Getter ALTERNATIVE 05

Last-modified: 2009-05-17 (日) 02:19:09

ゲッターが回収されてすぐ、A-01部隊全員で無事だったことを喜びあい、お互いを讃えあった。
どうやら作戦は無事に成功したらしく(といっても爆発により佐渡島も消滅してしまったが)、
この作戦に参加し、生き延びた全ての将兵は勝利に沸き立った。
もちろんインベーダーとの初の本格的な戦闘など、これから対策を立てねばならぬ事態も発生したことは無視できない。
だが、この瞬間だけは勝利に酔っていたい――そう考える者が多かったのだ。
この戦闘により被害は当初の計算ではゲッター線関連技術を用いた強化型戦術機により被害は軽くなると思われていた。
が、インベーダーの大量出現によりその計算は打ち崩され多数の被害が報告された。
だが、もし戦術機が強化されていなければ被害はさらに酷くなっていたはずであった。
A-01部隊も部隊員全員が生還したが伊隅と柏木は命に別条はないもののしばらく安静にせねばならぬ負傷を負った。
治療室へ運ばれる寸前、伊隅は新たにA-01の隊長に速瀬を指名し、しばらく戦線離脱せねばならない事を詫びた。
「それじゃあ速瀬、私がいない間部隊を頼む」
「はい! おまかせください!」
速瀬がビシッと敬礼しつつ返事をする。
「頼んだぞ。……だが同乗していた貴様らはまるでピンピンしてるとはな。はあ」
そして負傷した自分たちと違い、軽傷で済んでいたゲッターチームを見て、伊隅は思わず嘆息した。
「そこらの兵より頑丈なはずだと自負していたが、お前たちの化け物じみた頑丈さをまのあたりにすると
一体どうすればそんな身体になるのか考えるだけで頭が痛くなるよ」
言葉の内容のわりには笑顔をうかべつつゲッターチームの頑丈さを皮肉る。
「へへ。隊長もまだまだ鍛え方が足りねーのさ」
「まったく……。お前たちのような怪物にはかなわないよ。
これでも私はか弱い女なんだからな」
伊隅の言葉に全員が笑みを浮かべる。
「伊隅隊長、隊長の留守中は任せて下さい。BETAたちになんて負けませんから!」
「お、言うねえ白銀ぇ~。じゃあそんな元気そうなあんたは直々に私がしごいてあげるわ」
「え、ちょ、速瀬中尉! そりゃないですよ~」
「ははは。じゃあ代わりに流たちに鍛えてもらうのはどうかしら?
隊長ですら鍛え方が足りないそうだからそれはスパルタンでしょうけど」
「うむ。榊の提案もいいかもしれんな。どうするタケル?」
「委員長も冥夜も勘弁してくれよ~。オレだけ不公平じゃないか!」
伊隅に心配かけまいと言ったつもりがおもわぬ所からの奇襲で武は慌てふためいている。
「し・か・た・ね・え・な・あ・~。じゃあオレらが全員を一から鍛えなおしてやろうかぁ~?」
その冗談に竜馬が便乗し始めた。
「え~そんなの断固お断りだよぉ。リョウマたちに合わせたらボクたちとてもじゃないけどもたないよ。あ、タケルは別ね」
「そうですよ。竜馬さんたちには流石に追いつきませんよぉ」
「……ムリ」
「てめえらまでオレらをバケモン扱いかあ? 流石に凹むぞ?」
美琴、壬姫、慧からの反対にあい、竜馬がオーバーに大きく肩をすくめる。
それを見て武たちは笑い合っていた。
「ふふ、まさかここまでとは思わなかったよ。それに伊隅大尉に鍛え方がたりないって言い放つなんてね」
「ふ、竜馬はそういう奴なんですよ。宗像中尉。これからはもっと大変になるんだ。
今この間くらいは奴も軽口を叩きたいんでしょうね」
「そういう神は冷静じゃないか。白銀とはちがってからかいがいのないやつだ」
「残念でしたね。すくなくともオレはあんたにだけは付け入る隙を与えないよう心掛けるよ」
「なかなか言うじゃないか、神」
「ふふ、美冴さんも一本取られたわね」
竜馬たちの様子を少し離れてみつつ、隼人、宗像、風間も談笑していた。
「それじゃあみんな、悪いけどあとは任せたね。白銀クンもさっき言ったこと実行しといてよね?」
「ん、ああ。任せとけ柏木」
「そうだぜ。白銀が情けねえこと言わねえようきっちりと見張っててやるから安心して休んでろ」
「うん。ありがとう武蔵坊クン。じゃ、もう行くみたいだから、じゃね」
こうして2人が治療室へ運ばれたあと、新たな隊編成は追って伝えるという速瀬の連絡のあと、各自解散となった。
表面上は元気そうに装っていても、全員(一部除く)今回の戦闘で疲れきっており、基地までの短い間だが、自室で休憩を欲していた。
解散の合図のあと各々が部屋へ戻ろうとすると、竜馬たちは武を呼び止めた。
「武。ちょっと悪いが少しばかり付き合ってくれねえか?」
「? いいですけど? どこに行くんです?」
「ま、ついてくりゃ分かるって」
そのまま武を加え4人はゲッターが収容されている格納庫へと向かう。

格納庫。
そこには夕呼がすでにいた。
「先……生?」
「あら? 白銀もついてきたの? ま、別にイイケド。それにしても―――。
ずいぶん派手にヤラれてきたものねぇ。ま、あの爆発から生き延びたこと自体奇跡だからマシだと言えるケド」
その視線の先にはボロボロになったゲッターがあった。
両手両足を失い、達磨、という状態だ。右側のツノも根本から消失している。
体中の様々なところからオイルが漏れだしており、あたかも出血しているかのようだ。
損傷がかなりのレベルであることは一目瞭然である。
「この修理にどれだけの時間がいるのかしらねえ?」
ゲッターを眺め他まま4人に背を向けながら夕呼が言い放つ。
ゲッターは貴重な戦力だ。しかも現状では凄乃皇に次ぐ強力な。
それが今回の一件でしばらく使用不能になるのは自分にとっても不都合だ。
武はボロボロのゲッターを見つめ、これからのことを考えると非常に困ったことになったな、と思っていた。
「あい変わらず意地が悪いなアンタも。予備のパーツをいくらか用意させておいたつもりだがな?」
そんな夕呼に隼人が問いかける。そうすると夕呼は、お見通しってわけ、とでも言いたそうな笑顔でふりむく。
「そう。ここまでボロボロだけど横浜基地に戻ればすこ~し時間はかかるけど元通りよ。
それよりも先刻の爆発の中での記録を見せてもらったんだけど――」
夕呼の言葉に武以外の3人の表情が一瞬にして曇る。
一体何を言ってるんだ?と武は少々困惑する。
「どうやらその様子だと、ただ爆発の影響で錯乱して幻覚を見たってワケじゃなさそうね。
詳しく聞かせてもらいましょうか? ここなら私以外に話を聞いてる人間はいないわ。
白銀を連れてきたのもその話を聞かせるためでしょう?」
見れば整備兵もゲッターに関してはここで出来ることはないと判断し、他の機体の整備に手いっぱいのようだ。
「そうだな。あんたや武に言えば少しはすっきりするかもしれねえからな」
そして3人は語りはじめた。あの閃光の中で出会った謎のゲッターのことを。

「なるほどね。そのゲッターらしきモノにあなた達は救われた、と」
「やすやすと信じられませんけど、たしかにレーダーでの反応の理屈は通る」
「そうね。あたしも、にわかには信じられないけど。
でもゲッター側の戦闘記録でもソレが観測されているから信じるしかないわね。」
ここで夕呼は一拍おき3人に尋ねる。
「で、あんたたちはアレは何だと考えてんの?まずはあんたたちの考えを聞かせてほしいんだけど」
「仮説だが、あれはオレたちに引き寄せられて現れたものじゃないかと考えている。
そう、武が因果導体として並行世界に影響を及ぼしたように、
オレたちも何らかの形でこの世界に影響を与えているのやもしれん。
だが、俺達の場合はあれに見覚えはあるが見たことがあるはずがないということだ。
これが一応のオレの考えだが……。竜馬たちはどうだ?」
隼人が最初に答え、竜馬たちも考えを述べることを促す。
「悔しいが、ワケわかんねえってトコだな。
あんなバケモン見たことなんざ一度もねえ。だが見覚えはある。これが引っ掛かるんだ」
「オレの場合はああいう風にしてお前たちを助けたような気がするんだが、そんなハズねえよな?」
竜馬と弁慶が自分たちの考えを述べるが、隼人ほど具体的なものではなかった。
「先生、一体これはどういうことなんですか?まさか竜馬さんたちも因果導体なんて……」
因果導体――並行世界の因果を他の世界に持ち込み、世界を崩壊させるかもしれない存在――が自分だけでなく、
まさか竜馬たちまでもそうだとしたら、この世界も下手をすると危険であることは明白だ。
それだけは真実であってほしくない、この考えを否定する考えを武は夕呼に欲した。
「そうね、さっきの話を聞く限り、流たちが白銀と全く同じ因果導体ではなさそうね。
むしろ、似て非なるものよ」
「それはどういうことだ?」
「いい? 白銀とあんたたちは他の世界の因果を持ち込む存在ということで似ているわ。
でもその因果の流れ込む方向と、流れ込む因果の世界の種類が違うの。
まず、白銀の場合。白銀はこの世界の因果を干渉した並列世界へと流し込んだ。
このときの方向は一方通行で、今この白銀がループしたっていう世界から白銀の元の世界へってこと。
でもあんたたちは少し違うわ。あんたたちは白銀とは違って、この世界に因果を流し込んでる。
それもおそらくは複数の別の世界から。共通点としてはゲッターがからんでると見ていいわね。
まあそれがどこまでのものか今は分からないわ。すくなくとも、白銀のように似た世界同士じゃないってこと。
それが似て非なる理由かしらね?」
「それがアンタの考えか……。なるほど。何にせよオレたちはこの世界では厄介者のようだな」
隼人が夕呼の話から一応の結論を出す。
「ええ。でも悪いことばかりでもないわ。たとえばゲッター線関連技術はあなたたちがこなければ発展してなかったでしょうね。
ゲッター炉がなければ凄乃皇の自爆も伊隅が必ず犠牲になってたでしょうし。
全てがすべて悪い方向へ流れてはいないわ。むしろいい方向に導かれてるとも言える。
もしかしたらあんたたちはこの世界のゲッター線によって呼ばれた導き手なのかもね……」
「それは大胆な仮説だな。だが、これでオレたちも武と同様になぜ自分たとがこの世界に来たのか、
その理由を見つけねばならんようだ」
「じゃあオレと竜馬さんたちも同じ……になるんですね」
武は少々不安げな態度を示す。自分が因果導体故に元の世界をめちゃくちゃにしたという体験が、不安を感じさせたのだ。
するとそんな背中を竜馬が思いっきり叩き、肩を組み語りかける。
「けっ! シケた面すんなよ武。わけのわからねえ因果なんざ、お前の分もまとめてぶっとばしてやんぜ!
だからてめえはオレらを信じろ! 今までもそうだったろうが?」
理屈としては無茶苦茶だが、竜馬の言葉を聞き安堵感を覚えた。
何故かは分からない。だが彼らならやってくれそうな、そんな気がしたのだ。
「わかりましたよ竜馬さん。でも竜馬さんもオレのこと信じてくださいよ?
逆にオレが竜馬さんたちの助けになってやりますよ!」
「白銀もいうじゃねえか! 竜馬、お前よか白銀のが頼りになりそうだ!」
「んだとクソ坊主! やんのか?」
「おうやったろうじゃねえか」
「はいはい、喧嘩はよそでやってよね。ま、話はここまでよ。あとは基地に帰ってからゆっくりやって頂戴。
それじゃ私は艦長と話があるから失礼するわ。じゃあね~」
夕呼が立ち去った後、竜馬たちも自室へ戻り休憩するため、格納庫を去ることとした。
立ち去る時、ゲッターがこちらを見ているような気がした武だったが、すぐに気のせいだと思い、部屋へと急いだ。
ゲッターにより世界が導かれつつあるという話を聞いたあとだからそう感じたのだ。
そう、ただの気のせいだ。
そのわりにはやたらと気にかけてるな、と武は自分を笑った。

横浜基地格納庫――。
ゲッターチームの3人は手すりにもたれながら、自分たちの操る機体を眺めていた。
「で、白銀のやつは?」
「知らねーよ。ま、あの様子なら大丈夫だろ」
弁慶が武の様子を聞いてきたが、竜馬はなんの心配もしていないといった様子だ。
佐渡島ハイヴ攻略作戦、甲21作戦から4日という時間が過ぎていた。
その間に武が小隊長に昇進し、部隊に00ユニット―鑑純夏―が新たに配属された。
もちろん部隊員のほとんどが純夏が00ユニットであることは知らない。
表向きは凄乃皇に代わる新兵器の制御に必要な人員であると説明されていた。
竜馬たちは彼女が00ユニットであることを知ってはいたが、彼らはそんなことで態度を変えるような人物ではない。
面識があるのもゲッターなどの新型兵器の開発で接触したことがあるという言い訳をしておいた。
他の者も様々な事情があろうが、そんなこと関係ないと、純夏を温かく受け入れた。
だが、なぜか純夏は、彼女は武に対してよそよそしい、と言える態度を取り始めていた、

竜馬はここ数日の出来事を思い出していたが、やはりあの時から純夏は武のことが心配でたまらなかったのだと思った。
「なのに、アイツはそれをぜぇんぜん見当違いしてやがんだもんなあ」
純夏の態度に戸惑っていた武の姿を思い出し、つぶやく。
「フ、女に疎そうな竜馬でさえ気づくのに、それに気づかんとはな。まったく武の奴は……」
竜馬のつぶやきに全くもって同感だという表情を見せつつ、すこし楽しそうな顔をする隼人。
「鈍感、だな!」
「「まったくだ」」
弁慶のことばに強く同意し、3人は笑いだす。
だが、その笑いの中に武を馬鹿にしたような気持ちは感じられない。
むしろ彼のことを祝福しているかのようである。
というのも先ほど、グラウンドで意気消沈しきった武を見つけたときのことである。
話を聞けば、純夏から「タケルちゃん邪魔なんだよ!」と言われたそうだ。
その時、少し前にプレゼントした木彫りのウサギのサンタも突き返されたらしい。
「オレ……邪魔だそうです。今のアイツには邪魔以外のなにものでもないって……」
完全に純夏から拒絶されたと思いこみ、竜馬たちに弱音、いや愚痴る。
「たしかにもうあれだけ人格を回復したら俺なんていらないすよね……ねえ、竜馬さ――ガフッ!」

だが愚痴を続ける武に対し、竜馬が拳を振るう。
「な、いきなりなにするんですか! 一体何なんです!!?」
突然の出来事に武は怒りを隠せない。先ほど心底悲しいことがあったのに、今度は理不尽な暴力。
怒るなという方が無理かもしれない。
だがそんな武に竜馬は怒声を浴びせる。
「なにするだあ!? 何すっトボケたことぬかしてやがる! ボケた奴をぶん殴って何が悪いんだ! ええ!?」
全くもって理解のできない竜馬の言葉についに武はキレてしまった。
「いきなりワケのわからないこと言わないでください! オレの気も知らないで!!
守ると決めた女から邪魔だって言われたんですよ!?」
竜馬に殴りかかるが、さらりとよけられ、逆にまた拳をもらい、地面に這いつくばる形となった。
「ソレがボケてるってんだ! オメエはそんとき鑑の顔をちゃんと見てたのか!?
どうだ!? 見てねえだろ! どうせてめえのことだ、鑑の言葉聞いた瞬間から自分のことで頭いっぱいだったんだろうな!」
すぐさま立ち上がり反撃しようとしたが、その言葉を聞いた瞬間ハッとする。
そんな武の胸倉を竜馬はつかみ立ち上がらせる。
「武よう……よく考えてみろ。お前の知っている鑑純夏はいきなり自分を心配してくれてた人間につらく当たるような奴か?
答えはわざわざ聞きやしねぇ。だがよく考えてみるんだ。よぉくな」
「竜馬さん……」
伝えたいことは伝えたぞ、つかんでいた手から力を抜き、そのまま武に背を向け歩きだす。
後で一部始終見ていた隼人と弁慶は何も言わない。
しかし、その目を見れば何を言いたいかすぐにわかった。
考えればすぐに気付くようなことなのに、殴られて、他人から言われないと気づけないなんて、オレって馬鹿だよなあ、武はそう自嘲してからすぐに走り出した。
もちろん行く先は純夏の所だ。やっと気づいた。自分がまずやらないといけないこと。
自分、白銀武にしかできないことを。

「まさかお前が女心が分かってる奴だとは思わなかった」
意外だな、と隼人は付け加え、再び整備ハンガーの機体を見上げる。
「フツーだろ?流石の竜馬もそこまでニブくはねーよなあ。だが、あれはナイスだったぜ竜馬?」
「ほっとけクソ坊主。だがよ隼人、まさかお前が、いつのまにかこんなの作ってたとはなあ」
少々照れてるのか、話題をすりかえるべく隼人と同じようにハンガーを見る。
その視線の先には2体の巨人。青と赤のスーパーロボット。
「まあな。だがここまで早く形になるとはな。こいつ等が完成すればBETAだろうがインベーダーだろうがあっという間だ」
「えらく自身満々だなオイ。初めて作ったモンだろ?大丈夫なのか?」
隼人の自身たっぷりな物言いに弁慶は疑問を感じた。
「因果導体――か。俺らも武と同じように別世界の情報をまた別の世界にもたらしてる。
だが俺達の場合はその情報が記憶として流れ込んできてるってことか」
弁慶の疑問に竜馬がなんとなしに答えた。
弁慶も思いあたるフシがあるのか黙り込んでしまう。
と、その時基地中に非常警報のサイレンの音が鳴り響く。
「なんだ!? まさか……」
『BETA接近の反応あり、各員は第一種戦闘配備に移行せよ。くりかえす――』
「BETAだと!? くそ!! このタイミングでか!! マズイことになった」
BETA接近の知らせを聞いて隼人は拳を手すりに叩きつけるゆがませる。
「お、おい隼人! まずいって何だよ」
「いいか弁慶。この間の戦闘から何日経つ?」
「4日、だよな。あ、まさか!?」
「そのまさかだ。まだゲッターは完全に修理出来ていない。特に炉心関係がな……。
無理もない。最大出力と言えるほどのパワーをアレで使ったんだ。
損傷したボディの修理なら予備パーツの交換でなんとかなっているが、炉心までは流石に手が回っていない。
今動かすと暴走の危険性も……」
隼人が最悪の事態を予想し、表情を曇らせる。
「バカヤロウ! 今はそんなこと言ってる場合じゃねえ! ともかく部隊に集合がかかってるはずだ! 急ぐぞ!」
そんな隼人の肩を叩き、竜馬がせかす。
そう、今は起こるかどうかわからないことを考えるヒマはない。
せまりくる脅威をどのようにしりぞけるか、それが最優先事項であった。
そしてこのあと、彼らは真の脅威と出会う。
あの宿敵との再会という形で。
横浜基地を襲撃したのは佐渡ヶ島ハイヴの生き残りであった。
彼等はすでに甲21号作戦時には横抗を本土まで掘り進めており、それを通りあの爆発から逃れていたのだった。
突然の生き残りによる来襲に混乱が生じたが、それより驚くべきことに彼等は『戦術』を手にしていた。
今まで単純な突撃やレーザーによる攻撃しかしてこなかったBETAが、陽動作戦を行い、それを迎撃に向かった部隊の背面に穴を掘り進んできた主力が出現。
挟み撃ちとなった先遣隊は瞬く間に全滅し、現在では敵の基地敷地内への侵入を許してしまい、横浜基地全軍の必死の抵抗も、BETAの圧倒的な物量により、じわじわと押し切られつつあった。

「ちい! なんて数よ! BETA最大の武器はその物量って言うけれど、これだけの数を温存してたなんて……。
白銀の隊は補給のため後退! カバーはあたしらがするわ、急いで!」
次々とBETAを撃破しているものの、それより多い増援があとを絶たない。
形勢はこちらが不利、厳しい状況に水月が舌打つ。
戦術機隊の損耗率の上昇も激しく、次々と味方のマーカーが消えていく。
そしてゲッターも苦戦を強いられていた。
「くそ! まとめてぶっ飛ばしてやる!! ゲッターぁあ――」
次々と押し寄せるBETAの群れにゲッタービームを浴びせようと、ビーム照射のモーションをとる、がそれを隼人の叫びが止めた。
「待て竜馬! 今ゲッタービームを撃つと炉心がもたん! ゲッタービームは使えん!」
「ち! 炉心がギリギリだとは分かっちゃいたが、ビームまで使えんのか!」
ゲッタービームを撃つのをやめ、ゲッタートマホークへと切り替え、群れの中に突っ込む。
だが、そのスピードも佐渡ヶ島の時とは大違いである。
端的に言えばかなり遅い。
原因は佐渡ヶ島での炉心への過負荷だった。ボディの修理はパーツのストックが既に用意されていたので何の問題もなかった。
だが炉心は違う。ゲッターの心臓部であり、その構造も遙かに複雑であり、いくらパーツがあろうと修理には時間がかかるのだ。
その修理途中で無理やりに動かしているのだ。十分なパワーが得られないのは当然であった。
そのため、いつもならば避けられる攻撃も、テンポが遅れ食らってしまう。
それは要塞級などとの戦いでは致命的であった。
「しまった!?」
反応が鈍っているゲッターに要塞級の巨大なサソリの尾のような触手が振り下ろされる。
完全に直撃だと思い、すかさず防御態勢にうつる。
だがその動きも少し遅い。こままでは間に合わない、とその時要塞級の触手が吹き飛ばされる。
「大丈夫ですか、竜馬さん! 冥夜と彩峰はそのまま要塞級を撃破してくれ!」
「「了解」」
要塞級の触手をい吹き飛ばしたのは武の放った攻撃だった。冥夜と慧は武の命令通り、弱った要塞級を片づけにかかっている。
「すまねえな武」
竜馬が礼を言う。
「いいんですよ。それに竜馬さんには純夏のことでオレに気づかせてくれた恩がありますから。これで貸し借りなしです」
「へ、分かったよ。で、純夏とはどうだったんだ?」
態勢を立て直し、BETA掃除を再開しつつ、竜馬は武に聞いた。
「竜馬さんたちのおかげで仲直りできました。……でも今、純夏は過負荷のせいでODLが劣化して……。
今は緊急メンテナンス中らしいです」
「……そうか。ODLって00ユニット用の冷却液だったか? それが劣化したら鑑はあぶねえんだったな。
悪いな余計なこと聞いちまったようだ」
「いいんですよ。たぶん責任はオレにあると思いますから」
秘匿回線で通信しつつも、ちゃんとBETAは駆除してゆく。
ゲッターのサポートを武たちが行い、今度は逆にゲッターが武たちをサポートぢて戦ってゆく。
だが、依然戦況はこちらが不利だ。
と、そこに遥からの通信が入る。
「A-01全機に通達、A-01は基地内へ侵入したBETAから凄乃皇四型と新型機を防衛するため、格納庫へと向かえ」
凄乃皇四型は最終決戦に必要な機体だ。その防衛の命令を受けたA-01部隊は現防衛エリアを他の隊に任せ即座に撤退する。
無論、ゲッターも同じようにしようとした。
するとゲッターにだけ夕呼から別命が伝えられる。
「ゲッターは防衛任務から外れてもらうわ。ゲッターの図体じゃ格納庫内の屋内戦は不利よ。まして今のゲッターじゃ余計にね。
あなた達には基地地下の反応炉に行ってもらうわ。
詳しくは鑑から聞いてちょうだい」
夕呼が言い終えるやいなや画面が切り替わり、辛そうな表情の純夏が写った。
「大丈夫か? 鑑? ODL劣化でヤバいんじゃあ……」
弁慶が純夏を気遣う。
「今はそんなことよりも、もっと重大なことがあるの。
こればっかりはタケルちゃんにも頼めない。竜馬さんたちじゃないと絶対に無理」
純夏を横で支える霞が心配そうな目をしている。純夏の状態はかなりおもわしくないようだ。
「分かった。で、その重大なこととはなんだ」
そんな純夏を気遣ってか、隼人が先を促す。
「反応炉を壊してほしいの。私、気づいちゃったんだ。ODLの交換のたびに私は反応炉とつながる必要があるの。
でもそこから、ここの反応炉からBETAに情報が私から流れているの」
「なんだと……どういうことだ」
いきなりのことに流石の隼人も困惑する。すると夕呼が通信に割り込んで説明する。
「00ユニットに必要なODLは、BETA由来のものなの。現時点では、人類にそれを再現することはできない。
だからBETAの技術にすがるしかなかったのよ。でも今回はそれが裏目に出たようね」
00ユニットである純夏が彼女であるためには定期的なODLの交換が必要不可欠である。
だが、その交換と洗浄には基地地下の反応炉を通さなくてはならない。
基地地下の反応炉。それは人類が横浜にあったハイヴを占領し手に入れたもの。
生きた反応炉はBETAの技術の解明や、対BETAの技術開発に大きく貢献した。
だが、生きた反応炉は、その機能全てが生きており、オリジナルハイヴとのリンクも切れていなかったのだ。
それを知らず、純夏が基地の反応炉とつながることで人類側の情報がBETAに漏れ、今回のようにBETAへ戦術を覚えさせてしまったのだった。
だから、その原因となった反応炉を壊せというのだ。だが―――。
「だが、そんなことをすれば00ユニットである鑑、お前は――」
死んでしまう、と隼人は最後まで言いかけたが通信画面の純夏の表情を見て言葉をしまった。
純夏は微笑んでいた。
「だからタケルちゃんには頼めない。タケルちゃんだときっと躊躇しちゃう。
私が死んじゃうから、タケルちゃんはきっとできない。
だから竜馬さんたちにしか頼めないの。お願い。黙って私の言うことを聞いて……」
そしてしばしの無言のあと竜馬が口を開いた。
「分かった。これよりゲッターロボは反応炉へと向かう。いいんだな? 鑑」
竜馬の問いに純夏は無言でうなづき、小さく、ありがとう、とつぶやいた。
竜馬たちが反応炉に着くと、そこは既に異界と化していた。
反応炉をインベーダーたち体が覆い、反応炉の制御施設はすでに跡形もなく消え去っていた。
なるほど、反応炉の奪回ではなく、破壊をあの夕呼が許したのもコレが理由か。
隼人は夕呼が反応炉の破壊を許可したことに同意しかねていたが、目の前に広がる光景に納得した。
「うじゃうじゃいやがるな。ゲッタービームすりゃ撃てたらあっという間なのによう……」
想像以上のインベーダーの多さに動揺を隠せない竜馬。
今の状態のゲッターではこれは骨の折れる仕事である。
「だがやるしかねえだろう。他のみんなは俺達の分も凄乃皇やアレの防衛をやってくれてんだ。
ここで弱音を吐いてりゃ、あいつ等に顔向けできんぜ?」
「へ、わかってらぁ、弁慶。今は目の前の害虫駆除に集中しねえとな!
行くぜ! ゲッタートマホーク!!」
幸い、目の前の敵は反応炉からのエネルギー補給に集中しており、こちらには無関心だ。
時間はかかるが、一匹残らずしらみつぶしにすべく、ゲッターの肩口からトマホークをとりだす。
そしてインベーダーに斬りかかるべく飛びかかろうとしたその瞬間、全てのインベーダーの目がこちらを向く。
「な!?」
インベーダーの突然の行動にひるんだ瞬間、数多の触手がゲッターに襲い掛かり、身動きが出来ぬように拘束する。
「クソッ! てめえらはなしやがれ!」
触手を引きちぎろうとするが、パワーが不足している今のゲッターではそれはかなわない。
『ふははははは! 情けないものよのう。ゲッたーロボぉ』
触手に悪戦苦闘していると、聞き覚えのある声が空間内にこだまする。
「まさか……この声は――!」
声の主がここにいるはずはない。そのありえない事態に隼人の額から汗が流れる・
「う、嘘だろ!? あいつはオレらがやったはずだ!」
信じられぬ現実に弁慶は叫ぶ。
『忘れたとはいわせぬぞ、この私をなぁ~』
またどこからともなく声が聞こえる。
「てめえは……安倍晴明ぃい!!!!」
竜馬が憎々しげにかつて倒した敵の名を呼ぶ。
『そうだ! ひさしぶりよのう、ゲッターチームぅうう』
インベーダーたちの肉体があつまり、だんだんとヒトの形をなしてゆく。
そして現れたのは上半身のみの安倍晴明であった。
下半身は存在しておらず、インベーダーたちの身体から生えているかたちとなっている。
「晴明ぃいい! なんでてめえが生きていやがる!!」
『簡単なことよ。貴様らと同じようにこの世界へと飛ばされてきたのだ。
だが貴様らと違い私は精神のみ送りこまれたのだがなあ! こうして受肉するのもインベーダー達の力を借りねばままならん。
だが、こうして貴様らへ復讐することができるのだ。感謝せねばなあっ!!』
ハンマーの如くかためられたインベーダーの触手がゲッターを打つ。
「「「がぁあ!」」」
とてつもない衝撃に竜馬たちは悲鳴をあげる。
『そうだ! もっと叫べ! そして私に許しを乞うのだ!! 私をこんな姿にしたことをなあ!!』
竜馬たちの叫びを聞いた晴明は次々とゲッターを攻撃を浴びせる。
一撃、また一撃と食らうたびにゲッターはボロボロになっていく。
「晴明、てめえに聞きたいことがある……」
竜馬がそう告げると、攻撃がピタっと止まる。
『なんだ? 流竜馬。何が聞きたい? 冥土の土産に教えてやらんでもないぞ?』
余裕たっぷりに生命は言い放つ。その言葉に舌打ちながらも竜馬は続けた。
「てめえがこの世界に来たのはいつだ。てめえの本体はどこにいる。
そしてこのインベーダーとはナニモンだ…」
『ふふふ、良かろう。何も知らぬ貴様らにすべて教えてやろう。
まず私がこの世界へ来たのは貴様らと同じ時期だ。正しくは貴様らに引きずられてきたのだがなあ。
まさか私の開いた門を別世界へ繋げるとはのう。いや、これはゲッターの成せる業か……。
私がこの世界へ来たとき、その精神はこの星にいるBETAと言ったか?
それの本拠地、この世界の人間がオリジナルハイヴと呼ぶ場所に囚われた。
肉体を持たぬ私は何とかしてそのオリジナルハイヴを乗っ取ることに成功した。
だが、それだけでは私の肉体を形作ることはかなわなんだ。そのために呼んだのだ!
インベーダーをなああ!』
「安倍晴明、貴様が呼んだのかインベーダーを……!」
驚愕の事実に隼人が反応した。インベーダーの出現の原因がまさか晴明だとは思ってもみないことだった。
『そうだ。私がBETAどもの反応炉のエネルギーを利用し、インベーダーたちのいる空間を繋いだ。
インベーダーはゲッター線に寄生し、生きる種族であり、ゲッター線を滅ぼそうとする私と目的が異なると思っていた。だが』
「だが?」
あまりの事実に驚きながらも弁慶は晴明から話を聞き出そうとした。
『彼らこそ真に選ばれた種族なのだ! 貴様ら人類ではなく! インベーダーこそゲッター線に選ばれたのだ!
彼らから力も手に入れた! あとは貴様ら人類を滅ぼすだけよ! それが私がこの世界へ来た理由なのだ!
そのためにはまず、貴様らには死んでもらう。なぁに、すぐに貴様らの仲間も送ってやろうぞ。心配はいらぬ。
ふははははははは!!』
晴明の笑い声が響きわたる。
「へへへ、じゃあオリジナルハイヴをぶっつぶしゃあてめえをぶっ殺せるんだな?」
『そのとおりだ。だがこれから死ぬ貴様らには不可能な話だ。ん?』
晴明が異変にやっと気づく。反応炉のある空間内のゲッター線濃度が上がっているのだ。
すると先ほどまで手も足も出せていなかったゲッターが軽々と触手を引きちぎる。
『な、貴様ら!? まだ動けたのか!?』
「あたぼうよ。ま、炉心を暴走させてやっと、て所だがなぁ。」
「だが安心しろ。貴様を倒すのは俺達じゃない」
「そうだ。お前を倒すのは俺達の仲間だ」
竜馬、隼人、弁慶が晴明に言い放つ。
『まさか貴様ら……ここで死ぬつもりか!?』
「ああその通りだ。てめえをこの手でぶっ殺せねえのが残念だがなあ!!」
そして言うが早いか、トマホークを晴明に振りおろす。
『ぎやあああああ!! おのれぇぇえ、ゲッターロボぉお!
だが貴様らは無駄死にだ! 残りのもの達では私を倒すことなぞ叶わぬ!!』
真っ二つに切り裂かれ、血を噴き出しながらも晴明が言う。
「無駄死に? ちがうぜ。俺達は偉大な遺産を残すために死んでいくんだ。俺達の死はムダじゃない!」
それに弁慶が反論する。
『ククク、まあいい。ここで貴様らを葬れるのだからなあ! 貴様らの遺産とやら、楽しみにしているぞ! ふははははは!』
笑い声の中、晴明を構成していたインベーダー達が崩壊してゆく。
多量のゲッター線を浴び、この空間内のインベーダーたちは次々を滅してゆく。
それを静かに見たあと、ゲッターは本部へ通信を入れる。
「あーあー、聞こえるか~。聞こえたら応答どうぞ」
ザザ、と少しのノイズのあと、通信がなんとかつながった。
『竜馬さん!? 大丈夫ですか!?』
通信にまず出たのは武だった。後ろに聞こえる銃撃の音からして、まだ防衛は続いているようだ。
「どうだ。そっちの様子は?」
『それが……、速瀬中尉、宗像中尉、風間少尉と負傷して、ちょっとキツクなってきてます。そっちはどうなんです?』
「んー。まあ順調だ。そうだ、てめえらに頼みがある。たぶん、これが最後になるだろうがな」
『?最後って……まさか!?』
竜馬の物言いから、彼らが死ぬつもりであることを武は感じ取った。
そしてそれを止めるべく言葉を紡ごうとすると、それにかぶせるように隼人が言った。
「この世界を救うために、オリジナルハイヴを早々に叩け。そのための遺産はもう用意してある」
『遺産って、まさかアレですか?』
「そうだ白銀。アレを使ってお前たちの手でこの世界を救うんだ。
情けないが、オレたちはココでリタイアさせてもらうわ。ほんと情けない」
深々と弁慶が頭を下げる。
「ま、そういうことだ。じゃあな」
『ちょ、待って――』
武の言葉を遮り、通信を一方的に切る。そして先ほど繋げていた夕呼にかえる。
「よう先生。今まで世話になったな」
『気持ち悪いわね。貴方がそんなこと言うなんて』
「最後くらい、礼を言ってもいいだろう?」
これから死ぬ人間とは思えぬ軽いノリで夕呼と竜馬は会話する。
「もう時間がないんでな。詳しいことはオレたちをずっとモニターしてくれてた鑑にでも聞いてくれ。
それと、アレの最終調整を頼む。オレの部屋に詳しい資料を置いているからソレを見ながらやれば何の問題もない」
『最後だってのにあんたはいつも通りなのね神。まあいいわ。任せておきなさい』
竜馬と違い、いつも通りの様子の隼人に思わず笑みを浮かべる。
「博士、いつかあんたのハートを射止めようと思ってたが、残念だぜ」
『あらそうなの武蔵坊? でも私、あなたみたいなのはタイプじゃないの。残念だったわね~』
そりゃないぜ、とがっくり肩を落とす弁慶。
それに全員が笑う。
「じゃ、そろそろ炉心の限界だ。通信切るぜ」
『ええ。あとは任せておいて。あなた達の死、無駄にはしないから』
夕呼が言い終えると通信が切られる。
ゲッターはすでに限界をはるかに超えており、先ほどの晴明の攻撃により左のツノ、左腕を無くした姿が痛々しい。
「それじゃそろそろいくぜ」
「「ああ、派手に行こうや」」
次の瞬間、竜馬は残った右腕をゲッターの腹に突き立てる。
突き立てた腕を使い、穴を広げつつ、あるものを取り出した。
ゲッター炉心だ。ゲッターロボの力の源。驚異のエネルギー源。
それを腹からえぐりだしたのだった。
そしてそれを高々と持ち上げる。
炉心から直接漏れるエネルギーの奔流がゲッターの表面をじわじわと溶かしていく。
竜馬は今までこの世界で仲間と過ごした日々を思い返した。くだらないことから、重大なことまで。
その行為を終え、操縦機を再び握りなおし、力を込める。
ゲッター自ら、炉心が握りつぶされてゆく。握りつぶされ、行き場を無くしたエネルギーが外部へ出ようと光を放つ。

「アバヨ。ダチ公」

完全に炉心を握りつぶすと共に爆発が起きた。
その爆発はエネルギーの柱となり、基地外部から見ても分かるほどの巨大な柱のエネルギーの塊となった。
その緑に輝く柱がそびえると、そのエネルギーにさらされた基地内の全てのBETA、インベーダーが塵と消えていく。

「竜馬さん……」
竜馬の最後の言葉が聞こえたような気がした武は、目の前で消え去っていくBETAたちが彼らの最後を示していることを悟った。
そして、最後の戦いは自分たちでだけで戦い抜くことを、散っていった彼らに誓った。