マリオカートシリーズにおける、強い要素が蔓延していることについてのネットスラング。
…といえるかもしれない。
◯◯カートと言われたものやその系譜である過去作についても述べる。
概要
- マリオカートシリーズはレースゲームであるため、なんらかの性能差は必ず存在している。
しかし、その性能差が顕著だったり、いわゆる「人権」要素が目立ちすぎてしまうことによって、
他の要素を置き去りにしてしまい、そればかりになってしまう現象を指すことが多い。
オンラインゲームで「◯◯オンライン」などと言われるようなもののことである。
マリオカートシリーズにおいては64あたりから生まれたといえるか。
見出し名はスラングではなく、編集者が勝手に作ったワードであるため留意されたし。
軽量カート64
- この頃はオンライン対戦などもなく*1、対戦は人同士が集まってするものであったため、
取り上げられるのは近年になってきてからではいるが、この頃のキャラ格差は激しいものであった。
世はまさに軽量級時代ともいえ、該当するピーチ、ヨッシー、キノピオの三名は
有無を言わさぬ強キャラであった。
最高速はもちろん、加速や曲がりやすさといった面でも最強であり、
自分より重いライバルに接触するとスピンするというデメリット以外に弱点がないほど強力であった。
それさえもCPU戦では上位キャラ以外レースに参加していないレベルでぶつかり合わないために
レースにおいてはこのデメリットなど存在していないに等しい。
軽量カートターボダッシュ!!
- 64の頃から反省していないのか、やはり軽量級は依然として強力なまま。
なぜここまで強力なのかという要素がミニターボの持続フレームにある。
軽量級は最長の30Fという脅威の長さなのだが、中量級は20Fで、重量級はなんと10F。*2
一瞬で終わるレベルであり、直ドリによるミニターボが大正義である今作において重量級など存在が皆無である。
軽量級マシンは他のマシンとのぶつかり合いに弱い、ということをデメリットとして掲げて、
そのかわりとしてターボ性能を高めているのだろうが、
軽量級が一人勝ちしているようなものであるため、デメリットがデメリットとして機能していないに等しい
という問題をクリアできていないのである。- 例外としてオールマイティマシンであるスーパーパレードカーだけは誰が乗ろうと
ミニターボの持続Fが30になる仕様がある。
ただ、見た目が似ているワリオカー以上のでかいマシンであるがため、好まれて使われることは少ない…
というかこのマシンの出現条件がミラーのオールカップツアー1位という
完全クリアのごほうびであるがゆえに、攻略にはなんの寄与もしないのが痛い。
せいぜいクリア後の遊びか対人戦で使うか、といったところであろう…
- 例外としてオールマイティマシンであるスーパーパレードカーだけは誰が乗ろうと
直ドリ一強DS
- やはりまたしても軽量級一強…かに思われたが、今度はマシン格差である。
どちらにせよ軽量級キャラが強いのには変わりないのだが、今回はマシンもその問題を押し上げる事となった。
ミニターボの持続フレームの長いマシンが大変有利となっており、
その他のマシンなどスクラップ同然とも言えるようなバランス調整となってしまっている。
その中でも持続73Fであるカロン・カノンは凶悪であり*3、
タイムアタックや対戦において、このマシンを見なかったプレイヤーはいないであろう。
アイテムで挽回するのを前提としたアイテム運マシンと、
マシンの性能だけで乗り切るターボ型マシン、といった区分にしたかったのであろうが、
そのターボ型マシンですらミニターボが激短なものもあるため、もう手がつけられない。
カロン・カノンやエッグ・ワンといった強力なミニターボマシンは一人用モード等では
他の重いカートに接触すると凄まじいほど弾かれるのだが、例によって
このデメリットなど関係ないくらいに強いため、ダブルダッシュからの反省の色などない。- また、タイムアタックでもロケットスタートにおける加速をミニターボで持続できる仕様もあって、
ミニターボを絶やさない限りは半永久的にダートを無視することすら可能だったというトンデモであった。
また、軽量級における重さデメリットにおいても、何故かオンライン対戦では
重さのステータスが均一化されるという意味不明な調整であったため、
ミニターボが強いマシンの弱点である重さが実質帳消しになってしまっている。
- また、タイムアタックでもロケットスタートにおける加速をミニターボで持続できる仕様もあって、
ファンキーバイクWii、デイジーバイクWii
- 新要素としてマシン分類に「バイク」の追加、ジャンプアクションによる加速など
様々なものはあったが、そこはマリオカート。やはり一強ないしは二強体制は逃れられなかった。
まずとして、ハングオンバイクが強力すぎたことが原因の一つとなっている。
バイク全体としては「ウィリー」というシステムがあり、
これを使用すると最大で速度が10%程度上昇し、
ミニターボやダッシュボードといった加速から発動すると加速が切れても
ウィリーの最大上昇速度をキープする壊れ仕様。
バイクはスーパーミニターボが使えないため、ウィリーが代替として実装されているのだと思われるが、
ウィリーはどんな場所でも発動でき、
そして無制限に使用できるためにその差は比べるまでもなくウィリーの圧勝である。
また、スピンターンの存在も凶悪たらしめている。
スピンターンはスピードが0の時にアクセル・ブレーキorドリフトボタンを両押しすると発生するが、
一定時間続けるとミニターボの際と同じ青い火花が出る。
ミニターボ扱いの加速ができるのである。…あとは何が言いたいかはお分かりであろう。
復帰ダッシュとして使え、そのままウィリーの加速に利用できてしまう。
そしてハングオンバイクの長所であるが、それは鋭角を描くようなドリフト姿勢にある。
カートやドリフトバイクが膨れてしまうようなカーブでも、
ハングオンであればほぼ常にインを突くことができる。
この長所に加え、ウィリーという壊れ要素が重なってしまったため、
このゲームのレースではハングオン一強となってしまっている。
コミュニティによる大会などでもわざわざ名指しで禁止指定が成されたりなど、
如何にこのゲームにおけるハングオンバイクが強力であったかを
物語るような制約を設ける大会もあったようだ。- そして忘れてはいけないのが、そんな壊れマシンにまたがった二人の凶悪な乗り手である。
ファンキーコングはキャラの固有能力でスピードがトップであり、
もう片方であるデイジーをも超えている。
デイジーはファンキーよりもスピードが1だけ劣っているだけで、他の性能は重さ以外上である。
オンライン対戦における顔ともいえる存在と化しており、今もなお活発である非公式サーバーにおける
オンラインレースでも見ない日はないようである。
ようやく重量級と中量級が環境を支配する時代が訪れたともいえるが、
クラス単位ではなくキャラ2人だけとも言える斡旋はやはりバランスが崩れていると言わざるを得ない。
もちろん、この二人以外用無しというわけではないが、
槍玉に上がるのはこの二名であるため、如何に影響を及ぼしたかは言うまでもない。
- そして忘れてはいけないのが、そんな壊れマシンにまたがった二人の凶悪な乗り手である。
メリオB誰7
- レースの舞台が拡張され、水中や空中の一部をもコースとして取り入れられるようになった。
そして、一番の目玉はマシンのカスタマイズ。
キャラ+フレーム+タイヤ+グライダーの組み合わせは無数に存在し、
自分だけのカスタマイズでコースを走ろう、というのが今作の趣旨である。
……であるのだが、
そんなカスタマイズが裏目に出てしまうとは世にも思うまい。- 今作ではキャラクター性能が分類別になっており、
同じクラスでも重さなどといった部分が微妙に違ったりするくらいになり、
ファンキーのようなレースに大きく影響するような差別化は見受けられなくなった。
だが、最重量級となると話が変わってくるのだった。
それが隠しキャラであるメタルマリオの参戦。
スマブラシリーズやマリオシリーズの派生作品でマリオのアナザーキャラとして定着したのか、
マリオカートシリーズにもとうとう姿を現すようになった。
彼の区分はその見た目に違わず最重量級であり、マリオであることから、小柄で視界が確保しやすい。
このことからクッパなどよりも人気を博し、
後述するカスタムと併せてメタルマリオが大増殖することとなった。 - 彼の代表するカスタムはBダッシュ(コバルトセブン)+ワイルドレッド+パラフォイル系統
といったものであり、スピード・ドリフト・オフロード性能を兼ね備えた万能カスタムとして名高い。
特にオフロード性能に至っては、ダート地形でドリフトないしミニターボまで可能といった無茶苦茶ぶり。
こういった性能からか、環境初期に流行ったスピード最重視カスタムは一気に姿を消し、
このメタルマリオテンプレが大増殖することとなってしまったのである。
ある意味「マリオ」カートに戻ってきたとは言えるが、あくまでアナザーキャラであるために
マリオにとってはなんとももどかしい話である。
- 今作ではキャラクター性能が分類別になっており、
モートンカート8
- 7の陸海空は引き継ぎ、さらに壁や天井を特殊走法で駆け巡る反重力が登場。
前作のカスタマイズシステムも続投しており、さらにはWiiからバイクが復活し、
新区分としてATV*4も追加された。
重量級が復権した7に続いて、8でもその凶悪ぶりを見せる。
…というよりも8ではバグによる異常加速が主な原因であり、
キャラの格差はついでとしか言いようがない。- 今作もキャラグループごとの性能差となっており、その中でも最重量級のスピード系カスタムが人気を博した。
今回それに該当したのがそのタイプでありながらスピードと小柄を持ち合わせたモートンとなっており、
レースではあのゴリラや姫様や鋼鉄男のように見ない日はなかったようである。 - そして語らねばならないのが、サンダードリフトの存在。
何らかの加速中に左右にタイミング良くミニジャンプを繰り返すことで何故か加速し、
普通に走った場合とは明らかに違う速度となることから、必須テクニックとまで言われた。
このサンダードリフト、ハングオンバイクでは不可能であることから、Wiiで最強とも言われた時代から
一気に真冬の不遇時代となってしまった。*5
- 今作もキャラグループごとの性能差となっており、その中でも最重量級のスピード系カスタムが人気を博した。
ワルイージカート8DX、ヨッシーベア8DX
- そして現代へ。ダブルダッシュ!!からダブルスロット制が復活し、
アイテムによる攻防や逆転劇が激化するようになった。
前作にあったサンダードリフトやねじれ走法といったバグは消え去り、平和が訪れ……るはずもなく、
調整前の本作も一強体制が敷かれることとなった。- ワルハナ(悪花とも書かれる)と聞いて、このゲームで知らなかった者などいないだろう。
ハナチャンバギー+ローラータイヤ系+視界確保しやすいグライダーの組み合わせを指す。
スピード・加速・重さ・ミニターボ持続力のバランスがとても良く、そしてお決まりの
重量級でありながら視界確保しやすいといった特徴を持っており、動画投稿サイトやSNSなどで
その強さが拡散されると、世はまさに大悪花時代。高レート帯ともなると、ひどい時は
プレイヤー全員がワルイージだった、ということも少なくなかったようであるから恐ろしいものである。
亜種として、ミニターボ全振りの悪パタや悪豆といったカスタムも多く存在していた。
どうにかして、自身の好きなキャラを使いたいプレイヤーはこれらの組み合わせを流用していた。
カスタムの総合性能が高いので、ワルイージでなくとも高いポテンシャルを秘めていたのは事実であろう。 - コース追加パスによるアップデートに合わせ、史上初となる、キャラクター性能の調整が入った。
かのワルイージは据え置きであったものの、
ミニターボ性能を底上げされたキャラクターが復権するなど、大きな影響を齎している。
その中でもヨッシー・デイジーは顕著で、くまライド+ローラーを主軸としたカスタムが主流となっており、
現在のオンライン対戦ではまず見ないことのない定番カスタムと化した。
そして、マリオカートの主人公マリオもミニターボが強化され、
ついに一線級のパワーを手にすることが叶ったのである。
トルネードと合わせたマリオトルネード、ヨッシーと同じくして、
くまライド主体のカスタムが強力であるようだ。
スマブラシリーズにおいても近年で大きく才能開花させたことから、
マリオはある意味大器晩成なキャラクターなのかもしれない…?
- ワルハナ(悪花とも書かれる)と聞いて、このゲームで知らなかった者などいないだろう。