進化(チェンジ!)ポケットモンスター 第四話

Last-modified: 2009-02-01 (日) 18:18:38

進化(チェンジ!) ポケットモンスター第四話

クチバシティ。
海の向こうの国々との貿易で栄える町だ。
開国以来この町には米軍がしばしば寄港し、その縁もあってかジムリーダーは代々米国人が勤めていた。
クチバジムの二階、テラスには二人の人影がある。
軍服をまとった二人組だ。
その下、テラスを見上げる位置に、一人の男が立っていた。
狂気をはらんだ目をした、痩身の切れ者そうな男だ、
二人の米国人のうち一人が、彼を指差し、
「おい、見ろよ。ジャップだ」
「ヘイ、ジャップ! すくすくこやしやるからここまで上ってこいよ」
対する青年は無言。

「ふん。ジャップは一人では何もできねえ臆病者よ」
「…マチス、お前の日本人嫌いは筋金入りだな」
「ムシズが走るぜ。ジャップが一番嫌いで、次が黒人、その次がプエルトリコメキシカンだ!俺はやつらに触られようものならその手を切り落とすね」
階下の日本人はそれを聞いてにやりと笑った。
血に飢えたという形容がふさわしい、凄惨な笑みだ。
「ひひっ!」
日本人はテラスに飛び乗ると、マチスに向かって告げる。
「さあ、ポケモンしょうぶだ!」
シゲルの いかくで マチスの こうげきが さがった!
マチスは ひるんだ!
動けないマチスを見て、男、シゲルはその笑みをさらに深くする。
「ひっ!」
叫びながら、マチスに詰め寄る。
シゲルの にらみつける こうげき!
マチスの ぼうぎょりょくが さがった!
マチスは ひるんだ!

「ゆ、ゆるしてくれ…ちょっとふざけただけなんだ…」
「お前、あそびでポケモンしょうぶしてたのか?ポフィンをママの手料理だとでも思ってたのか?」
マチスは ひるんだ!
「あ…許してくださ…」
「許せると思うか! やぁっ!!」
叫ぶと、シゲルは両手を大きく上げた。
マチスは ひるんだ!
「目だ!」
シゲルの ひっかく こうげき!
きゅうしょに あたった!
マチスは めのまえが まっくらに なった!
ちしぶきが あたりに とびちった!
「耳だ!」
シゲルの ひっかく こうげき!
みみが あたりに とびちった!
「鼻!」
シゲルの ひっかく こうげき!
「ひひっ!ひひひひっ!ひっ!」
てきの マチスは たおれた!
「いいかっ!これからは弱いポケモントレーナーは生きていく資格はねえんだ!その弱い部分を見つけて、なんだかきれそうだったら いあいぎりで刈り取るんだ!」