D&Dの宇宙観『大いなる転輪』

Last-modified: 2023-10-10 (火) 20:47:34

このページはD&D5版で遊ぶためのガイドの一部です。

 

D&Dにおいて、プレイヤーの操るキャラクターは成長に伴って冒険する世界が広がっていきます。
 例えば、立ち寄った村での身近な冒険から、次第に一国の命運を揺るがすような冒険で国中を駆け回り、そして世界中を飛び回るようになっていきます。ときには、事件の背後に世界の命運をたぐり寄せようとする天使や悪魔の働きに気が付き、邪神を倒すためや神々の助けを得るために現世を離れ、異なる世界を旅することにもなります。
 D&Dにおいて、これらの異界とはどのようなもので、そこへ行き来するにはどのようにすればよいのでしょうか?このページではD&Dの宇宙観と、そこに存在する様々な異界「次元界」について説明します。
 このページでの説明の多くはワールドofグレイホークの世界観『大いなる転輪』に基づいています。この世界での冒険は主にオアースという地で行われており、高Lvの冒険になるとこれらの異界とのかかわりが増えてきます。
 D&D5版で主な舞台となるフォーゴトン・レルムの宇宙観は以前は別のものでしたが、現在はグレイホークと同様の『大いなる転輪』宇宙観となっています。説明の中でグレイホーク世界特有の内容には[GH]、フォーゴトン・レルム世界特有の内容には[FR]の注記を付けています。

 

【『次元界』と『次元門』について】
ワールドofグレイホークの冒険の舞台オアースや、フォーゴットン・レルムの世界トリルなどは『物質界』と呼ばれています。海と大地があって様々な生き物が住み、無限に広がっています。
 それに対し、天使や悪魔は「セレスティア」や「九層地獄」といった物質界とは別の世界からやってきています。これらの世界の多くは物質界と空間的につながっておらず、独立して存在しています。それらはの異界は『次元界』と呼ばれ、それぞれの次元界が独自の極端に異なる性質を持っています。
 別の次元界とは物理的・空間的にはつながっていないため、異なる世界に行くためには、次元間を瞬間移動するための魔法を使うか、あるいは異なる次元間を繋いでいる特別な門『次元門(ポータル)』を通る必要があります。この次元門には両方向に行き来できるものもあれば、一方通行のものもあります。

 

【宇宙観の概念モデル『大いなる転輪』】(Great Wheel)
グレイホーク宇宙観には様々な次元界が存在し、その中には似通った性質の次元界もあれば、差の大きな次元界も存在します。一部の次元界は[善]と[悪]、そして[秩序]と[混沌]の性質を持っており、その性質が似通った次元間には互いに多くの次元門が通じています。属性に関する性質が似ており、多くの次元門が通じている密接な次元界を並べると環状になることから、この次元界のモデル図は『大いなる転輪(Great Wheel)』と呼ばれます。
 この図で近くに描かれているからといって、空間的に隣接していることを示しているわけではありません。あくまで次元門などを介して行き来がしやすいということを示しています。
  dd5_GH1_p1c.jpg

 

この図にある様々な次元界が、それぞれどのようなものであるのかを説明します。
 次元界によっては単独で存在せず、幾つかのサブ次元界に分かれてセットで存在します。次元界に含まれているそれぞれの世界を『階層』と呼んでいます。代表的なのはデヴィル達の棲む「九層地獄」で、その名のとおり9つの階層からなっています。

 

[1]【物質界(Prime Material Plane)】;無属性/無限の広がり/階層なし
物質界は冒険の主要な舞台となるオアースの地です。海と陸地があり、様々な生き物が住んでいます。場所によっては火山などがあって火の力が強いところや、冷気の強いところもあります。
 オアース以外にも物質界は存在しています。例えば「フォーゴットン・レルム」や「エベロン」、あるいは「ミスタラ」、「クリン」、「ブラック・サン」、あるいはプレイヤーの住んでいる地球のある世界も存在してるかもしれません。何らかの方法を用いれば、これら他の物質界と行き来することも可能です。

 

【中継界】
中継界は物質界と強く結びついているか、あるいは様々な次元界の隙間に存在する次元界です。これらの次元界は冒険の道具として役立つこともあれば、思わぬ危機を招きこむ入り口となることもあります。

 
  • [2]「エーテル界(Ethereal Planes)」;無属性/広がりは付随次元界による/階層なし
    エーテル界は物質界に結び付いた霧に包まれた世界です。物質界と対応した空間を持ちますが、すべてが薄くぼやけています。この世界の住人はゴーストやフェイズ・スパイダー達です。彼らはエーテル界から物質界へと居所を切り替えることで壁をすり抜け、攻撃を無効化します。
     
  • [3]「影界(Plane of Shadow)」;無属性/広がりは付随次元界による/階層なし
    影界は物質界に結び付いた白黒の世界です。空は太陽も星もない黒い虚空であり、物質界に対応した風景があるがそれはすべて古く不気味にねじくれています。この世界の住人はシャドウやナイトシェイドなどの邪悪な亡者や、シャドウ・マスティフなどの危険な影の獣です。冒険者はシャドウ・ウォーク呪文などを使い、物質界と影界の隙間をすり抜けて素早く旅をすることができます。また、昔の知識を得るために影界を訪れることがあるかもしれません。
     
  • ;[-]「妖精界(Feywild)」;無属性/広がりは付随次元界による/階層なし
    妖精界フェイワイルドは妖精たちの故郷です。永遠に続く黄昏の国であり、地平線の太陽によって空は淡く染められています。(エーテル界や影界と同様に)物質界に結び付いた地形をしていますが、壮大に誇張された姿をしています。物質界では何気ない丘陵や森が神秘的な要素を持った絶景となり、ただの湿地がまがまがしい呪いを放つ毒沼となっているかもしれません。
     妖精界は大きく“夏の宮廷”と“黄昏の宮廷”の二つの勢力があります。夏の宮廷はティタニア女王が率いるシーリー・フェイ(善良な妖精くらいの意)たちであり、その勢力圏は穏やかな優しい美に満ちています。黄昏の宮廷は“大気と闇の女王”が率いるアンシ―リー・フェイ(善良でない妖精の意)たちで、その縄張りは鋭い棘の茨や粘つく沼地があります。どちらの宮廷もハグやフォモール(歪みの呪いを受けた巨人妖精)といった醜いものを加えません。また独立心の強い妖精は宮廷に加わらずに離れて暮らします。それぞれの陣営はことあるごとに戦争を繰り返しますが、ときには競技会を開催したり、秘密の同盟を結ぶこともあります。
     (D&D4版から設定され、5版でも採用された次元界です。分類として中継界の一種ですので、図にはありませんがここに記載します)
     
  • [4]「アストラル界(Astral Plane)」;無属性/無限の広がり、無重力/階層なし
    アストラル界は上下左右、見渡す限り澄み切った銀色の空が広がる果てしない世界です。所々に様々な色の光が幽かに明滅しています。この世界は次元界の隙間に存在する世界であり、明滅する光は様々な次元界に繋がっている次元門です。この無重力の世界にいるものは自分の考えた通りの方向に移動でき、旅人は次元門から次の門へと移動して次元間を渡ります。
     この世界に現住の生物は多くありませんが、この世界を旅しあるいは暮らす様々なものがいます。彼らはアストラル艦艇に乗って銀色の海を旅し、あるいは海賊行為にいそしみます。最も大きな勢力はギスヤンキ達です。かつてマインドフレイヤーの支配を脱した彼らはアストラル界で苛烈な軍事体制を整えています。一方で最も危険なのは出会うものの魂すべてを貪り喰らう巨大なアストラル・ドレッドノートです。
     

【内方次元界(Inner Plane)】
内方次元界はそれぞれ物質界を構成する様々なエネルギーのどれか一種類が渦巻く世界です。物質界の特定の地域はこれらの次元界のどれかと特に強く結びついていることがあります。どの世界も冒険者が準備を整えずに足を踏み入れると立ち往生し、悪くすれば消滅してしまうことになります。

 
  • [5]「正のエネルギー界(Positive Energy Plane)」;無属性/無限の広がり、無重量/階層なし
    正のエネルギー界は世界全体が常に強い波動によって脈打ち、光り輝きながら爆発する世界です。準備をせずに訪れた冒険者の傷はみるみる治っていきますが、流れ込み続けるエネルギーが溢れだして身体を保てなくなります。この世界の原住クリーチャーは少なく、あらゆる物体に生命を吹き込んで動かすラヴィッド達くらいです。この世界には「ホスピス(慈善病院)」と呼ばれる聖騎士と癒し手の研究拠点が存在します。彼らはここで通常では癒せない特殊な症状への治療を提供しています。
     
  • [6]「火の元素界(Plane of Fire)」;無属性/無限の広がり/階層なし
    火の元素界ではあらゆるものが燃えています。地面は炎の塊でマグマの海が広がり、大気は火炎嵐で毒を含んでいます。準備をせずに訪問した冒険者は直ちに燃え尽きて灰となります。ここの住人であるファイアー・エレメンタルは燃えていないモノを見つけ次第に全力で燃やしに来ます。サラマンダーやエイザー、ファイアー・ジャイアント、イフリートはもう少し友好的で、彼らの拠点へ訪問して武具や財宝、奴隷などの取引も可能です。なかでもイフリートの都「黄銅城(City of Brass)」は全次元界のなかでも特筆すべき強大な都市です。バザーでは様々な魔法の品が販売されています。
     
  • [7]「地の元素界(Plane of Earth)」;無属性/無限の広がり/階層なし
    地の元素界は岩と土でびっしりと埋め尽くされた世界です。準備をせずにこの世界を訪れた冒険者はそのまま埋葬されます。この世界の住人はアース・エレメンタルやゾーンなどの地中移動ができる者たちです。地のジンニーであるダオ、あるいは一部のストーン・ジャイアントやドワーフもこの世界に住居を作って暮らしています。この世界の住人は縄張り意識が強いですが、適切な手段をもってすれば取引ができます。住人との賭けや取引に失敗したものは奴隷として採掘に従事しています。
     
  • [8]「負のエネルギー界(Negative Energy Plane)」;無属性/無限の広がり、無重力/階層なし
    負のエネルギー界は永遠の夜が続く不毛の虚空です。生命や火、熱などはすべて世界に飲みつくされて消えてゆきます。この世界の住人は少なくまばらですが、そのほとんどがレイスやワイト、スペクターといった亡者です。餌の少ないこの世界で彼らは飢えており、訪問した冒険者には大喜びで襲い掛かってきます。この世界には死人使いの研究拠点や亡者の都があります。そのような場所には危険な悪の秘宝や、あるいは逆に失われた善の秘宝が封印されていることがあります。
     
  • [9]「水の元素界(Plane of Water)」;無属性/無限の広がり、無重力/階層なし
    水の元素界は完全に水で満たされた世界であり、乱反射する光によって照らされています。場所によっては強い水流あるところや、熱水帯、冷水帯があります。準備をせずにこの世界を訪れた冒険者はそのうち溺死します。この世界の住人はウォーター・エレメンタルやトリトン、ジンニーのうちマリード達です。彼らは気まぐれで好奇心旺盛、遊び好きですが、地上からの訪問者を溺死させるような残酷さがあります。マリードらの首都「真珠の城塞」は熾烈な陰謀が蔓延しています、より開かれた「ガラスの都」では訪問者は交易ができます。水の元素界にはオケアノス河やスティクス河との次元門があり、住人からの協力を得られたならこれを使って外方次元界と行き来できます。この世界の深淵にはクラーケンやアボレスが潜んでおり、彼らとの接触は危険なものになります。
     
  • [10]「風の元素界(Plane of Air)」;無属性/無限の広がり、無重力/階層なし
    風の元素界は上にも下にもただ空が広がる空っぽの次元界です。風が吹きすさんで大きな積乱雲が渦巻き、所々に岩や土の塊が浮いています。この世界の住人はエア・エレメンタルやクラウド・ジャイアント、ジンたちなど、みな飛行できるものたちです。彼らはそれぞれ気ままに行動しており、冒険者に対する対応はそれぞれです。ジャイアントやジンたちは岩塊で大きな浮遊城を築いており、運が良ければ極上のもてなしを受けることもあります。
     

【外方次元界(Outer Plane)】
外方次元界は様々な精神的な方向性や思想により成り立っている世界で、それぞれが属性をもっています。また諸神格の住まうところでもあります。一見して内方次元界よりは快適で生存に適した次元界が多いように思えますが、それは表層のみであることがほとんどです。
 死者の魂は、本人の属性と行いによって最終的にこれら外方次元界のどれかに向かいます。彼らは転生して新たに物質界に生まれ変わるか、あるいは「請願者」としてその次元界にとどまります外方次元界を旅する冒険者は、かつて死んだ人々と再び出会うかもしれません。
 外方次元界の第一層には、それぞれ隣接する次元界の第一層に繋がっている部分があり、歩いて渡ることができます。

 

ここでは、まず外方次元界の名前を挙げ、それぞれの詳細な順次に追記します。

  • [11]「七つの層なす天界山セレスティア(Seven Mounting Heavens of Celestia)」;秩序にして善/無限の広がり/7階層
      dd5_GH1_p11_Celestia.jpg
     無限に広がる聖水の海から、孤高の聖山セレスティアが階層をまたいでそびえたっています。下の階層の最も高い頂に次の階層の最下部に至る次元門があり、階層を登るためにはセレスティア山を登ることになります。それぞれの次元門には門番がおり、善の次元界の中でも最も堅い守りの世界です。秩序にして善の本拠地であるここには多くの天使たち、なかでもアルコンが多く住んでいます。
    • [11.1]「第1階層、“銀天”ルーニア」;ルーニアは銀色にきらめく聖水の海が広がり、ワイン色の暗い夜空に銀色の星々が輝いています。星々の輝きは浜辺と白い石の山脈を明るく照らしています。
    • [11.2]「第2階層、“黄金天”メルクリア」;メルクリアのなだらかな斜面には草が茂り、すべてが黄金色の光に満たされます。
      • 善なる竜神、“プラティナム・ドラゴン”バハムート;善竜を統べるバハムートはこの階層にある宮殿で莫大な財宝と、7体の超巨大サイズにまで成長したドラゴンと共に座しています。バハムートの許しがあれば、第4階層まで意のままに運ぶ風を利用できます。
    • [11.3]「第3階層、“真珠天”ウェニア」;丸みを帯びた斜面のところどころに雪が残り、暖かく澄んだ小川が流れています。段々畑や手入れの行き届いた木立が見られます。
      • ハーフリングの守護女神、ヤンダーラ;“緑なす沃野”を領地としています。ここには兎穴のようなハーフリング達の小さな家が沃野に点在しています。
      • 正義の神、ハイローニアス[GH];“栄光の野”を領地としています。多くのパラディンが集っています。
    • [11.4]「第4階層、“水晶天”ソーラニア」;なだらかな斜面の上には巨大な氷河を戴き、下には豊富な功績を秘めています。谷は光り輝く霧と爽やかな香りに包まれています。
      • ドワーフの守護神、モラディン;彼はエラッキノールと呼ばれる広大な館に住んでおり、ここにはドワーフとその請願者のみがはいることができます。モラディンは炉を操ると一斉にふいごが鳴り響き、彼はドワーフとその武器を鍛え上げます。館の中には地上では見ることができない超絶的な石工の技があると伝えられています。
      • コアトルの守護神、ジャジリアン;ジャジリアンは翼ある蛇コアトルを統べ、混沌の海から宇宙を創造した世界蛇の片割れといわれる蛇神です。彼の領地、“知恵の門”ウロボロスがここにあり、第5階層と接続しています。
    • [11.5]「第5階層、“白金天”マルティオン」;広大な平原が見渡す限りに広がり、所々にパラディンやセレスティアルの城塞がそびえたっています。
    • [11.6]「第6階層、“光明天”ジョーヴァル」;ジョーヴァルの斜面には大粒のルビーとガーネットが散りばめられ、全体が光り輝いています。
    • [11.7]「第7階層、“光輝天”クロニアス」;クロニアスは謎に包まれています。信用できる記録はなく、足を踏み入れて帰ってきた者もほとんどおりません。
       
  • [12]「対なす理想郷バイトピア(Twin Paradises of Bytopia)」;善/無限の広がり/2階層
      dd5_GH1_p12_Bytopia.jpg
     バイトピアは2つの階層が閉じた本のページ同士のように向かい合って存在するという独特の構造をしています。一方の階層で頭上を見上げるともう一方の階層を頭上に見ることができます。どちらの階層も鋭い山々がそびえ立っており、一部はくっついているところもあります。ここには様々な種類のセレスチャルが住んでいます。最も多いのは物質界の生物のセレスチャル版です。
    • [12.1]「第1階層、ドシオン」;ドシオンは二つのうちより文明化した階層で、開墾された牧歌的な雰囲気です。ドシオンに住む請願者は銀毛や金斑の羊を育て、農場を運営します。道端には小さな店と工房が並んでいます。
      • ノームの守護神、“きらめく黄金の”ガール;“滑らかなる手の”カラデュラン、“賢きツグミの”リル、その他ノームの神々の多くがドシオンにある“黄金丘陵”に暮らしています。彼らノームの神々の名前には二つ名のような苗字がついています。
    • [12.2]「第2階層、シューロック」;シューロックはより野性的な階層です。荒々しい地形を持ち、その気候は雪深い冬と混相した酷暑に二分されています。その森林の下の地面には資源が満ちていますが、森を彷徨う強力な獣によって守られています。
       
  • [13]「祝福の野エリュシオン(Blessed Fields of Elysium)」;重度の善/無限の広がり/4階層
      dd5_GH1_p13_Elysium.jpg
     エリュシオンは目を奪われるほどに色鮮やかで平和な善の次元です。全次元界で最も重度な善の属性を持っているこの次元界の居心地の良さは、一方で恐ろしい影響力をもっています。連続して一週間以上を滞在した者は、心を強く持たないとこの次元に囚われてしまい、自らの意思でここから出ることができなくなります。エリュシオンはオケアノス河の源流です。この次元界から流れ出した河は善の次元界を巡ります。この次元界には多くのセレスチャルが住んでいます。最も多いのはガーディナルと呼ばれる者たちです。エリュシオンの名はギリシア神話における死後の楽園に由来します。
    • [13.1]「第1階層、アモーリア」;アモーリアの緩やかな丘陵地帯の草原に木々の緑、咲き乱れる花、オケアノス河の深い青、すべてが明るい空に照らし出されて色鮮やかです。河岸には小さな町が点在しています。エリュシオンの人口の多くはここに住んでいます。意外なことにこの地では火事や大風、船の転覆などの災害がかなり高い頻度で起こります。これによって住人は他者を助ける機会を得、次々と善行を積むことができます。
      • “天上の獅子”タルエシード;獣の相を持った天使であるガーディナルの長である彼と、狼のルーカン公爵や有翼のウィンドヘア公爵ら5人の副官はこの階層に住んでいます。
    • [13.2]「第2階層、エローニア」;エローニアは険しい丘陵と峻険な山脈、深い峡谷からなります。ごつごつとした丘陵が山々や断崖絶壁、高原台地などを取り巻き、その間を大河が幾重にも間切りくねって流れています。この階層には鳥人アーラコクラやジャイアント・イーグルが多く住んでいます。小さな町が高原台地の上や河岸に点在しています。気候は荒々しく、落雷を伴う嵐や大雪も多く、夏は暑く冬は寒いです。エロ―ニアは死後もなお試練を求める善なる魂のためにあり、荒々しくも平和な地です。
       フォーゴトン・レルム世界の神々;多くの善の神々がこの階層に領域を持っています。
      • “神秘の女王”ミストラ[FR];魔法と可能性を司る女神です。フォーゴトン・レルム世界の魔法の基礎となる“織り”を守り、魔法を使う人々に信仰されています。とても親切でおせっかいな女神であり、様々なことがらに関わってきます。ミストラの領域ドゥエオマーハート(“魔法の中心”くらいの意味)は独立峰であり、山頂に魔法研究都市があります。
      • “大いなる母”チョーンティーア[FR];地母神チョーンティーアは農業と牧畜、田園、揺り篭と炉端を司る女神です。田舎の人々に信仰され、悪でないの自然の神々と友好的です。彼女の領域である“大母の庭”は広大な農地です。この庭での作物の実りはその時のトリルの農業に反映されます。
      • “朝の王”ラサンダー[FR];春と誕生、復活を司る朝日の神です。何かを始めるときや誕生のとき、人々はラサンダーに祈ります。彼の領域モーニングローリーは朝焼けの光に照らされた山間の牧草地と小さな湖です。ここではさわやかな目覚めと回復を得ることができます。
      • “静かなるもの”エルダス[FR];“木立ちの守り手”、“水辺の母”の二つ名もある平和の女神です。安息と癒し、平穏を司ります。神官は各地の聖なる森や社を巡り、ドルイドたちと友好です。エルダスの領域“真実の木立”は樫の木に囲まれた泉です。トリルの深い森や魔法の森からここに繋がる次元門があると言われています。
    • [13.3]「第3階層、ベリエリン」;ベリエリンは霧の立ち込めた沼地と霧深い湿地からなり、他の階層と大きく雰囲気が異なります。もつれ合ったマングローブの下でオケアノスはゆっくりと流れています。この人気のない階層にも善のエネルギーは満ち、松明などを点けると後光が差し、数少ない町の中心にある灯台の灯りは霧をつらぬいて旅行者の道しるべとなっています。ベリエリンはある危険な存在の牢獄であるといわれていますが、その正体については明らかになっていません。
    • [13.4]「第4階層、サラシア」;この階層はオケアノス河の源流とある大洋です。サラシアには“死せる聖者の島”や“祝福されしものの島”、“アヴァロン丘陵”、“英雄諸島”などの島々が点在しています。ここではかつての善なる英雄が、再び自らの力が必要とされる時を待ち、そのために研究を続けています。
      • 太陽神、“父なる太陽”ペイロア[GH];この太陽と光、治癒を司る上級神はこの階層の“太陽の要塞”を領地としています。この要塞は常に灯台のように輝き、100マイルを明るく照らしています。
         
  • [14]「百獣の原野ビーストランズ(Happy Hunting Grounds, Beastlands)」;善/無限の広がり/3階層
      dd5_GH1_p14_Beastlands.jpg
     ビーストランズはあらゆる束縛から解放された大自然の次元界です。苔に覆われたマングローヴから雪にたわんだ松、光を通さぬほどに茂ったセコイアの大森林まであらゆる森が発達しています。ビーストランズの3つの階層ではそれぞれ昼と夕方、夜に時間が固定されており、その時間帯が永劫に続きます。この次元界では、住人である狩人と知性を持った野生の捕食者や被食者が狩りを行っています。狩られたものは蘇り、この狩りは永劫に続きます。
    • [14.1]「第1階層、クリガラ」;クリガラは永遠の昼が続く森で、棲んでいるのは昼行性の動物です。オケアノス河が森を急流となって流れ、森の中の各所に三日月湖をなしています。ときに雷雨が起こり、クリガラに住む獣たちが雨宿りの場所へと追い立てられます。
      • 森の女神、アローナ[GH];森の奥深くの“ユニコーンの森”がアローナの領地です。この森にはその名の通り、ユニコーンの群れが住んでいます。
      • ケンタウロスの守護神、スケリット;彼は森の中にある小屋やテントに住むケンタウロスたちと暮らし、しばしば祝宴を呼び掛けます。
    • [14.2]「第2階層、ブルークス」;ブルークスは永遠の夕方が続く森です。クリガラよりは涼しく、霧や露が木々の下に渦巻いています。ブルークスに住んでいるのは朝と晩に活動するような動物です。
    • [14.3]「第3階層、カラススラ」;カラススラは永遠の夜が続く森です。ゆっくりと満ち欠けする銀色の月が空にかかり、星々が取り囲んでいます。ブルークスに住んでいるのは危険な夜行性のクリーチャーです。カラススラは影界とつながっているという話があります。その場合、シャドウ・マスティフや他の影界の怪物がこの森を徘徊しているでしょう。
       
  • [15]「気高き緑の地アルボレア(Olympian Glades of Arborea)」;混沌にして善/無限の広がり/3階層
      dd5_GH1_p15_Arborea.jpg
     アルボレアは気が狂いそうなほどに鮮やかで変わりやすい気候と多彩な環境が隣り合いながら繁栄する次元です。この世界は妖精やエルフが住み、自然の中に優雅な美を溶け込ませています。アルボレアではいつもどこか遠くから音楽ような音色が聞こえてきます。英語の二つ名にあるギリシア神話の神々とニンフの住むオリンポス山がこの次元界のモチーフになっているようです。
    • [15.1]「第1階層、アルヴァンドール」;アルヴァンドールには天に向かってそびえ立つ巨大な落葉樹の森が広がり、その下には起伏に富んだ台地があります。草木は色鮮やかな花を着け、世話する者がいなくとも芳醇な実をつけ、畑には穀物が実ります。ここには多くのエルフやエルフの神々が住んでいます。
      • エルフの守護神、コアロン=ラレシアン;森の中に広がる“セラダラインの館”にコアロンや妻である月虹のセイハーニンらの宮廷がこの地にあります。館に招かれて饗宴を共にできるのはエルフとその盟友だけです。
    • [15.2]「第2階層、アクアロール」;第2階層は果てしない大海が広がっています。水の元素界に似ていますが、海面と海底があります。海の天候はとても変わりやすく、しばしば激しい嵐が発生し、強い潮流が流れています。水中には小さなものから巨大なものまで多くの生き物が住み、海上を帆船が航行します(素材がどこから来たのか謎ですが)。オケアノス河の水はこの海に流れ込み、大海の大渦の中に流れ込みます。一説には、この流れがオケアノス河の源流になるという説もあります。
      • シー・エルフの守護神、深きサシュラス;この階層はサシュラスの住まいです。彼の領土の水は青く澄みわたって光り輝き、珊瑚と黄金に満ちています。ここに辿りついた者をサシュラスは手助けします。
    • [15.3]「第3階層、ミサルディル」;ミサルディルは白い塵の砂漠が広がる階層です。この階層はかって雄大な森林が広がり、巨神たちが住んでいたと伝えられています。ミサルディルの天候も激しく変わり、雷を伴う砂嵐がすべてを吹き散らして砂に埋めてしまいます。砂嵐によって巨神の残した巨大な光塔や墳墓が砂漠の中から現れ、また埋もれていきます。巨神の秘密を求めてここを旅する者もいますが、いずれ絶え間なく吹き付ける風に削られて塵と化していきます。
       
  • [16]「英雄界イスガルド(The Heroic Domains, Ysgard)」;混沌/無限の広がり/3階層
      dd5_GH1_p16_Ysgard.jpg
     イスガルドの果てしなく広がる大空には広大な大地が浮かび、どこまでも流れていきます。大地の大きさは島くらいのものから、大陸に匹敵するものまで様々です。浮遊する大地の山々は峻険にそびえ立ち、辺縁の山脈に囲まれた海が湛えられています。フィヨルドは深々と刻まれ、洞窟の奥にはドワーフが工房を造り、エルフの聖なる森が広がり、川は大地の間を宙に浮いて流れます。流れる大地は頻繁に他と衝突し、結合したり裂けて分裂したりします。 季節の変化は激しく、冬は闇に包まれて凍てつき、夏は晴れ渡って酷暑に包まれます。
     イスガルドに住む請願者は戦いで死んだ戦士たちです。彼らは栄光の野で永遠に戦い続けます。イスガルドで負った傷はみるみる治るので戦いは長く続き、死んだ者は翌朝に蘇って再び戦いに参加します。
     イスガルドの様々なところに宇宙樹ユグドラシルとの繋がっているところがあります。ユグドラシルを登って階層を移動したり、他の次元界に渡ることができます。イスガルドは北欧神話と欧州の妖精譚に語られる妖精の国がモチーフになっているようです。
    • [16.1]「第1階層、イスガルド」;最上層のイスガルドは最も良く知られ、多くのものが住んでいます。浮遊する大地には荒々しい山と海、深い森と戦場となる平野が広がります。
      • 剛力の神、コード[GH];広大なアイダ平原にある“豪勇の館”に“喧嘩屋”コードが住んでいます。コードはこの館で宴をひらき、次々と旅人が参加してまた立ち去っていきます。宴の大騒ぎは終わることなく、頻繁に腕比べのレスリングや戦いが発生します。場を盛り上げるため、コードが戦いに乱入することもあります。
      • 盗賊神、オリダマラ[GH];“笑うローグ”オリダマラのアジトがイスガルドにあります。アジトは様々な文化圏の建築様式をごちゃ混ぜにしたでたらめな構造をしており、内部はダンジョン化しています。大広間では宴が催されて幅広い分野と地域出身のローグやバードらが集まり、問答無用で参加させられます。オリダマラは宴の中に変装して紛れていますが、しばしば抜け出していたずらを仕掛けに遠出します。
      • アールヴヘイム;太陽の光に満ちた森の山岳地域で、エルフの生者と請願者が住んでいます。この地は光と喜びに満ち、絶望に包まれた訪問者も希望を取り戻します。夏の日は長いですが、冬は暗い極寒に包まれ、エルフ達は煌びやかな洞窟に退避してこもってしまいます。
    • [16.2]「第2階層、ムスペルヘイム」;“火の国”ムスペルヘイムは炎に包まれた階層です。炎が吹き荒れる空を火山が浮遊し、溶岩が流れ出します。山々の尾根には沢山の尖塔や城塞が立ち並び、なかでは数百ものファイアー・ジャイアント氏族が住んでいます。彼らはいつも敵対氏族や外敵と戦い続けています。
    • [16.3]「第3階層、ニダヴェリール」;ニダヴェリールは温泉や間欠泉で温められた洞窟が縦横無尽に走る地下世界です。大洞窟には地熱で育つ奇妙な木々からなる地下森林が広がり、水晶の鉱脈が闇の中に煌めきます。ニダヴェリールの大部分はドワーフとノームの王国が占めていますが、スヴァルトアールヴヘイム地域にはドラウ達が住んでいます。このドラウ達はドワーフらと険悪ですが、さほど邪悪ではありません。
       
  • [17]「無情なる混沌の忘却界リンボ(Ever-Changing Chaos of Limbo)」;重度の混沌/無限の広がり、無重力/階層なし
      dd5_GH1_p17_Limbo.jpg
     リンボは純粋な混沌の次元界です。階層も一定の重力も無く、すべてが変化しながらかき回されています。リンボには炎や水たまり、地塊が漂い、ときに激しく流動します。ここで魔法を使用すると予期せぬ暴走が起こります。リンボにはスラードとギスゼライなどの原住クリーチャーが住んでいます。リンボの請願者はわけのわからないことをつぶやいては笑い声をあげ、漂います。
    • ギスゼライとゼルスアドラン修道院;ギスゼライは痩せて素早く忍耐強い人型生物です。はるか昔にマインドフレイヤーの奴隷から脱した彼らは、リンボに移り住みました。彼らはリンボの混沌を克服すべき苦難の一つと考えています。ギスゼライは岩塊に都市や修道院を建築して暮らしています。数ある修道院の中で最も高名なのがゼルスアドラン修道院です。ベルソマイス先生が教えるゼルスアドラン流拳法の達人は一瞬先の未来を見通すと言われています。一定の重力が無いため、修道院はの部屋はあらゆる表面が床として用いられ、立体的な構造になっています。
    • スラードと産卵石;スラードは直立したカエルじみた姿をした生物で他の種族を苗床にしての産卵や、スラード化の病気で増殖する恐ろしい生物です。彼らの侵略を受けた区域はまたたく間にスラードまみれになります。彼らは生まれ故郷のリンボに適応しており、混沌の中を自由自在に動き回ります。彼らの最大の生息区域は“産卵石”と呼ばれる巨大な岩塊です。ここでスラードは狂乱のなか、互いに卵を産み付けあって際限なく増殖します。産卵石は強力な“石の守護者”によって守られています。
    • スラード王(と女王);スラード王はスラード種の支配者です。混沌のクリーチャーである彼らは通常のスラードと大きく異なる存在です。
      • “狂気の女王”スセンダム;最古にして最強のスラード女王。スセンダムは黄金色の脳を浮かべた巨大なアメーバの姿をしています。彼女に知性は存在せず、出会った者をすべて飲み込むのみです。しかし、ときに黒い剣を持った剣士になることもあります。また、かって産卵石に来襲した大量のデーモンを一瞬で消滅・敗走させたと言われています。
      • “エントロピーの王”イゴール;イゴールは黒い肌で大鎌を手にした人型生物の姿で現われます。スセンダムに次いで古く、実質的なリンボの統治者です。スラードを現在のカエルのような姿にしたのは彼です。イゴールは邪悪ではありませんが、極めて危険です。スラードの拡散によって多元宇宙に死と崩壊、腐敗をもたらします。
      • “偶発の王”チョウアスト;チョウアストは身長20ft程の白いスラードで、まばらに棘があります。気まぐれで衝動的、ギスを細かく引き裂いて遊んでいたかと思えば、次の瞬間には花の香りに夢中です。好奇心旺盛なチョウアストは様々な次元界を訪問します。以前はメカヌスに向かい、モドロン種族にいたずらして生還したこともあります(いまだに秩序次元界からのお尋ね者です)。疑い深いイゴールも彼の行動を楽しんでいます。
      • “色彩の王”レンブウ;レンブウは芸術家きどりのスラード王で様々なモノの色を書き換えることをアートとしています。竜やスラード達の色も塗り替えるため評判が悪く、人望がありません。彼の審美眼に適った相手には友好的に接します。
      • “炎をもたらすもの”バズィム・ゴラグ;バズィムは暁の巨神のひとりで巨大な双頭の赤いスラードの姿をしています。グレイヴを手にし、黒い炎をを司ります。
      • “混沌の王”ワートル;ワートルはモーニングスターを手にしたまだら模様の小さなカエルのようなスラード王です。イゴールによってセレスティアの海に封じられています。
         
  • [18]「風吹きすさぶ魔窟パンデモニウム(Windswept Depths of Pandemonium)」;混沌/無限の広がり/4階層
      dd5_GH1_p18_Pandemonium.jpg
     パンデモニウムは縦横無限に広がる地中に無数のトンネルが走る次元界です。重力は最も近い壁面に向かって働き、ところによっては無重力になっています。トンネルは唸りを上げる風に抉られてできた風穴です。太陽も無く閉ざされた闇の中、騒音と共に吹き抜ける風に火も話し声もかき消されます。無防備な旅人には埃と瓦礫が突き刺さり、風にさらわれた身体は壁に叩き付けられて壁の染みとなります。パンデモニウムに吹く風は哄笑や悲鳴をあげ、これを耳にしたものに狂気をもたらします。
     パンデモニウムには魔物やワイトなどのアンデッドの他、“流刑者”と呼ばれる人間やドワーフ、ドラウや巨人などの集団が暮らしています。彼らはかつてそれぞれの種族から追放された者たちの末裔であり、それぞれのとびきりのクズ共が揃っています。
    • [18.1]「第1階層、パンデスモス」;この階層には大きな洞窟があり、なかには幾つもの国が入ってしまうようなものはあります。壁面の一部にはくぼみに沿って川が流れますが、重力の釣り合ったところでは空中を流れます。これらの川のなかにはスティクス河の支流があります。
      • “乱痴気館”;“荒涼党”と呼ばれる魔物たちが運営している城塞都市で、旅人達の宿場町です。無秩序に広がった建物が巨大な石壁で仕切られています。普通の町で支給されるような大抵の経済活動が行われていますが、ここの住人の多くは狂人か耳が聞こえません。
      • “冬の間”;この地域は雪に覆われており、吹雪が吹き続けます。数フィートしか視界の通らない闇の中を、壁から剥がれた氷塊が叩き付けられています。ここには霜の巨人とウィンター・ウルフが徘徊します。
    • [18.2]「第2階層、コキュートス」;ここの洞窟はより狭く、そして風は更に強くなっています。風はむせび泣くような音を鳴らし、“哀歌の階層”とも呼ばれます。
      • 遠吠えの岩場;この階層の中心に大岩がノコギリのように立ち並び、周りに無数の穴が続いています。どの穴にも不思議な聖歌や祈祷文、詩文、数式、構造式が壁面いっぱいに書かれています。ここの頂上の壇とそこにいる者はかすかな青い光に包まれ、そこで上げた叫び声は風に乗って飛び、“大いなる転輪”を巡り、伝えたい相手の耳に届くと言われています。
      • ハーモニカ;途方もなく大きな円柱の間を吹き抜ける風が全次元界で最悪の騒音を響かせるところです。この石柱と騒音には次元界移動の奥義が隠されていると言われており、それを求めて斃れるものは後を絶ちません。
    • [18.3]「第3階層、プレゲトン」;この階層の洞窟はますます狭く、風も強くなっています。この階層には一定方向の重力が働いており、天井や床には石筍と鍾乳石が牙を剥いています。この階層には多くの地下水脈と地底湖があり、風の唸りに水滴の響きと水流が加わります。
      • 流刑者の都市、ウィングラム;数マイルの広さを持つ洞窟を、何本もの天然の石柱が支えており、幾つもの燃える球体が無秩序に広がる家々を照らしています。ここには様々な流刑者の集団が暮らしていますが、人々は疑い深く精神は不安定です。ただし“鱗犬”という宿だけはよそ者を歓迎しており、ここでは次元旅人が情報を交換し、傭兵が仕事を求めています。
      • 殺戮の神、エリスヌル[GH];ここにはエリスヌルの住まい“殺戮の城塞”があります。この巨大な廃墟の城塞の曲がりくねった通路に吹く風には常に戦いの音が響き、戦いに狂った者たちが互いを駆り立てようと武器を持って徘徊します。瓦礫の中心にエリスヌルがおり、人々の繰り広げる殺戮を楽しんでいます。ときに様々に姿を変えながら戦いに混じり、彼が血を流すと、その血からその時に姿を取っていた種族の者が生まれます。
    • [18.4]「第4階層、アガシオン」;この階層はトンネルが狭くなり、途切れています。それぞれに閉鎖された洞窟はあるいは真空であり、別のところは毒の空気に満ちています。この泡のような空間を移動するのには転移門を使用する必要があり、そのときには暴風が発生します。転移門の繋がりを知らない者にはこの階層の閉鎖洞窟を見つけるのは不可能であり、様々な神格などがこの空間を隠れ家や、危険な秘宝、特別な秘密、危険な怪物の封印の場所としています。
      • “狼蜘蛛の”ミスカ;はるか昔、混沌の軍勢と秩序の軍勢の全次元の存亡をかけた戦いにおいて、混沌勢を率いた将軍が当時プリンスofデーモンズの“狼蜘蛛の”ミスカです。秘宝“ロッドofセヴン・パーツ”によって敗北した彼は、パンデモニウムのどこか(おそらくアガシオン)に封じられています。
         
  • [19]「無限の階層なす奈落アビス(Infinite Layers of the Abyss)」;混沌にして悪/広さは様々/無限階層
      dd5_GH1_p19_Abyss.jpg
     すべてが醜く邪悪、それぞれ異なる無限の多様性をもつ悪と混沌の次元界です。アビスの各階層ごとに固有のおぞましい環境を持ち、無限に連なっています。階層毎の共通点は少なく、暮らし辛くて無数のデーモンが徘徊していることだけです。
     アビスはデーモンの故郷です。彼らはアビスから無限に湧き、悪行と変異を繰り返して強力になります。彼らはアビスを訪れる訪問者たちを食料か玩具程度にしか思っていませんが、まれにデヴィルとの流血戦争や物質界への陰謀の道具として活用します。デーモンにはいくつかの種類があります。より古く混沌寄りの古代種のオビリスと、現在の主流であるタナーリ族です。幾人かの強力なデーモンはオビリス族であり、彼らは宇宙創世期の秘密を知っています。
     各階層は強力なデーモン・プリンスや神格が支配しています。彼らは自分の支配階層を意のままに変貌させます。彼らは善の勢力やデヴィルのような秩序勢力、競争相手のデーモン・プリンスなどあらゆる者と敵対します。無数の手下を侵略に送り込み、陰謀を仕掛けます。また、信奉者の祈りから力を得るため、物質界にカルト団を作ろうと謀ります。
     はるか昔、タナーリ族の興り始め、際限なく増えたデーモンは“混沌の女王”に率いられてアビスから溢れ出し、“狼蜘蛛の”ミスカを将軍として全宇宙を浸食しました。対抗して天使たちからデヴィルに至る秩序の勢力は結集し、決戦になりました。秩序勢力の“アーカの風の公爵”らは秘宝“ロッドofセヴン・パーツ”を用いて、混沌に勝利し、侵攻を食いとめました。それ以降、アビス全体がまとまったことは無く、それぞれデーモン・プリンスらが抗争を続けています。
     以下、アビスの階層について良く知られた階層に絞って記載します。文中に[ta]とあるのはタナーリ族、[ob]はオビリス族であることを示します。
    • [19.1]「第1階層、“千門平原”パズニア」;荒れ果てた荒野の上空に巨大な地片が浮遊し、飛行デーモンが徘徊します。頻繁に熱風や疫病が発生して、デーモン以外の住人は苦しみます。岩がちな渓谷の底にはスティクス河が流れ、より深い階層に流れ落ちていきます。この階層には無数の次元門が存在しています。他の次元界に繋がっているものや、奈落のより深い階層へ直通しているものなど様々です。中央にグランド・アビスと呼ばれる巨大な亀裂があり、その壁面には特に奈落の様々な階層との次元門が多く開いています。
      • “下層空中諸王国の公王”パズズ[ob];。猛禽の頭に4枚の翼、サソリの尾を持つ剣士の姿をしています。熱風と蝗害、疫病と欺きを司り、テュポーンやイムドゥグドといった異名であらゆる世界に現われます。彼は悪の次元に住む全ての翼持つものから敬意を払われます。
    • [19.4]「第4階層、“グランド・アビス”」;第一階層の地割れは果てしなく深き、これ自身が一つの階層をなしています。断崖の壁面には無数の次元門が開き、他の階層などに繋がっています。この階層の領有権は抗争中で、常に戦場となっています。
    • [19.12]「第12階層、“十二本木”」;狭い階層で、巨大な十二本の古木が円状に並んでいます。タナーリへの世代交代のとき天上界と平和会議のために12人の天使がアビスに訪れました。タナーリは使者を木に縛り付けて生贄にし、以来ずっと絶叫が響いています。ここでの悪の儀式は強力なものとなり、すべてのデーモンから聖地として尊重されています。
    • [19.14]「第14階層、蒸気の沼地」;蒸気の立ち込めた腐敗した海が広がり、そこから広大な岩山が屹立しています。岩山の洞窟は迷宮となっており、内部の城塞に繋がっていると言われています。
      • “混沌の女王”[ob];肥満した女の上半身に無数の触手が伸びる下半身、その奥には鋭い牙の生えた嘴があるといわれています。最古にして最強のオビリス・ロードであり、はるか昔に混沌の勢力を率いて法の勢力との戦いを起こしました。姿を消したあと第14階層に潜んでいるといわれています。
    • [19.23]「第23階層、“鉄の荒野”」;吹雪が吹き荒れ、険しい山と氷の裂け目が連なる厳しい土地です。吹きすさぶ風が鳴らす絶叫が響きわたらせ、霜巨人とフロストワームが荒野を徘徊します。氷河の谷にある“ストルドッター門”はイスガルドのヨトゥンヘイムおよび宇宙樹ユグドラシルと繋がる次元門です。イスガルドとの戦争で死んだ無数の霜巨人の死体が散乱しています。門の建設の際に生贄にしたコシチェイの娘とワルキューレが融合した魔物が門の近くを徘徊していると言われています。
      • “怒りの王”コシチェイ[ta];歪んだ奇形の霜巨人の姿をしています。怒りと力、冬を司ります。コシチェイは様々な次元界に出没して霜巨人の部族を支配下に置き、あるいは見かけた山を登山隊と共に登頂して征服します。戦闘では凄まじい激怒と共に両手ハンマーで敵を粉砕します。彼の配下のほとんどは霜巨人です。彼の背後には魔女王イグウィルヴの存在が噂されています。
    • [19.45]「第45,46,47階層、“三重領地”アザクラド」;第45階層ラウエンドは灰色の空を持つ無音の世界、毒蛇の森が広がります。第46階層シャドウスカイの大地が怪しく光り、空に影を落とします。第47階層ヴォールズトの青い太陽の下で炎は青紫で冷気を放ちます。これら3つの階層は首都ゼラタールと“塩の河”などを楔に結合して一つになっています。
      • “暗黒のプリンス”グラズト[ta];獣の蹄と6本の指、漆黒の肌をもつ剣士の姿をしています。欺きと誘惑を司り、恐るべき剣技を誇り、3階層という最大領地を持つプリンスです。多くのプリンスと激しい抗争を続けており、物質界にも密偵と陰謀を張りめぐらせています。デモノミコンの著者である魔女王イグウィルヴとの間には愛憎に満ちた同盟関係があります。
      • 三重都市ゼラタール;第45階層フォッグタウンと第46階層ガレンガスト、第47階層ダークフレイムの3つが結合した複合都市です。アビスでも最も巨大な都市であり、グラズトはこの町で商人を保護するよう命じています。このため取引や秘密の会合、隠棲に用いられます。
    • [19.66]「第66階層、“ザ・デーモンウェブ・ピット”」;白い石版の床とクモ糸の壁で作られた網状の無重力階層です。石板には虐げられた人々の姿が紋様になり、身じろぎしています。網の外は混沌が広がり、身を晒したものは引きずり込まれて消失します。階層には他の次元界とのポータルが隠されており、あるいは他次元の都市や地域が丸ごと引きずり込まれているところもあります。この階層には無数の蜘蛛とデーモン、ドラウが住んでいます。
      • “蜘蛛の女王”ロルス;かつてはエルフの主神コアロンの妻でしたが、エルフ神格を裏切ったことにより、クモの半身をもつドラウの女神となりました。ドラウとクモを支配し、地上とエルフを破滅させ、信者に過酷な試練を課すことを好みます。
    • [19.73]「第73階層、“暗黒の井戸”」;閉じられた岩がちな土地で、岩山の中に黒い液体が溜まっった底なしの穴があります。穴の中には様々なデーモン・プリンスや忘れられた神が沈められているます。穴の縁とそれぞれの穴を結ぶ道には石の通路が伸びています。漬けられている者は脱出できませんが、近づくと幽かなテレパシーを感じます。これらの風景を岩山の頂にある“見晴らし塔”が睥睨しています。
    • [19.88]「第88階層、“大口”」;この階層は主デモゴルゴンの性質を表した二つの側面を持ちます。鬱蒼とした密林には狂暴な獣の様な魔物やカルト団が棲み、無限に広がる海洋と“塩の湿原”には水棲の魔物が潜んでいます。首都は密林都市レモリアックス。この都市では常にデーモンが絶叫し、暴動中の住人が殺し合っています。デモゴルゴンは海面に突き出た双塔アビズムに棲み、深淵はダゴンの領地が潜んでいます。
      • “プリンスofデーモンズ”デモゴルゴン[ta];狒々に似た双頭と二分岐した触手状の腕と尻尾、鱗を筋肉質の身体に生やした巨体を持ちます。狂気と野蛮、鱗、堕落を司り、純然たる力で最強デーモンの称号、“プリンスofデーモンズ”を保持しています。視線を見るものを発狂させ、尾や触手に打たれた肉は生命を吸収されて萎び、二つの行動を同時にとります。双頭は互いを支配するべく内部抗争を続けています。デモゴルゴンは狂気の発想で様々な悪種族を発明し、次元界にばら撒いています。その強力さと裏腹に彼らは直接対決を蔑んでおり、無数の手下と同盟を駆使します。彼らの信奉者は人間には多くありませんが、トログロダイトなどの野蛮な生き物に蔓延しています。
      • “深みの王”ダゴン[ob];無数の触手の腕と下半身を持つ、巨大な魚人かウミヘビのような姿をしています。混沌と狂気、水を司り、光無き海の深淵に住む者を守護します。デモゴルゴンと同盟を組んで深淵に帝国を築いています。彼はとくに古いデーモン・プリンスであり、捧げものと引き換えに太古の知識を授けます。ダゴンと相対する者はその強力な触手より前に、狂気と滅びの歌に晒されて破滅します。
    • [19.113]「第113階層、“死の腹”タナトス」;日の射さない黒い空にかかる巨大な月に照らされた荒廃した階層です。ここでは生者は生命を削られて死に、屍は亡者として黄泉返ります。荒野を徘徊するモノも、首都ラクリモウザやオルクスゲート、“まっすぐカーヴの都”などの街に暮らしているのも亡者とデーモンばかりです。荒野を流れるスティクス河は“凍てつく海”に流れ込みます。その分厚い氷の中にはかつての廃墟や船の残骸が埋まっており、深みには水棲の怪物が潜んでいます。氷上に建てられた“死者の都”ナラテュルは独立した亡者が暮らしており、冒険者が助けを得られる数少ない都市です。オルクスは最終丘陵の先にある骨粉の砂漠の果て、骨の城塞エヴァーロストに住んでいます。
      • “亡者の王”“流血公”、オルクス[ta];雄羊の頭と脚、蝙蝠の羽根、肥満した巨体をしています。死と亡者を司り、亡者を操ります。死の力を持つ髑髏の棍棒、“ワンドofオルクス”を持ち、これを振るって戦います。オルクスは定命の者が破滅する様を楽しむために、この秘宝を貸し与えることがあります。オルクスは幾度も殺害され、そのたびにより強くなって黄泉返ってきました。オルクスは神々を呪い、生者を憎み、亡者を蔑み、この世の全ての滅亡を渇望します。頻繁に他の領土に無数の亡者の軍勢を送り込みます。オルクスは無数の亡者と死人使いに崇拝され、物質界にカルト団があります。全デーモンの中で最も神位に近いのがオルクスです。
    • [19.176]「第176階層、“虚ろの中心”」;大陸程度の大きさの閉じられた世界です。刃のような峰の山脈と、むせび泣く肉の樹の森、赤い“血の砂丘”、汚水が満ちた“虚ろの海”からなります。かっては無限の大きさを持ちましたが、フラズ・アーブルが他のプリンスに裏切られて“狂大魔道士”ザギグに封じられている間に他のプリンスに引き裂かれ、奪い取られました。
      • “欺きの王”フラズ・アーヴル[ta];大きな青白い猫背の身体に、鋭い爪と異様な大きさの口に生えた牙と黒い翼を持ちます。欺きと幻、誘惑と裏切りを司ります。フラズ・アーヴルは魔術と鋭い爪で戦いますが、最悪の能力は他のデーモン・プリンスを欺いて招来する力です。彼と戦う者は突然呼び出されて怒り狂う他のプリンスと相対することになります。そのせいもあり彼は他のプリンス達と険悪です。フラズ・アーヴルはザギグにのせいで大変な人間嫌いです。
    • [19.222]「第222階層、シェグダラー」;あらゆる種類の巨大な植物とキノコが密生する生命力にあふれた世界です。森の中を植物や粘体クリーチャー、ザグトモイの犠牲者の魂がさ迷っています。この階層の地上はザグトモイが、地下はジュイブレクスが支配して激しい抗争を続けています。
      • “キノコの女王”“腐朽の貴婦人”ザグトモイ[ta];人型のキノコの塊で姿で、長い菌糸と傘の連がドレスのように広がっています。腐敗と欺き、キノコを司る弱小プリンスです。彼女は力を得るために物質界でカルトを組織するために長年努力し、結果として、人間は樹木を崇拝してもキノコを崇拝しないことを理解しました。現在は他の寺院を偽装カルトに変質させることを得意としています。身近な寺院がザグトモイに浸食されていることさえあります。グレイホーク世界では、彼女は半神アイウーズの伴侶です。
      • “顔なき王”ジュイブレクス[ta];。周囲に偽足を伸ばした大きなスライムの塊で、内部に無数の目が浮いています。堕落と粘体、暴食を司ります。ジュイブレクスはただ存在することを望み、ウーズを大量にまき散らしながら全てを殺害、腐蝕します。信者のことを認識しているのかも怪しいですが、カルト団は存在ます。彼の手下は狂人のほか、ウーズやスライムばかりです。
    • [19.422]「第422階層、“イーノグフの領地”」;この階層の名前は支配者の語彙力を示します。赤い太陽にさらされた黒ずんだ荒野と灰色のサバンナ、枯れかけの木の森林が広がります。無数の死骸が埋まる荒地をノールやハイエナ、デーモンが徘徊しています。イーノグフは奴隷の引く移動宮殿に載って階層を巡察します。どろどろと汚れた海には逃亡奴隷と造反ノールが艦隊を組んで放浪しています。
      • “野蛮の王”“虐殺の獣”イーノグフ[ta];ハイエナの頭と脚を持つ痩せ細った大きな獣人の姿、3つ頭の巨大なフレイルを持っています。彼が司るのは獣と怒り。ノールの守護者であり、繁栄させようとします。戦いでは唸り、叫びながらフレイルを振り回します。弱小プリンスですが、グール王ドレサインを配下にしており、ノールの他にグールにも配下がいます。以前に因縁のあるマルカンテトとバフォメットとは大変い仲が悪いです。
    • [19.471]「第471階層、アンドロリネ」;ここは暗く堕落した魔物の世界と、美しく花の咲き誇る妖精の世界が入り混じる階層です。はるか昔、“青ざめた夜”によって攫われたアルボレアの妖精の子供たち数千人がこの階層に囚われました。それ以来、救出にきた妖精たちとの戦いが果てしなく続いています。森に開いたアルボレアへの次元門から妖精たちが軍勢を造り、妖精たちの街メラトンベルクやパスコレルを守り、川を挟んだ城塞都市ゴルメンディゴリアのデーモン軍と対峙しています。
      • “青ざめた夜”[ob];白いベールを纏った幽霊のような姿をしています。堕落と知識を司り、“デーモンの母”の二つ名がある太古のデーモンですが、正体は謎に包まれています。ベールに隠された真の姿を見た者は即死します。彼女は第600階層にも領地を持ちますが、バフォメットとは住み分けています。
    • [19.570]「第570階層、シェンディラヴリ」;永遠の夕暮れに包まれ、雄大な山脈と森、海が広がる美しく優雅な階層です。しかし、その裏には堕落が渦巻いています。木々は肉食植物で中毒性のある実をつけ、空中庭園には拷問室と研究室が並びます。淫魔や奴隷ら全ての者が堕落と淫行の限りを尽くし、都市の地下に広がる闇の中では謀反者たちが陰謀を企てます。海沿いにある記念アーチには600日ごとにマウア城の魔女エルーヴィア[GH]が訪問すると言われています。
      • “サキュバスの女王”マルカンテト[ta];刃のような蝙蝠の翼と角、尻尾の生えた黒髪の美女の姿をしています。誘惑と欺きを司り、快楽で人を堕落させて破滅させます。彼女は無数のサキュバスとインキュバスを配下に持ち、物質界には彼女に使えるカルトがたくさんあります。彼女とパズスの間には特に危険な淫魔の娘が何人かいる一方、デモゴルゴンとの子供は恐るべき怪物です。
    • [19.600]「第600階層、無限迷宮」;捻じれた通路と罠の仕掛けられ石造りの迷宮が果てしなく続く階層です。迷宮を怪物が徘徊し、迷い込んだものを殺戮します。バフォメットは迷宮宮殿リクティオンで陰謀を練るか、“科学の塔”で新しい発明に時間を費やします。飽きたときは永劫に渡って虐殺の血が染みつく真鍮競技場で殺戮を楽しみます。無限迷宮の一角には“青ざめた夜”の骨の城が建っています。危険極まりない階層ではありますが、ここには他に繋がる次元門がいくつもあり、迷宮を彷徨う定命者が住み、脱出路を探しています。
      • “獣の王”“角ある王”バフォメット[ta];人身牛頭の巨大なミノタウロスに似た姿をしており、ギザ刃のグレイヴを手にしています。怒りと力を司り、ミノタウロスの守護デーモンです。獣に邪悪な知性を与えるともいわれます。戦いでは恐ろしい咆哮と邪水のブレス、角と武器に加え、異次元迷宮に送り込む力を持ちます。彼のカルトは蛮族などの間に広まっています。“青ざめた夜”とは同盟を組んでいる一方で、グラズドとイーノグフとは激しく抗争しています。
    • [19.663]「第663階層、シオニン」;無数の蟲が荒らし廻る人を寄せ付けない広大な大地と分厚い樹脂の海からなります。住人である蟲デーモンは物質界から持ち込まれた犠牲者の死体を粘液で固めて都市を造り、巣としています。そこでは死体で作られた大聖堂や塔が立ち並び、オボクスオブのかつての栄光を称える記念碑となっています。
      • “蟲の王”オボクスオブ[ob];無数の鋭い脚が生えたサソリの体、尾の先端に長い舌を持つ六つ目の人頭。サソリの頭の代わりに先端が尖った触手が3本生えています。蟲と破壊、混乱を司ります。その姿と鳴り響く不協和音は狂気を引き起こし、毒針から混沌を注ぎこんで変異させます。かつてはプリンスofデーモンズの称号を持っていましたが、タナーリ隆盛の際、“混沌の女王”に殺されて奪われました。その後、彼はシオニンに潜んで復活し、復讐の機会を伺っています。
         
  • [20]「深き暗闇の幽閉界カルケリ(Tarterian Depths of Carceri)」;悪/無限の広がり/6階層
      dd5_GH1_p20_Carceri.jpg
     カルケリは球状の大地が数珠のように無限に連なっている次元です。それぞれの球状大地の直径は160kmほど。大地の中から光が漏れて灯りとなり、重力はそれぞれの中心に向かって働き、互いに接触しない位置を保ちながら緩やかに動いています。それぞれの球状大地の中心部に、より深い階層の対応する球状大地への階層転移門があります。これを発見できれば、深い階層に移動できます。すべての球状大地の階層転移門が辿りつける位置にあるとは限らないため、この次元界を旅するのには数珠状の大地の移動と階層転移門の行き来する必要があります。
     他の次元界からカルケリにつながる次元門は、知られている限り全てカルケリへの一方通行であり、カルケリに入ったものは出れません。この一方通行と階層構造が合わさって、カルケリ全体が巨大な迷路牢獄となっています。カルケリから出る手段は最深部のみにあり、それを握っているのはただひとり、死と亡者を司る神ネルルです。
     それぞれの球状大地の様子は階層ごとに違いますが、一見してさほど危険なものに見えません。カルケリは暗闇と絶望、裏切の次元です。一見して安全な風景の裏には危険が潜み、住人の全てが悪意を隠して裏切りの機会を狙っています。
     カルケリのモチーフはその英語の二つ名の通り、ギリシア神話で語られる魔物が封じられるタルタロスの谷でしょう。この谷には巨神族を始め、テュポーンやエキドナなど、恐ろしい魔物の数々が幽閉されていました。
    • [20.1]「第1階層、“巨神のすみか”オルトリュス」;沼地と流砂の土地で、スティクス河が全域に流れています。沼地から突き出る陸地は険しい山脈になっています。沼地には蟲が群れをなし、山頂には怒り狂った巨神族(ティタン族)が住んでいます。もし、カルケリから抜け出す方法が知られたら、彼らによる破壊が全宇宙を震撼させるでしょう。この階層の名前はギリシア神話における巨神族が住む山、オルトリュス山が由来です。
      • 最後の希望砦;どこかの球状大地の山岳地帯にある花崗岩の要塞です。この砦は誰にも統治されていない無法の街です。全次元的なならず者集団“革命連盟”の拠点です。町の住人は誰一人として信用できませんが、一方で、様々な偽造文書の作成や不埒なサービスを受けられます。
      • “巨神の王”クロノス;特に高く峻険で、二つの球状大地が接しているオルトリュス山に巨神の王クロノスの巨大な宮殿があります。彼を訪ねる者は神話時代の知識と知恵を授かることができます。ただ、訪問者がクロノスに、自身が囚人であることを思い出させると、彼は不意に激昂します。
    • [20.2]「第2階層、“緋色の密林”カトリュス」;この階層の球状大地には腐敗臭のする密林と緋色の平原に覆われています。木々は強酸を分泌し、揮発した樹液が近づくものを溶かします。緋色の草原の草には鋭い刃のような葉が生えているものがあり、入り込んだものを切り裂きます。
      • 罪業の薬屋;ある密林の奥地に隠された薬屋で、シン・メイカーと呼ばれるグラブレズウ(デーモン)が経営しています。彼は毒を偏愛しており、はるか昔から蓄積したレシピに基づいて様々な毒や薬を調合できます。
    • [20.3]「第3階層、“爆風の跡”ミネテュス」;この階層の球状大地は砂で満ちています。突き刺すような風と竜巻で吹きつけられる砂で肉が削がれ、守りのない者は数時間で骨と化します。住人は災害を避けようと、穴を掘り続けています。砂の中にはドラゴンに似た“砂ゴルゴン”が泳ぎ回ります。時折、かつての都市の廃墟が砂漠から現れ、再び埋没していきます。その街路には石化した亡者が徘徊しています。
    • [20.4]「第4階層、コロテュス」;この球状大地は断崖だらけの山岳と深さ数マイルの峡谷でできており、ときに強い風が吹きます。断崖には僅かに町や交易路がありますが、落下の危険が伴う代物です。
      • 悪意の花園;いくつかの大地は断崖が蔦に覆われて、色とりどりの花が咲き乱れる美しいところです。しかし、これらを摘もうとしたり、蔦を掴んだものなどに蔦が伸び、絞め殺そうとします。数百日に一度、この蔦はタンポポのような綿毛の種を撒き散らします。この種は風に乗って飛び、人知れぬところで芽吹きます。
    • [20.5]「第5階層、ポルパテュス」;この階層の球状大地は冷たく浅い海に覆われ、わずかに小島な小島が波間に顔を出しています。空から絶え間なく黒い酸の雪が降り続け、生き物を焼けただらせ、物を腐食させます。住人は島にしがみ付きながら住み、訪れる者に助けを求めつつ裏切る機会を探します。この階層に宮殿を構えるもう一人の巨神王も崩壊しつつあります。海には“百人船”と呼ばれる白い帆船が球状大地を渡りつつ移動しています。甲板は無人ですが、下層船室には100個の石棺が並んでいます。この船に便乗するのはありませんが、それ以上の好奇心を発揮した者の姿は死体で発見されます。
    • [20.6]「第6階層、“氷に閉ざされし”アガテュス」;この階層は、赤い縞の入ったただ一つの黒い氷の球体からなります。この階層では冷気と負のエネルギーによって、生命が削り取られていきます。住人は嘘を唇に凍りつかせたまま氷の中に半分埋め込まれています。
      • “刈り取るもの”ネルル[GH];死と亡者を司る上級神です。大鎌“ライフ・カッター”を携え、白骨化したの老人の姿で描かれます。彼は凍結した血の城ネクロマンティオンに積まれた死体の奥、嘆き声とすすり泣きの深淵で、奇怪な実験を続けています。物質界にはネルルの隠された寺院がいくつも存在し、多くの神官と死人使いが仕えています。彼らは“死”以外に祝うべきことないと考えている一方で、葬式は死者の立場や死に方によって無数のバリエーションを用意しています。
         
  • [21]「灰色の荒野ハデス(The Gray Wastes of Hades)」;重度の悪/無限の広がり/3階層
      dd5_GH1_p21_Hades.jpg
     ハデスは色彩を失った灰色の荒地が果てしなく広がる次元界です。この次元界には太陽や月、星、季節もなく、蔓延する疫病と暗鬱、諦め、絶望のみがあります。すべての神格、悪魔などからも見捨てられた魂が流れ着く先です。ハデスは奈落と地獄の中間地点にあり、彼らの軍勢が荒野で戦い続けています。
     ハデスを訪問する者は、足を踏み入れた途端に色彩を失います。そして、いずれは絶望に囚われます。この色彩を失った次元界の中で、他次元界への次元門のみが色彩と光を発しており、その輝きは遠くからでも見ることができます。
    • [21.1]「第1階層、オイノス」;灰色の岩がちな荒野と丘陵が広がり、ねじくれた木々がまばらに立っています。魔族が流浪し、疫病が蔓延しています。ここは奈落と地獄の軍勢による“流血戦争”の主戦場であり、叙事詩的な規模で酸鼻な戦闘が続き、その音と悲鳴が階層全体に響き渡っています。他の下層次元界から流れ込んだスティクス河が、ここから更に下の階層へ流れていきます。
      • “血の峡谷(Blood Rift)”;奈落と地獄を繋ぐ血の川が流れる峡谷です。この峡谷を中心にデーモンとデヴィルの戦争がオイノスに広がっています。かつてユーゴロスの王、アンスラサクスが峡谷を支配していましたが現在は行方不明、どこかの主物質界に封じられているといわれています。
      • “キンオインの荒れ果てし塔”;荒野にそびえたつ高さ20マイルの塔であり、巨大な脊椎のように見えます。この塔は殺された神の背骨だといわれており、地下にも同じだけの深さに突き立っています。塔は魔族ユーゴロスに支配されており、内部に様々な研究施設や演習場などが無数に存在します。玉座シージ・マリアスに座するものは塔とオイノロスに蔓延する疫病を支配できます。
      • 疫病の神、“黒の乗り手”インキャビュロス[GH];疫病と飢餓、悪夢、災害をつかさどる神です。歪んだ肉体と病んだ顔を、緑とオレンジで縁取られた黒いローブに包み、夢馬に乗って夜空を駆けます。オイノスにある“納骨堂”と呼ばれる彼の領地は死臭に包まれています。
      • 死者の王、ケレンヴォー[FR];死と運命、旅を司る神です。フードを被った黒衣の騎士の姿で、死者の魂を信仰する神の下に公正に送り届けます。その信徒は死を人生の一部とみなし、虐殺と早すぎる死を防ぎ、アンデッドを滅ぼします。オイノスにある彼の城は透き通り、“水晶の塔”と呼ばれています。
    • [21.2]「第2階層、ニヴルヘイム」;“霧の国”ニヴルヘイムは弱々しい木々の生えた険しい峡谷が灰色の霧に包まれています。霧が視界を遮り、音をくぐもらせ、全てが湿気を帯びて冷たく、断崖が旅人の行くてを阻みます。霧の中には階層に適応したフィーンド種の獣やトロルなどの魔物が徘徊します。この階層には宇宙樹ユグドラシルの根に繋がる次元門が多数あり、樹を伝って奈落の第23階層、“鉄の荒野'”やイスガルドと行き来することができます。この階層は北欧神話の死者の国がモチーフになっているようです。
      • 冥界の都市“無実の死”;霧深い松林の中に隠された小さな都市で、数千人の定命者と請願者が住んでいます。都市を構成する木壁には請願者の魂が囚われており、無数に打ち付けられた釘から血を滲み出させています。この都市の内部では絶望をもたらすハデスの幽閉が影響せず、住民は時おり無関心を打ち破ろうとすることがあります。
      • 闇の女神シャー[FR];闇と夜、秘密、忘却、復讐ををつかさどる女神です。光の女神セルーネイの双子であり、創世の時代から争い続けています。憂鬱と絶望に陥った者、悩み苦しむ者、暗闇に踏み込まなばならぬ鉱夫などが信仰しています。ニヴルヘイムにある彼女の領地“喪失の宮殿”は扉も窓もない尖塔が立ち並びます。
      • 盗賊の神マスク[FR];影と盗み、欺きを司る孤独な神です。黒いマスクと短剣を着けた盗賊の姿で描かれますが、剣などの様々な姿に変じます。盗賊やスパイが信仰し、他の者も盗みに逢いたくないときに祈りを捧げます。ニヴルヘイムにある彼の領地“影の城塞”は霧と影に包まれ、見たものは混乱に陥ります。
    • [21.3]「第3階層、プルトン」;プルトンは冷たく荒廃した大地をスティクス河が流れ、枯れかけた木々が立ち並んでいます。それぞれの木の内に死者の魂があり、呪術師は彼らと交感できます。流血戦争はここまで及びませんが、価値ある魂を回収するための魔物部隊が徘徊します。この階層はアルボレアのオリンポス山の下端であり、次元門からアルボレアに登っていけます。ここはギリシャ神話の冥界がモチーフになっているようです。
      • 骨の丘;夢馬が死に向かう聖地です。ここから骨を盗むものは、全ての夢馬の怒りを買います。
      • 冥府;はるかかなたまで続く大理石の壁によって隔てられた地です青銅の門が一つあり、死者の体でできた巨大な三つ首の猟犬によって守られています。冥府の奥になにがあるのかは知られていません。
         
  • [22]「永遠に荒涼たる苦界ゲヘナ(Bleak Eternity of Gehenna)」;悪/無限の広がり/4階層
      dd5_GH1_p22_Gehenna.jpg
     ゲヘナは巨大な火山からなる炎と毒、断崖と絶壁の次元界です。それぞれの階層には浮遊する巨大な大陸ほどの火山が一つと、無数の小さな浮遊火山が漂い、有害な炎を噴き出しています。その山肌は断崖や、あるいは角度45°以上の急勾配です。足を滑らせた者は遥か下方まで落下し、山肌に叩きつけられ続けて引き裂かれます。火山そのものが悪意を持ち、溶岩の流れが旅人を飲み込もうとし、足元で地割れが口を開けます。この次元界では大地が光を発しています。
     この次元界はユーゴロスの本拠地であり、無数の砦があります。バーゲストはゲヘナで発生し、様々な次元界へと狩りに出向きます。ゲヘナにたどり着く霊魂は疑い深く強欲、自分勝手な極めつけのクズです。この次元界は旧約聖書における地獄がモチーフとなっています。
    • [22.1]「第1階層、カラース」;カラースの急勾配の山肌には溶岩が流れて火山灰が舞い、これに照らされて大気は深紅に染まっています。斜面にはいくつもの川が滝となって走りますが、それらは途中で霧散するか、地割れに消えていきます。
      • 這い回る都;黒曜石と灰でできた巨大な国際都市で、無数の脚が生えています。この脚は火に耐性があり、断崖にしがみついたり、溶岩の川を泳いだりして、階層から階層へとゲヘナ中を這い回ります。この都を支配しているのは全ユーゴロスの支配者であるゲヘナ大将軍です。この都には様々な魔族の傭兵部隊が所属し、軍学校や兵器生産工場が備わっています。
      • 涙滴宮;スティクス河のほとりに立つオウムガイの姿をした塔で、二つの社を備えています塔と社の間ではユーゴロスやデヴィル、デーモンその他のあらゆるものが訪問するバザールが開かれています。
      • 殺戮の神、ベハル[FR];殺人を司る神です。理由があって殺人を犯さざるを得ないときにも祈りを捧げられますが、信者のほとんどは殺人狂や暗殺者で、その神殿は犠牲者の血と髑髏で飾り立てられます。カラースには彼の本拠地が存在します。
    • [22.2]「第2階層、カマーダ」;カマーダは最も荒々しい階層です。山肌のほとんどが溶岩に覆われ、
      地割れから噴き出す溶岩が滝となって空を踊り、ときには上空から固まった溶岩が墜落していきます。吹き荒れる灰が降り続け、しばしば視界を遮ります。
      • ニミクリ;斜面から離れて宙に浮く小さな月で、無数の尖塔や建物が建ち、入り組んだ街路で結ばれています。住人は礼儀正しく、全次元界で有数の交易と停泊の地です。ほとんどの訪問者が知らないことですが、ニミクリのすべてが巨大な1体のミミックで、建物も住人もその一部です。それはここで血を流した訪問者を複製できます。
      • 秘術の塔;溶岩に囲まれ、鋭い刃で飾り立てられたユーゴロス魔術師の塔で、ユーゴロス種族の記録庫です。塔は書庫と拷問器具、罠で埋め尽くされています。特に邪悪な契約書は地下深く、生きた請願者の身体に刻まれて、並べて吊るされています。
    • [22.3]「第3階層、ムンゴス」;ムンゴスの火山活動は少なく、雪と酸性の灰に覆われた寒い階層です。溶岩の噴出を浴びることはまれですが、滑りやすい雪と雪庇が危険を高め、降り続ける酸の雪が肌を焼きます。
      • 追放者の谷;深い裂け目に隠されて、追放された火炎巨人の魔術師タストゥオと彼女の兄弟姉妹、その他の追放者らが隠れ住む土地があります。この地はユーゴロスとの契約で不干渉を確保しています。彼女らは助けを求める旅行者に同情的で、窮地においての避難所となり得ます。
    • [22.4]「第4階層、クランガス」;“死せる溶鉱炉”とも呼ばれるクランガスには火山活動がありません。この階層は静寂に包まれ、光もきらめくこともありません。この階層の最大の山は闇の中を回転する巨大な黒い柱です。
      • ホープローン;岩棚に作られた黒曜石の建築群で、リッチロードであるメリフの城塞です。ここはリッチや他のアンデッド死霊術師が終わりなき研究を続ける死の都です。アンデッドの訪問者は歓迎されますが、生者はさほど歓迎されません。
         
  • [23]「九層地獄バートル(Nine Hells of Baator)」;秩序にして悪/有限の円錐状/9階層
      dd5_GH1_p23_Hell.jpg
     その名の通り9つの階層からなる次元界で、デヴィルの本拠地です。各階層の無限に広がる虚空に、大陸ほどの大きさの円板型の大地が浮いています。浅い階層の底部にある下に伸びた部分と、深い階層の高く突き出た部分が次元接続されています。第一階層が最も大きく直径24000kmほどあり、深い階層ほど小さくなっています。それぞれの階層の環境は大きく異なり、階層に適応したデヴィルや魔物が住んでいます。
     地獄の社会は厳格な中央集権制の階層社会です。地獄全体を支配しているのはアスモデウスであり、彼に任命された9人のアークデヴィルの君主(≒九大君主)がそれぞれの階層を支配しています。
     秩序にして悪であるデヴィルと、混沌にして悪のデーモンは創世以来の敵同士です。地獄と奈落、それらを繋ぐ様々な次元界で“流血戦争”と呼ばれる戦争を続けてきました。結果的に、デヴィルは奈落から無限に湧き出しすデーモンの全次元界への侵略を押し止めています。これをもってデヴィルたちは宇宙を維持しているのは自分たちであり、全宇宙を指揮・支配する責務と権限があると主張します。
     九大君主のメンバーは長い歴史の間で何度か入れ替わっています。地獄で起きた大きな事件として“応報の乱”があります。この事件ではアスモデウスを追い落とそうと、アークデヴィルたちが2つの派閥に分かれて争いました。片方はメフィストフェレスを筆頭にマモン、ディスパテル、ゲリュオンの派閥、もう片方はバールゼブルを筆頭にザリエル、ベリアル、モロクの派閥です。内戦とデーモンの侵攻による混乱はアスモデウスが現れて鎮圧、それぞれの君主に処分を下したことで終結しました。この事件でアスモデウスは地獄の残りすべてを相手取って勝利できることを実証しました。
    • [23.1]「第1階層、アヴェルヌス」;岩だらけの荒れ地に険しい山脈が走っています。空からは火球が降り注いで炸裂、鋭く肉を切り裂く岩に流血戦争の死者の血肉がへばりつき、血で染まったスティクス河が下の階層に流れ落ちています。多数の要塞に地獄の各階層からの派遣デヴィル軍が守備に就いています。この階層はデーモンとの間で繰り広げられている“流血戦争”が頻繁に発生しています。永劫の昔から続く流血戦争においてデーモンの軍勢がこの階層で喰い止められ、第2階層に到達したことはありません。
      • ザリエル女大侯爵;第1層の主、ザリエルは炎の翼をもった黒い肌の女将軍の姿をしたアークデヴィルです。かつては天使でしたが、デーモンとの闘いのために悪魔になりました。地獄の軍勢を指揮し、デーモンとの“流血戦争”に力を尽くします。彼女の戦術は苛烈で攻撃的なものです。彼女はデーモン駆逐とその準備にすべてを費やし、無駄を嫌います。居城の“青銅城”は永遠の戦乱とともに増築が繰り返され、そして廃墟化が進んでいます。
      • “軍司令官”ベル;獣の頭部、深紅のウロコ、コウモリの羽に燃え盛る大剣を持つピット・フィーンドの将軍です。彼は最下級のレムレーとして誕生し、武勲を上げて進化し、現在の力を得ました。かつてザリエルから第1階層の大公の地位を簒奪しましたが、現在は配下武将として補佐を命じられています。彼の戦術は補給と戦線構築を重視した堅実なものです。
      • “悪竜の女王”ティアマト;悪竜を守護する竜神です。五つ首の竜の姿を持ちますが、彼女の首の一つ一つが独立した化身ドラゴンとして地上に現れ、信仰を集めることもあります。彼女の領地“ティアマットの巣”は王冠型の山岳要塞です。要塞の空間が歪められており、内部は果てしない大きさがあります。フォーゴトン・レルム世界観では、この要塞からティアマットの支配する次元界“ドラゴン・アイリー”に接続されています。
      • “とげ尻尾”カートゥマルク;“角の妖術師”、“ノーム砕き”など多くの異名を持つコボルドの主神です。コボルド、罠、悪運を司ります。コボルドを守護し、ノームを苦しめたり、ドラゴンと仲良くなれるようにします。彼の領地“ドローカリ”は狭く罠だらけのトンネル網です。無数の魔物化コボルトがひしめいて人口爆発と内戦による人口減少を繰り返し、ときには物質界にあふれ出します。
      • ウジ虫の穴;荒れ地にある直径1kmほどの深い窪地です。定命の者や、その魂をこの穴に投げ込んで閉じ込めることで、最下級デヴィルのレムレーに変質させます。流血戦争で消費する下級兵を補充するため、大量の魂が投入され続けています。
    • [23.2]「第2階層、ディス」;荒廃した丘陵地帯とギザギザの岩山からなる階層で、灰色の空に立ちこめる雲はいつも稲妻を発しています。山脈に囲まれた谷に黒く煤けた“鉄の都”ディス(階層名と同じ呼び名です)が全域にわたって不規則に広がっています。“鉄の都”と周辺空間は歪んでおり、たどり着くまでの道も、都の街路も変化し続けています。この変化はディスパテルの思念によって行われます。“鉄の都”には無数の武器工場や牢獄が稼働しています。常に古い建物が壊され、新築がされ続けおり、作業デヴィルも全貌を把握していません。街中にあるディスパテル像は監視装置として道行くものを見張っています。
      • “闘争の父”、“鉄の大侯爵”ディスパテル;第2階層の主で、身長2m、額に小さな角が生え、赤い目をしたアークデヴィルです。豪華な衣装を身に着け、長い鉄の錫杖と盾を手にしています。戦争と陰謀を司り、様々なものを鉄に変えて加工し、あるいは鉄を腐食させてバラバラの錆にします。デヴィルの中でも高齢で、偏執的なまでに用心深い陰謀家です。彼の城“鉄の塔”内部での彼はほとんど無敵です。彼のカルト員は軍人が多く、特に防衛戦に長けています。
      • 喜びの庭園;“鉄の都”のなか、白い砂岩の壁で囲われた庭園で、心地よい音楽が響き、美しいプールでは妖精が戯れています。訪問者には絹の寝椅子と酒や菓子が提供されます。暮らしにくい都の中でのオアシスですが、滞在すると魂が囚われて堕落します。
      • 神の道;“鉄の都”の郊外にある、果てしなく続く曲がりくねった道です。道は他と接続しておらず、探して歩きまわるといつの間にか迷い着きます。両側には巨大な寺院や神像などが並びます。それぞれが様々な秩序にして悪の神々の領地であり、内部は独自空間が広がっています。セト神や、拷問神ガンドヴァール、偽知識の神ズゼルス、盲目の神ユインなどの神のほか、無数の小神の領地があります。小神たち「はここを拠点に偉大な神を目指して奮闘します。
    • [23.3]「第3階層、ミナウロス」;分厚い雲から油っぽい雨や雹が降り続き、泡立つ汚水だめと化している階層です。ぬかるんだ黒土から木々が生え、泥の中には知性を奪われた最下級デヴィルや水生の怪物がうごめいています。
      • “強欲卿”、“蛇”マモン;第3階層の主で、巨大な蛇の下半身と獣じみた頭部、槍を手にしたアークデヴィルです。強欲と肉欲を司り、触れたものを欲望に駆らせ、猛毒で侵し、巨体で絞め殺します。かつての裏切りのため、彼は他のアークデヴィルから信用がなく、その分を定命のものの堕落とカルト拡大に力を注いでいます。彼のカルト員は裕福な商人が多く、人型生物以外のビホルダーやマインドフレイヤ―、ドラゴンにも広がっています。
      • 沈みゆく街;階層の広い範囲に広がる占める石造りの街で、雹から身を守るために天蓋が都市全体を覆っています。この街はゆっくりと泥の中に沈んでいます。街路の隙間からは泥が滲み出し、街路全体が歪みます。天蓋と支柱が崩落して地上に瓦礫を落とし、建設デヴィルが奪い合って得た瓦礫を埋め立てや沈降防止の工事に活用します。この街には多くの魂と金貨が運び込まれ、取引がなされています。
      • 金属打ち鳴らさるる街;“鎖の街”や“拷問都市”とも呼ばれるチェイン・デヴィルたちの街です。街の土台から都市全体にギザギザの鎖が張り巡らされ、それらが上方に伸びて第2階層の下端に繋がって沈降を防いでいます。悪魔区では拷問で魂を加工、商人区で訪問者が取引し、外人区では食肉加工待ちの人々が生活しています。
      • 真実の迷宮;灰色の石でできた要塞で、多くのデヴィル官僚が働いています。マモン配下の活動記録や会計帳簿、契約の控え、全次元界から集めた地図、恐喝用の情報などが収められています。
    • [23.4]「第4階層、プレゲトス」;峻険な火山が連なり、溶岩流の川と湖が流れる階層です。空は噴煙に覆われ、赤熱した地面からは炎が噴き出します。炎は悪意を持ち、燃やすことができる生物に襲い掛かります。
      • フィアーナ;第4階層の主、短い角と尻尾をもつ美しい女アークデヴィルです。火と苦痛を司り、戦いでは流星雨を降らせながら爪と炎の剣で戦います。ベリアルの娘であり、かつては父のお飾りでしたが、新しい友人のグラシアの影響もあり、独自の活動とカルト拡大にいそしんでいます。彼女はマグマ溜まりに建つ何マイルもある壮麗な宮殿に住んでいます。宮殿の地下には無数の牢獄があり、用済みになった彼女の愛人が次々と送り込まれています。
      • ベリアル;短い角と尻尾、豪華な服にランサーを手にしたアークデヴィルです。秘密と支配、誘惑を司り、戦いでは配下デヴィルの召喚とランサーを併用します。第4階層の実務的な運営を担当しています。以前はフィアーナの父で後見人とされていました。現在はその関係性は曖昧にされ、また競争的な関係もあるようです。
      • 鉱業都市アブリモク;活火山の溶岩の中に作られた街で、バートル産緑鉄鋼の最大産地です。街のなかでは特別なゴンドラでマグマを漕ぎ渡ることで移動します。この街にはデヴィル間の紛争を調停するためのデヴィル裁判所が設置されています。
    • [23.5]「第5階層、ステュギア」;流氷で覆われ、凍結した暗い海の階層です。永遠の黄昏の中,流れる巨大な氷山が長い影を投げかけています。街や施設は氷山の上に建設されています。スティクス河が氷結した海面の上を凍ることなく蛇行して走り、この流れを行き交う船があります。
      • “ならずもの大悪魔”レヴィストス;第5層の主、青白い肌に黒髪と髭、ギザギザの歯、濡れた絹の服にレイピアを持った剣士のアークデヴィルです。裏切りと復讐を司ります。氷雪を操り、鋭い剣技で敵を切り裂き、魔法を跳ね返し、記憶を削ぎ落します。彼は陰謀に失敗してアスモデウスの妻ベンソジアを殺害したため、罰として氷山に閉じ込められています。本体は氷の中で晒しものになっていますが、化身は様々なところに現れます。彼が望むのは牢獄からの解放と復讐です。“刃狂”と呼ばれるカルト員はチンピラや盗賊が多く、派手な服装を好みます。
      • 決闘者の裂け目;デヴィル社会でのトラブルは命令系統に従った罰則か、裁判で処分されます。しかし、それらの方法で解決できないときは、“ギスキデキィン”という氷山にある決闘場で片がつけられます。決闘の行方は運営者が胴元となった賭けの対象になっています。
      • 敗者の館;博物館と訓練場を兼ねた施設です。博物館エリアでは全次元界から敵対的な種族や英雄の身体と魂が集められ、凍結展示されています。一方、訓練エリアでは展示品のコピーと戦えます。
    • [23.6]「第6階層、マーレボルジュ」;この階層の地形は以前の支配者である“ハグ女伯爵”マラガールデの変わり果てた肉体でできています。“応報の乱”後に階層の統治を任されていたハグ女伯爵の肉体は、近年のある日、際限なく膨張して破裂し、肉片は散らばって階層を構成する地形となりました。中央には脊椎の山脈が走り、胆汁と内臓の湖畔に頭蓋骨の宮殿がそびえ、灰色の髪森には巨大なシラミが跳ね回ります。地底では内臓の洞窟がうごめき、巨大なハグの歯は象牙として埋蔵されています。この階層で大ケガを負った者は、周囲から伸びてくる触腕に絡みつかれて大地に喰われてしまいます。この階層は巨大な牢獄として活用されています。
      • “地獄の王女”、“闇の天才児”グラーシャ;岱階層の支配者、棘鞭を手にし、赤銅色の肌に角、皮翼と二股の尻尾の生えた美しいアークデヴィルです。堕落と成長、苦痛を司ります。アスモデウスの娘といわれ、法と契約の裏をかくのを得意で、他のアークデヴィルの契約の隙を突くのが好きです。彼女のカルト員は好奇心と意欲に満ちた無邪気な若者たちです。
      • どくろ要塞オシア;グラーシャが住む巨大要塞で、ハグ女伯爵の頭蓋骨からできています。贅沢な遊戯室から宴会場、厨房や、居住区まですべての壁は生きているかのように脈動しています。その赤い眼窩は遥か遠くを焼き尽くすビームを発射します。
      • 胆汁の湖;悪臭を放つ湖沼地帯です。精神のかき乱す“金切り声の湖”や蟲に変化させる“蟲造りの湖”の他、“嘆きの水たまり”、“苦痛の水溜り”、“肉萎びの湖”などの様々な効能の湖沼があります。多数の囚人が湖畔の毒水瓶詰工場で労役をしています。
      • カラボンたち;ハグ女伯爵の肉片からなる人型の怪物です。餌を喰うと分裂し、集団になると融合して巨大化します。わずかな知性のみしか持たず、仇であるグラシアの通行証を持つ者を襲います。
    • [23.7]「第7階層、マラドミニ」;有毒の大気の下に腐敗した穴だらけの荒野と沼地、枯れかけた森が広がる階層です。川底の知性を持った汚物が、川岸から這い上がって徘徊し、腐敗ガスが至る所で爆発しています。ここではあらゆるものが震え、呻きながら黒い膿汁を流しています。
      • “蠅の王”、“ナメクジ大侯爵”バールゼブル;第7階層の主、ハエを思わせる頭部と、貴族の衣装をまとったアークデヴィルです。嘘を司ります。比較的に新参者で、かつてトリエルという天使でしたが、堕ちてデヴィルとなりました。“応報の乱”の罰としてナメクジの様な姿で糞尿をまき散らしていましたが、最近、刑を終えて人型に戻りました。彼を崇める大規模なカルトが存在します。
      • 首都マラガルドと汚物の宮殿;マラガルドは地獄の行政文書を管理する都市でしたが、腐敗と崩壊によって、汚物に沈みつつあります。諦観した住民は汚物にまみれで暮らしていますが、狂騒的に大規模な再構築と清掃を行うことがあり、巻き込まれるとひどい目にあいます。中心にはかつて壮麗な宮殿がありましたが、バールゼブルの変身に伴って崩壊し、その呼び名通りの“汚物の宮殿”となりました。ごく最近、バールゼブルの姿が戻されましたので、状況は改善しているかもしれません。
      • 教育都市オファリオン;この街はレムレーなどの下級デヴィルが定命の者を堕落させる術を学ぶデヴィル学校です。物質界の様々な施設のパロディが瓦礫で作られ、デヴィル生徒が演習をしています。現在進行形の陰謀のテストが行われていることもあります。
      • 亡命都市グレンポリ;政治交渉のための安全が保障された街です。ここへの武器の持ち込みは禁止され、攻撃魔法は抑止されます。他で指名手配を受けた亡命者の多くがこの街に逃げ込んでいる一方、街の周囲を捕縛部隊や賞金稼ぎが取り囲んでいます。
    • [23.8]「第8階層、カニア」;凍てついた山脈が全土を覆い、吹雪が吹き荒れる極寒の階層です。深い亀裂が氷の平野を分断し、雪に隠れて待ち構えています。巨大な氷河が軋み音を挙げて峡谷を流れ、ときに砕けて雪崩を引き起こします。鋭い氷片を含んだ吹雪が旅人を切り裂きますが、首都メフィスタール城塞のような居住区では、吹雪から守られています。
      • “冷酷卿”メフィストフェレス;第7階層の主、大きな山羊の角とコウモリの翼、黒いケープをまとったアークデヴィルです。火と魔術を司り、強力な魔法を操ります。彼は地獄で最高の魔術師であり、特に“地獄の業火”の権威です。彼は学者と魔法使いを好み、カルトに勧誘します。彼の神殿はいたる所から炎が噴き出し、信者はいつも絶叫しています。
      • ヘルファイア・エンジン;メフィストフェレスは、火への耐性を持つ者さえ焼き尽くす不浄の炎“地獄の業火”の研究と応用に熱中しています。増設される火炎区域には古参アイス・デヴィルらは迷惑しています。デヴィル工学の成果である自動兵器、“ヘルファイア・エンジン”は敵を“地獄の業火”で焼き殺して、下級デヴィルに変換します。カニアの他に様々なところに配備されています。
      • 氷の隠れ家ネブラト;炎の研究に追いやられた氷雪系デヴィルたちの隠れ家です。彼らはここでメフェイストフェレスの関心を氷に引き戻すための陰謀を進めています。一つは火炎魔法の研究を担当しているデヴィル技術者を失脚させるための陰謀であり、もう一つは“羽毛”と呼ばれる広域を冷気汚染する戦略魔法の開発です。
    • [23.9]「第9階層、ネッソス」;4000km x 1800kmのギザギザの荒野から下に伸びる円錐形の階層です。平坦な荒野には無数の深い峡谷が走ります。“虐殺の峡谷”や“鉤の地割れ”、“鋸刃峡谷”、“スペクター峡谷”、“地獄の唇”、他にも無数の多くの峡谷があり、それぞれが独自の危険な特性を持っています。峡谷の壁面に穿たれた断崖都市があり、それぞれの峡谷の特性に適応した高位デヴィルが住んでいます。
      • “悪の首席”“九層地獄の最高支配者”アスモデウス;地獄の最高支配者の身長は4m、2本の角が生え、赤い目の奥で地獄の力が輝いています。赤と黒の優雅なローブをまとい、赤いルビーの錫杖を手にしています。悪と法、力、迫害を司り、周囲を服従させて奴隷にします。地獄のすべてと全デヴィルを支配し、天界の善の神々への陰謀を張り巡らせ、奈落のデーモンとの戦争を推し進めます。物質界には無数のカルト員がおり、社会の上流に食い込んでいます。
         アスモデウスは地獄で最も古く、彼のすべてを知る者はいません。その来歴と正体については様々な説があります。ある説によれば、奈落のデーモンとの戦いを指揮する天使であり、混沌との戦いのために、人々の魂を手に入れる契約を得て地獄に堕ちたといいます。また、破壊神タリズダンを封じる天使であり、奈落への探索行で得たものによって悪魔になったともいわれています。
      • マルシーム要塞;“地獄の唇”と“死神峡谷”の交点から何マイルにも広がる巨大な要塞です。内部にはアスモデウスの血から生まれた何百万体のデヴィルの軍勢が待機し、攻撃のときを待っています。
      • 忘却の湖;地獄の各層を流れ落ちてきたスティクス河の流れは滝となってこの湖に留まり、そして峡谷からネッソスの深部に消えていきます。地獄に堕ちた魂にわずかに残っていたから刈り取られた、甘く平和な瞬間の思い出がスティクスに流され、ここでバラバラになります。そのときに、美しい追憶が湖上に現れ、そして残酷に引き裂かれます。
      • 大蛇のとぐろ;ネッソスの中心に巨大ならせん状の亀裂があります。その深部にアスモデウスの無人の居城、ネッソス要塞があります。この亀裂の由来は諸説ありますが、混沌の海から宇宙を創造した宇宙蛇の片割れが落ちてきた跡ともいわれています。宇宙の在り方について自らの半身と意を違えた大蛇は身を引き裂いて落下し、地獄の深遠で血を流しながらその身を癒やしている、それこそがアスモデウスの正体であると。真偽は不明ですが、詮索したものは遠からず消息を絶ちます。
         
  • [24]「永劫の戦場アケロン(The Infinite Battlefield of Acheron)」;秩序/無限の広がり/4階層
      dd5_GH1_p24_Acheron.jpg
     虚空に巨大な立方体が浮かび、常に戦の騒音や立方体の衝突音が響き渡る次元界です。立方体は島か大陸ほどの大きさのものまで様々で、各面から中心に向かって垂直な重力があって表面を歩けます。一方で虚空を移動するには飛行能力が必要です。立方体のそれぞれの戦に備えた軍勢が占拠しています。その多くは目的を失ったまま戦を求める偏執狂の集団です。立方体はゆっくりと周期的に動き、それらが接触すると轟音が虚空に響き渡ります。そして、立方体に住む軍勢同士の戦争が行われます。
     アケロンにおけるスティクス河は立方体の表面にある穴から噴き出して別の面に流れ、そして穴から流れ出て消失し、別の立方体に噴出します。
     立方体には無数の傷や洞穴がついており、そこには軍勢の要塞や次元門が存在します。衝突の際に立方体に挟まれたものは破砕されて無に帰します。衝突によって立方体が割れる際には、次元特性によって直線状に分割されます。この世界は全体が曇り空の程度の明るさから、月夜ほどの薄暗さを繰り返しています。虚空には時に強い風が吹き荒れます。
     アケロンの主な住人はデヴィルやユーゴロス、ラクシャーサや怪鳥アケイライ、フォモール巨人、亡者、メカヌスから来た機械生命体です。たどり着く請願者は戦で死んだ兵士や、強権的な指導者たちです。またハゲワシやカラス、カモメなどの無数の鳥が生息しています。彼らは戦場をわたって眺め、戦死者をついばみます。
     この次元界には多数の戦の神が自らの領域として立方体を持っています。彼らは使徒と信者からなる強力な軍勢を備えて領域を武装しています。
    • [24.1]「第1階層、アヴァラス」;多数の鉄の立方体が浮遊する階層で、“戦の原”とも呼ばれます。多くの軍神が領域を持っています。
      • ゴブリンの主神、“力あるもの”“征服神”マグルビイェト;ゴブリンとホブゴブリン、バグベアなどのゴブリン族の守護神です。かってそれぞれの種族神がいたのですが、それらを打ち倒してまとめ上げました。燃える目をした大きく黒いゴブリンの姿で描かれます。各種族を戦に駆り立て、征服地を統治しようとします。彼はクランガー立方体を領域としています。この領域は寒く乾き、全面に実用的に設計された城壁や攻撃用の塔が並んでいます。内部に穿たれた穴に兵舎や工場が収納されており、ゴブリン族の精鋭兵やウォーグ、デヴィル部隊が戦闘に備えています。マグルビィエトの居城であるシェトリン要塞は激流と滝に幾重にも囲まれた鋼鉄の洞窟です。クランガーにはフルゲックやノモグギーヤなどの他のゴブリン族の神も住んでいます。
      • オークの主神、“一つ目”グルームシュ;オークの守護神であり、オークを際限ない侵略と殺戮に駆り立てます。神話の時代にグルームシュはエルフ神コアロン・ラレシアンと戦って左目を失ったため、エルフとコアロンに復讐の機会を狙っています。ニシュリック立方体を領域としており、ここではアケロンの秩序属性は働きません。立方体はデタラメに掘られた洞穴、曲がりくねった塹壕と街並み、吹き出物のように飛び出た巨大要塞で歪んでいます。彼は城塞都市“腐り目”と“白の手”、“三本牙”を気まぐれに渡り歩きます。他のオーク神もニシュレックに領域を持ち“戦争屋”イルネヴォールは用心深い戦術を、剛力神バーグトルゥは無謀さを戦士に授け、“洞窟の母”ルシックは立方体の奥深くからオークの繁殖を司ります。
      • 専制の神、“戦もたらすもの”“悪の勇者”ヘクストア[GH];六腕に武器を備えた戦争と闘争、専制と破壊を司る神です。悪の戦士やモンクたちが信仰しています。騎士神ハイローニアスの兄弟神でありライバルです。彼の領域である“神罰城”は特に大きな立方体に存在します。全面が城壁に覆われ、見張り塔が林立し、攻城兵器が徘徊しています。中央の“大闘技場”は階層をなす巨大な闘技場であり、配下の軍団が演習戦を行い、時にはヘクストアが参加します。
      • 支配の神、“黒き手”ベイン[FR];専制と恐怖、憎しみを司る神です。独裁者による支配を理想の状態とし、それが成せぬ弱者は権力の座から追われるべきだと教えます。彼を信仰するのは野心と闘志、荒野に法をもたらそうとするものです。ベインの名の下に行われた凶行は数知れませんが、一方で堕落を一掃し、略奪者を殺して称えられてきました。ベインの領域である“黒の要塞”はアダマンティンや黒壇のような黒い金属と木で構成され、黒玉などで飾られた壮麗な宮殿です。中央に髑髏の玉座が存在します。
      • ウリクトマーク;この立方体の各面には下方次元界(パンデモニウム、アビス、カルケリ、灰色の荒野、ゲヘナ、九層地獄)のそれぞれと繋がる次元門からスティクス河が流れています。各面はそれぞれの次元界に似た特性を持ちます。注意深い旅人ならばこの立方体を介して別の次元界に渡ることができます。
    • [24.2]「第2階層、トゥルダニン」;第一階層と似ていますが立方体の数は少なく、穴だらけです。穴の中には過去の戦争の残骸である武具、攻城兵器、船舶、飛行機、失敗した実験機器、意味不明なカラクリなどが積み上がっています。この階層の立方体には“保存性”と呼ばれる特性があり、長居すると石になってしまいます。トゥルダニンには“保存性”時限までに立方体を探索、有用な武具や超兵器を漁る回収屋が徘徊しています。
      • ドゥエルガルの主神、“冷厳なる者”“追放者”ラドゥグエル;灰色ドワーフとも呼ばれるドゥエルガルの守護神であり、野心と欲望、戦いと非情さを司ります。ドゥエルガル氏族がマインドフレイヤ―の精神支配と改造を受けて奴隷種族とだった時、ラドゥグエルは隙をみて筆頭悪魔アスモデウスとの取引で協力を得てドゥエルガルを解放しました。ラドゥグエルとその民は彼らを助けなかったモラディンとドワーフ氏族を恨んでいます。ラドゥグエルの領域である“ハンマーグリム”がこの階層にあります。ハンマーグリムには戦いとサイオニック能力を司るドゥエルガル女神、“深き”ドゥエラの領域である“思考の城塞”も存在します。
    • [24.3]「第3階層、ティンティブルス」;この階層に浮遊しているのは立方体でなく、4面体や5面体、8面体、8面体、12面体などの多面体です。灰色の火山岩で構成されており、表面には数インチ~数フィートの火山灰が積もっています。ここでは頻繁に衝突が起こっており、常に鐘のような大音響に満たされています。
      • 跳ねる塔;亡霊たちによって建造された古代の塔です。かつて扉の都シジルの指導者であった狂気の魔術師ライサンダーが支配しています。ここではアケロンと光の疑似エレメンタル界から抽出した力で様々な研究が行われています。
    • [24.4]「第4階層、オカントゥス」;第四層には冷たく凍てつき、光のない闇に包まれた階層です。刃のような黒い氷の破片が吹きすさぶか風と共に、荒れ狂い、あらゆるものを切り刻みます。氷片の小さなものは針くらい、大きなものは数マイルの大きさがあり、大きなものは自前の重力を持っています。この階層には氷片が積もった魔力の籠った黒い氷層の大地があり、この大地を基準にした客観的重力があります。この氷層はスティクス河の源泉あるいは終着点であり、川が奪い去った記憶の断片がここにあると言われていますが、真偽不明です。
      • 死と魔術の女神、“紅玉の妖女”ウィー・ジャス[GH];死と魔術、虚栄と法を司る冷厳な女神です。美しいガウンをまとい、ドクロとルビーを身に付けた美女として描かれます。魔術師(特に死霊術師)と葬儀屋、法律家たちから信仰をされています。神官には女性が多く、彼女たちは論争を仲裁し、魔法への助言、葬儀を取り仕切ります。この階層にはウィー・ジャスの領域である“カバル・マカブル(死の集い)”という宮殿があります。多元宇宙のあらゆる存在の骸骨を象った氷像からなる優美で恐ろしい建物で、階層で唯一の光源として青白い光を発します。女神は宮殿で魔術師に試練の名誉を与えます。女神は多くの時間を宮殿の外で過ごし、氷層の記憶を集め歩きます。その周囲では刃の嵐も一時に止みます。
      • “影の都市”ゾルノル;“鮮血の森”に囲まれて階層の環境から守られた都市で、全身に金属質な刃が生えた人型種族ブレードリング達が住んでいます。司祭王(ヘクストア[GH]かテンパス[FR]を信仰)が支配する社会は排他的で内紛を繰り返していますが、他からの攻撃を受けたときには団結して迎撃します。一部のブレードリングは傭兵や暗殺者として、他の次元界を旅します。そういったブレードリングはそれなりに他者との付き合い方を身に付けています。
  • [25]「機械仕掛けの涅槃境メカヌス(The Clockwork Nirvana of Mechanus)」;重度の秩序/無限の広がり/階層なし
      dd5_GH1_p25_Mechanus.jpg
     メカヌスは究極の秩序の次元界です。虚空に無数の巨大な歯車が浮かび、それら全てが歯や軸で組み合わさって連動しています。歯車は金属や石で構成されており、多くは直径1600kmを優に超えます。この回転を止めることはできず、大きな歯車はゆっくり、小さな歯車は高速回転しています。重力は歯車の面に向かっており、多くの歯車では乗っているときは回転による遠心力を感じません。歯車のなかには平面上に山や森、海が広がっているものがあります。メカヌスの歯車機構がどのようにして、何のために構築されたのかを知る者はいません。何らかの計算と秩序の機能に関わっていると推測されています。この次元界は虚空自体が12時間の発光と、12時間の闇を繰り返します。歯車の縁に近いところでは、互いに噛み合うガタガタという響きが聞こえます。
     この次元界の主な住人は様々な機械生命体です。また、アリに似たフォーミアンが広い勢力を持っています。これ以外にも、他の次元界から来た定命の生物や天使、デヴィルが暮らしています。
    • 機械生命体モドロン;モドロンはミツバチじみた階級制度で活動する機械生命体です。階級に基づいた上意下達のピラミッド構造の社会を形成しており、メカヌスの歯車の手入れをし続けます。彼らは289年に1回、外方次元界にモドロン大行進を送り出す。彼らはすべての次元界を渡り歩き、メカヌスに生還できるのはごくわずかのみです。道に迷って数百年に渡ってどこかに取り残された集団もいます。
      • モドロンの階級;備えている機能により幾つかの階級がいます。上位モドロンが破壊されると下位モドロンが上位モドロンに変化して着任します。モノドロン(単機能)、デュオドロン(二機能)、トリドロン(三機能)、クアドロン(四機能)、ペンタドロン(単機能)。
      • レグルス;モドロンの本拠地で64の歯車からなります。中央にあるモドロン大聖堂ではモドロンたちが絶えず製造されています。
      • “一にして至上”“最上位モドロン”プリムス;神の如き力を持つモドロンたちとメカヌスの支配者です。エネルギー貯蔵池から上半身を出した人型の機械の姿をしています。レグルスを拠点としてモドロンを支配、法とメカヌスを維持します。神としての不死性は持ちませんが、殺害されると第二位モドロンがプリムスに変化して復活します。リンボの制御を試みた結果スラードを生み出してしまった、天使とアスモデウスの争いを調停したなど、さまざまな噂があります。一時期オルクスの化身テネブロウスに殺害され、立場を乗っ取られていたことがあります。このときテネブロウスは失ったオルクス・ワンド捜索のため、時期外れのモドロン大行進を引き起こしました。
    • フォーミアンと巣車;フォーミアンは4本足で直立したアリのような生物です。役割ごとに異なる形態と能力をもち、女王の産卵によって増殖、果てしなく勢力範囲を拡張します。彼女らは目に映ったすべての地に入植し、元の住人をさらって労働者や精神支配能力による奴隷などとして活用します。まれに次元門を通して繋がった他の世界に侵攻することがあり、侵攻先の世界にとっては存亡を賭けた戦いとなります。彼女らの住む巣車には数千のフォーミアンが活動し、女王の周囲80kmではテレパシーによる集合知性を発揮して連携して行動します。
      • フォーミアンの役割:役割により以下の構成員がいます。ワーカー(労働者;小型)、ウォリアー(戦士;中型)、タスクマスター(監督;中型)、ミュルマルク(蟻長;大型)、クイーン(女王;大型)。
      • フォーミアンの中央巣車:メカヌスの中のフォーミアンの植民区域の中心に向かうと巣車の密度が上がり、中心には極めて巨大なフォーミアンの正統女王母が住まう中央巣車があります。正統女王母は神格であり、中央巣車こそがメカヌスの中心歯車だとフォーミアンは称しています。
    • 機械天使イネヴァタブル;機械仕掛けの天使であるイネヴァタブルは様々な法や契約を管理します。赤い金属の身体と黄金鎧の剣士コリャルート、胸に大きな一つ目を持つ異形の巨人型のマールート、金属製の人馬の姿をしたセレフートなどがいます。特定の契約の遂行を担っている個体もいれば、何らかの広域を対象とした法の管理を司っている場合もあります。プログラムされた担当仕事を遂行するために全次元界を駆け巡ります。契約や法の文面どおりの執行を重視し、対象者の理解を考慮しない傾向があるため、定命のものにとっては深刻なトラブルとなることがあります。彼らの拠点は機能ごとに複数あり、製造工場ノイマヌス、法律文書の図書館“規律正しき啓発の要塞”などがあります。
    • キノコの主、“腐敗の王”シロフィル;キノコ人マイコニッドを司る高位妖精(準神格)です。マイコニッドを保護し、腐敗を再生の過程と説きます。様々な種類のキノコや粘菌に目や口が付いた姿で現れます。神殿ではキノコによる世界樹として描かれます。メカヌスにある領域“マイセリア”以外にも領域を持ち、現れた世界によってはより毒々しい性格になると言われています。ロルスなど、キノコ以外の地底種族の神と敵対していますが、最大の敵はキノコのデーモン女王ザグドモイです。
    • 秩序と太陽の神、“太陽の守り手”“秩序の光”“黄色く輝く神”アーモネイター[FR];秩序の支配と太陽の栄光を司る神です。ものごとが天界の秩序に従っての進行と約束を守ることを重視します。農夫や旅人はアーモネイターに好天を祈り、商人の契約や為政者の布告は太陽の光の下で行われます。彼の領域は“永遠の太陽”と呼ばれる宮殿です。
    • 守護の神、“見張るもの”“眠らぬ目”ヘルム[FR];油断なき警戒と守護と保護を司る神です。フルプレートとフルフェイス・ヘルメットで全身を覆い隠した戦士の姿で描かれます。衛兵や警備員、用心棒など何かを守る人々に信仰されてます。彼の領域“エヴァー・ウォッチ”は空に浮かぶ監視塔です。
    • 応報の神、“罪科の執行者”“正義の詩人”ホアー[FR];復讐と仇討ち、刑罰の神です。礼服をまとった傷だらけの幽鬼のような姿で描かれ、稲妻と槍、剣を手にします。彼を信仰する者は賞金稼ぎや処刑人などわずかですが、復讐や処罰の際には彼の名が唱えられます。またギスヤンキの反逆者には彼を信仰する者が多くいます。彼の領域“破滅の法廷”は寒々しい大理石の裁判所であり、槍先に掲げられた定命者の頭で飾られています。
  • [26]「泰平なる諸王国アルカディア(Peaceable Kingdoms of Arcadia)」;秩序/無限の広がり/2階層
      dd5_GH1_p26_Arcadia.jpg
     この次元界にあるものは調和し、完璧さに向けてたゆみなく進んでいます。幾何学的な形状の山に整然と配列する丘陵、定規を引いたようにまっすぐな川が大地を流れています。平坦な野原は穀物を実らせ、木々は整然と並んだ果樹園です。木々の葉は色とりどりに紅葉するが落葉せず、果実は常に実っています。摘み取った果実はポーションの効果を示すことがあります。各階層の最高峰の上に浮かぶ“昼と夜の宝珠”は半球が光り輝き、半球は真っ暗です。この球体がゆっくりと一定速で回転することで、階層に昼夜をもたらします。
     アルカディアの住人は天使やエインヒャルと呼ばれる請願者(生前より健康でたくましい姿をしている)、平和を好む動物やミツバチなどの社会性の昆虫などです。彼らは善と秩序の維持に力を惜しみません。ここにはフォーミアンも住んでいますが、攻撃性は潜めて調和的です。この次元界のモチーフはその名の通り古代ギリシアで語られた牧人の楽園、理想郷でしょう。
    • [26.1]「第1階層、アベルリオ」;上述した通りの幾何学的で調和した風景の階層です。
      • 嵐の諸王;雨と風、雷、雲を司る3人の王と1人の女王です。この次元界の全てに雨と日光が完璧に与えられるように計画して配分する準神格です。彼らの城は昼と夜の宝珠を取り囲むように遥か高くそびえ建ち、対応した天気に包まれています。
      • 大顎;フォーミアンの巣都市の一つです。高層建築と尖塔が立ち並ぶ地上部は多くの人々に解放され、公園や市場、宿屋が賑わい交易が行われています。地下のトンネル群はフォーミアンたちの領域であり、“明晰妃”クルツクスラ女王母が最深部から巣都市を管理しています。
      • 法の神、“こん棒”カスバート[GH];法と秩序、力、罰、応報を司る神で、法曹や衛兵に信仰されています。様々な姿をとりますが、いつもこん棒を持っています。法に則って調停と裁きを下し、従わない場合はこん棒で殴り倒します。彼の領域は広大な城塞に囲まれた“大聖堂”で、丸天井の聖堂と宿泊施設が連なり、最大のものは高さ1.5kmに達します。中央の“真実の座”は地獄からの戦利品の蛇の柱に囲まれています。彼がここに座していることはめったになく、しばしば訪問者を探索に送り出します。
      • ドワーフの戦神、“銀髭”クランゲディン;武勇と戦いを司るドワーフの戦神です。禿頭で銀の髭の大きなドワーフの姿で現れ、2丁の斧を携え笑っています。敵と妥協せず抜け目ない知略を練り、陽気に歌いながら戦い、勇気あるものは敵でも称賛します。彼に仕える者たちは勇敢であろうと努めますが、他種族からは血に飢えた野蛮人扱いをされがちです。彼の領域“クランゲディン山”は高さ9kmの円錐形で山頂は雷雲に覆われています。内部は9つの区画に分かれ、それぞれ採掘や工房、武装庫、武器屋、治癒、暴力などに特化しています。
    • [26.2]「第2階層、ブクセヌス」;この階層の風景も第一階層と大きな違いはありません。
      • 再訓練キャンプと都市メロディア;門の街シジルから物質界まで広がる調和党(ハルモニウム)の拠点が幾つもこの階層に存在します。かつての第3階層を取り戻すべく、様々な次元界から人を集めて秩序属性を注入しつつ訓練、作戦を実行しています。これらの拠点は“再訓練キャンプ”と呼ばれ、最大拠点はメロディアと呼ばれる都市です。ただし、この振る舞いそのものがアルカディアの領域を更にメカヌスに切り取られる可能性を高めています。
      • ウィザードの神、“高きもの”アズース[FR];知識と鍛錬をもって為す魔術を司ります。かつては人間の大魔術師であり、ローブを被った髭の老人、あるいは高さ6mの輝くピラミッドの姿で描かれます。信徒の多くがウィザードやモンクであり、街の魔術管理人として振る舞います。彼の領域は神名と同じく“アズース”と呼ばれる広大な洞窟で、魔術を使える者のみが見つけられます。フォーゴトン・レルムの1385DRに発生した呪文崩壊によってアズースは力を失い、アスモデウスによって神性を奪い取られ、九層地獄に捕えられていました。1486DRに多くの者の犠牲によって辛うじて神位を回復しました。
      • 占いと宿命の神、“全てを見通すもの”“第三の目”サヴラス[FR];占いと宿命、真実を司る神です。水晶の顔を持つ姿で描かれます。辺境の地や図書館の片隅に彼を信仰する人々が潜んでいます。彼の領域“目”はアズースの領域と隣接した洞窟であり、現在と過去、未来の知識がこだましています。
      • ヘリオポリス[FR];フォーゴトン・レルムのムルホランドの神々(≒エジプトの神々)の領域です。内部は更に3つの領域に分かれてます。ホルスやイシス、オシリスやラーといった神々が住んでいます。第1領域“セケレ・ラ”にはホルスやラーなどが住む灼熱の砂漠です。第2領域“ギゼクテット”はイシスらが住む肥沃な草原でイチジクとヤシが点在しています。第3領域“メンフィラ”はオシリスらが住む冷涼な砂漠の領域で地下に死者の都が広がり、ミイラと他の亡者が暮らしています。
    • [26.3]「第3階層、ネマウシス」;アルカディアにかつて存在した第3の階層です。フォーミアンに侵攻され、階層ごと切り取られてメカヌスに組み込まれました。メカヌスのフォーミアン支配領域には元ネマウシスの部分があります。
  • NEW![27]「対立の調和する異境アウトランズ(The Concordant Opposition of the Outlands)」;無属性/無限の広がり/階層なし
      dd5_GH1_p27_Outlands.jpg
    アウトランズはすべての外方次元界と接する独特の存在であり、共有地と見なされています。この次元界は中央に巨大な塔が立つ無限に大きな円盤の形をしています。塔を中心とした12のポータル都市が存在します。都市の並ぶ円の外側は曖昧で変化し続けています。これらの都市より外側に旅をしても目指したところに行きつかず、離れられません。
     アウトランズは峻険な山や森、湖などの自然を備えた広大な領域です。ここには様々な次元界のクリーチャーが現れます。また中立の神格や学問や自然の神格が本拠地を持っています。
    • 巨塔;アウトランズの中央に立つ巨大な塔です。果てしなく思えるほどに高く、天辺は雲上に突き抜けています。この塔に近づくにつれ魔法を使いにくくなり、塔のそばでは神格ですら能力を制限されます。この塔こそが全次元界の軸ではないかと語るものがいます。
    • ポータル都市;。巨塔から1600kmほど離れた等間隔にならぶ大小さまざまな12の町です。この町にはそれぞれ対応する外方次元界と繋がる次元門が存在します。門の先の次元界には、同名の対となる町が存在します。町の近くには接続先の次元界出身のものが多数うろついています。次元門の管理は町によって様々です。また、ポータル都市の近くでは、接続先との間で強制転移事故が発生することがあります。
      • エクセルシオール(セレスティア);美しく防御の行き届いた都市です。門は高い階段の上にあり聖騎士候により守られています。
      • トレードゲート(バイトピア);星形をした活発な商業都市で、中央で大バザールが開かれています。門を守る羊頭ケンタウロスの“マスター・トレード”と取引を上手くできると門を通り抜けています。
      • エクスタシー(エリュシュオン);のどかで牧歌的な町です。大理石や象牙の柱脚が立ち並んでいます。“昼の主”と“闇の狩人”、“瞑想王”の3人によって収められています。門は水銀の池の上に浮いています。
      • ファウネル(ビーストランズ);密林に覆われた荒れ果てた町ですが、多数の生命に満ち溢れています。門は“憤怒”と呼ばれる巨大な人面岩の口中にあり、その動作は彼の考え次第です。
      • シルヴァニア(アルボレア);町のような構造は無く、森の中に大小の芸術的な建物や像が転がっています。ここを支配するのは7人の精霊です。森で迷子になると、門を潜り抜けて反対側にたどり着きます。
      • グロリアム(イスガルド);湖岸にある小さな町です。近くにある危険な大渦に飛び込むか、郊外の洞窟から世界樹ユグドラシルを渡ってイスガルドにたどりつけます(運が良ければ)。
      • ザオス(リンボ);常に流動的に変化し、虹と光に照らされた混合物と化した地域です。門となる人や物、場所はその時々で移り変わります。
      • ベドラム(パンデモニウム);火山のふもとにある町です。住人は狂人か残忍な性格の者です。幾つかの門が存在し、巨大な手(脱走に失敗した神の残骸)に覆われています。
      • プレイグ-モート(アビス);半ば廃墟と化した疫病まみれの町です。多くの者が刃と寄生虫まみれの泥小屋で苦しみながら変異し、一方で他の所では力ある者がパレードで富と力を見せつけます。
      • カースト(カルケリ);地下に広大な監獄を持つ町です。住人は裏切り者ばかりで、互いに相手を先に監獄に送り込もうとします。監獄の最奥に唸る頭蓋骨で作られた門があります。
      • ホープレス(ハデス);色彩の禁じられた灰色の街です。渦巻きのような構造は中央の縦穴の底にあるタール沼に続きます。沼にある門は血のように赤い叫び顔で、仮面の魔術師とビホルダーの群れに監視されています。
      • トーチ(ゲヘナ);毒の沼に囲まれた何百もの鉄塔で覆われた溶岩炉の街です。上層にはゲヘナの魔物と炎の精が住み、襲撃生物や貧民同士の争いを見物しています。門は溶岩上に浮かぶ暗い赤色の宝石です。
      • リブケイジ(バートル);巨神の死体と言われる山のように巨大な胸郭の肋骨内に建つ大きな都市です。パラクス卿を筆頭とする5つのティーフリング家の陰謀のなか運営されています。門は中央の要塞内にあります。
      • ライガス(アケロン);巨大な丘陵に建てられた七つの城壁区からなる軍事都市で、武器鍛冶屋や軍事物資が大量に取引されています。周辺をうろつくラストモンスター対策に外壁には毒が塗られています。中央区画の地底に向かう曲がりくねった階段の先に猫の目のように光る門があります。
      • オートマタ(メカヌス);幾何学的に配列された建築物が並ぶ都市です。評議会の指揮のもと、様々な役割を担当する施設やお店が複雑な法則に基づいて働いています。街の中央にある歯車型の門は、時間によって繋がり先が変わります。
      • フォーティテュード(アルカディア);楕円形の防壁と、壁に沿って構築された立体構造から“卵”とも呼ばれます。それぞれの階層には公園や果樹園なども完備しています。競技場では日々、人々が自らの罪を告白して観衆が罰を与えます。門は中央部のピラミッド上空にある緑の炎です。
    • 魚人の神、“救世主”イアドロ;マーフォークやロキャーサなどの魚人に信仰される神です。苦難にあった者たちを救うと言われています。彼の領域であるシェルリアはポータル都市やや外側の海中にあります。
    • マインドフレイヤー神、“神脳”イルセンシン;。マインドフレイヤ―の神であり、他者の精神を隷属させる全ての者を守護します。知識と他者の家畜化を推し進めます。緑の光からなる無限に広がる神経節を持つ巨大な脳として描かれ、強力なサイオニック能力を持ちます。彼の領域は地下にある“思考の洞窟”では常に精神攻撃で心をすり減らされ、廃人ゾンビがさ迷っています。
    • トカゲ神、セムアンヤ;リザードフォークと近縁種族の守護神で、彼らの生存と繁殖を司ります。世界蛇から分かたれたウロコある神の一柱と言われます。彼の領域はカーストとシェルリアの傍にある“セムアンヤの沼”です。
    • 自然の神“笛神”オーバード・ハイ[GH];自然と森、荒野、動植物、狩人とドルイドを司る古い神です。人里から離れ、自然の一部となることを勧めます。彼の領域である“オーバド・ハイの隠れた森”は四季が同時に存在する荒々しく美しい森林で、たどり着くのは難しいです。
    • 魔術神“無頓着”“すべての魔術の王”ボカブ[GH];魔術と知識、洞察、バランスを司ります。多くの魔術師に信仰されいます。彼の領域である“伝承図書館”は断崖の上に建つ城塞です。ここには多数の研究者や司書が仕え、知識分野毎の枢機卿が守護しています。
    • 常若の国、ティル・ナ・ノグ(Tir na Og)[FR];美しい丘陵と森が広がる領域で、古代魔法を発する石塔や立石の輪が点在しています。幾柱かの神々の領域を含む共有領域であり、それ以外には小さな村以上の集落はありません。領域を荒らす者にはワイルドハント(超常的な狩人と猟犬の群れ)が襲い掛かります。
      • 自然の神“古き樫”“緑の父”シルヴァナス[FR];荒々しい自然と生命の循環を司ります。ケルト神話に由来し、樹皮に覆われた髭の老人や、若々しい青年、枝角の怪人など様々な姿をとります 狩人やドルイドたちが信仰しています。彼の領域は“深き森”と呼ばれる巨大樹の森です。
      • 知識の神、“知識を束ねる者”“賢者”オグマ[FR];知識の神であり、芸術と発明、ケルト由来の神々の長です。多くの学者や歌い手、魔術師が信仰しています。彼の領域である“知識の家”は樫の木立ちと澄んだ池の荒野です。知識は書物だけでなく、木立ちの響く囁きや質問に答える泉で保管されています。関連する他の神々も彼の領域に住んでいます。
      • 技術の神“驚きをもたらす者”ガンド[FR];技術と発明、職人の神です。ノームにもよく信仰されており、彼らからはネアベルンと呼ばれます。鋳造ハンマーを手にした赤毛の鍛冶師やノーム職人の姿で現れます。ガンド信徒は職人として働く者が多いです。一方で神官は各地を放浪して困りごとを発明で解決し、奇人変人をかばいます。彼の領域“驚異の館”は様々な発明を試みる巨大な工房で、“知識の家”の一角にあります。
    • 交易の女神、“貨幣の乙女”“商人の友”ワキーン[FR];交易と商売の女神で多くの商人たちに信仰されています。やたらに活発な女神であり、その影響か神官も様々な事柄に飛び込んで商売にすべく悪戦苦闘します。ワキーンは多くの神々と友好的で特にリーラと仲が良いです。一方で“災厄の時”にグラズドに囚われたことがあり、彼との仲は険悪です。彼女の領域は“永遠なる市場”の一角です。領域の所在はアウトランズの他、アルボレアやメカヌスなど、時期と世界観によって様々に移り変わります。
    • “チュルトの創造神”“恐竜の父”“裏切者”ウブタオ[FR];フォーゴトン・レルムのチュルト半島の創造神であり、密林や恐竜を司ります。黒いタバクシか巨大なティラノザウルスの姿をとります。FR世界の創世の時代、“暁の巨神”のひとり“夜の蛇”デンダーが太陽を奪って昼夜の停止させました。ウーブタオは裏切りによってこれを破り、古代の神々は勝利に力を貸しました。チュルト創造とこの裏切りのため、ウーブタオは自らの守護対象を滅ぼそうとする分身エシャドウを持ち、デンダーに狙われています。ウーブタオは1400年代にチャルトから距離をとるようになりました。彼の領域は“生命の迷宮”と呼ばれる密林で、絡み合う巨大樹の中を恐竜の群れが徘徊しています。
    • “扉の都”シジル;シジルは巨塔の上空に浮かぶ巨大都市で、パイプが円環状になった直径8kmのトーラス型をしています。人が居住する建造物はその内面に存在しており、内部の重力は外側に向かうように働いています。全次元界で最大の巨大都市、貿易拠点であり、様々な次元界に繋がる次元門が都市内に存在します。また不意に新しい次元門が発生し、接続先のモノがなだれ込んでくる事故が起こります。次元門を通って狙った接続先に向かうのには、何らかの“次元鍵”が必要になることがほとんどであり、秘密裏に取り扱われます。次元門も何らかの勢力が支配下に置いていることが多いです。街の最高支配者は“苦痛の貴婦人”ですが、実質的な運営は“党派(下記参照)”が勢力争いをしながら行っています。様々な次元界の出身者や、多くの悪魔、天使を街で見かけますが、神格は立ち入りません。
      • 苦痛の貴婦人;鋭い刃の髪を伸ばし、刃の衣服を身に付けた女性です。シジルの路上や様々なところを浮遊して徘徊します。口を利くことはなく、彼女に見つめられたものは皮膚が裂けて流血し、取り入ろうとしたものは皮を剥がれた血まみれ死体で発見されます。神格ではないものの同等以上の存在であり、シジルの最高統治者と見なされています。ただし、直接に指示を出さず、まれに空中に布告を描くのみです。彼女にはダブスと言われる角の生えた浮遊する無言の女性が仕えています。
      • 貴婦人区(Lady's Ward);都市政府の精鋭や最も裕福な層の住む本拠地。市宮廷や市兵舎、牢獄の他、“幸運の輪”や“蒼のアイリス”といった高級酒場/宿、“賽の杯”といった賭場があります。
      • 市場区(Market Ward);様々な次元界からの商品を取引する商業区域。“大バザール”や運動&入浴施設“大体育館”、四大元素式浴場“火炎の穴”、様々な次元キーを取り扱う“ティヴァム骨董店”などがあります。
      • 組合区(Guildhall Ward);職人や商人と拠点で市場区と融合しています。“カラック武具店”や“スペルソウル・ブレイド”といった武具店の他、剥製屋“ザックの死体治療”、料理店“アイメルの幸せの舌”、“エンシン特売秘薬”、“モドロン玩具”など雑多な店が存在します。
      • 書記区(Clerk's Ward);下級官僚と仲買人、金貸しの暮らす富裕地域です。様々な契約書と資料を保管する“記録の殿堂”や布告館、公演と博物展示を行う“市民祭事場”、次元門を用いたゴミや怪物の投棄施設“掃除人の庭”、全音符の宿”、売春宿などがあります。
      • 群巣区(Hive Ward);スラム街や隔離居住地。貧民や犯罪者、不要な残骸の溜まり場です。死体置き場や闇市場、精神病院、屠殺場のほか、“燻る死体酒場”や“フェルの刺青店”などがあります。
      • 下層区(Lower Ward);鋳造所と下層次元界からの煙で汚染されています。“大鋳造所”や死体と工場廃液まみれの“ドブ(The Ditch)”、魔法店“親切な魔族”、酒場“ステイクスの漕ぎ手”や“黒の帆”(共に漂着船の酒場)、“どこでも旅人亭(たくさんの次元門が店内に開く酒場)”などがあります。
    • 党派;独自の思想の実現のために次元界をまたいで活動する武装勢力です。様々な次元界と繋がるアウトランズとシジルは彼らにとって重要であり、協力や抗争しながら街の実質的な運営を行っていました。シジルに限らず多くの次元界や物質界に拠点があり、思想の実現のため活動します。時には現地の人々に大きな災害や助けをもたらします。近年、“党派戦争”と呼ばれる大規模抗争があり、その結果として下記の党派のなかには合流や消滅、拠点の移動が発生しています。シジルの運営もこれら党派が直接に担当する形式ではなくなりました。
      • アサール(Athar);別名“The Defiers(反抗者)”。拠点:破壊された寺院、巨塔。神々の権威と力、信仰を否定します。代わりに、彼らは“偉大なる未知”と呼ぶものから力を引き出します。
      • 根源の信者(Believers of the Source);別名“Godsmen(神人)”。拠点:大鋳造所。全ての人が神になれると信じ、人生は人を鍛造する試練であると考えます。自他を神格化するために活動します。
      • 荒廃教団(Bleak Cabal);別名“Madmen”。拠点:闇市と精神病院。宇宙の有り様や存在意義への信念を破壊し尽くし、自身の内側に価値を見付けるようとします。結果的に炊き出しや亡命など、困窮したものへの慈善活動を行います。
      • 破滅の守護者(Doomguard);別名“Sinkers”。拠点:武器庫、負の次元界、十二本木inアビス。宇宙の全ての崩壊は必然であり、神聖なものとみなします。破壊の推進のため武具を製造し、あらゆる世界に供給します。
      • クズ拾い(Dustmen);別名“The Dead”。拠点:死体置き場。人生は喜びで満ちているべきだが、現実は異なる。従って全ての者は既に死んでいると考えます。彼らは人々に真の死を与え、死体を集めて葬儀を手伝います。
      • 宿命者(Fated);別名“Takers”“The Heartless”。拠点:記録の殿堂。力と能力を持つ者は自身を所有し、他を支配する権限があると信じ、それを実現させます。彼らは徴税人として働く者が多くいます。
      • 秩序の友愛会(Fraternity of Order);別名“Guvners”。拠点:市宮廷、規律正しき啓発の要塞inメカヌス。知識は力であると考え、自然と宇宙、社会の秩序を学び、それを適用させます。彼らは裁判官や弁護士として働きます。
      • 調和党(Harmonium);別名“Hardheads”。拠点:市兵舎、メロディアスinアルカディア。平和と安定は彼らの提供する一つの法によって確立されると考え、支配圏を広げます。全次元界的に活動する組織ですあり、警察として機能します。
      • 革命連盟(Revolutionary League);別名“Anarchists”。拠点:“最後の希望砦”inカルケリ。社会秩序と法律はすべて腐敗しているので、これを破壊し、そして再建すべきでないと考えます。
      • 慈悲殺し(Mercykillers);別名“The Red Death”。拠点:監獄。正義と応報の完遂を推進し、そのために慈悲を殺すべきだと考えます。抗争後、より先鋭化した罪殺し(SodKillers)と犯罪者の更生を重視する慈悲の子ら(Sons of Mercy)に分派しました。
      • 署名者(Sign of One);別名“Signers”。拠点:布告館。宇宙は個々の者の認識によって存在し、有り様が定義されると考えます。彼らは実際に他者をイメージを定義しなおすことで消滅させています。
      • 超越教団(Transcendent Order);別名“The Cipher”。拠点:大体育館。次元界のリズムで動き、心のままに活動することで悟りを得て、高位存在になれると考えます。
      • ザオシテクト(Xaositects);別名“Chaosmen”。拠点:群巣区、リンボ。多元宇宙にパターンもあるべき秩序も無く、混沌のみが真実であると考えます。この党派の活動は合意が無く混乱していますが、秩序を強制しようとする活動に気づくと嘲笑して台無しにしようとします。 
         

【多次元間貫通体】
『大いなる転輪』宇宙には複数の次元界をまたいで存在するモノが幾つか知られています。これらの存在によって次元門のない次元界への旅や、深い階層への旅が可能になることもあります。

  • 「オケアノス河(Oceanus)」;
    オケアノス河は善の次元界を流れる澄んだ河で、「13:エリュシオン」から湧き出で、「14:ビーストランズ」、「15:アルボレア」まで流れています。河には交易船が行き来し、岸沿いには町ができています。この河は上層次元界を旅する方法として一般的なものです。
     
  • 「スティクス河(Styx)」;
     スティクス河は悪の次元界を通して流れる腐臭に満ちた濁った河で、「18:パンデモニウム」と「19:アビス」、「20:カルケリ」、「21:灰色の荒野」、「22:ゲヘナ」、「23:九層地獄」、「24:アケロン」の第一階層を蛇行して流れ、支流はその下層に滴り落ちます。この河の水に触れた多くのものは知性を失い、廃人となります。相応の金額を支払えば悪意に満ちた渡し守がこの河での船旅を請け負ってくれます。渡し守の元締めはカロンという名の老人です。
     
  • NEW!「宇宙樹ユグドラシル(Yggdrasil)」;
     根や幹と枝の各所に様々な次元界や物質界への次元門を持つ巨大な木です。全高37kmで樹冠24kmほど、全周を虚空に囲まれており、昼夜は光が射します。「21:灰色の荒野」の三つの階層に根への次元門が存在し、アウトランズや鉄の荒野(アビス第23階層)、“冬の間”(パンデモニウム)、リンボ、アルヴァンドール(アルボレア第1階層)、メカヌス、セレスティアに繋がる次元門が知られています。根に住む悪竜ニーズヘッグ(別名、“夜の蛇”デンダー)をはじめ、各所にヴァイパー・ツリー(徘徊する毒樹)、リノーム、ユーゴロス、魔族、巨人やエルフにドワーフ、天使などが警戒しています。
  • NEW!「無限階段(Infinite Staircase)」;
     様々な次元界や物質界に通じる謎に包まれた階段です。階段の入り口は変哲もない空き家の扉や地下室への入り口のように見えます。知られている出入口はは殆どなく、また移り変わることもあります。階段は複雑に折れ曲がる地下階段のようなところもあれば、虚空に浮かぶ吊り橋もあります。階段は枝分かれしており、所々に広がった踊り場があります。無限階段の繋がりの全体を把握しているものはいませんが、心の底からの望みに従って全てを調べていくと望みのところにたどり着くという伝説があります。リレンド(翼と蛇の下半身を持つ天使)の他、様々なものが階段で守護しています。“どこでもない宿(Nowhere-inn)”と呼ばれる野営地が回廊を移動しつつ宿や取引を提供しています。彼らは人や鬼、その他の不思議なメンバーで構成されています。
 

Guide to 「ワールドofグレイホーク」トップに戻る
Guide to 「ガイドtoフォーゴトン・レルム」トップに戻る