【Index】
- SUNO AIの主な特徴
- 競合との比較(Synthesizer VやVocaloidと)
- SUNO AI の基本構成(全体像をつかみやすく)
- 価格プラン(2025年8月版)
- 最新バージョン情報(2025年8月時点)
- SUNO AI の日本語対応と学習傾向(2025年8月時点)
SUNO AI(スノウ・エーアイ)は、音声合成技術を活用して高品質な歌声や楽曲を生成できるAIツール/プラットフォームです。
特に2024年後半から話題になり始め、テキストを入力するだけでオリジナルの歌を生成できるというユニークな特徴から、クリエイターや音楽ファンの間で注目されています。
🧭 SUNOは「音楽版 ChatGPT」とも言える
- ChatGPT:
- テキスト → テキスト(対話、説明など)
- Stable Diffusion:
- テキスト → 画像
- SUNO:
- テキスト → 音楽(歌+伴奏+構成)
つまり、プロンプトを使って「作品を生成する」ジェネレーティブAIの1つです。
SUNO AI(Suno)はWebブラウザおよび公式モバイルアプリ(iOS/Android)で利用可能です。
🔹 SUNO AIの主な特徴
| 項目 | 内容 |
| サービス内容 | テキストから歌を生成(歌詞+ボーカル+伴奏) |
| 操作方法 | プロンプトを入力するだけ(英語が推奨) |
| 出力形式 | 音声ファイル(WAV/MP3)など |
| ボーカル | 複数のAIボイスが選択可能(女声、男声など) |
| ジャンル | ポップ、ロック、ヒップホップ、エレクトロなど多様 |
| UI | Webブラウザからアクセス、直感的なインターフェース |
| 有料プラン | あり(生成回数や高音質エクスポートが増える) |
| API提供 | 将来的には提供予定とアナウンスあり(現状は限定的) |
🔸 使い方(概要)
- SUNOのWebサイトにアクセス(例: https://suno.com)
- アカウント作成(Google/Microsoftアカウントなどで簡単に可能)
- プロンプト(歌詞や曲のイメージ)を英語で入力
- 音楽ジャンルやAIシンガーの声を選択
- 数分で完成。プレビュー、保存、シェアが可能
🔸 利用シーン
- YouTubeやTikTok動画のBGMや挿入歌
- デモ楽曲の制作(作詞家・作曲家のプロトタイプ用途)
- ゲームや映像作品の仮歌
- ボーカロイドやSynthesizer Vのようなソフトとの組み合わせ利用
🔸 制限・注意点
- 商用利用の可否:有料プランでは一部OK。無料プランでは非商用限定。
- 日本語の歌詞は未対応(2025年現在)→基本は英語での入力が必須。
- 音声のカスタマイズ性は限定的(細かいパラメータ操作は不可)
- 生成物の著作権は、生成者(あなた)に帰属するが、プラットフォームの規約に従う必要あり。
🔹 競合との比較(Synthesizer VやVocaloidと)
| 項目 | SUNO AI | Synthesizer V | VOCALOID |
| 対応言語 | 英語中心 | 多言語(日本語あり) | 多言語(日本語あり) |
| 編集自由度 | 低(自動生成) | 高(ノート単位で編集可能) | 高(ノート単位で編集可能) |
| 楽曲制作フロー | 超簡単(テキスト入力だけ) | DAW連携 or 単体編集 | DAW連携 or 単体編集 |
| ターゲット層 | 一般ユーザー・SNS向け | 作曲家・クリエイター | 作曲家・クリエイター |
| 商用利用 | 一部可能(有料) | ライセンス契約により可 | ライセンス契約により可 |
✅ SUNO AI の基本構成(全体像をつかみやすく)
| 機能カテゴリ | 内容 | 補足 |
| 🎤 歌声生成 | 歌詞付きの歌声(AIシンガー)を合成 | 複数のAIボイスあり |
| 🎶 伴奏生成 | ジャンルやムードに合ったBGMを自動生成 | テンポやリズムが自然 |
| 📝 歌詞生成 | プロンプトから歌詞を自動作成(or手動入力) | 英語が前提 |
| 🧠 構成設計 | イントロ~サビなどの構成を自動設計 | 短編曲ながら流れがある |
| 🎧 最終ミックス | 全体のバランスを整えた音源として出力 | 1クリックで完成 |
| 🔁 バリエーション生成 | 同じ歌詞で複数バージョンの曲が生成可能 | 編曲違い・声違いなど |
| 🔗 シェア&再生 | 完成品をWeb上ですぐに再生・共有可能 | 視聴用URLが発行される |
💰 価格プラン(2025年8月版)
| プラン | 月額 | クレジット数 | 1曲あたりの目安クレジット | 月間生成可能な曲数(目安) |
| Free(無料) | $0 | 50クレジット/日 × 30日(合計1500) | 約10クレジット/曲 | 約150曲(1か月=30日、毎日リセット) |
| Pro | $10 | 2,500クレジット/月 | 約10クレジット/曲 | 約250曲(最大500曲という表現もあり) |
| Premier | $30 | 10,000クレジット/月 | 約10クレジット/曲 | 約1,000曲(最大2,000曲とも) |
📦 Pro / Premier プランの主な追加機能
✅ 高音質WAV出力(FreeではMP3のみ)
✅ プロジェクト保存/再編集
✅ 非公開モード(生成曲を他ユーザーに見せない)
✅ より多くの曲を生成可能
✅ サポート対応の優先順位が高い
🆕 最新バージョン情報(2025年8月時点)
最新バージョンは「v4.5+(v4.5 プラス)」,2025年 5月1日 に正式リリースされました(Pro/Premierプラン対象)。
v4.5 は以下のようなアップデートを含んでいます:
- 楽曲長の延長:最大で 8分までの生成が可能に。
- ジャンル解釈の精度向上:より細かなムードや楽器指定の反映が進化しました。
- 歌声表現の改善:感情豊かなビブラートやリアルな発声が向上。
- Covers / Personas / Extend 機能の強化:既存曲のスタイル変換やキャラクター的な音色の切り替えがより自由に。
- WavTool統合によるDAW機能強化:「Add Vocals」「Add Instrumentals」「Inspire」など、よりプロ向けな操作が可能に。
📌 旧バージョンとの違い
| バージョン | リリース日 | 主な特徴 |
| v3 (v3.5) | 2024年3月~5月 | 2~4分の曲生成可能、Freeプランでの利用制限付き (ウィキペディア, de.wikipedia.org) |
| v4.0 | 2024年11月 | 音質・歌詞精度・構成改善、RemasterやReMi機能追加(Pro向けβ) (THE DECODER, ウィキペディア) |
| v4.5 | 2025年5月1日 | 表現力・ジャンル対応力・楽曲長が大幅に拡張 (Suno, musicbusinessworldwide.com) |
| v4.5+ | 2025年7月中旬 | 専用機能「Add Vocals」「Add Instrumentals」「Inspire」などのDAW連携強化機能を追加 (musicbusinessworldwide.com, de.wikipedia.org) |
🔍 SUNO AI の日本語対応と学習傾向(2025年8月時点)
1. 日本語の楽曲生成は「できる」が「得意ではない」
- 歌詞に日本語を入力すると、日本語で歌わせることは可能。
- ただし発音や文法、イントネーションはまだ不自然な場合が多い。
- 「日本語として読めるけど、ネイティブっぽくない」程度の精度。
- 長音(ー)や促音(っ)、助詞の扱いで違和感が出やすい。
- 漢字+かな交じりの歌詞は、たまに読み間違える(ローマ字表記で改善されることも)。
2. 学習データに日本語楽曲は含まれていると推定
- 日本語歌詞に反応する点から、一定量の日本語コンテンツは学習していると考えられる。
- ただし、J-POP・演歌・アニソン・昭和歌謡などのジャンル特化は弱い印象。
- 英語圏のポップス/EDM/ロック系の方が表現力・ボーカルの自然さが明らかに上。
3. ジャンルごとの対応状況(日本向け体感)
| ジャンル | 対応度(体感) | コメント |
| 洋楽風ポップス | ★★★★★ | 最も得意。自然な展開と歌唱。 |
| J-POP(平成以降) | ★★☆☆☆ | 雰囲気は出せるが歌詞やメロに弱点。 |
| 昭和歌謡 | ★☆☆☆☆ | メロディ構造は対応できるが、歌い回しは難あり。 |
| 演歌/民謡 | ☆☆☆☆☆ | 非対応。未学習の可能性あり。 |
| アニソン風 | ★★☆☆☆ | エネルギッシュな雰囲気は出せるが、やや不自然。 |
| ボカロ系 | ★★★☆☆ | 電子ボイス風の処理ができるが、日本語精度に限界あり。 |
💬 対応をよくするための工夫
- ローマ字歌詞で入力する
→ 読み間違い防止に効果的(例:「Kimi no koe ga kikoeru」など)
- プロンプトにジャンル+具体的アーティストを明記する
→ 「J-POP style in the vein of Hikaru Utada」など、英語で補強すると精度UP
- 楽器構成やテンポ、コード進行を細かく指示する
→ 日本的な曲構造を強制的に近づけることが可能
✅ SUNO AIと1960~70年代の洋楽スタイル
🎼 対応ジャンル
SUNOは以下のような「ヴィンテージポップス」スタイルにも対応しています(プロンプト次第):
| スタイル | カバー可能性 | 備考 |
| ビートルズ風 | ◎ | 「British Invasion」や「60s psychedelic pop」などで指定可能。ハーモニーや構成も近い。 |
| バート・バカラック風 | ◯ | プロンプトで「orchestral pop」「easy listening」「classic 60s pop」などの指定が有効。 |
| カーペンターズ風 | ◎ | 「soft rock」「70s mellow pop」「female vocal ballad」などの指定で近づけられる。 |
| オールディーズ全般(ドゥーワップ、エルヴィス風など) | ◎ | 「doo-wop」「rockabilly」「50s/60s rock'n'roll」も割と得意です。 |
🎧 参考プロンプト例(英語で指定)
A 1960s-style pop song with lush orchestral arrangements and soft female vocals, in the style of Burt Bacharach or The Carpenters.
A British Invasion style track from the 1960s, reminiscent of early Beatles, featuring jangly guitars and vocal harmonies.
An old-school doo-wop track with a nostalgic 50s vibe, upbeat rhythm, and vintage harmonies.
🗣 日本語歌詞について
- 弱点:日本語の発音や歌詞の自然さはまだ不安定です。
- 理由:日本語の学習データが英語に比べて少なく、韻律やイントネーションの扱いも難しいため。
- 対処法:日本語の歌詞を使う場合は、ひらがな主体 or ローマ字表記の方が正しく発音されることが多いです。
✴ 補足:日本の音楽スタイルとの親和性
- J-POP(90~2000年代):やや不得意~普通
- 昭和歌謡(60~80年代):指定の工夫次第で可能性あり(例:「city pop」「kayokyoku」など)
- 演歌や民謡系:非対応または低精度