633 :第11話/蘇る生命、そして:2008/11/02(日) 20:12:57 ID:???
色々あったが使徒殲滅には成功した。というか実質MAGIが取り込んでしまったようなモノだが大丈夫なのだろうか?
赤木君に聞くと「問題ありません」と碇ばりの対応をされてしまった。
見た目には以前のMAGIと変わらんようだが…。
「しかしMAGIにこんな機能があったとはな」
「3つの心をひとつにし、同時にひとつの事に当たる。多数決で合議を行うMAGIシステムを有る意味で根本から否定するシステムです。
仕様書から見てMAGIコピーには含まれておりません……いわばオリジナルMAGI専用の裏コードのようなモノのようです」
ふむ。まあゼーレに報告する義務は無いのだし放って置いても構わんか。
こういう時には独立のメリットを強く感じるな。というか今回の件を、もしゼーレに説明する破目になっていたらと思うと脂汗が出る。
おそらくキール議長の粘着質な追求と碇の得意の陰謀術数の板ばさみだったに違いない。
やはりサンドイッチが一番怖いな。
と思ったらまたシナリオに無い事態が発生した。
ネルフ北米第二支部が、S2機関修復及びエヴァ4号機への搭載実験中に「消滅」したのだ。
ちなみにS2機関とは正式名称をスーパー・ソレノイド機関といい、あの使徒の動力源と思われている謎の物体である。
以前碇の息子(と同乗したセカンドチルドレン)が洋上にて撃破した使徒から回収し、比較的予算に余裕がある
ネルフ北米、その第2支部にて修復実験を行っていた。
が。これで、終わりか。
せっかくネルフ本部の発電機関として期待しておったというのに……第二東京電力に菓子折りでも包んでおくかね
なに? 水道代と電話代だと? そこはろ過装置と狼煙と糸電話でなんとかしておるよ。
これでも年の割には頑丈なのでね。
634 :訂正;第12話2:2008/11/02(日) 20:14:06 ID:???
さて一応データは北米第一支部に残っているそうだが、正直、敬遠させてもらいたいとしか言いようが無い。
やんわりと断ったが、今度は第一支部で建造中のエヴァ3号機をこちらに回すと言ってきた。
4機目のエヴァだと? 正直、3機あれば戦力は足りるし導入時の重量税や運用時の維持費用も馬鹿にならん。
丁重に『おことわりします』と返信しようとしたが、米国支部長がお中元をセットで付けると言ってきたので碇が受け入れを決めてしまった。
支部長はなかなか日本文化に堪能なようだな。要チェックしておこう。
それと碇。お前の今日の昼食はカキフライ抜きだ…さて。
『司令、ご執務中申し訳ありませんが』
碇へ緊急通信が入った。うむ。まあいつものパターンだな。
だが今にして思えば、これがトドメのシナリオクラッシャーとなった。
「パターン・オレンジ。ATフィールド反応無し」
「観測所は探知できず。直上にいきなり現れました」
「新種の使徒かね?」
発令区に移動すると青葉君から「おはようございました」と挨拶が来た。
「碇」
「ああ……問題ない。減給だ」
硬直した青葉君を放置し状況を確認する。ATフィールド反応が無いだと? だがあの外見は…
635 :訂正;第12話3:2008/11/02(日) 20:14:39 ID:???
「どう見ても使徒……ですよね」
マヤ君。私もまったく同意見だよ。
その外観は「浮遊する黒い球体」である。また全体に白いラインが縦横に入っている。
まあそれだけならマーブルチョコのようなモノなのだが、サイズは明らかにそこらのビルより巨大だ。
オマケにふわふわと落ち着き無く浮遊している。明らかにどこからどう見ても確定的に使徒としか言いようが無い。
『みんな聞こえる? 目標のデータは送った通り。今はそれだけしか分からないわ。
慎重に接近して反応をうかがい可能であれば市街地上空外への誘導も行う。先行する一機を残りが援護。よろしい?』
作戦は以上。
『戦いは男の仕事ッ!』
『…まて! シンジ、そいつに不用意に攻』
珍しく血気にはやる碇の息子、そしてこれまた珍しい焦った声の神君……やがて悲劇が起こった。
碇の息子が駆る初号機が、使徒の黒い影、いや「黒い海」に飲み込まれたのだ。
それからが大変だった。
ここまで使徒殲滅作戦の主力であった初号機とそのチルドレンの消失である。
まず葛城君が口から盛大にビールを吹き、それを吹きかけられた伊吹君が昏倒。加持君は操作盤にポテトチップをこぼし
青葉君がここぞとエアギターを奏で日向君はパターン青を連呼。赤木君はMAGIに向かってゲッターロボのテーマを熱唱開始である。
レイの零号機はN2爆雷をそっと取り出し、アスカ君の弐号機はぼろぼろの野戦コートに目一杯武装を詰め込み
碇の貧乏ゆすりで発令区に地震が起きるわ始末であった。
636 :訂正;第12話4(終):2008/11/02(日) 20:16:39 ID:???
どうやらあの使徒の球体部分は「影」に過ぎず、
影に見えた地上の黒い平面こそが「本体」だったらしい。
直径680メートル、厚さ約3ナノメートル。その極薄の「本体」を、内向きのA.T.フィールドで支えている。
…と赤木君が説明を始めると同時に亀裂が走る。
「初号機の、暴走か…?」
「ああ。勝ったな」
解ったから碇。貧乏ゆすりを止めろ。
それとお前が心配していたのは初号機か、それとも…
「いや…待て冬月」
地上に降り立ったのは使徒の体液に塗れた初号機。
そして見知らぬ、しかし強力そうな、凶悪そうな、力に満ち溢れるような……悪魔の翼を持つ、赤い、巨人。
今度は赤木君が口から派手にコーヒーを吹き、吹きかけられた伊吹君は何やら満たされた表情。
葛城君はここぞとビールの一気飲みを始め加持君はスイカを切り分けて振舞いだし、日向君と青葉君はコントを始める
レイとアスカ君は川辺に移動して殴り合い、いよいよ碇の貧乏ゆすりで発令区に亀裂が入り始める。
何だ、いや見覚えがある。
神君が、叫ぶ。
「ゲッター…まさか真・ゲッターだと!?」
スクリーンが切り替わり、獣のような叫びが轟く。
『どうなっていやがる! おい! ここは日本か!?』
叫んでいるのは明らかに日本人の容貌である。見覚えのある顔だ。確か十三年前に見た顔だ…
『お、落ち着いてください…えーとえーと』
『お、落ち着いてください先輩!』
『黙れ! 誰か俺に解るように説明しろォーーーーーーーーーッ!!!!!』
ネルフ発令区を震撼させるその声は、まさしく元ゲッターチーム・リーダーの流 竜馬の声<ボイス>であった。
ようやく出せました…本日これまでで。皆様のご支援がエネルギーです。はい。