しんのすけとカムイ 第三話

Last-modified: 2009-05-29 (金) 02:29:33

‘カムイお兄ちゃんがいそうろーするゾ!’

「「……………」」
「「……………」」
カムイとしんのすけは2人の夫婦と無言で見つめ合う。
しんのすけの両親、野原ひろし(35)、野原みさえ(29)であった。

「ねえねえ、カムイのお兄ちゃん、父ちゃん、母ちゃん、何で喋んないの?」
沈黙の間を破ったのはしんのすけだった。
「しんのすけ…あっちにいってなさい…」
ひろしが続いて話し出す。
「ええ~~、何で?」

ひろし達はカムイの異様な雰囲気に不安 感を持っていた。
見る限り、10代なのだが異常なほどの落ち着き様と威圧感、なによりウロコがついた顔がひろし達を威圧する。
「アンタは一体何者なんだ…」
ひろしがそう言うと 、カムイも口を開く。
「…その前に…この赤ん坊は一体…?」
ガクっ
「たーぴ!!たーよ!エヘヘヘヘ!」
しんのすけの妹、ひまわりがカムイにへばりついていた。

「すいません!この子、イケメンに目がないんです…」
みさえが少し笑っていった。

話しに戻って…
「アンタは一体誰なんだ…?」
「…わかりました。話しましょう。私が見る限り、あなた達は信用できる…」
「しっ…信用…?」
カムイは間を置いて話し出した。
「私は…人間ではありません…」
「!?」
ひろし達は驚いた。
「私は…人間とハチュウ人類のハーフなんです…」
「はっ…ハチュウ人類…ってなんだ?」
「ハチュウ人類とは、人類は猿から進化しましたよね?それと同じでハチュウ類も進化をした先がハチュウ人類です。」
「ハチュウ類から進化したハチュウ人類か……ってそんなの信じられるわけねぇだろ!!」
ひろしは全く信用していなかった。
「信じられないかもしれないですが、本当です。
地球にこれだけの生物がいるんです。人類と同じ進化をしている生物がいてもおかしくありません。」
「けど…私はハチュウ人類なんて初めて聞いたわよ!」
「俺もだよ!」
「それはそうですよ!私はこの次元世界の者ではないんですよ!」
「「はあ!?」」
ひろし達は全くワケがわからなかった。
「ねえねえ、父ちゃん達何話してんの!」
「うるさい!お前はあっちにいってろ!」
「もう…我がままだな~、ひま、あっちにいってよぉ~」
「たーい」
しんのすけ達はその場から去っていった。

「んで!その次元世界やらなんやら話してもらおうか…」
カムイはバグのことや、人類抹殺のことを秘密にしてそれ以外を話した。

「あなた達がいる世界は一つではないんです。実は幾つもの次元があり、人々はその存在すら知りません。
しかし私はある出来事で違う次元の地球からこの次元の地球にやってきました。」
「はあ?違う次元のから来たっていわれてもなぁ…」
ひろしは実感がわかなかった。
「例えば、漫画とかで『主人公がある日異世界に行って、世界を救う』って事がありますよね?
それと同じことです。」
「私、SF苦手なのよね…」
「大体、アンタがハチュウ人類とのハーフって証拠があるのか?そのウロコもただつけたかメイクかなんかじゃねえのか!?」
するとカムイが立ち上がった。
「そこまでゆうのなら証拠を見せてあげましょう」
「「え…?」」
カチャ!
カムイは自分の腹に持っていた拳銃を押し付けた。
「まっ…まさか…」ドキュン!
なんとカムイは自分の腹を撃ち抜いた。弾丸は貫通して、棚のガラス窓に突き刺さる。
「「ひいいいっ!!!」」
ひろし達は仰天した。
「アンタはバカか!!?」

しかし…
「ということです。信じてくれましたか?」
カムイはピンピンしていた。銃創があるものの、血はほとんど出ていなかった。「あわわわわ……(ゴクン…)」
ひろし達は驚きのあまり、体が震えていた。

「まだ信じられないならもっと証明させましょうか?」
カムイがそうゆうとひろし達はあわてて止めようとする。
「わっわかった!!アンタの事を信じるよ!!」
カムイはすっと座る。
「わかっていただけましたか?」
ひろし達は半信半疑だが、信じるようにした。

「ねえねえ…父ちゃん達何やってんの?」
「たあ?」
しんのすけとひまわりは銃声を聞いて駆けつけた。

「しんのすけ…なんでもないよ」
「うっ…うん!しんのすけもひまも心配ないわよ!」
しんのすけ達は怪しい目でカムイ達を見つめる。
「怪しい……」
「たっ…」
「ハハッハハ……」カムイは苦笑いする。

とりあえず、このまま話し続けても仕方ないので夕食にすることにした。
「カムイ君、ご飯食べれる?」
「あっ…はい…」
カムイはかなり控え目でいた。やはりいきなり押しかけみたいにしんのすけの家に入ったこともあるが
何よりさっきの行為は今考えてみれば、かなり非常識だったと後悔していた。
しんのすけがそんなカムイを見て、肩を叩いた。
「まあまあ、カムイのお兄ちゃん、母ちゃんの飯は余り期待しないほうがいいから…」
ゴチン!
「なら食べるな!」「…うあ……」
しんのすけはみさえにゲンコツをくらい、伸びた。
「ハハ………」
カムイは少し呆れた顔をしていた。

すると
ピンポーン!
「「の~は~ら~さ~ん!」」
家に誰かやってきたようだ。
「その声は……ミッチーとヨシリン…留守を使うか…」
「だ…誰ですか?」
ひろしは嫌な顔をする。
「隣に住んでる奴らだよ…あいつらといるとストレスが溜まるんだよな…」
ピンポーン!ピンポーン!
「の~は~ら~さ~ん!いるんでしょ!?」
「よし…このままいけば奴らは帰ってい…」
「あの…もういるんですけど…」
バタっ!
ヨシリン達は勝手に家に入っていた。
「てめえら!何勝手にはいってんだよ!」
「いやいや!今日は野原さんと一緒にご飯を食べようかなぁ~と。ねえミッチー♪」
「うん♪ヨシリン♪」

「…こんな奴らだ…分かったろ…」
「…はい…」
2人はため息をついた。 ミッチーとヨシリンは愛し合うのはいいが、いき過ぎに困ったものである。
「野原さん、ところでこの人は誰ですか?」
ミッチーがカムイに気付いた。
「…この人はカムイ・ショウ君…しんのすけが連れてき…」
しかし、ヨシリンはあることに気付いた。
「うわあ…見てヨシリン、この人、顔にウロコついてる!」
「本当だあ!なんか化け物みたい!私、怖いわぁ~、ヨシリン」
「バッ、バカ!失礼だろうが!!」
するとカムイは立ち上がった。
「カムイ君…?」
「…………」
突然
シュッ…ズバアア!
「がっ……」
カムイはヨシリンの懐に飛び込み、溝打ちをかました。ヨシリンは倒れこみ、悶絶している。
「ヨシリ~~ン!!!何てことことすんのよ!」
カムイの顔はかなり険しかった。
「あわわわわ…」
「ひいいい…」
「おお~!」
「た~い!」
野原家の反応はそれぞれだった。

すると、カムイはヨシリン達を睨みつけて、口を開いた。
「アンタらは俺の顔を馬鹿にしているのか…?また顔を馬鹿にしたら、次はその口を引き裂く!」
「なっ…」
「…………」
みんなは初めてカムイの怒りの表情を見た。
それほどヨシリン達はカムイにとって、とても気にしていることを傷つけたのだった。

「なっなんでよ!!目の前に変なモノがあったら気にしてしまうわよ!」
ミッチーはカムイに反論したが、カムイの方は冷静だった。
「確かにアンタの気持ちはわからんでもない…。だからと言って他人に化け物扱いされると誰でも不快感を覚えるだろう!」
「なっ…なに、学校の先生みたいなこと言ってんのよ!あなたは人間なの?それとも?」
ギロっ
カムイはミッチーを睨みつけた。その目は今にも殺しそうな恐ろしい目だった。
「ひいいい!!」
ミッチーはヨシリンを連れて、家を出て行った。

辺りは静寂な時間が流れる。
「カムイ君…」
すっ…
カムイは野原家の方に向いて頭を下げた。
「すいません…あんなことをして…」
カムイは謝るとみさえは気をつかい、手を振る。
「いっ…いいのよ!あの子達が悪いんだし、後で言っておくわ」
カムイはしんのすけの方を向いた。
「しんのすけ、ありがとう…けど俺はもう出て行くよ。俺がここにいたら、またさっきのが起こるかもしれない…」
するとしんのすけは不満な顔になった。
「ええ~!カムイのお兄ちゃん、いつでもここにいていいんだよ!」
「とりあえず、今日はここに泊まっていけ!!行くところないんだろ?」
「私はいつでもいてもいいわよ!ひまもあなたのことが気に入ったみたいだし」
「たたたい~た~ゆ!」
野原家は大歓迎だった。
「…すいません……」
カムイは申し訳ないようにいった。内心はかなり複雑だった。こんなに優しくされたのは生まれて初めてだった。どう表現していいかわからなかった。
こうしてカムイは野原家に居候することになった。

ざばぁ~!
カムイとしんのすけは一緒に風呂に入った。
「ふう…極楽極楽ぅ~~!」
「君は年寄りみたいだな…」
しんのすけはカムイの体を見た。ハチュウ人類とのハーフなのか、体は人間であるものの、体は緑色のウロコで覆われていた。
「ほほ~、カムイ君の体は緑色ですな…」
「ああ…半分人間で半分ハチュウ類だからな…」
「うあ!!!!」
しんのすけはカムイの体を見て、驚愕した。
「ん?どうした?」
「カムイ君……ちんちんが父ちゃんより大きい!!ナウマンぞうさんだゾ!!」
ガクっ!
「はは……」
風呂場は笑い声であふれた。

カムイとしんのすけは風呂から上がり、茶の間に戻った。
「母ちゃん!お風呂から上がったよぉ~!」
「お風呂ありがとうございました」
「カムイ君、湯加減は良かった?」
「はい!」
突然しんのすけはみさえにこう言った。
「母ちゃん、カムイ君のちんちん、父ちゃんより大きかったゾ!」
2人の顔が真っ赤になった。
「バッ、バカ!!」
「………」
「父ちゃん父ちゃん、カムイ君のちんちんがね…」
しんのすけはひろしの所へ行った。
「本当にごめんなさい!あの子は昔からこうなの」
「いえいえ…しんのすけ君は元気があっていいと思いますよ。」
少し間を置いてカムイは話し出した。
「みさえさん…あなた達は本当にいい人達だ…いい家族をもって羨ましいです」
「あらぁ…そんなにほめなくていいのよ!」
「その点、俺ときたら…」
「えっ…」
しかしカムイは手を振った。
「いえ、こっちの話です…」
「………」
みさえは少し疑問をもった。
カムイは二階の方で寝ることになった。
そして夜中…
カムイは二階のベランダで夜の空を眺めていた。
「こんなにいい人達なら…手を出したくないのだが…この世界にゲッター線の存在があるなら…私はのこの世界の全人類を抹殺しなければならない…
それがおぞましい未来を治療するオペになるからな…
しかし…この世界にゲッター線が存在がなかったらいいな…」
カムイは夜風に当たり、そう呟いた………