【d3】クレリック

Last-modified: 2017-05-04 (木) 21:02:26

クレリックは神へ祈りを捧げ、奇跡を起こす力を授かった神官です。味方を手助けする様々な呪文と、回復を行う正のエネルギー放出によって仲間を助けます。また、良い防具を身につけることができることから、前線に加わって戦うことも可能です。ゾンビや骸骨のようなアンデットモンスター退治の専門家でもあります。
 あなたがどんなクレリックであるかは信仰している神によって大きく違います。癒しと光明をもたらす太陽神の司祭かもしれませんし、正義の神を奉じる神官戦士、旅装で放浪する旅の神の巡礼、死の神に仕える墓守かもしれません。

 

クレリックはゲーム中の4つの役割における代表的な信仰クラスです。ゲーム中において期待される主な仕事は「味方を回復させる」、「味方を支援呪文で強化する」ことです。かなり良い防具を装備できることから、低Lvの間は前線に立って戦闘での活躍が期待されるケースが多く、Lvが上がると「呪文を使って占いする」ことが加わります。

 

パスファインダーRPGに参加するどのプレイヤーも自分のキャラクターを活躍させたいもので、結果として他のプレイヤーは信仰枠キャラクターに際限なく強化呪文や援護、治癒を要請する傾向があります。しかしクレリックをプレイするあなたもゲームに参加するプレイヤーの一人なので、別に他のキャラクターに献身だけに徹する必要はありません。
 クレリックは「正のエネルギー放出」を選択し、幾つかの呪文を用意すれば信仰枠に期待される役割を易々と果たせますので、後はあなたの気に入るように好きにキャラクターを作成してもかまわないでしょう。クレリックの弱点は強敵が現れた難局で積極的に打ってでる能力に欠けることです。このため、みすみす損害が出てからリカバーに廻らざるを得ないケースがあります。信仰する神と領域の選択によって個性を出しつつ状況を先読みし、この弱点を克服していくのがクレリックのキャラクター作成やプレイでの腕の見せ所となります。
 パスファインダーRPGの舞台となる世界「ゴラリオン」における神々は「PRD外にある『神格』の項目」に記載されています。クレリックで冒険する際にお勧めする神格と領域は後でまとめてご紹介します。

 

具体的なクラス特徴を見てみましょう。

 

【d3,e3:クラスの基本スペックと特徴】

  • メイン能力値:判断力、 サブ能力値:魅力、耐久力
  • ヒットダイス:d8
  • 基本攻撃ボーナス:普通(4Lvごとに+3上昇)
  • 得意なセーヴィングスロー(初めに2、以降は偶数Lvごとに+1上昇):頑健セーヴ、意思セーヴ
  • 苦手なセーヴィングスロー(3Lvごとに+1上昇):反応セーヴ
  • Lv上昇ごとに得られる技能ポイント:2+【知力】ボーナス
  • 武器と防具の習熟:全ての単純武器、軽装、中装鎧。神格の好む武器。
  • 開始時の資産:4d6 x10gp (平均140gp)
    ――――――――――――――
  • クレリック呪文
     クレリックは治癒と支援に向いた呪文に加えて、信仰している神の得意ととする呪文を使用できます。呪文については後の[L1]で詳細に述べます。
  • エネルギー放出
    味方の回復に最も役立つのは「正のエネルギー放出(治癒)」です。回復呪が目標人数の少なさや接触の必要性、機会攻撃などの面倒が多いのに対し、エネルギー放出は30ft以内の味方をまとめて回復できます。戦闘の際中に実用的なパーティのダメージを回復できる数少ない手段です。
     この能力はクレリックの他は一部のクラスしか身に着けておらず、これを使えるクレリックがいない場合、戦闘は短期決戦以外の戦術をとるのが難しくなります。あなたがクレリックを作成するのなら、「正のエネルギー放出」を使えるようにするのが無難でしょう。そして≪選択的エネルギー放出≫を修得していると乱戦中の回復をスムーズに行えるようになります。
     ただ低Lvの冒険では「負のエネルギー放出」はなかなか強力な攻撃能力です。一般にはお勧めしませんが、他にクレリックがいる場合や、変わったスタイルのクレリックを試してみたい場合にはこちらを選択してみるのも良いでしょう。
  • オーラ
    信仰する神の属性に応じたオーラを放ちます。この能力自体は敵に見つかりやすくなるだけでメリットはありませんが、いくつかの強力な特技の条件になっています。そのような特技の修得を予定するなら、きちんと信仰する神格を選びましょう。
  • 領域
    あなたが信仰する神の司る権能から選択できる「領域能力」と「信仰する神の得意武器」の能力は、あなたに他のクレリックと異なる個性的な能力を与え、差別化してくれます。以下に遊びやすい神格を幾つか挙げていきます。
     
  • “暁の花”、サーレンレイ(太陽の女神;中立にして善):
    • クレリックの属性:中立にして善、秩序にして善、混沌にして善、真なる中立
    • 神格の好む武器:シミター
    • 領域リスト:治癒太陽栄光
    • 治癒:呪文レパートリーも増えないし、キュア系呪文は任意変換でも使用できるのは確かです。しかし、どんな冒険でも使用するキュア呪文が領域スロットに準備できるなら、通常呪文を温存したまま冒険できます。そして8Lvになるとキュア系呪文に≪呪文威力強化≫がかかり、呪文での治癒能力が1.5倍に上昇します。地味ですが、堅実に役立つ領域です。
    • :低Lvから「バーニング・ハンズ」や「ファイヤー・ボール」のようなで強力な[火]の攻撃呪文を覚え、頻繁に打ちこまれることになる[火]への抵抗を6Lvから得ます。後手に回りがちで範囲攻撃呪文で大ダメージを受けやすいクレリックの弱点を補える強力な領域です。
    • 太陽:エネルギー放出の対アンデッド攻撃力が強化され、また高Lvでは強力な攻撃呪文を使用できます。低Lvでは活躍の機会を選ぶものの、Lvが上がるほどに強力になってくる領域です。
    • :味方に接触することでほぼ全ての判定に1/2Lvの清浄ボーナスを与える汎用性の高い能力に加え、8Lv以降は誰かの武器にホーリィ能力を一時付与することで攻撃力を強化できます。領域呪文に特殊なものはありませんが、すべて可能なら通常スロットに入れておきたい有用な呪文ばかり。確実に役立ってくれる有用な領域です。
    • 栄光:Lvが上昇するほどに<交渉>へのボーナスが上昇するため、極めて高い<交渉>判定値に達します。パスファインダー公式シナリオはゲーム中に意外なほど様々な場所と相手に交渉を行うことになります。この能力はそのような場で大いに役立ってくれます。領域呪文に特殊なものはありませんが、地味ですが有用が多いです。パーティの交渉役をやる気なら有用な領域です。
    • サーレンレイは領域全てが有用で、好みの武器も優秀。さらに神殿も多くの地域で有力な力を持っていることや、太陽神としてのイメージしやすさも含め、クレリックの信仰対象としてプレイしやすい神格です。攻撃能力を補うタイプの領域と、クレリック能力を補強する領域を組み合わせれば、どのような冒険でもパーティの中心として大いに活躍できます。
  • “継承者”、アイオーメイディ(正義の女神;秩序にして善):
    • クレリックの属性:秩序にして善、中立にして善、秩序にして中立
    • 神格の好む武器:ロングソード
    • 領域リスト:栄光秩序太陽
    • :自身か味方のダメージ能力を一時的に上昇させる能力と、高Lvでは戦闘特技を一時的に修得する能力を得ます。呪文のうち、半数は「フレイム・ストライク」などのダメージ攻撃呪文、半数は強化呪文です。ある程度は前線に出るタイプのクレリックでは有用な領域です。
    • 秩序:接触した自身や仲間の出目を11に固定するという極めて強力な能力を持っています。前衛クラスの味方なら、攻撃で出目11出せばほぼ必中できるはず。その他にも「ヒドイ目を出しさえしなければ、確実に成功するのに!」という状況は多々あります。この能力はそういった状況のほぼ解決してくれます。高レベルで得られる能力や領域呪文はすべて対「混沌属性」のもの。フェイやデーモンには有用ですが、それ以外では使いにくいです。対デーモンをテーマにしたシナリオではとても強力で、それ以外のシナリオでも堅実に役立ってくれる領域です。
    • パラディンなどが奉じる正義の女神です。分かりやすいイメージに加え、強力な武器への習熟、有用な領域を備えたプレイしやすい神格です。せっかくですので良い防具を身につけて、呪文で防御力を上げ、前線から味方を支援したいところです。
  • “老いたる射手”、エラスティル(狩りと農業の神;秩序にして善):
    • クレリックの属性:秩序にして善、中立にして善、秩序にして中立
    • 神格の好む武器:ロングボウ
    • 領域リスト:植物秩序、動物、共同体
    • 植物:通常ならパーティにドルイドいないと提供されないような特殊な呪文を使えるようになります。低Lv屋外冒険において最強ランクの制圧呪文「エンタングル」に「プラント・グロウス」、かけた味方のACを通常より+2~5する「バーク・スキン」。どれも使用することで状況を激変させる強力な呪文が揃っています。ただし役に立つのは屋外でのみ。野外冒険の多いシナリオで大活躍できる領域です。
    • 狩人や農民が信仰する古い神です。田舎では幅広く信仰され、クレリックも敬意を払われます。ロングボウの修得を生かすなら戦闘では後方から敵に近寄らずに戦闘に参加し、必要に応じて味方をサポートするのことになるでしょう。冒険のテーマによって活躍のしやすさが大きく変わる神格ですが、野外冒険にウェイトの置かれているなら大いに活躍できます。
  • “天空の歌”、デズナ(旅と幸運の女神;混沌にして善):
    • クレリックの属性:混沌にして善、中立にして善、混沌にして中立
    • 神格の好む武器:スターナイフ
    • 領域リスト:幸運解放、混沌
    • :移動力の上昇10ftに加え、さらに領域呪文によって+10ft。冒険中は他のPCより20ft早い移動できます。さらに8Lvにおいて移動アクションで味方を道連れに瞬間移動。領域呪文はウィザードでしか覚えないような飛行、瞬間移動呪文を使えるようになります。これらの呪文により、緊急時にはウィザードとの分業が容易になり、危地からの瞬間移動でのパーティごとの一斉離脱、早い段階からの長距離テレポートによる旅が可能になります。使い方にはコツが要りますが、最も強力な領域の一つです。
    • 幸運:接触した目標がd20を2個振りして良い結果を得るという強力な能力を持ち、さらに高Lvでは自身のd20の目を割込みで振りなおせるようになります。ダイス目による失敗を予防し、パーティ攻撃力の強化につながります。一方で領域呪文は4Lv呪文「フリーダムofムーヴメント」以外は使いにくいものが多いです。かなり有用な領域ですが、領域呪文スロットを有効活用するためにも、もう一つの領域には強力な呪文があるものを選びましょう。
    • 解放:自身に自動「フリーダムofムーヴメント」発動させる能力を身につけ、高Lvではパーティへの状態異常をキャンセルする30ftオーラを展開できます。領域呪文に特殊なものはありませんが、すべて通常スロットに入れているような状態異常回復呪文が揃っています。これを領域呪文にすることで通常スロットの呪文選択に余裕ができます。この領域は防御面で大変に頼りになります。
    • 旅の女神デズナは多くの強力な領域を持ったプレイしやすい神格です。旅の領域はパーティの戦術的な選択肢を大きく広げてくれますし、他の領域も強力な支援・防御能力を得ることができます。一方でデズナの神殿は強力なものではありません。道端の小さな祠ていどのものしかなく、神官が常駐していることもありません。デズナのクレリックは行商人らからは敬意を払われますが、公的機関への影響力は期待できません。
  • “酔いどれ英雄”、カイデン・カイリーエン(酔っぱらい英雄神;混沌にして善):
    • クレリックの属性:混沌にして善、中立にして善、混沌にして中立
    • 神格の好む武器:レイピア
    • 領域リスト:魅了、力、混沌
    • 魅了:同等以下のLvのクリーチャーを幻惑して行動不能にする能力を得ます。Lvが上がると即行アクションのウィンク一つでチャーム・パーソンを使えるようになります。また通常ではクレリックが使えない魅了系の呪文を使えるようになります。魅了系の呪文は戦闘の回避や尋問など大きな効果を持っており、使いこなせれば強力な領域です。
    • 英雄神カイリーエンは強力な領域を幾つかもったプレイしやすい神格です。旅の領域はあなたの行動範囲と回復可能な距離を広げ、パーティのやれることを大きく広げてくれます。
       カイデン・カイリーエンの信者は酔っ払い同様に世界中どこにでもいます。特に酒場の店主はカイリーエンの信者であることが多く、酒場や醸造所には小さな祭壇があります。公的機関からの支援は期待できませんが、腕利き冒険者や上流階級にカイリーエンの信者がいることは多いです。意外なところで交渉の突破口になり得ます。
  • “永遠の薔薇”、シェーリン(愛と芸術の女神;中立にして善):
    • クレリックの属性:中立にして善、混沌にして善、秩序にして中立、真なる中立
    • 神格の好む武器:グレイヴ
    • 領域リスト:幸運魅了、守護
    • :低Lvで苦戦する射撃系の敵に対する強力な守りの呪文を身につけられます。特に手ごわいスォーム系の敵を完封できるウィンド・ウォールを低レベルで使用でき、「エア・ウォーク」で空中に安全位置を確保できる点が使いやすいです。
    • 愛と芸術の神シェーリーンは「幸運」の領域に加え、長柄武器のグレイヴを使用できます。グレイヴは距離をとって攻撃できることに加え、近づいてきた相手を機会攻撃で迎撃できます。これにより、リスクを冒さずに戦闘に参加できます。
       シェーリンは芸術家や若い恋人に老夫婦、芸術を愛好する貴族などに信仰されています。祠は大抵の集落にありますが、神殿は大きい町に限られます。神殿には芸術家や貴族から寄進された品で溢れており、シェーリンのクレリックは有力信徒のコネを活用し、シティ・アドベンチャーで活躍できます。
  • “墓所の貴婦人”、ファラズマ(死と運命の女神;真なる中立):
    • クレリックの属性:真なる中立、中立にして善、秩序にして中立、混沌にして中立、中立にして悪
    • 神格の好む武器:ダガー
    • 領域リスト:安息治癒、水、知識、死、
    • 安息:接触するだけでセーヴの余地なくよろめき状態にする能力は、初期Lv帯では目立ちませんが、全力攻撃の脅威が増す3Lv以降の冒険では極めて強力なもので、近寄ってきた敵をほぼ戦力外に陥らせます。そして8Lvで身につけるオーラはアンデッド特有の特殊攻撃を完封できる強力なものです。対アンデッド戦では一方的に勝利することが可能になります。一方で領域呪文は使いどころが限られるものばかり。もう一方の領域には汎用的な呪文を使える領域を選んだ方が良いでしょう。
    • 死の女神ファラズマのクレリックは「安息」領域によって、対アンデッド戦で無類の強さを発揮します。対処を間違えると一気に全滅しかねないアンデッドも多く、「治癒」領域も合わせてとても頼りになるクレリックです。
       ファラズマは大抵の村や町の墓場に祭られており、土地によってはさらに大きな寺院が建てられています。ホラー風味の冒険の舞台によく選ばれるウースタラヴ地方では特に大きな信仰を集めており、クレリックは寺院を介して社会的な影響力を発揮できます。
  • “鉄の王”、ゴルム(戦の神;混沌にして中立):
    • クレリックの属性:混沌にして中立、混沌にして善、真なる中立、混沌にして悪
    • 神格の好む武器:グレートソード
    • 領域リスト:栄光破壊、力、混沌
    • ゴルムはグレートソードで強い。グワァーッと振りかぶって、ガッてやるとドガガガッてなる。
 

【f3:技能】(△防具によるペナルティあり、×未修得だと判定不可)
クレリックの修得で優先すべきなのは、治療と交渉系の技能。ダイス目に左右されがちな低Lv帯では知識技能のサポートが期待されます。

  • 治療(判):毒を受けたときに悪化を食い止めることができ、一部の攻撃は<治療>に成功するまで出血を続けます。また、病気にかかったときや能力値ダメージを受けた際も、一晩<治療>すればで回復が早まる可能性があります。後者に関しては必ずしもPCが担当する必要はなく、場合によってはNPCを雇用してお願いしてもよいでしょう。
  • ×知識(宗教)(知):宗教関係者として、修得しておきたいところ。アンデッドの知識判定にも使用します。一部の強力な特技の修得条件になっており、どこまでランクを上げるかは特技の取得計画から考えると良いでしょう。
  • 交渉(魅):街角での聞き込みや、重要NPCへの説得など、最も普遍的な交渉系の技能です。パーティ内の誰かは高くしておきたいところです。クレリックの魅力は高めですし、信仰によっては信用を得やすいことも交渉役に向いている理由です。
  • 真意看破(判):交渉相手が事実を言っているのか否か、またさらに多くの情報を引き出すきっかけとして使えます。判断力の高いクレリック向きの技能です。
     

【g3:特技】
クレリックに役立つ特技を幾つかにグループ分けして紹介します。

  • エネルギー放出系の特技
    • 《選択的エネルギー放出》:乱戦中で味方だけ回復させられるので便利な定番特技。細かい位置取りやタイミングを考えずに放出できます。
    • 《エネルギー放出回数追加》:冒険はエネルギー放出が尽きたときが撤退の一つの目安になります。パーティの継戦能力を高めますし、数を使えれば後述の様々な特技を生かすことができます。
    • 《アンデッド退散》:意思セーヴに失敗したアンデッドをまとめて戦力外にしてしまう。かなり強力でアンデッドの多いシナリオでは検討に値します。
    • 《アンデッド威伏》:一方、こちらは使いにくい。同士討ちさせれば効率良いが大抵のアンデッドはヒットダイスが高く、特技の対象外のケースが多すぎます。
    • 《エレメンタルへのエネルギー放出》もし特定のエレメンタルとの戦いを主眼としたキャンペーンを遊んでいるのなら、検討に値します。
    • 《エネルギー放出高速化》;(Ultimate Magic(UM)掲載;要<知識:宗教>ランク5):放出回数を2消費して、移動アクションでエネルギー放出できます。とても強力な特技で、危地に陥ったときに、回復しながら対策呪文を発動する、あるいはエネルギー放出を1ラウンドに2回使うなど、使い道は状況次第です。
    • 《自在なエネルギー放出》UM掲載;要はじめにエネルギー放出の効果を選択する必要のあるPCのみ:エネルギー放出の正負のうち、自分が選択しなかった効果を使えるようになります。同じくUM掲載の「変更版エネルギー放出」によって、正のエネルギー放出と敵への状態異常をばらまきを使い分けられるようになります。
  • 呪文修正特技
    • 《呪文持続時間延長》:強化呪文を唱える機会の多いクレリックにとっては有意義な特技です。
    • 《呪文射程伸長》(Advanced Player's Guide(APG)掲載)呪文の届く距離を一段階だけ遠くします。様々な治癒呪文を目標に接触せずに使用可能になります。危険な敵の間合い内に入らず治癒呪文使える、あるいは移動アクションを余らせられることは大きなメリットです。
  • その他の特技
    • 《戦闘発動》:防衛的発動などに+4。敵と隣接した状態での呪文発動の成功率を引き上げます。
    • 《鎧習熟:重装》:機動性に制限が尽きますが、ACを一気に上げることができます。
    • 《追加hp》、《イニシアチブ強化》:他のクラスと同じくこの特技は常に役立ちます。
       

【h3:装備】
クレリックの装備は呪文の使用と、防御力、武器戦闘の兼ね合わせで決めることになります。
 まず呪文やエネルギー放出を使用するのに聖印を見えるところに身につける必要があります。呪文を使用するのには、動作要素と物質要素を満たすために片手を空けておく必要があります。
 このため、武器を片手に持つなら反対側の手に持つ盾はライト・シールドかバックラーが便利です。武器での攻撃を重視しないなら、ヘヴィ・シールドを装備して武器は持たないか、場合によって捨ててしまうというのも一つのスタイルです。攻撃しないにせよ、前衛に挟撃を提供するために、スパイクド・ガントレットで武装はしておいた方が良いでしょう。

 

クレリックの持っておく装備として以下のものが考えられます。

  • 通常アイテム
    • 聖印:これがないとクレリックは何もできません。
    • 呪文構成要素ポーチ:呪文を使用するのに必要。
    • 治療用具:毒病気の治療や、出血対策としての<治療>判定を+2。
    • ダイアモンドの粉、またはダイアモンド:一部の呪文に必要となります。
  • 魔法アイテム
    • ワンドofキュア・ライト・ウーンズワンドofレッサー・レストレーション(パラディン作製)、ワンドofディレイ・ポイズン(レンジャー作製):頻繁に使用する低レベル呪文はワンドで購入してしまいましょう。
    • 様々な呪文の巻物
    • パールofパワーI:使用した1Lv呪文スロット一つを回復します。
    • 魔法の鎧魔法の盾:パーティ生存の要である君の防御力は重要です。
    • ハンディ・ハヴァサック:装備重量を軽減し、中の巻物を機会攻撃なしの移動アクションで取り出せます。
    • クロークofレジスタンス、アミュレットofナチュラル・アーマー:防御力向上の定番アイテムです。
    • ヘッドバンド・オヴ・インスパイアード・ウィズダム、ベルト・オヴ・マイティ・コンスティチューション
    • ロッド:レッサー・リーチ・メタマジック・ロッドレッサー・エクテンド・メタマジック・ロッド:それぞれ該当特技を適用したように呪文の特性を変更します。
    • ストランド・オヴ・プレイヤー・ビーズ:一部のクレリック呪文の効果をアイテムから使用でき、また上級のビーズは使用者の呪文効果の術者Lvを+4できる強力なものです。
       

【L3:呪文】
クレリック呪文で主に期待されるのはまず状態異常に陥った味方の回復、そして支援呪文によると予防と強化です。クレリック呪文は毎朝、準備する呪文を全クレリック呪文から選んで準備できます。気になる呪文があったら、とりあえず準備してみるといいでしょう。実際の冒険中にうまい使いどころがみつからなくても、クレリックは呪文を治癒呪文に換えられます。まずは気楽に試してみると良いでしょう。
 初めは治癒/状態回復呪文の準備が主になりますが、Lvの上昇に伴って呪文の傾向が変わってきます。敵から状態異常を受けてから対応するのでは後手に回ってしまいます。それよりも、予め様々な特殊能力への予防呪文を使っていくほうが効率が良くなります。
 呪文の継続時間は4つのタイプに分けられます。それぞれの支援呪文の継続時間を確認し、必要なタイミングでかけていきましょう。
・「Lv x時間」タイプ(ディレイ・ポイズンなど):ダンジョンに入る前の段階でかける呪文です。Lvが上がると呪文準備が終わり次第にかけて、一日中かかりっぱなしなります。
・「Lv x10分間タイプ(マジック・サークル・アゲインスト・イーヴルなど):これもダンジョンに入る前の段階でかける呪文です。
・「Lv x1分間」タイプ(シールドofフェイスなど):この継続時間の呪文は戦闘が予期される場合や、探検中に必要になった段階でかけることになります。
・「Lv xラウンド」タイプ(プレイヤー):このタイプは戦闘が開始してから、戦闘中にかけることになります。

 

支援呪文はウィザードなどの秘術呪文使いも使用可能ですが、ウィザードは準備する呪文のレパートリーを気楽に変更できません。クレリックとウィザードの両方が使える呪文なら、クレリックが用意した方が良いでしょう。また、呪文によっては呪文使いが直接唱える必要はなく、巻物などで用意すれば十分な呪文も多いです。ウィザードのプレイヤーと相談し、手分けしていきましょう。
 パスファインダーRPGではゲーム中に様々な困難や強敵と遭遇し、中には絶望的に思える状況も存在します。とはいえ、キャラクター達も強力ですので、わかっている困難にはなんとか対処できます。危険なのは予期しない困難に陥ることで、高Lvの冒険で対応手段を持っていないと為す術なく撤退する羽目になったり、全滅すらあります。これを予防できるのが中レベル以降のクレリックが使える数々の占術呪文です。
 「ディヴィネーション」と「コミューン」を代表とするこれらの呪文は極めて強力な呪文です。わずかな手がかかりからキャラクターに役立つ情報を与えてくれます。これらの呪文をいつ・どのように使うのかが高レベルのクレリックを上手くプレイする際の鍵となります。機会があれば積極的に使用していくことをお勧めします。
 キャラクター作成時の参考までに、それぞれの呪文レベルの定番呪文を後ろにリストアップします。

 
  • 0Lv呪文
    • ガイダンス:味方の様々な判定に+1ボーナスの堅実に役立つ呪文。
    • ディテクト・マジック:魔法アイテムと罠の発見、鑑定に必須。高レベルではウィザードに任すのもあり。
    • ライト:視界の確保の有力手段。高レベルになるとアイテムの方が強力。
    • メンディング:壊れた物を修理。低レベルで拾う壊れた武具の売却価格を引き上げられます。
    • リード・マジック:拾った巻物の中身が分かります。普段は不要ですが、謎の巻物がたまったときに。
    • クリエイト・ウォーター:野外移動の多い冒険で水の心配をしなくてよくなります。
  • 1Lv呪文
    • キュア・ライト・ウーンズ:hpを1d8+Lv(Max5)回復する治癒の基本呪文。他の呪文から任意変換で使えますので、予め呪文スロットで用意する必要はありません。Lvが上がるとワンドを買って(750gp/50チャージ、375gp/25チャージ)、惜しまず使っていくことになります。
    • ブレス:味方全体の攻撃と対恐怖セーヴに+1士気ボーナスを与える全体支援呪文の基本。高Lvでは他の呪文に埋もれて使用機会がなくなりますが、低レベル帯ではハードな戦いで頼りになる呪文です。
    • プロテクションfromイーヴル:味方一人の防御力を上げ、魅了効果への再セーヴの機会を与えます。単体支援呪文の基本です。
    • リムーヴ・フィア:戦線の崩壊によってパーティに大損害を与える恐怖効果への対策呪文です。[恐怖]へのセーヴにボーナスを与え、すでにかかっている[恐怖]抑止します。高Lvになってもスロットに入れておきたい呪文です。
    • オブスキュアリング・ミスト:自分のいた位置を中心に霧を発生させます。霧は視界を遮り、5ftより離れている者にはどこにいるか分からなくなります。低レベル帯で出会う敵は小型で素早いクリーチャーが多く、そういった敵は弓やクロスボウを好んで用います。この呪文はそういった遠隔攻撃への守りになります。
    • シールドofフェイス:対象にLv分間、ACに+2+Lv/4の反発ボーナスを与えます。低レベルでは使う意味の薄い呪文ですが、効果期間が長くなった高Lvでは味方のACを大幅に上げる呪文として役立ちます。
  • 2Lv呪文
    • リムーヴ・パラリシス:グールの麻痺や、敵術者のホールド・パーソン、スロー対策として用意しておきたいところです。巻物でも構いませんが、スロットに準備しておいた方が融通が利きます。
    • サウンド・バースト:敵にちょっとしたダメージを与え、その上で1ターン朦朧化(頑健セーヴ)。
    • キュア・モデレット・ウーンズ:キュア・ライトと同様の、より強力な呪文です。
    • レジスト・エナジー:ドラゴンのブレス攻撃やウィザードのファイヤーボールなどの火力呪文、継続ダメージが発生するエリアへの対策呪文です。各種のダメージを減らすことができますが、単体呪文です。時間は短くなりますが、可能ならば1Lv上の「コミュナル・レジスト・エナジー」の方がパーティ全体を守れるのでお勧めです。
    • ブルズ・ストレングス:低レベル帯では前衛の攻撃力を強化する支援呪文として有効です。
    • レッサー・レストレーション:毒などによる能力値ダメージや疲労を回復してくれる呪文ですが発動時間が3ラウンドと長く、戦闘中の使用は困難です。戦闘後に使うことになります。この呪文はパラディンの1Lv呪文でもあります。このためパラディンが作成したワンドならば安価(750gp/50チャージ、375gp/25チャージ。)に入手できます。早めに購入してこちらで使用する方が効率が良いでしょう。またポーションなら50gp、標準アクションで使用できますので、緊急用には他のPCに各自で準備してもらった方が良いかもしれません。
    • ディレイ・ポイズン:[毒]予防呪文です。毒を持った敵は多く場合によって深刻なダメージを与えますので、頼りになります。この呪文はレンジャーの1Lv呪文でもあります。このためレンジャーが作成したワンドならば安価(750gp/50チャージ、375gp/25チャージ。)に入手できます。こちらも早めに購入し、探索前に前衛にでる仲間全員にかけておくと安心できます。
  • 3Lv呪文
    • マジック・サークルagainstイーヴル:邪悪な敵からの攻撃に対して、パーティ全体を守れます。
    • コミュナル・レジスト・エナジー(Ultimate Combat収録):エネルギー・ダメージからパーティ全体を守る最も使いやすい呪文です。
    • リムーヴ・ブラインドネス/デフネス:盲目を治癒する呪文。巻物で十分かも。
    • キュア・シリアス・ウーンズ:キュア・ライトと同様の、より強力な呪文です。
    • プレイヤー:仲間は攻撃・ダメージ・セーブなどに+1幸運ボーナスで、敵はセーヴ不可で-1。地味な効果ですが、戦闘で使えば確実に味方を有利にしてくれます。他の呪文と被ることの少ない幸運ボーナスですので、高Lvになっても役立ちます。持続時間が短いので戦闘開始してから使うことになります。
    • ストーン・シェイプ:石を変形させて好きな形に造形する呪文。使用可能になる時点で約300L+30L x 5Lv = 450L(成人男性6人分の体積)の石を加工できます。ダンジョンの多くは石材で作られており「石扉をに通行穴を開ける」、「入口に封鎖された石扉を造る」、「6マスに障害物を作成」、「梯子や石橋を造る」など、状況とアイデア次第で拾い応用性があります。困ったときのために巻物で1枚。積極的に活用する気ならスロットに入れる価値があります。
    • デイライト:暗闇呪文対策。ライトと消えずの松明に頼っていると暗闇呪文でひどい目に合います。巻物では意味がないので使うならスロットに準備。
    • インヴィジビリティ・パージ:透明クリーチャー対策。余裕ができたら用意したいところ、巻物でもOK。
    • プロテクション・フロム・エナジー:各種ダメージを肩代わりしきるまで無効化。ドラゴンのブレスや火力特化した術者の魔法はレジスト・エナジーで止めきれないので、併用することになります。相手が分かっているときに用意。
    • ウォーター・ブリージング:仲間全員にかけれる水中呼吸呪文。水辺の冒険では用意しましょう。巻物でもOK。
    • ''ウォーター・ウォーク:仲間全員に水上移動呪文。ただし、水中に潜む敵への攻撃がとても困難になります。水中の敵と戦うのなら、むしろ水中移動速度を得られる「タッチof theシー(APG)」を他から用意してもらった方が良いでしょう。
  • 4Lv呪文
    • フリーダムofムーヴメント:麻痺や組みつき、スローなど、行動を阻害する効果を抑止します。また水中で斬撃・殴打武器の使用に制限かからなくなります。組みつきからの脱出には結局アクションを消費する一方、この呪文の効果時間は長いです。たいていの場合、阻害効果を受けてから呪文を駆けるよりも、ダンジョン突入前にかけてしまった方が楽になります。組みつき中に使用できない両手武器を使う前衛が優先すべき目標でしょう。
    • レストレーション:負のLvを除去し、能力値ダメージを回復、あるいは名状しがたきものを目にして減少したSAN値を回復させます。この呪文でないと回復しない損害は多々あり、常に用意しておきたい呪文です。
    • ホーリィ・スマイト:悪属性のキャラクターにダメージと共に盲目にします。取りあえず悪い敵集団に叩き込んでおくと、その後の戦闘が楽になりますが、敵の頑健セーヴのダイス目しだいです。
    • キュア・クリティカル・ウーンズ:キュア・ライトと同様の、より強力な呪文です。
    • ディメンジョナル・アンカー:手ごわい秘術使いや、性悪なデヴィルやデーモンらはこちらを散々手こずらせた挙句に分が悪くなると瞬間移動で逃走し、後でまた邪魔してきます。彼らの逃走を封じるにはこの呪文が役立ちます。問題は呪文が当たるか、呪文抵抗を抜けるか否か。この呪文に賭けても良いですし、あきらめて前衛の攻撃力と制圧呪文による敵の呪文発動阻害に頼るのもありでしょう。
    • デス・ウォード:アンデッドが得意とする即死効果や負のエネルギー効果への防御手段を提供します。問題は単体効果で持続時間が短いこと。即死の罠に挑むローグにかけておく、前衛に事前がけしてアンデッドの群れに一人だけで放り込むなど、使い方には少し工夫が必要です。
    • ニュートラライズ・ポイズン:毒を治療できますが、大抵は「ディレイ・ポイズン」で間に合います。
    • タンズ:目標はすべての言語で会話できるようになります。パスファインダー公式シナリオの街中では奇人の言動に困惑がちですが、ダンジョンの奥では人外の魔物たちが輪をかけてバカバカしい人間関係を築いています。彼らと言葉を交わして公式シナリオのトンチキを100%楽しむのに、この呪文は役立ちます。
       

 

最後にいくつかクレリックの例をあげます。ハーフエルフの太陽の使徒と、人間の鋼の司祭です。

 

■ハーフエルフの太陽の使徒

元のEXCELファイルの詰め合わせ:

 

■鋼の司祭

元のEXCELファイルの詰め合わせ:

 
 

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