真!エヴァンゲリオン ~人類補完の日~ 01

Last-modified: 2009-05-30 (土) 00:17:26

真!エヴァンゲリオン ~人類補完の日~

「私はこの地で一度死に・・・・再びこの地へ還る命を得た・・・・・・・・
 そう、人類の補完を見るために・・・・・・!」

「うるさいなぁ。まったく一体なんだってんだろ、このバカ騒ぎは」
「さぁな。ワシみたいなチルドレンの生き残りも駆り出されたんや。ただ事やないのは確かやで」
「何せ3年前もこんな嵐の夜だったな」
「っ!捨ててまえ、そんなもん。ええか、全部忘れぇ。シンジが死んでもうたこともや」

「かつて・・・この雷だけが、愛しい死者に再び命の灯火を与えてくれるものと信じられてきた。
 勿論、物語の中だけの世界・・・・・・そう言ったほうがいいかしら、リツコ?この場合はとくに」
「何を言うの、アスカ。もはや夢と現実を隔てる壁は崩れ落ちたのよ。
 フフフ、私は造り上げた。物語ではなく、本物をね」
「でも・・・アイツは血を流すことができるのかしら。人として」
「さあ・・・・・それこそ神のみぞ知るといったところね。
 所詮私達は罪深き者。せめて、見届けなければと思うけど・・・・・これ以上は耐えられないわ――――――なに!?」

「鈴原君!相田君!何をしているの!早く荷物を護りなさい!」
「ア、アンタは!?」
「後は頼んだわよ!!」

「ケンスケ!ハンドル代われや。バケモノに目にモノみせたる!
 いくでぇ!参号機!!」
「へ!コイツは渡せへんな―――――なっ!?コイツは―――!?」
「なんやコイツは!?ワシの、ワシの知らんエヴァンゲリオンやと!?」

『第3新東京市に敵戦力出現!確認された敵機動兵器は、エヴァンゲリオン初号機!』
「フフフフフ、ハハハハハハ!来るなら来てみなさい!貴方達なんかに指一本触れさせはしないわ!
 この愛しのカヲルにはね」

”非常事態発生!非常事態発生!”
「何事だ。委員会を招集するほどのことかね?―――ッ!?な、なんだ・・・・・何が起こっている?」
『如何です?我がエヴァ軍団の威力は?見れば随分と懐かしい顔ぶれではありませんか。 かつて私と共に死海文書に取り組んだ方々が今ではゼーレの幹部とは――――』
「そ、その声はまさか――!?」
『フフフ、怯えることはないでしょう。ま、貴方がたの出世は私がいなくなってこそのもの』
「やはり―――」「その声、その姿―――」
『その通り、我が名は碇ユイ。初号機の中からサルベージした女ですわ。
 そう、真の人類補完計画の夜明けを見るために』
「ば、馬鹿な・・・・・それが完成するとは・・・・・」
『何をいまさら・・・・・さあ、研究は発表されなければ価値はありません。
 そうでなければ浮かばれない・・・・・・不幸が許してはくれませんわ』

「犯してしまった過ちは余りにも大きすぎた・・・・・せめて私がエヴァの開発に手を染めなければ・・・・
 許して・・・・許してね・・・・カヲル」
”エネルギー反応の増大を確認”
「ええい、碇ユイめ!いよいよ始めるのか!」
「だが、報いは受けなければならない。その本質が何であるか知ろうともせず、人類の補完をと計画を弄んだ愚か者たち。
 さあ!人類最後の夜明けに懺悔せよ! ハハハハハハハハッ!」
「うるさい!!それは貴女のやることよ!!」
「っ!!レイ!!」
「久しぶりねバーさん!どうやって生き返ったかは知らないけど、今度こそ引導を渡してあげるわ!!  ウワァァァァァァァァァッッッッ!!!(パレットライフル連射)」
「やめなさい!それ以上は貴女のためにならないわ!
 でもね、ここはよく来たと褒めておきましょうか。この裏切り者が!!」
「黙れ!貴女がエヴァを利用して何を企んでたか、私は忘れてないわ。
 それにどのみち貴女は死ななきゃならないの。だったら今度こそこの私の手で!」
「・・・・・・・・シンジのときにもそう言ったの?」
「だ、黙れぇぇぇぇぇ!!」

「さすがファーストチルドレン・・・・・伊達じゃない」

「ウアァァァァッッ!」
「ッ!何もわからないおバカさんが!いい、よく聞きなさい。
これこそ私達補完計画にかかわった者、全員が夢にまで見たもの、背負わねばならない宿命そのもの!
 そしてもし、もし私がここをどいてみなさい!そのとき世界はサードインパクトを迎えるのよ!」
「うるさい!いい、私は世界やそのカプセルがどうなろうが知ったことじゃないの!
 ただ、自分の勝手で私たちチルドレンをバラバラにした貴女と、あと一人アスカを殺せれば――――」
『いけない―――』
「ッ!?」
『それはいけない・・・・・・なぜなら――――』
 
「しょ、初号機が!?」

「な、なに!?何が起こっているの!?」

”エネルギー反応の増大を確認”
「ええい、碇ユイめ!いよいよ始めるのか!」

『その通り』『ですが―――』

「ユイさんはエヴァの実用化においては我々の一歩も二歩も先を行く者。おそらくは―――」
「おお、来てくれたのかね。二人とも」
「勿論ですとも、なにせ皆さんと一緒にこれから起こる全ての証人となれるのですからね。
 そうでしょ?ナオコさぁん?」
「え、ええ。そうですわね、キョウコさん」
「これから人類が迎えるものこそ、明日という名の希望なのか――――」
「はたまた破壊という名の絶望なのか――――」
「「それは神のみぞ知る!!」」