第5話「ソリッドステート・スカウター」

Last-modified: 2009-03-08 (日) 20:36:15

第5話「ソリッドステート・スカウター」

「だあありゃああ!!」
「うおりゃああ!!」
バーダックとブラックゲッターはそれぞれ左右に展開した。

バキィ!!
バーダックは周囲のフリーザ兵達を薙ぎ倒していく。
「うわぁぁぁ!!こ…こいつは…最下級戦士のはずでは……」
フリーザ兵達はもうバーダックの強さに怯えはじめていた。
「はあああ!!」
バシュゥゥゥ!!!
「ギャアアアア!!」
バーダックが放ったエネルギー波が直線上のフリーザ兵達を消滅させる。
「く……たかがサイヤ人ごときに……よかろう!私が相手だ!」
フリーザの側近、ザーボンがバーダックの前に立ち塞がる。
「ほう…これはこれはオカマ野郎のザーボンさんよ…」
「ふん、最下級戦士のお前が私を倒せるかな?」
「それは…やってみなきゃわかんねぇよ!!」
バーダックはザーボンに突撃した

「うらあああ!!」
ズワオオオ!!!!
「グハアアア!!!」
ブラックゲッターはフリーザ兵達を拳一撃で薙ぎ倒していく。
大体、ブラックゲッターと兵士のサイズはもう象と蟻の世界だ。
「こんなのに勝てるわけな……」
「ゲッタァァァビィィム!!」
ドギャアアアオ!!
「ギャアア!!」
ブラックゲッターのビームは広範囲のフリーザ兵達を殲滅していった。
「この野郎……ふざけやがって!!」
ドドリアがブラックゲッターに立ち塞がる。
「オレがロボットなんぞに負けるかぁぁぁ!!」
「なめるなぁぁぁぁ!!」

フリーザは宇宙船の中で戦闘を眺めていた。
「どうやら私自らが制裁を与えないといけないですね……」

戦闘は激しく、周囲の島はどんどん破壊されていく。もはや戦闘区域は地獄絵図だった。

「くたばれぇぇ!!」
「その程度じゃフリーザ様を倒せんぞ!!」
ものすごい乱打戦の応酬だ。
「これで終わりだ!!」
ザーボンは右手を前に出し、左手で右手を固定した。右の掌はバーダックの方に向いている。
ズギャアアア!!
ザーボンの右手から極太のエネルギー波が発射された。
「当たるかぁぁぁ!!」
バーダックは難無く避けたが
ドワ!!!!!
エネルギー波の軌道上にあった島が直撃をくらい、消し飛んでしまった。

ブラックゲッターは漆黒のマントで包んだ。
「ゲッタァァァビィィィィム!!」
マントからゲッタービームを拡散した。ビームはドドリアに向かう。
「こんなものぉ!!ぶっ飛ばしてやる!!」
ドドリアは両手を前に出した。
「くらえぇぇ!!」
ドギャアアアア!!
両手から巨大なエネルギー波を放出した。
「なめんじゃねえぇ!!」
ブラックゲッターはマントで包んだまま、エネルギー波に突っ込んだ。
カッ!!!!
ブラックゲッターに直撃し、大爆発が起こる。
「へっ!!オレ様を甘くみやが…ん!?」
爆炎の中から巨大な黒い物体が飛び出してきた。ブラックゲッターだった
「ワリぃな!!ゲッターは簡単に破壊できねえんだよ!!」
「なっ!!」
ブラックゲッターは拳の鋲をトゲに変化させた。
「うら!オラ!」
ドドリアにパンチを繰り出す。
「くっ……」
ドドリアは上空に退避した。
「逃がすかぁ!!」

「ドドリアさん!ザーボンさん!もうやめなさい!!」
突然フリーザの声がしたと思うと、宇宙船の上部ハッチが開いた。
「まさか……」
「フリーザ様!!」
すると小型の専用マシンに乗ったフリーザがバーダック達の前に姿を表した。
「やっと目玉のお出ましか…なあバーダック…んっ…」
バーダックは深刻そうな顔をしていた。
「バーダック、どうした!?」
「…………」
バーダックは焦っていた。今の状況はあの惑星ベジータを滅ぼした状況と酷似していた。そう…バーダックはフラッシュバックに襲われていた。
「バーダック…」

「竜馬さん、貴方と一緒にいるサイヤ人を渡してもらいませんか?」
「なっ…なんだと…」
フリーザの突然の要求に竜馬は驚く。
「このサイヤ人を渡してくれたなら私達はもう戦闘を止めて、ここから去ります。
しかし、嫌だと言うのなら私は貴方達もろとも、この星を消し去ります」
「何ぃ!!!」
それはかなり酷い要求だった。
バーダックを渡せば、確実にバーダックは殺されてしまう…逆に拒否すれば地球は終わりだ……。

竜馬はバーダックを見た。
「バーダック……」
すると
「竜馬……奴の要求を飲むんじゃねぇ…奴は約束を守るような奴じゃない…そうやって奴の手にかかった星は数え切れねぇ…」
「……………」
竜馬は汗を流した。

「さあどちらにしますか!?私にとってはどちらもいいですけど、私は素直な方がいいですね…くっくっく…」

刻々と時間が流れ、辺りは静寂な空気が包み込む。

「さあどちらにするんですか!?答えを言ってもらいましょう!」
竜馬は口を開く
「分かった…要求に従う……」
そうゆうとブラックゲッターはバーダックを潰れない程度で握る。
「竜馬……」
バーダックは竜馬を見つめる。
「バーダック…すまねぇ…」
「……」
竜馬はバーダックをフリーザの手前まで連れていった。
フリーザはニコッと笑う。
「そうそう、それでいいのです。貴方は賢いですね」
竜馬はバーダックを差し出した。
「フリーザ……」
バーダックはフリーザを睨み付けている
「よく生きていましたね…あの時は確実に死んだと思っていたのに…」
フリーザは笑っていた。

しかし突然
「バーダック!!宇宙船の後部に回り込め!!」
竜馬は叫んだ!
「なっ!!!」
バーダックは直ぐさまフリーザの宇宙船の後部に移動した。
「ふん、フリーザ!オレ達がそんな要求に乗ると思ったか!!」
「さっきまでの時間はずっと作戦を考えてたんだよ!!」
バーダックと竜馬は攻撃態勢に入った。

「くっ……おのれぇ………この私…オレ様をコケにしやがって…」
フリーザの怒りは爆発した。
「一匹たりとも残さんぞ!じわじわとなぶり殺しにしてくれる!!」
フリーザはついに本性を顕した。それは今までの冷静さを忘れたような恐ろしい顔だった。
「ふん!この俺が殺されるかよ!」
「今のオレ達は無敵だ!」
「貴様ら……どうやら私の強さを知らないようだな…!見せてやるぞ!!」
フリーザは自身のパワーを出した。
ゴゴゴゴ!!
パワーが溢れると同時に地球全体がパワーに反応して揺れ始めた。
「なっ…何だ!?地球が…揺れてる…?」
「これがフリーザの…最大パワー……」

「ふん、アリが象を倒せるとでも思ったか!?」

「くっ……!」
「どうする竜馬?これじゃあ……」

「ハハハ!!私に逆らった事を後悔するがいい!!」
フリーザは信じられない程のスピードでブラックゲッターに突っ込んだ。
「うっ…………」
「竜馬ぁぁぁぁぁぁ!!」
竜馬は覚悟を決めた。

突然
「フッ……フリー…ザ様…」
「ん!?」
フリーザは動きを止めた。見るとザーボンの様子がおかしい。
「ザ…ザーボンさん…?」
「たっ……たすけ……つえ…えがああああ!!!」
ブシャアアア!!!
なんとザーボンから異形の化け物が突き出てきた。インベーダーであった。
「キシャアアアアア!!」
「ザーボンさん!!!!これは一体!!?」
「ザーボン!どうした!!」
フリーザ軍は大混乱に陥った。なんとザーボンはインベーダーに寄生されていたのだった。

「何ぃ!!インベーダーだとぉ!!!?」
「あっ…あれがインベーダー……」
竜馬達も驚いた。バーダックは見たことのない化け物に畏怖していた。

「キシャアアアアア!!」
インベーダーは分裂し、フリーザ兵達に襲い掛かる!!
「ギャアア!!」
「ぐわあ!!」

「クソぉ!!怪物め!!オレがぶっ殺してやる!!」
ズギャアアア!!
ドドリアはエネルギー波を放ち、インベーダーに直撃した。
「へっ!!オレ様に勝とうなんざ…ん?」
「ガアアアアアア!!」
インベーダーはエネルギー波により体は崩れたが、また自己再生した。
「な…なんだと……?」

フリーザは突然の出来事に茫然だった。謎のインベーダーに驚愕していた。
「竜馬さん!!あの化け物は一体!?」
竜馬は焦っていた。
「あれはインベーダーだ!!こいつらは生物はおろか、機械にまで寄生して成長する化け物だ!!」
「インベーダーだと……?」
「奴らは物理攻撃じゃあきかねえ!!生半可な攻撃では自己再生しちまう!!」
「な…なんだと!?」

「あがああ!!」
「ぐぎゃあああ!!」
インベーダーに襲われたフリーザ兵の様子がおかしくなる。
バシャアア!!
フリーザ兵達の体からインベーダーが飛び出す。

「私……の部下達……が……」

バーダックは叫んだ
「竜馬!!!オレ達もあぶねえ!!一旦退くぞ!!」
竜馬もうなづく。竜馬はフリーザに話しかけた
「フリーザ!!一旦休戦だ!!このままじゃラチがあかねえ!!」
しかし
「んん………ふざけるな!!誰に向かって命令している。私は…宇宙一の帝王フリーザだぞ!!」
「そんなこと言ってる場合か!!しまいにはお前まで寄生されかねんぞ!!」
「うるさい!!こんな奴らまとめて星ごと消してやる!!」
フリーザは人差し指を上空に向けた。
バシュン!!
人差し指の上に巨大なエネルギー球が発生した。そう…惑星ベジータを葬った時のエネルギー球だった。
竜馬は焦った。
「フリーザ!!やめろぉ!!!」
「フリーザ様!!おやめ下さい!!」
ドドリアも必死に訴える。
しかし
「あっ…宇宙船が!!!」
なんとフリーザの宇宙船がインベーダーに乗っ取られ、変化を始めた。
形がだんだん異質になっていく。
フリーザはそれを見た途端、エネルギー球は消えた。
「私の…宇宙船が……うわあああ!!」
フリーザは汗だくで青ざめた顔をしていた。

「フリーザ!!もう戦闘は無理だ!一旦退け!!」
竜馬は叫んだ。
「フリーザ!!貴様まで寄生されたくないだろ!!こんな化け物に!」
「フリーザ様!!退きましょう!!」
バーダックやドドリアも訴える。

「くっ……………分かった…しかしな!いつかは貴様らごと星を消してやるからな!覚悟しておけ!!」
そうゆうとフリーザとドドリア、そして残ったフリーザ兵は去っていった。
「くっ……こんなことになるなんてな……」
「竜馬!退くぞ!今度はオレ達まで…」
竜馬達は超スピードでその場から退避した。

無数のインベーダーがハワイ沖上空にうごめいていた。

第5話 完