ハヤトのちょー嵐を呼ぶ!金矛の勇者 01

Last-modified: 2009-05-29 (金) 02:17:23

………………………
ここは浅間山のふもとにある町の施設。子供たちが元気に施設の校庭を走り回っていた。
そこで砂場で一人遊んでいる子供がいた。
「ハヤトォ!遊ぼう!」
「えっ…、ボクはいいよ…」
ハヤトは浮かない顔をしていた。ハヤトは元々捨て子であり、内気な性格で友達は少ない方であった。
「ちぇっ、ハヤトはいつもそれだ」
子供達は去っていった。
ハヤトは一人で遊ぶのがいつもだった。 「ハヤト、何してるの?」
一人の男の子が話しかけてきた。のちのチーム・ゲッターのリーダーでハヤトと犬猿の仲になる了だった。
「砂遊びだよ…。了どうしたの?」
了は笑いながらいった。
「ハヤトと遊びたいから来たよ」
「いいよ…了はみんなと遊んできなよ」
「オレはハヤトと遊びたいの!」
ハヤトの顔は赤くなり、施設の中に走って行った。
了はそんなハヤトを見て、呆れた。
「あいつ……ホントに根暗だよな…」
 
バタン!
ハヤトは自分の部屋に入るなり、ベッドに倒れた。
「ハァ…ハァ…ハァ…なんでボクはこんなに臆病なんだろ?うう…」
ハヤトの目から涙が溢れてきた。
ハヤトはベッドから起き上がると机に向かった。
「ん…なにこれ…?」
床に一本の定規が落ちていた。
「定規…なんでこんな所に?」
ハヤトは定規を机に置くと部屋を出て行った。
誰もいない部屋。すると定規が光だした。
(見つかったわ!この子こそ「選ばれし者」よ!)
 
その頃、暗黒の世界「ドン・クラーイ」では…
「ダーク様~」
不気味な生き物達が一斉に叫びだす。
 
するとピエロみたいな姿をした謎の人物が姿を表した。
「マックよ、「金の矛」の位置は分かったか?」
すると紳士の格好をした影が喋りだした。
「「銅鐸」を使っておりますので「金の矛」を持つ「選ばれし者」は直に分かるかと存じます」
すると、セクシーな女の形をした影が喋り出した。
「間もなくでございます、ダーク様。今は我々も影としてしか向こうへ行けませんが…」
「扉さえ開けば全てはダーク様の思うがままでございます。もうしばらくお待ち下さい」
ダークという影は後ろへ向いた。
「ふむ…待とう…」
(地球はこのドン・クラーイの支配者、アセ・ダク・ダーク様の物だ!!」
 
その頃、施設ではハヤトは相変わらず一人で砂場で遊んでいた。
すると
「クゥゥ~ン…」
一匹の黒い子犬がハヤトのそばについてきた。
「うわぁ~かわいい!どうしたの?」
ハヤトはいつもより笑顔になった。
「クゥゥン…」
ハヤトは頭をなでた。
「ごめんね…。ここじゃあ犬は飼えないんだ。ホントにごめんね」
ハヤトはそう言うと、部屋へ戻ろうとした。
しかし、子犬はハヤトに付いてきた。
「駄目だよ!ついてきちゃダメ!!」
ハヤトはいうもまだま子犬は付いてきた。
「もういい加減にして!」
ハヤトは怒って施設に入っていった。
「クゥゥン…」
子犬はハヤトを見つめていた。
 
ハヤトは自分の部屋に入るなりベッドに倒れた。
「もう…けどあの子犬、何か不思議な感じが…」
ハヤトはそうゆうと眠たくなったのか、そのまま寝てしまった。

………夜中12時
「ん…」
ハヤトはふと目が覚めた。あたりは真っ暗だった。
「ふぁぁ…夜中の12時…?変な時間に目が覚めちゃったな…」
ハヤトは目をこすり、ぼぅ…としていた。すると
チリーン…チリーン…
どこからか鐘がなる音がした。
「ん…何この音…?」
ハヤトは鐘の音が気になり、恐る恐る部屋のドアに近づいた。
ドクン…ドクン…
ハヤトの心臓の鼓動はドアに近くなる度に大きくなる。
「うう…何だか怖いよ…」ハヤトはドアに手にかけた。
カチャ…キイ…
 
「うああ……」
ドアを開けた景色は今まで見たことのない空間だった。
ぐにゃぐにゃとした壁、魚達が宙を泳いでいたり、まるで絵本の世界のような廊下だった。
「うわぁ~スゴいな~」
ハヤトは不思議な景色に興奮してきた。ハヤトは不思議な廊下を歩き出した。
見るもの全てが新鮮で五歳のハヤトにとってはとても楽しい出来事だった。
チリーン…
するとまた鐘の音が聞こえてきた。
「ん!?」
ハヤトは後ろを向いた。すると
にゅう~…
チリーン…
「うあああ!!!?」
ハヤトは驚いて尻餅を付いた。
なんと壁から人かすり抜けてきた。長いシルクハット、奇妙な服、肩にイタチを乗せ、小さい銅鐸を持った紳士風の男だった。
男はハヤトの方に近づいていく。
「ああああ……」
ハヤトは恐怖のあまり、体が震えていた。
男はハヤトの前に立つとハヤトを見つめた。
「驚かせてしまったかな?坊や。私の名はマック・ラ・クラノスケだ」
マックという男はハヤトに話しかけた。
「えっ…?」
ハヤトはまだ震えていた。
「ハヤト君、怖がらなくて大丈夫だよ。おじさんは別に怪しくないから」
マックはさらにハヤトに話しかける。
「ところでハヤト君、君は「選ばれし者」だね?」
「選ばれ…し者?なにそれ…?」
ハヤトは突然の発言に戸惑う。
「おじさんと契約していくつかの物を渡してくれないかい?
もちろんタダとは言わないよ!お礼に札束を上げよう」
するとマックは契約書とペンを出して、ハヤトに差し出した。
「さあ、この契約書にサインして」
しかし、ハヤトは困った顔をした。
「えっ…まだボクお名前書けないよ」
バタン…
マックは倒れた。
「そっ…そうかい?それなら「うん」て言うだけでいいんだよ!」
しかしハヤトは、困った顔をした。
「お札って何?」
ガクっ
マックは崩れた。
無理もない。ハヤトは物心をつく前に捨てられてからずっと施設にいたため、お金のことはあまり知らなかった。
「このガキぃ…」
マックは今まで紳士の顔が一気に怒りの顔になった。
「ひいぃ!!」
ハヤトは怖くなり、体中が震えていた。
「このクソガキぃ!お前も暗くしてやろうかぁ!」
マックは憤怒の顔でハヤトを脅した。
「う…うわああああ!!!」
怖くなったハヤトは泣きながら自分の部屋へ全力疾走した。
マックも全速力で追いかけてきた。
「まちやがれ!」
マックはハヤトを捕まえようとした。しかし
すかっ…
マックの手はハヤトの体をすり抜けた。
「ちっ!!」
マックは追うのをやめた。
バタン!
ハヤトは部屋に入るとドアにもたれた。
泣いたせいか目が赤くなっていた。
「怖かったよぉ…ひっく…」
ドッドッドッ
心臓の鼓動はかなり早かった。
 
次の日
「みんな~!!」
ハヤトは珍しく子供達の方へ行った。
子供達はハヤトを見て驚いた。
「ハヤトぉ!?珍しいね!君から来るなんて」
「みんな聞いてよ! 今日の夜中ね…」
ハヤトは夜中にあった出来事を話した。
「…ということなの。みんな信じてくれるよね?」
しかし、みんなは大笑いした。
「わっはっは!!そんなの嘘だあ!」
「夢でも見たんじゃないの!?」
ハヤトは必死に話した。
「違うもん!嘘じゃないもん!」
しかしみんなは信じようとしない。
「絶対作り話だって!この嘘つきハヤトぉ!」
「ハヤトの嘘つき!」
みんなはハヤトを軽蔑した。
「うう…うわぁあああ!!」
ハヤトは泣きながら施設内に戻っていった。
「嘘つきが泣いてるぞぉ~ わいわい!」子供達はハヤトを見て笑った。
しかし
バギっ!
笑う子供を殴る子がいた。了だった。
「てめぇ、ハヤトを泣かすんじゃねえ!」
了は子供の胸ぐらを掴んだ。
「ひいぃ!!」
子供は今にも泣きそうだった。
「了君やめて!!」
みんなで了を止めに入った。
やっとのことで子供達は了達をとめた。
「ハヤト…」
 
一方、ハヤトは部屋で一人泣いていた。
「ひっく…みんな…ひどいよ…」
ハヤトは悔しくてたまらなかった。必死で話しているのに誰も信用してくれない。
ハヤトは泣いてる内にまた泣き疲れて寝てしまった…………
………その夜………
こんこん…
突然ドアを叩く音が聞こえる。
「ハヤトく~~ん♪開けて~♪」
「ん…何…?」
ハヤトは声に目を冷ました。
「ハ~ヤ~トくん♪開けて~♪」
どうやら女の子の声のようだ。
「ん…誰…?こんな時間に…」
ハヤトは眠たそうにドアを開けた。
カチャ…
「ハヤト君こんばんは~~♪あたしはプリリンってゆうの♪」
そこには誰もがビックリする超ナイスバディな綺麗なお姉さんが立っていた。
「っ………」
ハヤトは見た瞬間、鼻血が流れた。流石のハヤトも綺麗なお姉さんを前に「反応」してしまった。
しかし
「はっ…」
ハヤトは何かに気付いたかのようにドアを閉めようとした。 「あらん、どうしたの?」
ハヤトは震えてプリリンというお姉さんの方を見ていた。
「お姉さん…まさか昨日の怖いおじさんの仲間?」
 
「え~~っ!?そんなワケないじゃなァ~い!!」
「ちょっと借りた物を施設の倉庫へ返しに行きたいだけよォ!
けど倉庫のある所は分かんないし、こんな夜中に女の子一人じゃ心細いでしょ♪
だからハヤト君についてきてもらいたいワケ♪」
「えっ…それじゃあ明日、返しにいけばいいんじゃない?
何でこんな夜中に返しにいかないといけないの?」
(ギクっ…)
プリリンはかなり焦った。
「そっ…それはアレよ!明日中に返さないといけないの!!
だから今返したいのよ!お願ァい!」
「う~ん…」
ハヤトは間を置くと、ドアから出てきた。
「…うん、いいよ」
「ありがとぉ♪助かるわァ♪」
こうしてハヤトとプリリンは倉庫へ向かった。
 
「……」
子供達が寝静まった夜の廊下はいつもより嫌な気がした。
「ハヤト君、君はなんでこの施設にいるの?」
プリリンはそう質問すると、ハヤトは首を横に振った。
「知らない、気がついたらここにいたんだ」
「ふう~ん…そうなんだ…」
そんな会話をしていると倉庫へたどり着いた。
「ここだよ!倉庫は」
「ありがとぉ♪助かったわァ!ハヤト君、ドアを開けてくれる?」
「いいよ」
カチャ…
ハヤトはドアを開いた。
「ハヤト君♪ありがと!君のおかげだよ♪」
「どうもいたしまして」
(ニヤリっ!所詮子供はこんなもんよ…)次の瞬間
カッ!!
突然、倉庫の中が輝きだした。もの凄い光だ。
「うあああああ!」ハヤトは強烈な光で目をつむり、尻餅を付いた。
「ん……」
ハヤトは恐る恐る目を開けた。しかし目の前は普通の倉庫の中だった。
「あれ…?お姉さんは?」
気付いたらプリリンの姿がどこもなかった。
ハヤトは急に不安を感じた。
「うわあああ~~っ!!」
ハヤトは急いで部屋へ戻っていった。
 
その頃、ドン・クラーイ世界では…
「ダーク様、扉が開きました。」
プリリンはダークに報告を伝えていた。
 
「よくやったプリリン、これで向こう側「地球」のものに触れる事ができる!
ドン・クラーイ世界と地球がつながって我々の意識が向こうに流れ始めた。
しかし、それだけでは足りぬ!!」
ダークはそばにいたマックに命令を下した。
「マック、「選ばれし者」を捕らえろ!!そして「金の矛」と「銀の盾」を取り戻すのだ!!」
「御意!!準備が整いしだい、さっそく!!」
ダークは手を上げ、叫んだ。
「生きとし生ける者を全て、夜の民にするのだ!!!」
 
その頃、夜中に施設の校庭には
ピシッ、ゴオオ!!
校庭の真ん中に大穴が発生した。
ポン!
穴からなにやら箱みたいなものが飛び出した。
コロコロ…
箱は地上に落ちるとまるで意思があるかのごとく、施設に向けて転がっていった。
 
一方、ハヤトはベッドに入ったがさっきの怪奇現象が気になり、眠れなかった。
「うう…眠れないよ…」
ぶるぅ!
ハヤトに突然、尿意が襲った。
「うう…オシッコ…」
ハヤトはトイレに向かった。
 
ジョボボボ……
ハヤトは尿を出したせいか、かなり安心した。
「ふぅ…助かった…」
ハヤトはリラックスしていると
「安心するのは早いと思うよ」
突然ハヤトの後ろに声がした。
「!!だ…誰!?」
ハヤトが振り向くと床にあの箱があった?
「箱…?」
ハヤトは不審そうに見ていた。すると
キュルルルルルル…
なんと箱が分解し、粒子と化した。
「えええ!?」
ハヤトは不思議な光景に驚いた。
粒子は段々、人の形を作っていく。
そして奇妙な服をきた少年の形になった。
「うわあああ!!」
ハヤトは驚き、後ずさった。
すると少年はハヤトに喋りだした。
「驚いた?ボク達の世界では「ヘンジル」っていうんだよ」
ハヤトは震えながら言った。
「君は…一体誰…?」
「ボクの名前はマタ・タミ!」
「マ…マタ…タミ?」
「そう!君の名前は?」
「ぼっ…ボクはハヤト」
そうゆうとマタという少年は笑った。
「そっか!ハヤト君だね」
しかしハヤトはもじもじしていた。
「…トイレ流していい?」
「あっゴメン!!外で話そうか」
マタは顔を赤くし、後ずさった。
 
そして…
「君に大事な話があるんだ!」
「大事な話?何?」
マタは間を置き、話しだした。
「ハヤト君、君は「扉」を開いてしまったんだよ!
この世界と「ドン・クラーイ世界」とをつなぐ扉を!」
ハヤトは聞き慣れない言葉に疑問を持った。
「ドン…クラーイ…?」
「君は敵に狙われている!敵は「アラ・コラ・マイッタ・マ・イッカ法術」、略して「ア法」を使うんだ。
魔法みたいな物さ!」
「ア法…?プッ…くっくっく」
ハヤトは変テコな名前で少し笑ってしまった。
「わっ、笑い事じゃないよ!!君はア法の恐ろしさを知らないからだ!」
ハヤトはマタに問いかけた。
「それでボクはどうすればいいの?」
「それは…今考えているところさ…」
するとマタが光だした。
「うわあ!」
ハヤトは驚いた。そしてマタの体が透明になっていく。
「ボクが活動できるのは夜の間だけ…それは敵も同じ…
心配しないでハヤト君、君はボクが守ってあげる!それがパパとの約束だから…」
そうゆうとマタは消えていった。いつの間にか朝になっていた。
「……………」
ハヤトは呆然としていた。
 
その日の午後…
ハヤトは1人で砂場で遊んでいた。
「…?」
ハヤトは何かおかしいことに気付いた。子供達同士で睨み合いしているように思えた。
「なんかみんな変だな…」
すると了がハヤトの横にいた。
「了…」
「ハヤト…見ろよ、なんかみんな1人1人避けてないか…?全員嫌いみたいに…」
「うん…」
ハヤト達は何かの異変に気付いていた。
「了…そういえば…昨日ね…」
ハヤトは夜中のことを伝えた。
「ふう~ん。そんなことがあったのか…」
「了…信じてくれる…?」
了はハヤトを見て笑った。
「ああ!信じるぜ!」
「ほっ本当に!?」 「ああ!あのお前が必死でみんなに喋っている姿見たのは初めてだったしな!」
ハヤトはその言葉に嬉しくなった。
「あっ、ありがと!」
「何かあったらオレにいってこい!聞いてあげるよ」
そうゆうと了は去っていった。
「了…」
ハヤトはなんだか心が温かくなった。
自分の話を聞いてくれる人がいた。それだけでも嬉しかった。
ハヤトは部屋に戻るとあの定規が床に落ちていた。
「あっ…また落ちてる…どうしてだろ?」
ハヤトは定規を机の引き出しに入れた。
その夜中…
スっ…
ハヤトが寝ていると何かが部屋に入ってきた。
ハヤトは目を覚めた。
「ん…?気のせいか…?」
すると
「気のせいじゃないかもしれないぞ!ハヤト君」
突然声がしたのでハヤトはすぐに立った。
「うわあああ!!」
ハヤトの目の前にあの男、マックが逆吊りになっていた。
「ちょっと聞きだい事があってまた来たんだ」
「ひいい……」
ハヤトは本当の恐怖を感じた。
「わあああ!」
ハヤトは焦って部屋から出ていった。
「フフ…」

ドンドン!
ハヤトは別の子供部屋にいって必死にドアを大きく叩いた。
「みんなぁ!!起きて!!助けてぇ!!」
しかし全く反応がなかった。
「起きるわけないぜ!この施設内の時間をゆっくりにした」
ハヤトの真後ろにマックが現れた。
「俺様の「ア法」はすごいだろ?超高等魔術だぜ!今大きな声で叫んでも起きるのはまぁ…二時間後かな?」
「………」
ハヤトの体はかなり震えていた。
「あっ!あれなんだ!?」
ハヤトは右の廊下側を指差した。
「ん…なんだ!?」
マックは右を見た。しかし、ただの廊下しかなかった。
マックは振り返るとハヤトは左の廊下側を全速力で走っていった。
「ほぉ…このマックとカクレンボしたいのかい?
いいとも、やろうぜ!命がけのカクレンボをな!」

ハヤトはロビーに行き、テーブルの下に隠れた。
「ハァ…ハァ…ハァ…」
するとマックはロビーにやってきた。
「どこだぁ~~い!?ハ~ヤ~ト君!」
マックはロビーを通り過ぎていった。
「ふぅ…行ったかな…?」
ハヤトはため息をついた。しかし
「そこにいるのは分かっているぞ!」
「!!」
ハヤトは横をみると、マックがハヤトを見つめていた。
「うっ、わああ!!」ハヤトは必死で逃げようとするも、やはり五歳児では大人からは逃げられなかった。
マックはハヤトの頭を掴んだ。ハヤトの体は恐怖で硬直していた。
「カクレンボは終わりだよ♪ハヤト君」
「い…いやっ…やだっ…」
「万事休すだな!ハヤト君!」
突然
「やめろ!!」
するとあの少年マタがやってきて、マックにけりかかった。しかしマックはそれを素早くよける。
「マタ!!」
マックは体勢を立て直す。
「おやおや、父親同様にやられにきたかマタちゃん!」
マタはハヤトをかばうようにハヤトの前に立った。
「ハヤト君はボクが守ってみせる!!」
(ニヤっ!)
マックは後ろに下がると何やら言い始めた。
「ヘンジル!!」
ギュオっ!
次の瞬間、施設内の見える全てのものが変わり、別の空間に変化した。
「うわっ!?」
「しまった!!ヘンジラれた!!!」
周りは地平線のような空間だった。
「なっ…何これ…?」
「ドン・クラーイ世界から空間が染み出しているせいさ!
「「ア法」を使って自分の好きな空間に置き換える事ができるんだ!」
ハヤトは驚いた。
「そんなことができるの!?」
「夢だと思うかもしれないけど、現実は現実なんだ!
こうなったらボクもヘンジルよっ!!」
「えっ…?」
ダダダダダダ!!
マックは全速力でハヤト達を追ってきたのでハヤト達も走り出した。
「ボクがハヤト君と力を合わせれば何にでも変身できる!」
「おお!」
「念じて唱えて!!「ヘンジル」って!」
ハヤトは目をつぶり、心に念じた。
「ヘっ…ヘンジル!!」
ビュっ!
マタは粒子になり、ハヤトを取り込んだ。
ボン!!
「こっ…これは…」
なんとマタは「ヘンジル」で戦闘機に変身した。
「すごいよマタ!ヘンジルって凄いね!?」
ハヤトは今までにない程の興奮をしていた。
「いくよ!ハヤト君!しっかりつかまって!」
ブオオオン!
ハヤト達は大空へ飛び立っていった。
「フフ…甘いな」

ハヤト達は上空に上昇し、雲を突きぬけた。
「マタ!このまま逃げちゃおう!!」
「そんなに手ぬるい相手じゃないよ!!」
ブオオオン!
雲の下から何やら大きいプロペラ音が聞こえる。
「ん…何か来る!」
すると雲からハヤト達の後ろに巨大な戦闘機がハヤト達を追いかけてきた。
「逃がさないぜ!!」
戦闘機にヘンジたマックだった。
「くらえ!!」
ダダダダダダダダ!!
マックは戦闘機に武装している3連装の機関砲を発射してきた。
「うわああ!」
マタは高い運動性能を生かし、攻撃を避ける。
「くああっ!体が動かない!」
ハヤトは戦闘機の運動に体がついていかなかった。
「ハヤト君!ちゃんと操縦桿を握って!」
「ぐああ…」
マックは照準をマタに定めた。
「お尻がガラ空きだぜ!!」
ダダダダ!!
ズドドド!
マックの攻撃がマタに当たった。戦闘機に穴が開いた。
「うあ…しまった…」
「マっ…マタ!大丈夫!?」
マタはダメージを受け、落ちはじめた。
「「うわあああ!」」
「へっ、もう終わりだな!」
ひゅううう!!
ハヤト達は真下を落ちていた
「うわああ!!ハヤト君大丈夫!?」
ハヤトは恐怖で前が見えなかった。
「もうだめだぁ~!!」
ハヤトは諦めかけた。突然…
ズキン!!
「いっ…頭が…」
ハヤトはいきなり頭痛に襲われ、うずくまった。
(ジャマダ、ザコ!!オレトカワレ!!)
(えっ……?)
ハヤトに異変が起きた。
「あっ…ひへっ…これがぁぁ…オレのカラダぁぁ…くっくっく…」

「ハヤト君大丈夫!?返事して!!」
マタはハヤトに問いかけた。
「はっ……あれ…マタ!?」
ハヤトは汗をかいていた。
マタは全くハヤトの異変に気付かなかった。
「勝負はこれからだ!!いくよ、ハヤト君!!」
ハヤトはその言葉に勇気づけられた。
「マタ……うん!いくよ!!」
マタは体勢を整え、通常の飛行に戻った。
しかしまだマックは追いかけてきた。
「さぁ坊やたち、お片付けですよ~~!!」
ハヤト達は前方にあるブリッジ状の橋に突っ込んだ。
マックは上に、ハヤト達は下に潜り込んだ。
「!?」
橋を過ぎるとマックはハヤト達を見失った。どこを見渡してもハヤト達が見当たらない。
「ガキども、どこ行った!?」
ハヤト達はなんと、マックの真下にへばりついていた。マックはハヤト達に気付いた。
「なにぃ!!!!」「ハヤト君!今だ!!」
「うん!!」
ダダダダダダダダ!ハヤト達はすぐさまマックに方へ向き、機関砲の集中砲火を浴びせた。
マックはダメージを受けまくり、ついに墜落し始めた。
「そんなまさか…この俺様……マック様がぁぁぁ!!」

マックは墜落していった。そして
ドワオオオオっ!!
マックは大爆発を起こした。

ハヤト達は爆発した方向を眺めていた。
「やった…マックを倒したよ!」
「はあ…はあ…」
ハヤトは汗だくだった。
「頑張ったねハヤト君!」
すると
パァ…
マックの空間がなくなり、元の施設に戻った。
マタ達は元に戻り、施設の外に出た。もう明け方だった。
「ハヤト君、これは終わりじゃなくて始まりなんだってことを覚えててね」
しかしハヤトは困った顔をした。
「えっ…?ボクもう怖いのやだな~!」
「大丈夫!ボクが必ず助けてあげる!」
ハヤトはマタに甘えたいのかマタに抱きついた。
「けどマタがいれば怖くないもんね…ん…」
ムニュ!
ハヤトは何かマタの胸に違和感を感じた。
「あれ…?」
ハヤトはマタの胸を触ってみた。
プニュ!
マタの胸が妙に柔らかい…ハヤトは何かに気付いたのかマタにきいてみた。
「もしかして…マタって…女の子…?」
マタは顔を赤らめらしていった。
「…うん…ボクは女だよ…」
次の瞬間
「マタが女の子…?ってええええ!!!!?」
「気付かなかったの?ボクが女だって」
「マタが自分のこと「ボク」てゆうからお兄さんかと思った。 お姉さんなんだね」
「うん!男なのに私ってゆう人と同じ事だよ!」
「そっかあ!」
「あっ…もう朝だ…じゃあね!ボクは夜しか君を助けられないから行くけど…
敵も夜しか現れないはずだよ!またね!」
そうゆうと軽快な動きでハヤトから去っていった。
「マタ…………」
ハヤトはマタの方向を見ていた。しかし浮かない顔していた。
(ジャマダ、ザコ!!オレトカワレ!)
(なんだ…あの声…なんか嫌な予感が…)