タイムボカンシリーズ・ゲッターマン

Last-modified: 2009-02-10 (火) 17:37:57

タイムボカンシリーズ・ゲッターマン「仮面に隠した狂気の心」

道路がある。
夏のさわやかな日差しに包まれた、直線主体の明るい道路だ。
それは都会と浅間山を結ぶハイウェイ。
そこを、一機の犬型ロボットが疾走していた。底面部に車輪を装備し、地上での高速走行を主軸として設計された戦闘用ロボットだ。
左右に伸びた無骨なレバーには人間が一人づつぶら下がっている。
音速超過の水蒸気を引き、ロボは何かを追う。
犬型ロボの視線の先、更なる加速を用いて逃走を図る一機のメカがある。
巨大な台所用品で全身を武装した巨人。
頭部の中華なべを回転させて飛行するメカは、しかし徐々にその速度を落としつつあった。
その背には、大きな髑髏の面が縫い取られていた。髑髏の面は死と恐怖と暴力の象徴。
そしてそれは同時に、泥棒の神のしるしでもある。
追いつく。
犬型のロボが髑髏メカの下にたどり着き、
「逃げるんだよ!お前たち!」
「そんなこといっても、これでも全力でやってるのよドロンジョ様」
「お、追いつかれたでマンネン」
髑髏のメカから悲鳴が響く。
それを聞き、犬型ロボのパイロットは口元に笑み。
「よし、いっちょいくか、みっちゃん!」
「ええ。ジンちゃん」
そして、二人が犬型ロボから飛び上がる。
音速超過の中での跳躍は、空気抵抗とGにおいて生身の人間には難しい。
だが。
「「ゲッター!」」
二人の装備した特殊装甲は、それを何の苦もなく叶えた。
回転しながら髑髏メカの風防の上に着地する二人。
「お、お前たちは…」
絶句する台所メカのパイロットの前で、名乗りが開始される。
「ゲッターマンがいる限り!」
「この世に悪は栄えない!」
「「われわれはゲッターマン!貴様らに地獄を見せるものだ!」」
その名乗りに、三悪人がその目を恐怖に見開く。
「お、お前たち!ドロンボーの恐ろしさを見せるんだよ!やっておしまいっ!」
その指示に従い、さまざまな武装をオープンにするダイドコロン。
「今回は速攻で今週のハイライトだよッ!」
叫び声とともに、ダイドコロンからいくつもの包丁が射出される。
そのすべてを、ジンとミチルは手にしたマシンガンで叩き落す。
「き、効いてないでマンネンっ!」

悲鳴を上げるトンズラーを見ながら、ミチルは懐に手を入れる。
そこから取り出されるのは一本のアドレナリンの容器だ。
浅間山に向けて投擲。
音速超過の水蒸気を引いたアドレナリンは、浅間山の中腹に存在する建物へと吸い込まれていく。
「敷島博士―っ!武器のモトよーっ!」
向こうで小型の核爆弾によってファンファーレがなり、
「今週のびっくりドッキリメカ!発進じゃあ!」
遠くから叫びが帰る。
そして、
「アドレナリン!ちゅう!にゅう!クジャクメカじゃあ!!」
《説明しよう!敷島博士はアドレナリンを摂取することで、今週のびっくりドッキリメカを出すことができるのだ!》
直後、周囲をミサイルの雨が包んだ。
もはや灰すらも残らないほどの爆砕の連撃。
ハイウェイが、都市が灰となり、ドクロ型の煙が上がる。
数分後。
何もかもなくなった地上で、ジンとミチルはゲッターワンに乗っていた。
「よし、いっちょ、あれやるか」
「ええ!」
「「勝利のポーズ!ゲッター!ゲッター!ゲッターマン!」」(終)

OP
ウー 111
ウー 神神神
1と吼えりゃ、123
サイレンの音(目だ!) 高らかに
火星の辺りまで(耳だ!) ひとっとび
ただいま出動(鼻!) ゲッターワン