ゲット・ダイバー 10

Last-modified: 2010-12-28 (火) 22:43:54

   10

 

「うおお出撃じゃあ!! 作戦部長、ご武運を祈っとります!!」
「ああハイハイ……私が死んだら線香の一本もあげてよね」

 

 響き渡る警報の中、それよりもやかましくはやし立てまくる、ヤクザ化進行中のゲッター整
備班にうんざりしながらもミサトは、朝日の下マジンガーZに一歩を踏み出させた。
 ずずん……と、巨体が摩天楼を揺らす。
 光がコクピットへ溢れていく。
 それが、操縦者の全身へ力と変じて流入してくるようなイメージとなり、ミサトはおもわず
息を吐いた。

 

 白衣をまとった異世界から来たシンジによれば、このメカは搭乗者へ神にも悪魔にもなれる
力を与えてくれるという話だ。
 ミサトはこのとき、心の底から頷く思いだった。
 ゲッターやエヴァと、存在そのものは同一線上のものだが、片方は乗っているだけで死にか
けるし、片方などミサトには指一本と動かすことができない。
 それに比べてどうだ、このマジンガーZは。

 

 バイクの操縦に長けていれば手足のように動かせ、A.T.フィールド並か、あるいはそれ以上
といえる堅牢な装甲と、ゲッターロボに勝るとも劣らぬ火力。
 通常兵器の類など敵にもならない。ゲッターやエヴァさえなければ、マジンガーZ一体で世
界を武力制圧できるだろう。
 まさに神か悪魔の力だ。それを何の制約も無く、ただの人間が操れるのである。

 

「僥倖、ってやつ?」

 

 ミサトはひとりごちる。
 自分はシトという父の敵を討つため、あらゆる障害をはね除けるべく、家庭の幸せを諦め、
女としての幸せさえも棚上げにし、軍属として一尉の身分にのし上がった。
 そしてシトを倒せる唯一の手段であるエヴァと、その操縦者を指揮する立場にまで成ったの
である。
 だがマジンガーZさえあれば、もはやシンジ達を利用するまでも、手の付けられない竜馬や
ゲッター線に頼るまでもない。
 自らの手で復讐を遂げることができるだろう。

 

「いいかもねぇ……これ……」

 

 ミサトは彼女のパイルダー搭乗にあたって急あつらえされた、三点式シートベルトの様な身
体固定装置を弄くりながら黒く微笑む。
 その瞳には魔神の裁きを受けて沈む、異形の怪物共が映っていたのかもしれない。
「こちら葛城一尉、マジンガーZ出ます。神一佐、あとの指揮をよろしくお願いします!」
「了解した。葛城一尉、君は敵をうまく第三新東京市まで誘導してくれ。もっともゴジラであ
れば誘導することなくこっちへ来るだろうが、あちこち破壊されても敵わんからな。気を惹き
つけて周囲の被害を抑え込むんだ」
「了解」
「よし。作戦開始!」

 

 号令と共に、ミサトに操られるマジンガーがみるみる進撃速度を強めていく。同時に発進し
た護衛の航空戦力を引き連れながら、敵の居る相模湾へ向けて出撃していくのだった。
 その様を、隼人はレーダーを通して静観していたが、やがて飽きたように視線をずらすと、
傍らに立つ竜馬へぐるり向いた。

 

「マジンガーなら、ゴジラを連れてこられるだろう。さあ、あとはこっちの仕事だ。竜馬、ゲ
ッターGへ搭乗するんだ」
「あん? まだ調整の途中じゃなかったのかよ」
「心配するな。メカとしての調整はとっくに終わってる」
「ああ、なるほど……っておい! ふざけてる場合じゃねえだろ!!」
「話は最後まで聞け。メカとしての調整「は」終わっただけだ。ゲッターがただの機械じゃな
いことはお前が一番よく知っているだろう」
「ん……そりゃあ、そうだが」
「そして俺がなんのために、わざわざお前を通してまで岩鬼組に人捜しさせたと思ってる? 
いまハニーの任意同行に成功したと連絡が入った。もうすぐ到着だそうだ」
「あの変身女か。それとゲッターの調整に何の関係があんだよ」
「全部説明してもお前じゃ理解できんと思って言わなかったが、彼女の持つ空中元素固定装置
がどうしてもゲッター線の制御に必要でな。あれがあって調整は完成する」

 

「くうちゅう、ゲソ、こてい……?」
「違う! やはり……話に聞いてはいたが、お前は俺の知っている竜馬より相当……いやなん
でもない。とにかくハニーの力でゲッターGは完成になる。そういう意味で調整中だと言った
んだ」
「よくわかンねえが、ハニーが来りゃゲッターGは出撃できるんだな」
「ああ。残りのパイロットはそのハニーと岩鬼だ」
「今日の相棒は将造かよ。ヘッ、こいつは楽しみな展開になってきたぜ。だが、ハニーっての
は本当にゲッターに耐えられるんだろうな」
「そんなことに足りない頭使っている余裕があるなら、ゴジラを倒す寸法でも考えておけ」
「なんだとてめ」
「奴らとお前なら、ゲッターGのパワーを一二〇パーセント引き出せるだろう……と、言って
いる内においでなすったようだぜ」
「お」

 

 その竜馬の「お」のつぶやきと共に警報がネルフ全体に響き渡り、次の瞬間停止した。と思
う間もなく、今度は施設を根本からぐらつかせるような激震をともなって、頭の上から爆音が
ドワオと振ってくる。
 作戦室にいた人間たちは一瞬、新手のシトから爆撃でも受けたのかと動揺したが、それが間
違いであることを、ネルフ内部の要所を監視するモニタが示す。
 そこには……

 

「返せぇ!! 青児さんの形見を返せ!!」

 

 岩鬼組の男たちをフルーレのような剣でなぎ倒しつつ、正門を突破しつつある紅色の髪の女
が映った。
 隼人いうところのキューティハニーであろう。
 岩鬼組の組織員を倒す。
 それだけでハニーが只者でないことが証明される。彼ら岩鬼組は戦自の隊員でさえ歯が立た
ない様な戦力を各個に保持しているのだ。

 

「やるのぅ小娘! どうじゃ岩鬼組に入らんかっ」
「ふざけるなっ!!」

 

 この化け物に面と向かうのが、将造だった。
 いつのまにか地上へ出ていたらしい。
 頭に見慣れぬ、ついでに似合わないハンチング帽をのせつつ、ハニーを誘導するようにネル
フ内部へ後退していく。

 

「返せッ」
「返せんなあ」

 

 ハニーの叫びをあざ笑う将造は、通路へ入ると四方囲む壁に足を叩きつけ、ぶわりと空に舞
った。
 左腕のマシンガンで敵をつけねらったが、追ってきたハニーはそれを逆に好期と見、
「ハニーブーメランッ!」
 突如、左腕の腕飾りを射出する。ただのに飾りに見えたそれが、鋭い刃を生やし弾丸の勢い
さえも超え襲いかかる。
 これは将造も予想外だったらしく、
「オオっ」
 当たる寸での所を、とっさに射出した膝内蔵ミサイルの反動を持って身体をのけ反らせるこ
とで、かろうじて逃れ得た。

 

 それでもブーメランから発した衝撃波は皮膚を切り裂き、将造が舌打ちをすると同時に背後
の壁を爆散させ無数の瓦礫をばらまいていく。
 さらに攻撃がつづく。
「ハニーフラッシュ!」
 ばらまかれた瓦礫が意思を持ったかのように浮かびあがると、巨岩の嵐となって将造をくる
むように襲いかかっていくのだ。
 それが将造の姿を隠す。まるで瓦礫の破片ひとつひとつが、獲物の身体をえぐって喰い荒ら
すようだった。
 普通の生物だったらまず生存は望めない光景だ。ハニーは勝利を確信する。
「どうだ!」
 ……だが、それが岩鬼将造という地上最凶の生物に対しては、通用しない理屈だということ
をハニーはすぐに思い知らされることになる。

 

 将造は荒れ狂う瓦礫嵐の中から血みどろになりながらも現れると、その破片で最も巨大だっ
たものを無理矢理と怪力で捕え、思い切りハニーへ放り投げる。
 と、それを盾に自身も嵐の中から脱出し、悪魔のような笑みとともに、捕食者の視線を投げ
かけた。
「どーした。攻撃はおわりか」
「な、なんて奴なの……」
「甘く見られたもんじゃのう……ワシは極道兵器じゃぞ!」

 

 轟音。
 最後までしゃべり終える前に発動したマシンガンの弾丸と共に、将造が駆け抜けた。しかし
その足は逆とネルフ深部へと向かいだす。
 これは、彼にとってハニーが敵でないことを示す証拠だった。
 この男が一度獲物と狙い定めた相手は、たとえゲッターロボであろうと粉々になるまで食ら
いついて離れることはないのだから。

 

「あ、ま、待てっ!」
「ついてこいやァ小娘! 地獄の八丁目へ案内しちゃるけえのう!」

 

 将造が監視カメラの下、一目散と駆け抜ける。それを憤怒の表情で追う女、ハニー。二人の
進路はどうやら第八ケイジへと向かっているようだった。
 これが岩鬼組、というか将造流の「任意同行」らしい。

 

 その様を、作戦室から見つめる竜馬がぼそりとつぶやいた。

 

「やるじゃねえか。キューティハニーとかいう女」
「竜馬さん、ハニーはアンドロイドだって説明しませんでしたっけ」
「女は女だろ。将造だってサイボーグだが、あれを女と呼ぶ奴ぁいねえぜ」
「違いますよ、サイボーグっていうのはつまり改造人間のことを指すんであって、アンドロイ
ドおよびガイノイドは、完全な人造人間です。エヴァと同質の存在とも……」
「待て、何を言ってるかさっぱりわかんねえぞ」
「要するにだ。岩鬼将造はほぼ生物だが、キューティーハニーは、元がメカってことだ」
「なるほど。なんとなくだが解ったぜ」
「大ざっぱすぎますよ隼人さん……ハニーが機械っていったって、ほとんど有機体じゃないで
すか……そりゃまあ、有機機械と言い表せば良いのかもしれないですけど」
「気にするな。こいつに理論はいらん」
「解ってるじゃねえか、隼人。しかし、あの女をゲッターに乗せてどうするってんだ?」

 

 竜馬は、後ろでブツブツいっているシンジを無視して訊く。
 いくら盟友の案だとはいえ、得体の知れない者をゲッターのコクピットへ置くのは気分が良
いものではない。

 

「彼女は不思議な存在でな。我々のいくところ、必ずどこかに存在する。俺たちの世界、マジ
ンガーのある世界、そしてエヴァがあるこの世界……ゲッターが干渉した世界には彼女がなぜ
か現れるんだ。気になって調べてみると、どうも如月博士がクサかった」
「如月博士ってなぁ誰でぇ」

 

「ハニーと、空中元素固定装置の開発者だ。パンサークローという犯罪組織によって殺害され
てしまったがな」
「なるほど。で、さっきから言ってるそのナントカ装置ってのは何なんだよ」
「分かり易くいうと、こいつは一種のゲッター炉心だ。驚くべきことだが、如月博士は早乙女
博士よりも早くゲッター線の存在に気づいていたらしい。空中元素固定装置の真の目的は、ゲ
ッター線の収集にあったと俺は見ている」

 

「てことは、あのハニーってのは、人間サイズのゲッターロボみてえなもんなのか」
「サイズが小さい分、戦闘力は低いがあらゆる物質を造り出す能力を持ち、
 最近はさらに時空移動能力を発現させた。そのせいで色々な世界にフラフラと現れるようだ
な。ただ明確な意思を持ってるワケじゃなく、元いた世界で恋人を失ってから装置が影響する
本能のようなものに従って、ゲッターの居る世界をうろつき回っているだけのようだ」

 

「と、すりゃあ……」
「同じゲッター線を動力とする者同士、引かれあっているのかもしれん。ゲッターに乗せるこ
とで全ての答えは出るだろう。利害一致、一石二鳥ってとこだ」
「対時天空への準備になるかもしれねえってことか」
「だとしても、ひとつの段階を超えるに過ぎんだろうがな」
「……まぁ今はパイロットとして使えるならなんでもいい。じゃ、行ってくらあ」
「頼んだぜ竜馬」

 

・・・

 

 第八ケイジ。
 そこへ到着してみると、コクピットが解放され操縦者を待ちわびるゲッタードラゴンの姿が
あった。隼人の言ったとおり整備はすでに終了しているらしい。
 整備員たち数人が細かな部分をいじっているだけで、大多数はみなゲッター1に掛かりきり
となっている。
 いつの間にかパイロットスーツへ着替えを完了していた竜馬は、ドラゴンの足下に立つとそ
の偉容を眺めつつ、残りの搭乗要員の到着を待った。
 しかし……その搭乗要員はどちらもゲッターロボを動かした経験などなく、ハニーに至って
は面識さえもないという有様だ。
 さしもの竜馬も不安を覚えたが、よく思い出してみるとそもそも新宿でヤクザとの抗争に明
け暮れていた「自分」もゲッターGに乗ったことはない。

 

「結局全員ぶっつけ本番ってことか。面白ぇ、やってやろうじゃねえか」
 ひとりごちると、それを合図にしたかのようにケイジの入り口がドワオッ、と吹き飛んだ。
 同時に、よく見知った顔と、現物では初めて見る顔が、それぞれ狂喜と憤怒の表情で乱入し
てくる。

 

「来たか将造!」
「頼みは果たしたぜ竜馬ぁッ。しかし、女を捜せっちゅうのもお前にしちゃあ珍しい頼みじゃ
のう! ようやっと思春期が来たか!?」
 と叫びつつ、将造のマシンガンが後方より追いすがるハニーへ炸裂する。
 しかしハニーもその襲いかかる殺意を、身体の目の前で超高速回転させたシルバーフルーレ
で弾き返し「待てぇ!!」と迫ってくる。
 その様子を見、竜馬はさきほどの不安をすべて霧散させるのだった。
 目の前へ将造が走る。
 と、くるり振り返り頭の似合わないハンチング帽に手をかけ

 

「おうご苦労、こん帽子は返すけぇ。受け取れやっ」
 ハニーへ放り投げた。
「待……あれっ?」

 

 すると彼女の怒りは帽子を奪われたことにのみ集中していたのだろう、予想していなかった
展開に目をまるくしつつ、落とさないように慌てて受け取ると一瞬にして大人しくなってしまう。

 

「……あ、ありがと」
「そがな古臭ぇ帽子なぞいらん。ワシャ、こん竜馬に頼まれてーおどれをここへ引っ張ってき
ただけじゃけえ。なあに説明するのが面倒だったんでのう、一番手っ取り早くかつ、楽しい方
法を使わせてもらったわけじゃ」
「リョウマ……そういえば、夢中で追ってきて気づかなかったけど、ここ、どこ……?」

 

 自分が置かれている状況をまったく把握できていないのであろう、ハニーはその特徴的な紅
色のショートヘアをくるくると回して周囲を観察する。
 すれば、当然視界に入ってくるゲッタードラゴンへ目が止まった。
「この、ロボットは……! う、うう……っ」
 そんなハニーの頭に、竜馬は大きな手を乗せるとぐいっと自分の方へ向かせる。凶悪な視線
が彼女の瞳をつらぬいた。

 

「ようキューティーハニー、俺は流竜馬ってんだ。正直、こっちも状況がよくわからねえんだ
が、お前はこのゲッターに必要らしい。そういうワケで来てもらった」
「ゲッ、ター……どこかで、聞いたような……」
「お前の動力はこいつと同じで、ゲッター線らしいぜ。つまり同胞ってわけよ。コクピットへ
乗ってみな、なにか解るかもしれねえぜ」
「どういうことよ」
「どうもこうもねえ、ゲッターロボってのはそういうもんなんだよ」

 

 説明になっていない。
 だがそんな竜馬流の解説でも、ドラゴンを見たハニーはなにか感じるものがあったらしい。
「……わかった。私にまだ、できることがあるのなら……このゲッターロボへ乗ればいいのね。
だったら、ハニーフラッシュ!!」

 

 一瞬、ケイジ全体が光に包まれると、その中でハニーのタイツが飛び散り裸身があらわれる
……と思ったのもつかの間、飛び散ったタイツは粘土の様になって再びハニーの全身を覆うと
レーシングスーツとして再構成される。
 さらに髪に変容が見られ、紅色だったショートヘアはみるみるうちに黒髪の光沢も美しいロ
ングヘアと変わった。
「変身」を終えたハニーは、さらにヘルメットを虚空より出現させるとそれを腰にあててポー
ズをつくる。

 

「ある時は愛の戦士、ある時は時の放浪者……しかして今はゲッターロボのパイロット、ハリ
ケーンハニー!」
 一瞬で姿と態度まで変える早業に、さしもの竜馬と将造も、唖然とならざるを得なかった。
「隼人にゃ聞いていたが……たいしたもんだ」
「ゲッターもかくや、ちゅうとこじゃな」
「私に操れないメカは無い! さて、このロボット……三つ操縦席があるわね。どれに乗れば
いいの?」

 

 その言葉を受けた竜馬は、黙ってドラゴンの胴体あたりを差した。ライガーに乗れ、という
ことである。
 ゲッターロボを知らないのにどうしてコクピットが三つあるのが解るんだ、などという無粋
なつっこみはしない。あんな変身を見せられた以上、彼女はやはりゲッター線の申し子だと思
う他はないだろう。
 だったら説明など必要ないのだ。
 先ほど言ったように、コクピットに座れば解るだろう。

 

「二号機ね。名称はないの?」
「ライガーだ。俺がドラゴン、将造にはポセイドンを任せる」
「オーケィ。じゃ先に乗ってるわねっ」

 

 いうがいなや、ハニーはピョンとバッタのように跳ねドラゴンの胴体に取り付き、なぜか慣
れた手つきでライガーのコクピットを開放すると、しゅるり中へ収まってしまった。
 つづいて竜馬が将造へポセイドンのコクピットの箇所を指示する。少し手間取ったが、こっ
ちは力ずくで開放して収まった。
 それで破損しないのだから、ゲッターもマジンガーほどではないにせよ、非常に頑健とつく
られているのである。
 リツコが以前、合成鋼Gをエヴァに使いたがったことがあるのだが、それも無理ない話だ。
超合金Zも、存在を知れば手に入れようと躍起になるに違いない。

 

 とにもかくにも、これで準備は整った。
 竜馬はよし、と気合を入れるとドラゴンの頭部へ跳躍し、コクピットを収まる。ここのとこ
ろとみと身体能力も向上しているのである。
 三人のパイロットが揃ったドラゴンの瞳に、輝きがはしった。
 炉心が目覚め、唸りがケイジをゆるがす。

 

「いくぜ。ゲッターロボG、出撃だッ」