • デジパスの適正な使用を呼びかける事。

である。
またUIDIGIを使用する場合は、UI-Floodの設定でもUI-Trace同様の動作をさせる事が可能だが、
基本的には それぞれ違う動作を行う為、デジピーター置局を考えている者はその動作について
実際山岳地へ設置する前に熟知し適切な設定を行う事が重要である。

UIDIGI以外を使う場合には、置き換えデジピートが行われない場合が多い為、極力使用しない事を絶対条件に
他RFネットワークに絶対的に迷惑のかからない過疎地でのみ運用しても良いものとする。
UIDIGI以外の場合、リモート遠隔設定変更も出来ない事からミス設定は致命的である。


デジピーター過密地域では移動体から発せられるビーコンのデジパス『WIDE1-1,WIDE2-1』に影響され
簡単に輻輳状態を引き起こしてしまう現状が見られる。
The new WIDEn-N PARADIGM方式に準拠したデジピーターの場合は、当該デジピーター利用者に対し、
『WIDE1-1のみ』又は『WIDE2-1のみ』のデジパス利用に関し働きかける必要がある。
しかし「WIDE2-1のみ」とした場合、従来のRELAYに当たる低地(Fill-in)デジでは中継されない為、
より広い範囲で汎用的にデジピートさせる意味では『WIDE1-1のみ』を移動局に推奨する方が良いとして昨今の普及活動に繋がる。



WIDEデジピーター局がデジパスを指定する事はタブー(禁止事項)である。

尚、デジピーター構築者なら理解している事が絶対条件なので、ここに書く事は愚問と言えるが、
山岳デジピーター局が汎用デジパス(例:WIDE1-1)を設定する事は禁則事項である。

RELAY PARADIGM方式普及時に絶対禁止事項として移動局に設定しないように徹底されていた内容として、
デジパス: WIDE,RELAY
がある。これは、山岳WIDE(広域)デジピーターで広められたビーコンが更に低地のRELAY(狭域)デジピーターで中継され
多くの無関係な局を巻き込む迷惑(無意味)な伝搬(中継)を引き起こしてしまうから…というものである。

山岳デジピーターが汎用デジパス(WIDE1-1/RELAY)を設定した場合、山岳デジピーター自身がWIDEな為、
禁則デジパスを設定した事と同義になる。 このような事は絶対してはならない!!




ページ作者: JN4OQT , D.C.N.広島 *1     


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