ガ ン バ レ マ ナ ミ !!

Last-modified: 2013-12-20 (金) 22:14:12

――この日、早乙女研究所は全滅の危機に襲われた。
そう、研究所のほぼ全員が食中毒に見回れたのだった。昨夜のパーティーに出された料理が腐っていたのか、何か仕組まれていたかどうか知らないが。
さらに運悪く、そんな最中に恐竜帝国の兵器、「メカザウルス」がこちらへ向かってきていたのであった……。

早乙女研究所壊滅の危機に陥る中、一人の女子高生と一匹の犬、一つの人形だけが最後の希望であった。

「フフ、チームの椎葉と羽鳥、いやマナ以外は全員食中毒でゲロゲロ、お腹ピーゴロゴロでトイレに直球状態……。
ならマナがやらねば誰がやる!!
色んなとこで散々「少女マンガ界最強の悪女」だの「マナハゲ」だの言われ、今日こそ汚名返上の時!」

この研究所の命運は西舘高校一年、安西愛海、研究所で飼っている犬、ロボ、そして彼女が愛してやまない彼氏、佐古克己を模したカツミ君人形に託されたのであった。

彼女達は世界の平和を守るスーパーロボット、ゲッターロボの格納庫へ向かっていた。
すると前には食中毒で倒れたハズの同じチームメイトである一号機乗り椎葉歩、二号機乗り羽鳥未来がパイロットスーツに着替えて待っていた。
「安西、あんただけにいーカッコはさせないよ……」

「アラ、あんた達大丈夫?」

彼女達の腹部からゴロゴロと鳴り響く不吉な音。

「フフ、二人とも足が内股になってるわよ。いつまで持つかしらね♪」

しかし、

「も、もうだめええええええっっ!!」

歩は一目散に走り出して近くの女子トイレへ入っていった……。

「なんであんたは無事なの……昨日のパーティーに参加していたハズでしょ……?」

「マナはダイエット中、だからジュースしか手を出さなかったの、口にしたのは市販のカ〇リーメイトだけ。
アンタ達は運が悪かったね……あれ?」

すでに未来の姿がなく、女子トイレでは……。

「アユム……お願いだから早く出てよ……あたしもホントヤバい……」

情けない声と腹を抉るカミナリのような音、そして全てをぶちまける破壊音で交響曲のようになっていた。

「二人はしばらくトイレと仲良くしてなさいね……ふふ、ウ〇チまみれの臭い仲ってヤツ、キャハハハハハっっ!!」

 

……一方、マグマ層。恐竜帝国では帝王ゴールが勝どきを上げていたのであった。
「ゲッターロボ!!今日こそキサマの最期だ!!」

「研究所まで一キロ!!」

「今回のメカザウルスは貴様と闘ってきた全てのデータを合わせて開発した、恐竜帝国最高にして最強の『メカザウルス・ソノダ』じゃあ!!早く出てこいゲッターロボ!!」

自信満々の帝王ゴール。万事休す早乙女研究所。
そして愛海達は各ゲットマシン(ゲッターロボを構成する三機の戦闘機)に乗り込んだ。

「イーグル号はカツミ君人形、ジャガー号はロボ。準備はいいわね」

彼女の乗る三号機、ベアー号のモニターには早乙女研究所の所長、早乙女博士が 切羽詰まった顔で映りこんだ。

“……マナちゃん、そんなもんで大丈夫なのか”

「だってマナだけじゃ寂しいンだもん。椎葉や羽鳥がいても同じだけど、二人にこう言っておいてね、『今回、二 人 の 席 ね え か ら』」

“マナちゃん、君一人で三機を誘導操縦しないといかんのだぞ!!”

「ウフフ、早乙女のおじ様、心配しないで。マナの本気を見せてあげる……?」

しかし、いつの間にか博士の姿がいなくなっていた。
おそらく、トイレに直行したのだろう。

「もうしょうがないわね!!ゲットマシンいくわよ♪」

――そして研究所から各ゲットマシンが発進、上空へ飛翔していった。その真下には例のメカザウルスの姿が。

「出たなゲッター!!貴様の戦闘データは全て入ってる、まずはゲッター1で様子見だろう、いくぞゲッター1用戦闘モード」

メカザウルス・ソノダはなんと両肩の上の出っぱりから両刃の斧を取り出した。それに加えて顔が人間のメガネが似合う、草食系男子のイケメンに変形したのであった。それを見た帝王ゴールは口を開けて唖然となった。

「ガレリイ、あれに意味があるのか……?」

側近である技術長官、ガレリイは自信満々であった。

「はい、ゲッターに乗るのは人類の女の子ですぞ。これも我々の人間研究によって産み出した結果です。きっと奴らはソノダにメロメロになるはず!!」

「…………」

……果たして効果はいかに……。

 

「うわ、キモッッ!!爬虫類の身体でなんで顔が人間なのよ、しかもマナの知ってるヤツに似てる、ムカつくヤツに!!」

――逆効果であった。

「いくわよ、チェンジゲッタースリ~~♪」

三機が一直線に並ぶ合体の時。が、一号機内ではベルトで固定されたロボが暴れに暴れ、機内のボタンやレバーをやたらめったら押しまくっていた。

「コラ、大人しくしなさい!!」

三機の合体軌道がめちゃくちゃになり、そのままぶつかった。

「キャア!」

……現れたのは赤鬼のような顔のゲッター1……だったが、胴体が物凄く不自然で、余分なパーツが飛び出た異形の姿となってしまった。

「や~~ん、なにこのヘンテコ合体!?」

メカザウルス・ソノダもその目にしたことのない姿に呆気をとられた。

「な、なんだこれは!!」

ソノダは斧を振り下ろすも、ゲッターは瞬時に分離。後ろで再合体した。

「ゲッター2で来るな!」

ソノダの両腕が変形、それはゲッター2を模した巨大なドリルとU字アームであった。
このメカザウルス・ソノダはどうやらゲッターの各形態を模した変形ができるようだ。
振り向き、いざ対決……ところが。

「な、なんで……」

またもや異形合体。腕が四本になり、言葉では説明しにくいほどの形態と化していた。

「と、とりあえずこれで戦ってみよ……」

想定外の形態を見せつけられたメカザウルス・ソノダは泣きながらゲッターに突撃した。

「俺の知ってるゲッターじゃな~~いっ!!」

……乱戦になり、もはや戦法など微塵もない泥仕合。
恐竜帝国では呆然、早乙女研究所では……。

「博士……安西は……?」

「もうヤダ……お尻イタい……っ」

二人はヨロヨロ駆けつけるも、博士と助手はその場で……醜態を晒していた。

「うわっ……漏らしてる……クサっ……」

「いっ一体何が……」

「わしのゲッターが……」

歩と未来はモニター越しに映るゲッターの戦いぶりについに……。

「あたし……もう……おヨメにいけない……」

「あ、アユム!!」

身も心も全て緩んだ彼女がへたり込んだ瞬間、凄まじく汚い音が彼女から聞こえたのだった。

「ああ……なんであたしらがこんな目に……まじ作者死ね……っ!!」

――この場はブリブリと耳が腐るほどの排泄音と茶色の汚物にまみれた狂乱の宴と化したのであった――。
次々に異形変形するゲッターに翻弄されるメカザウルス・ソノダ。

「ガレリイ、これはなんだ一体……」

「さすがはゲッターだ。ヤツの攻撃パターンを全て読んだメカザウルスをここまで翻弄するとは……恐るや、恐るべしゲッターロボ!!」

「そうかなあ……」

ガレリイは頷き、感心しているもゴールは呆れた様子だ。

「ロボ、お座り!!さもないと……殺すわよ」

愛海の命令にロボはその場でピタッと大人しくなり、分離した。

「今度こそ……!」

今度は正常の合体軌道に乗り、メカザウルス・ソノダの後ろでついに愛海の愛機、ゲッター3に合体変形した。

「もう許さないわよ、キュンキュンにカワイイ女子高生の怒りを思いしれ!!大雪山おろし~~っ!」

力任せに真上にぶん投げて落ちてきた所を捉えた。

「くらえ、アゲ↑アゲ↑大雪山おろしパーンチっ!!」

連続攻撃にボコボコに破壊されたメカザウルス・ソノダ。
彼女達はこの研究所を救ったのだ。

「ゴール様、ゲッターの新しい形態の対策を考えねばなりませんな」

「そっ、そうだな……」

彼らは無気力となり、トボトボモニターから去っていった。そして愛海はその夕日に向けて高笑いしていたのであった。

「アハハハハハッ、どお、マナの実力は!!スゴいでしょ――っっ!!」

――こうしてまたもや世界は彼女の手に救われたのであった。
しかし研究所の司令室では、

「……もう止まんないよぉ……(ピー音)」

「ああ……アハハハハハ………(ピー音)」

う〇こまみれとうめき声で誰も愛海に注目しておらず、もはや色んな意味で地獄と化していた――。

『おしまい』

 

※ちなみに彼女らの液体チョコレートみたいのは、あとで作者がおいしくいただきました(ゲス顔)。