ゲット・ダイバー 1

Last-modified: 2010-11-05 (金) 21:11:05

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 第三新東京市――。
 そこはかつて、箱根と呼ばれる土地だった。
 西暦二〇一五年の、この物語の、この時代における日本の首都である。本物の東京都は、
二〇年前に起こった大災害・セカンドインパクトによって海の底へ季節と共に消えていってしま
った。
 この世界には、そんな衝撃を目の当たりにした人々が生きている。
 彼らは怪獣映画に出てくる登場人物の心境が、よく理解できただろう。なぜなら、セカンド
インパクト後、この世界にはシトと呼ばれる巨獣が、人間に対して牙を向けていたからだ。
 どこから来て、どこへ行くつもりなのか。なにをしたいのか……誰も知らなかった。人智を
越えた存在への恐怖。
 みな、首をすくめていた。
 それでも人類は、強者としての立場を貫く選択をする。人間は素手では猛獣に敵わないが、
武器があればたちまち逆転できる。そう考えた結果だ。
 それを可能にする武器の名はエヴァンゲリオン。そしてもうひとつ。
「シトを、一撃で倒した……!? あれは一体……」
「こいつの名はゲッターロボ。そして俺は流竜馬。シンジってガキを守るために来た」
「なぜ?」
「ガキに世界の命運を託すなんて、荷が重すぎるだろ。それは大人の仕事だぜ。おまえらが
やらないなら、俺が肩代わりしてやるってんだよ」