11話>>489

Last-modified: 2009-08-25 (火) 11:21:31

489 :既にその名前は使われています:2009/08/06(木) 13:53:14 ID:P1pB6ekE
2大連載の間に入ってしまうが、おやつ程度に、俺の笑い話をきいてくれw
うまくまとめられないから、長くなっても、カンベンしてw

俺 エル♂ 準廃 初期組 雑談LSリーダー
Hime タル♀ リア♀ ネトゲFF初心者
ハゲ ヒュム♂ リア♂ 初期からの俺のフレ
赤姫 ヒュム♀ リア♀? LSの中堅メンバー
廃猫 ミスラ リア♂ 初期からの俺のフレ
廃人 エル♂ リア♂ レリック持ち Himeのフレ
その他LSメン(A・Bなどで表記。本筋には特に関わらない)

話は今から二年ほど前から始まる。
俺は退屈し切っていた。
FFを初期から始めて、あらかたのミッション、クエも終了し、
インするのは固定コンテンツのみとなっていて、かつて、ヴァナの
冒険でwktkしていた日々が遠い昔のことになってしまっていた。
かといって、引退する気もなく、惰性でなんとなく続けてた。

 

 

491 :489:2009/08/06(木) 14:02:20 ID:P1pB6ekE
>>489の続き
俺がリーダーをしているLSは、当時メンバーが俺、赤姫、A・Bの
4人だけ、という少人数LSだった。メンバー全員が初期組で、
それぞれがコンテンツLSに所属していたりすることもあり、
メンバーがそろって何をするというほどのこともなく、好きなことを
やりながら、情報交換や雑談するためのLSといった感じだった。

そんなある日、しばらくFFをやめていた初期から俺のフレ、ハゲが
復帰してきた。

 

 

492 :489:2009/08/06(木) 14:05:02 ID:P1pB6ekE
>>491の続き

ハゲ→俺「久しぶりだなーw復帰したからLS入れてくれw」
俺→ハゲ「おkw」
ハゲとはリアルで会ったこともないが、ハゲがFFに課金していなかった間も、
俺とは携帯メールで話をしていたから、気心知れた長い付き合いだし、
LSメンの赤姫AやBとも仲が良く、すぐに以前からのように弾けた会話を
楽しめるようになった。

 

 

493 :489:2009/08/06(木) 14:13:00 ID:P1pB6ekE
>>492の続き
しかし、ハゲは3年のブランクがあった。
そのため、カンストジョブが一つしかなく、少なくとも三つ程度はカンスト
させ、コンテンツ通いで装備もそろっている俺やLSメンとは開きがあった。
ハゲはみんなで遊ぶのが特に好きなやつだった。
そのため、ハゲのミッションの遅れや、レベル上げに付き合うために、
次第にばらばらだったLSメンが集まって行動するようになってきた。
ハゲはLSに活力を与えてくれたようだった。
俺は、ハゲの手伝いを心底楽しんだ。
お手伝いw 楽しいですwwwwwww
そんな感じだった。ただなんとなくコンテンツ通いしているより、よっぽど
楽しかったのだ。

そんなある日、俺はついに最高のwktkと出会うこととなる…

 

 

495 :489:2009/08/06(木) 14:14:12 ID:P1pB6ekE
>>493の続き
ハゲ→俺「おーいw暇か?www」
俺→ハゲ「暇だが?w」
ハゲ→俺「ちとロランでLV上げ付き合ってくれw」
俺→ハゲ「おkw」

呼ばれて行ったロランで、ハゲと他野良4人を交えて、芋を狩る。
その傍らを、いろいろなPCがすれ違って行く。
そんななか、ふと、俺は一人のタル♀に気がついた。
明らかな低レベル装備。なぜこんな場所にいるのか。
サーチしてみるとタル♀はLv11しかない。しかもサポなし。
これではまた死ぬだろうと思った。インスニすらしていないのだから。
案の定、見てるそばからタル♀はゴブにやられ、プリケツwをさらした。
通りすがりの白がレイズをタル♀にくれる。タル♀はとりあえず起き上がるが
リアクションがない。白はケアルをくれるとジュノに向かって立ち去った。

 

 

497 :489:2009/08/06(木) 14:16:53 ID:P1pB6ekE
>>495の続き
ハゲ→俺「いくらなんでもあのタル無謀だろw」
俺→ハゲ「まあ、来るだけなら来れるからな、倉庫かもしらんw」

そんなことを言いつつ、二時間が経過し、俺たちのレベル上げは和やかな
うちに終了した。
PTを解散し、ハゲと俺は徒歩でジュノに戻る途中で再びタル♀の
プリケツwを見つける。
ハゲ→俺「あのタルまた死んでるぞwレイズしてやれよw」
俺→ハゲ「おkw」
たまたま白だった俺は、タル♀にレイズしてやる。
すると、タル♀は起き上がるが、やはりリアクションがない。
だが、もじもじとしたふいんきwが伝わってくる。
ハゲ→俺「あのタルひょっとして初心者か?w」
俺→ハゲ「だなw」
ハゲはとても優しい男だ。タル♀を放っておけなくなったらしい。

 

 

498 :489:2009/08/06(木) 14:20:35 ID:P1pB6ekE
>>497の続き
ハゲ→俺「ちょっと話しかけてみるわw」
俺→ハゲ「おkw」
安全そうな場所にタル♀を誘導し、待つこと数分。
ハゲ→俺「LSに誘ったぞwパールやってくれw」
突然の展開だが、ハゲはそんな男だ。俺は言われたとおりにパールを
タル♀にトレードする。
しばらくの間…それは、ハゲがLSのつけ方や、会話の切り替えについて
説明していたからだった。
タル♀:「ありがとうございます。本当に助かりました。」

それが、このLSでのタル♀の第一声だった。

 

 

499 :489:2009/08/06(木) 14:22:10 ID:P1pB6ekE
>>498の続き
俺たちはタル♀を護衛しつつ、なぜこんなところにいるのか訪ねた。
タル♀は、リアフレにジュノまで連れてこられたが、そこで放置され、
帰ろうとしていたと答えた。死にデジョンの仕方もわからないらしい。
聞けばタル♀は、そのリアフレに誘われてFFを始めたが、ネトゲも
やったことがなく、全く何が何だかわからないという。基本的な操作も
ほとんどわからず、レベル上げも一人でやり、ある日突然、ジュノに連れて
行ってやるというリアフレに護衛されながらジュノまで来たそうだ。
だが、その冒険を最後に、リアフレは鯖移動してしまい、どうしていいか
わからないまま、とりあえず何日もジュノ周辺をさまよっていたのだそうだ。

 

 

500 :489:2009/08/06(木) 14:24:31 ID:P1pB6ekE
>>499の続き

完全な情報弱者だと思った。
俺とハゲは、攻略本や、サイトがあることをまず教えた。それから、
基本的な操作、マップの見方、そんなものをこまごまと説明してやり、
タル♀が少しは不自由なくヴァナで動けるようにしてやった。
タル♀は終始真剣な態度で、口調も丁寧、お礼も欠かさず言う、
礼儀正しい、感じのよいプレイヤーだった。

そんなタル♀と接していて、とある邪な考えが、俺の頭をよぎった。

このタル♀でHime育成RPGができるでわないかwwwwwwwww

 

 

503 :489:2009/08/06(木) 14:30:26 ID:P1pB6ekE
>>500の続き
そんなわけで以降 タル♀=Hime と呼ぶ。
Himeはヴァナにおいては無垢そのものだった。
たどたどしい動きが愛らしく、俺の父性本能を激しくそそった。

惰性でINし続けていた俺の毎日が変わった。
Himeを立派に育て上げることにもっぱら情熱を費やした。
折よく、ハゲの復帰で、LSに人が集まるようになっていたため、
レベル上げから、ミッション攻略、なんでもかんでもLSで手伝って
野良には全く行かせなかった。
Himeはそんな俺の考えには全く気付かず、俺にべったりとなつき、
なにをするにも、俺にお伺いをたててからだった。
いちおう攻略サイトや本で下調べやマップの予習はしているが、
どこのマップも俺たちがインスニ掛けて引き回したりするので
覚えられるはずもなく、当然迷子スキルは真っ青だった。
そんなHimeはいつも、俺やLSメンにごめんなさい、ありがとう、
すみませんとばかり言っていた。

 

 

504 :489:2009/08/06(木) 14:35:03 ID:P1pB6ekE
>>503の続き
Himeと会話しているうちに、Himeがリア♀で、鯖移動したリアフレ
とは古い友人なのだとわかった。Himeにリアフレの後を追って、鯖移動
しないのかと尋ねてみた(実はそれが一番心配だった)が、Himeはリアフレ
の後を追うことは考えもつかなかった、それに追ってもまた放置される
から行っても意味がないと答えた。実際、Himeはキャラを作ってから、
俺たちと会うまでの2か月もの間、一人でレベル上げをし、リアフレとは
たまにチャット程度しかしていなかったのだという。
俺はその答えを聞いて大変満足した。思う存分、Himeを好きに育てられると
思ったのだ。

そして俺のHime過保護プレイは毎日楽しく過ぎて行った。

 

 

505 :489:2009/08/06(木) 15:07:30 ID:P1pB6ekE
>>504の続き
Himeはメインジョブに白を選んだ。当然だ。
そうなるように俺が仕向けた。
そして、HimeがLSに入ってから半年が過ぎる頃、Himeは白をカンスト
した。
ここに、まじめで一生懸命だが、ちょっと天然で、ドジっ子で迷子スキル
青、という、俺の思い描いたままの白Himeが出来上がった。

当然、プレイヤースキルは高くない。俺が過保護に育てたからだ。
状態異常回復は遅いし、すぐに絡まれる。ミッションやクエはおんぶに
抱っこでないと進められない。なんでもかんでも俺を頼り、俺なしでは
何もできないように育ててやった。

 

 

508 :489:2009/08/06(木) 15:28:13 ID:P1pB6ekE
>>505の続き
だが、それはそれで問題だった。
PT中の会話で、ハゲや赤姫がHimeのトロさと天然ぶりに苛立ち、
たまにきつい発言をするようになってきたのだ。
Himeを拾ったのはハゲだったのに、ハゲは意外にもHimeには最初のうち
構っただけで、あとはほとんど構わず、あからさまに赤姫の尻を追い回していた。
Himeは、俺にべったりではあったものの、自分を助けて拾ってくれたハゲにも
なついていたので、ハゲにかまわれなくなって寂しくも感じていたし、ドジを
やって、ハゲに怒られるのが一番こたえるようだった。
だが、俺が育てたHimeは、不平不満は一切態度には出さない、頑張る子
だった。

 

 

512 :489:2009/08/06(木) 15:41:02 ID:P1pB6ekE
>>508の続き
そこで俺は方向修正し、Himeを上の段階に進めようと考えた。
LSで行動する以上、迷子とPSだけは何とかしようと思ったのだ。
しかし、俺は前衛メインだし、唯一後衛メインのLSメンは赤姫だったが、
見ているとどうも赤姫とHimeの相性はあまりよくなく、赤姫はいらだつと
Himeに暴言をたびたび吐いていたので、教育係としては難しいと感じた。
俺は古くからのフレのうち、後衛をメインにしている廃猫をLSに招き入れた。
Himeはあいかわらず、自分の周りの人間がどんな思惑で行動しているか
全く頓着していないようで、いつも必死にケアルしていた。
そんなHimeに廃猫はあれこれと指導しはじめた。俺は、Himeが上手く
なればいいと思い、ほほえましく見つつ、廃猫の指導にフォローを入れ、
Hime育成RPGの第二段階を満喫していた。
Himeと出会ってから、そろそろ一年の月日が過ぎようとしていた。

 

 

513 :489:2009/08/06(木) 15:46:13 ID:P1pB6ekE
>>512の続き
この頃にはHimeのランクも上がり、復帰組のハゲとともにジラMプロMも
クリアし、裏でも空でも海でも行くことはできるようにはなっていた。
ただし、問題はあった。Himeは俺が囲って育てたために、限られた
狩り場のみしか知らず、ほとんどのエリアが1、2回しか行ったことの
ない場所となってしまっていた。迷子スキル相変わらず真っ青で、何をする
にもおどおど、びくびく、俺なしではいられないままだった。
俺はそれで満足していたが(そういう風に育てたのは俺だからだ)周りの
LSメンはレベルだけは上げたが、中身が全く伴っていないHimeに
ストレスを溜めてしまっていたらしい。最初は優しく指導していた廃猫
も、しだいに苛立ちを見せるようになっていった。Himeの下手さにいらつく
と、時々LSメンから裏Tellが来るようになっていた。

 

 

514 :489:2009/08/06(木) 15:49:05 ID:P1pB6ekE
>>513の続き
Himeはその頃、少しずつ廃猫の助言でサポ上げのため野良PTにも行く
ようになっていた。その野良PTでとある有名廃人に出会ったらしい。
レベルシンクの導入のおかげで、廃人が普通にレベル上げPTに混ざる
こともあるようだった。
Himeは外に友達ができたと大喜びで俺に報告してきた。Himeは何でも
俺に報告する。俺には隠し事のない子だった。

廃人はHimeをいたく気に入ったようだった。

それはそうだろう。Himeは箱入り娘だ。素直だし、疑うことをしないし、
なにしろ、ゲーム擦れしていない。いつまでも初々しいままだ。なおかつ白w
チャットの会話も天然(これは、本人が持つ気質だ)では最w強wだろう…
廃人にはたまらないだろう、萌え死ぬだろうと思った。

 

 

516 :489:2009/08/06(木) 16:00:08 ID:P1pB6ekE
>>514の続き
Himeの行くところ、廃人の名前が見られるようになり、俺は多少不安を
抱くようになる。俺のHimeを廃人に取られてしまうのではないかと
思ったのだ。白門で見かけたことがある廃人は、俺よりも立派な装備の
やつだった。俺は焦りと嫉妬を感じるようになった。今まで、感じたこと
もないような感情だった。Himeと同じエリアに、奴の名前を見ると、
嫉妬で苛々するようになった。
そんな俺の気持ちを知ってか知らずか、Himeは無邪気そのものだった。
Hime「廃人さんからコンテンツLSに誘われました。行ってもいいですか?」
俺「行っておいて損はないでしょ、行ってらっしゃいw」
苦虫をかみつぶしながら、俺はHimeがコンテンツに参加することを許可した。
俺に許可を求めてくるということは、Himeはまだ俺のものだと思った。

そんな日々に、事件は起こった…

 

 

518 :489:2009/08/06(木) 16:04:36 ID:P1pB6ekE
>>516の続き
アルタナMの攻略をLSで進めようということになった。
Himeが野良やコンテンツに行くようになり、それぞれ行動がバラバラ
になり、以前のLSの状態に戻りつつあったことに、退屈を感じ始めた
ハゲの提案だった。
ここで、問題が発生する。現在のLSメンは俺・Hime・ハゲ・赤姫・A・B・
廃猫の7名。 BCの際、一人余る。
一人余るのだから何回でもやるつもりで気楽にということで、まずは俺が
外れて挑戦させた。その時、Himeのすぐにパニクる悪い癖が出てしまった。
Himeの回復は遅くなり、パタパタとメンバーが死に、全滅した。
全滅はよくあることだが、Himeがあまりにトロ臭かったのが、メンバーの
逆鱗に触れてしまったのだ。

 

 

519 :489:2009/08/06(木) 16:07:33 ID:P1pB6ekE
ハゲ「なんでHimeはいつもこうなの?w」
廃猫「MP空っぽになるほどあわててケアルするな」
赤姫「ちっともうまくならないよね」
積もり積もっていた苛立ちが、一斉にHimeに向けられた。
Himeはただ、すみません、ごめんなさい、としか言わなかった。メンバー達に
流れる不穏な空気…。
俺は、Himeがこんな風にLSメンに責め立てられるとは思いもよらなかった。
最初に比べれば、Himeは別人のようだし、廃猫を入れてからはだいぶ
うまくなったのだ。
だが、メンバーがここまで怒るのだから、きっと、Himeの実力が
足りなかったせいで、失敗したのだろう、と。一緒にBCを攻略
していなかったせいで、敗因がつかめずHimeの失敗が100%
敗因なのだと、俺は思ってしまった。

俺「次は、Hime抜けて。廃猫、白やって」

 

 

521 :489:2009/08/06(木) 16:16:10 ID:P1pB6ekE
>>519の続き
そして再度挑戦。見事クリア。
やっぱりHimeの実力が足らなかったせいだったのだろう。
俺は過保護に育てたツケだと思った。
ベテランである廃猫の白はとても安定していて、いつもHimeとプレイ
しているときのもどかしさが全くなく、快適そのものだったのだ。
俺「Himeはもう少し上達してくれないと困るなw」
Hime「はい…すみません」
そう言って、しばらく沈黙したのち、短く挨拶してログアウトして行った。

次の日、HimeはLSにはインしてこなかった。
今まで、ログインしててコンテンツ以外にパールを外すことはなかった
Himeだったが、この日はパールを外していた。そして、Himeのいる場所は
昨日失敗したBCのあるエリアだった。

 

 

522 :489:2009/08/06(木) 16:17:29 ID:P1pB6ekE
>>521の続き
そこには、あの廃人がいた。
HimeとPTを組んでいるようだった。
BCを一緒にやったようだった。
そのあとも二人はPTを組んだままだった。
PTを組んだまま、なぜかプルゴノルゴ島に移動していた。

そしてHimeはその日、LSに戻ってはこなかった…。

 

 

526 :489:2009/08/06(木) 16:25:21 ID:P1pB6ekE
>>524
おお、そうだっけ?wあとで、Himeにきいたんだよ。
ごっちゃになってた。辛かったんだ、あの時。

うまくまとめられなくて、長くなってすまんw
>>522の続き
翌日、俺がInしてしばらくたってから、HimeがInしてくる。
LSにHimeが挨拶したとたんに、それまでの雑談がぴたりとやんで
しまった。

 

 

527 :489:2009/08/06(木) 16:27:03 ID:P1pB6ekE
>>526
そうこうしているうちにHimeから俺にTellがくる。
Hime→俺「こんなこと言いたくないのですが、私はLS抜けたほうが
      いいんじゃないでしょうか…」
俺→Hime「なんでそんなこと言う?w」
Hime→俺「私はみなさんの負担になってるし、なかなかうまくならないし」
カチンときた。俺が意識的にそう育てたくせに。
俺→Hime「うまくならないなら、なるように努力すればいいだろwここでだって
      努力できるだろw」
会話の詳細はあんまり覚えていない。俺はとにかく、Himeが抜けるのだけは
我慢がならなかった。抜けて、廃人のもとへ行くのだろうと邪推したからだ。
だが、Himeは廃人のLSに入るわけではないと言った。
俺はどうしてもHimeがいなくなるのは許容できないと思った。
Himeがいなくなる、Himeと話ができなくなることを想像しただけで、
とてつもない喪失感が心の中に生まれてしまったのだ。

 

 

532 :489:2009/08/06(木) 16:33:47 ID:P1pB6ekE
>>527の続き
こうなるともはや、俺はミイラになったミイラ取りだった。
HimeがLSにいるのを確認するとホッとし、Himeが廃人たちとPTを組んで
いたりすると我慢がならなかった。だが、あのBC以来、HimeはLSでは
ほとんど会話しなくなり、パールは付けているがいない人同然になってしまった。
以前は何でも俺に話していたのに、壁を作り、俺がHimeに何かを尋ねるとほか
のことではぐらかしたり、とぼけたりするようになった。
LSでのミッション進行も人数的にあぶれる人が出て、二度手間をかけるから
と言い、脱落した。どうやら続きは廃人たちと進行しているらしく、それを
見ていた赤姫からは「あてつけがましく廃人とPT組んでるw」と裏Tellが
来た。
俺にはどうしたらいいのか分からなくなっていた。HimeはすでにLSでは
いらない子確定wのような状態になってしまっている。
それでも、俺は手放したくなかった。
今思えば、俺はまともじゃなかった。

 

 

536 :489:2009/08/06(木) 16:44:48 ID:P1pB6ekE
>>532の続き
俺はHimeの行動をいちいちチェックして、Himeに誰と何をしていたのか
事細かに尋ねるようになっていた。Himeが一人で行動しているときは、押しかけ
てでも一緒に行動し、Himeを監視していた。
Himeは以前のようにおおらかで、天然で、ボケた会話はしなくなった。
俺には分かっていた。Himeは俺のこと見限ったんだって。
だけど、俺はそれを認めることはできなかった。
Himeを育てたのは俺だ!
Himeを育てたのは俺だ!!
Himeを育てたのは俺だ!!!
廃人wなんぞに渡してたまるか、と。

 

 

537 :489:2009/08/06(木) 16:50:51 ID:P1pB6ekE
>>536の続き
そうだよ。俺はHimeに恋してた。
いつのまにか、恋してた。Hime育成RPGやってたつもりで。
ヴァナ恋wwwwwwwとかワカンネwwwwwww
って言ってたのに。そういうのにはまってるやつら見て嗤ってたのに。
顔も知らないし、会ったこともない。だけど、Himeの名前をリストに
見るだけで感じる気持ちは、確かに激しい恋心だったんだ!

 

 

539 :489:2009/08/06(木) 17:02:27 ID:P1pB6ekE
>>537の続き
気づいた瞬間、もうだめだと思った。
俺は、Himeを呼び出して、PTを組んだ。
俺「俺は、Himeちゃんが好きなんだ」
俺は自分の気持ちを打ち明けた。ため込んでおくことなどできない性分
だったのだ。それを聞いたHimeの長い沈黙。
おれは手に汗をかきながら、Himeの返事を待った。
Hime「それは、どういう意味の好きなのかな…」
こんなときでも天然なHimeが憎かった。
俺「俺はHimeちゃんが他の奴といたりするとムカつく。
  Himeちゃんには俺のことだけ考えて、ずっとそばにいてほしい」
俺に言える精一杯の言葉だった。

 

 

548 :489:2009/08/06(木) 17:27:39 ID:P1pB6ekE
あ、連載来たwすまん、もう少しだけ付き合ってくれw
>>539の続き
唐突な俺の告白に、Himeは驚いたようだった。
長い沈黙に俺が耐えきれなくなったころ、Himeからの返事。
Hime「私も俺さんのこと好きだった…ありがとう」
まさかの返事に頭が真っ白になっている俺に、Himeは俺に言った。
ずっと育ててもらった俺に対して、刷り込みのように好意をもっていたこと。
俺を好きなのは確かだが、リアルで付き合えるかどうか自信はないこと。
フレの廃人はとても良い人間で、PSがなかなか上がらないHimeを
実践的に育て、悩みを聞いてくれていたこと。
以前に廃人からも告白されたが、廃人のことを感謝してはいるが、それ以上の
気持ちを抱くことはできないと断ったこと。
Himeはこのままキャラを消して消えるつもりでいたこと。

 

 

562 :489:2009/08/06(木) 21:22:42 ID:ymfU19TD
急用ができて書けなかったwID変ってるけど489ですw
出先からの投下なので、すこし間があきますが、最後まで書かせて
ください。

>>548の続き
ぎりぎりのところで、俺は間に合った。
Himeが消えていなくなる前に、何とかつなぎとめることができた。
だが、俺はHimeのことが好きだ、ただそれだけで、リアルのことは考えても
いなかった。Himeの言葉でそのことにようやく気が付き、俺は少し考えた。
リアル中の人には全く興味がなかったのだ。
Himeとはしばらくヴァナと携帯メールで付き合った。その間、Hime少しずつ
LSメンにも心を開き始めていた。俺と一緒にいることが励ましになったよう
だった。その間、廃人とも相変わらず仲良くしていたようだったが、俺はさほど
気にならなくなっていた。
そして、俺はある日、リアル中の人がどんななのか、ふと思いつき、写メの交換
をHimeに申し入れた。

 

 

564 :489:2009/08/06(木) 21:36:18 ID:ymfU19TD
>>562の続き
Himeは渋ったが、何度も頼みこんで、写メを送ってもらった。
そこにいたのは、とりたてて可もなく不可もない、普通の女性だった。
嫌がるHimeを説き伏せて、写真をもらっておきながら、俺はリアクションに
困った。好きなタイプでもなく、嫌いなタイプでもない女性を、褒める言葉を
持ち合わせるほど、俺は恋愛経験が豊富ではなかった。
その反応の薄さに、Himeはなにか思うところがあったようだったが、俺は
気付かないふりをして、自分の写真をお返しに送った。俺はイケメンではな
かったが、ブサメンというほどでもなく、Himeは喜んでくれたようだった。
それからヴァナでの姫はますます俺といることを望んだが、それと反比例
して、俺はHimeから離れたく思うようになってきていた。
俺が育てたHimeのはずだったが、中の人wがあの写真の女性だと思うと、
どんどんHimeに対する気持ちが冷めた。

 

 

566 :489:2009/08/06(木) 21:51:40 ID:ymfU19TD
>>564の続き
そんな俺の気持は、態度となって表れた。
頑張ってLSに踏みとどまっていたHimeに対して、あからさまに冷淡
な態度をとってしまっていたのだ。そんな俺の態度が、再びHimeをLSに
居づらくさせていた。
Himeのリアル中の人を想像するのがいやで、Hime が目の前にいると苛々
した。あれほど嫉妬に燃えたのに、Himeが廃人と遊びに行っているとほっとした。
Himeは次第にパールを付けないことが多くなっていった。Inしても、Hime
と会話することも次第になくなり、Himeと携帯でのメールのやり取りもしなく
なった。
そして俺は、HimeにLSから出て行くように言った。別れ話などいちいちする
のも億劫だったが、いつまでもLSに顔を出されるのもうっとおしくなって
いたのだ。

 

 

570 :489:2009/08/06(木) 22:17:52 ID:ymfU19TD
>>566の続き
俺のLSから出て行けTellに対して、Himeはしばしの間をおいて、答えた。
Hime→俺「そっか。俺さん、Himeのこと嫌いになったんだね。しつこくして
     ごめんなさい。もう、俺さんに迷惑かけないよ。今までありがとう。
     LSのみんなにありがとうって伝えてください。さようなら」
そう言って、Himeは俺の目の前でパールを外した。そのからエモでお辞儀と
さよならのあいさつをすると、Himeはその場でログアウトして行った。
俺は正直ほっとした。やっぱり俺にはヴァナ恋愛なんて無理w
俺の楽しいHime育成RPGはとっくに終了していたんだって、思った。
だが、勝手なもので、しばらく経って、Himeがいない日々は空虚なのに
気が付いてしまった。惰性でInしていたあのころに戻ってしまった。

 

 

571 :489:2009/08/06(木) 22:26:59 ID:ymfU19TD
>>570の続き
そんなとき、廃猫が思い出したようにぽつりと言った。
廃猫「最近Himeちゃんこっちこないね。廃人LSに入ったらしいけど、
   やっぱりあの時のBCが原因なんだろうね。悪いことしたよな…」
俺「あれはしょうがないだろ、実際Himeが下手だったんだしw」
話題に出すのもなんとなく煩わしかったから、それで打ち切りたかったが、
廃猫はさらに続けた。
廃猫「そりゃそうかもしれんが、やっぱり後味悪いだろ。全滅した原因
   はHimeだけのせいじゃなくて、みんなのせいだろwあのあと、
   同じ構成で廃人と行ってちゃんとクリアできたらしいから」
その話は初耳だった。俺はそのあと、廃人と二人っきりで何していたのか
ばかりを気にしていて、BCがどうだったかなんてことは忘れていた。
廃猫「Himeちゃんが初心者で、あんまり何も知らないのを、ついつい
   忘れていたんだよな、あれ以来だろ。Himeちゃんが元気なくなった
の。なんか、いじめみたいなことして悪かったって思うよ…」

 

 

574 :489:2009/08/06(木) 22:50:04 ID:ymfU19TD
ヴァ~ン王子様の書き込み中にKYですまんw

>>571の続き
廃猫の言うことはもっともだったがもう遅い。俺はHimeをLSから
追い出してしまっていた。
それから再び俺はHimeのことが気になりだした。
多少の罪悪感からかもしれなかった。
サーチすると、HimeはInしていた。してはいたが、一人でいること
が多かった。そして、その場所はたいていロランだった…。
あのころのHimeのつたないチャットや、物なれないしぐさが思い出されて
切なくなった。そう、あの頃から中の人はかわらずあの女性だったのだ。
あの女性が、Himeを通じて、俺に語りかけたり、甘えたりしていたのだ…。
俺は、その場所に走りたい衝動に駆られた。

 

 

577 :489:2009/08/06(木) 23:03:23 ID:ymfU19TD
ヴァ~ン王子様の続きも気になる…願わくば、おれのようではない
ことを祈る…

>>574の続き
だが、いくら面の皮が厚い俺でもさすがにもうそれはできなかった。
Himeを目の前にしても、今更言えることが何もないのだ。
Himeの姿を見れば、俺が育てたHimeとか思うのに、中の人…つまり
相手も生身の人間が操作しているんだって思うと嫌悪を催してたなんて
最低な奴だって、もうわかってた。最初から俺は最低だった。
Himeを相手に、育成RPGを楽しもうって、考えた時点で間違っていた。
告白したのだって、Himeを廃人に取られたくなかっただけだ。可愛いタル♀
が、廃人と一緒にいるのを考えたら我慢が出来ない、つまらない独占欲だった。
決して、その向こう側にリアル中の人がいるなんてことを考えていたからじゃ
なかった。ただ、二次元のキャラが、イレギュラーな会話をしながら育つ
その過程が楽しくて、大事で、それがすべてだったって…
恋していたのもタル♀に対してで、中の女性はいないもの…

 

 

580 :489:2009/08/06(木) 23:23:13 ID:ymfU19TD
>>577の続き
ここにいる、あそこにいるPCすべてが、Himeと同じく、中にはリアルを
抱えている人が存在していて、それぞれが色々なことを考えながらプレイ
しているんだって、当たり前なことを俺はひどく遠いことに考えていた。
そう考えると、俺のヴァナが急に色褪せていった。
俺は一人、夢の世界にいたんじゃないかと思うようになった。
ふと、LSでそんなことを呟いてみた。
すると、ハゲが呆れたように言った。
ハゲ「お前、子供みたいだなあwそこが楽しいんじゃないか。いままで何
   やってたんだよwwwwww」
ハゲから言わせると、俺のしてきたことはネトゲではなくて、オフゲの楽しみ
方なのだそうだ。言われてみるとそうなのかもしれない。目から鱗だった。

 

 

584 :489:2009/08/06(木) 23:42:38 ID:ymfU19TD
最後です。長々書いてしまった。付き合ってくれてありがとう。
>>580の続き
ヴァナですれ違う、どんなキャラにもその向こうには生身の人がいて、
みんなそれぞれに楽しみたくてここにInしてきているんだってこと。
そんなことも考えもせずにいままでやってきた自分を、ここで笑い話に
してしまいたかった。
俺はこれからそんなことをもう一度思い直しながら、最後までヴァナに
居残ってやろうと思ってる。今は、Himeにわびる言葉もない自分だが、
いずれ勇気を出して、謝りたいと思ってる。

俺がひどい目にあわせてしまったHimeのその後だが、廃人LSで楽しく
遊んでいるらしい。レベルシンクでたまたま一緒になった赤姫の話によれ
ば、現在はモンクを上げているらしい。

俺はHimeのことをサーチするのはやめた。いつか、偶然に出会った時に
素直な気持ちで気持ちを伝えたいと思っているから。


586 :11-489:2009/08/24(月) 16:56:23 ID:Makl8L2O
11話の489です

もう書かないつもりだったんだけど…
Himeはもういないって最近知った。

俺、サイテーだわ…。
みんな俺みたいな後悔しないですむようにしてほしい。
俺は今月限りで引退することにしたよ。
みんなありがとう。ごめん。