1話 ある日の出来事 その1
『質問』
キャラ名 | セリフ |
十四松 | (バタンッ)戸棚を開ける音 あー。 ・・・半端だね。 |
一松 | なにが? |
十四松 | インスタントラーメン、 一袋しか残ってない。 |
一松 | ああ、そうか。 今日、買い足してくるって。 さっき母さんが出る前に言ってた。 |
十四松 | そっかー・・・。 |
十四松 | 母さんて、 今日いつ帰ってくるんだっけ? |
一松 | 俺、知らない。 |
チョロ松 | (キョロ、キョロ) |
十四松 | ・・・あ、チョロ松兄さんだ。 |
十四松 | ちょっと聞いてみようか。 知ってそう。 |
一松 | そうだね。 |
チョロ松 | あ。 |
チョロ松 | お前達、姿が見えないと思ったら、 やっぱり台所かー・・・ったく。 |
一松 | え、探されてたの? |
十四松 | ねえ、チョロ松兄さん。 今日って母さん、いつ帰るか聞いてる? |
チョロ松 | 夕方だって言ってた。 だから昼はみんなで食べてって お金預かってる。 |
一松 | そういうことか。 |
十四松 | ねえねえ! お昼、何食べるのー? |
チョロ松 | 食べに出るか、出前にするか、 相談しようと思って探してたんだよ。 お前達の事。 |
一松 | 民主的だね。 |
足音 (トン、トン、トン・・・) (どた、どた、どた!) | |
おそ松 | お~、いたいた! |
カラ松 | どうするか相談しよう! |
トド松 | あ~、お腹空いた~ッ! 一松兄さん達、どうしたい~? |
一松 | 俺は特にこだわらないけど。 |
十四松 | 僕も!どっちでもいいよ。 |
一松 | 今、どんな感じなの? 多数決は。 |
(・・・さっ)手を上げる音 | |
カラ松 | 俺とトッティは 出来立てを食べに行きたい。 ・・・フッ・・・ |
トド松 | なんッで、最後の所で笑みがこぼれるのッ? |
十四松 | トッティと一緒で嬉しかったんだね。 |
十四松 | まあ・・・自分だけじゃなかった!って ホッとしてるのもあると思うけど。 |
十四松 | 良かったね、カラ松兄さん! トッティと同じ意見で。 |
カラ松 | ・・・うん。すごくホッとしてる。 |
トド松 | そういう笑みッ!? そういう笑みだったんだッ!? |
十四松 | あはは・・・ お店で食べる出来立ては美味しいよね。 で、チョロ松兄さんは出前がいいんだ? |
チョロ松 | そう。 僕と、おそ松兄さんは出前希望。 |
おそ松 | まあね!? 出来立ては美味いんだけどさあ! |
おそ松 | 向こうから来てくれるなら 今日は家にいたいかなあって! |
チョロ松 | 向こうから来てくれるって。 友達みたいに言うなよ。 |
チョロ松 | 仕事だからね!? 店は出前が。 正直に面倒って言えよ。 |
十四松 | ねーねー! チョロ松兄さんが出前希望なのッて 何か理由あったの? |
チョロ松 | そう。 面倒とかよりも、そっちの理由の方が大きい。 |
一松 | そうなんだ。 その理由って何だったの? |
チョロ松 | 今朝の朝刊に入ってたチラシにさ。 ネットの出前注文の料金無料って 書いてあったんだよ。期間限定で。 |
一松 | そういうのって、普段から うち位の大所帯で注文すると 出前料金サービスになったりしないの? |
十四松 | あ!僕もそのチラシ見た。 |
十四松 | 多く注文しても 普段は出前料金が400円かかる店なんだよ。 |
一松 | へえ、なるほどね。 そういう事か。 |
チョロ松 | そう。なんか既得権というか。 使わないと逆に損っていうか。 勿体ないって思ってさ? |
十四松 | いつもはそれで結局、 店まで食べに行っちゃうんだよね! あはは! |
チョロ松 | そう!そうなんだよね。 で、お前はどうするの?十四松。 |
十四松 | あ、そうか。 どっちがいいか決めるんだったね。 うーん・・・。 |
―つづく― |
1話 ある日の出来事 その1
『質問2』
キャラ名 | セリフ |
カラ松 | 出来立ては美味いぞ! 十四ま~つ! |
十四松 | うん、美味しいよね。 それは間違いない。 |
チョロ松 | 同じ値段で家で食べられるんだから 出前だよ、今日は! 出前料金の心配が無いんだから。 |
十四松 | 出前料金を気にしないで 家で食べられるのは今だけカー。 確かに、ちょっとうれしいよね。 |
おそ松 | ねえ~?もう出前でいいよ~! 腹減ったわ、俺! |
トド松 | あ!せ~っかく! 民主主義的に決めようとしてるのに!! そうやって独裁発言するー!ダメだよ! |
十四松 | 確かに。 でも・・・僕もお腹減ってきたかも。 |
おそ松 | ねえ!!?そうでしょ?だってさあ! ずっと食べ物の話してるんだよぉ? 普通に腹減るよなあ!? |
おそ松 | もう、早く決めてー!? |
チョロ松 | 投げやりな暴言を吐くなってば。 十四松がプレッシャーに感じてるだろ? |
おそ松 | え~!? 十四松も腹減ったって言ってるじゃん? 俺は他のみんなに言ったのよぉ? |
チョロ松 | お腹は空いたって言ってたけど、 まだ出前か食べに行くかは言ってないよ。 ね?十四松。 |
十四松 | うん、まだ言ってない。 まだ決めてない。 |
おそ松 | え~?そうか。 まあ、いいや。 じゃあ、続きどうぞ。待つから。 |
十四松 | ごめんね。 |
チョロ松 | ・・・ねえ、思ったんだけどさ。 今日いつになく頑なだな? カラ松もトド松も。なんで? |
トド松 | え・・・なんでだろう? まあ、他の意見聞いたら変わるかも! 位の感じだったんだけど・・・最初は。 |
カラ松 | まあ、俺も他の意見で気分が変わったら それはそれでアリかと思ってたんだが。 |
十四松 | えっ?そうなんだ。 |
カラ松 | ・・・・・・そうか! 十四松か! |
十四松 | えっ?僕っ!? |
トド松 | ああ・・・確かに!十四松兄さんに 「お店で食べる出来立ては美味しいよね。」 って言われたから |
トド松 | なんか、すごくそうだな! って気持ちになって。 |
カラ松 | うん。そうなんだ。 |
十四松 | えーッ!僕のせいなのー!? |
チョロ松 | いや、お前は別に悪くないよ十四松。 でも、・・・僕もわかる。 |
チョロ松 | 誰かの話を聞いてる内に すごく店で食べたくなったら それでもいいかって思ってたんだけど・・・ |
十四松 | えーっ!?そうなの? |
チョロ松 | 出前料金かからないの 「ちょっとうれしい」って言われたら 思ってた以上に良い事な気がしてきて。 |
十四松 | えー、そうなのーっ!? そう思ったから言っただけなんだけど・・・ |
一松 | あ。 今、地味に気が付いたんだけど。 ほら、見て。メニューの写真。 |
トド松 | ・・・あ! 出前にするとデザートがついてくる! わー、杏仁豆腐だ!美味しそう~! |
カラ松 | お得だな。 |
チョロ松 | よし、じゃあ決まりだね。トド松、注文頼むよ。 餃子ミニチャーハン付き 中華そば定食6つね! |
トド松 | わかったー・・・えーと・・・ あ、ちゃんとQRコードあるじゃん。 ・・・つながったよー。じゃあ頼むね。 |
十四松 | トッティー! 中華そば定食が6つだよ。 餃子ミニチャーハン付きで! |
トド松 | オッケー・・・。 えーと、住所・・・ |
カラ松 | ・・・いや、待て。 出前だと・・・ザーサイがついてない! |
おそ松 | え~!?マジで。 俺、あのザーサイ結構好きなのに。 |
カラ松 | な? 無いと、さみしいよな。 |
おそ松 | うん、なんか物足りない。 |
十四松 | ・・・えー。 もう僕、お腹空いたよー。 |
トド松 | まさかの、おそ松兄さん! そこで派閥変わるッ!? |
チョロ松 | 今から、そのザーサイの為だけに お前は店まで歩いていくのか!? 冷静に考えてッ? |
おそ松 | ・・・いや、だってさあ! うーん・・・。 まあ、今日はいいか。 |
カラ松 | ・・・そうだな。 ・・・・・・ん? 十四松はどこへ行った? |
チョロ松 | (くんくん・・・) ・・・なんか・・・ いいニオイしない? |
(そろそろ、そろそろ) | |
おそ松 | あー!十四松! |
カラ松 | お前・・・何やってるんだ。 |
チョロ松 | えー!何してるの! |
一松 | ・・・ああ・・・。 待てなかったのか。 |
トド松 | (グゥ~・・・) 美味しそう・・・ |
チョロ松 | ・・・・・・トド松。 貸して。 |
トド松 | あ。 |
チョロ松 | ・・・はい!完了! 6人前、頼んだからね! |
チョロ松 | だから・・・(ゴクッ) そのラーメン、6人で分けない? そうしたらお前も出前の分も食べられるし。 |
十四松 | ・・・えー。 |
おそ松 | ね!悪かったからさあ! ・・・ごめんね。待たせちゃって。 |
十四松 | ・・・うん。わかった! みんなでちょっとずつ食べよう! |
一松 | ・・・うまい。 (ズーッ・・・ごくん) ありがとね。十四松。 |
十四松 | いえいえ、チョロ松兄さんもどうぞ! |
チョロ松 | 悪いね。ありがとう、十四松。 (ズーッ・・・ごくん) あー・・・!美味しい。 |
トド松 | 次、僕もー! (ズーッ・・・ごくん) あ~!・・・美味し~い!! |
十四松 | おそ松兄さんもどうぞ! |
おそ松 | あ~~~!! (ズーッ・・・ごくん) うめえ!サンキューな、十四松! |
カラ松 | サンキュー十四松! ・・・・・・ほとんど汁じゃないか!? |
十四松 | えー、おそ松兄さんダメだよー! ちゃんと残さなきゃ。 |
十四松 | もうすぐ、出前がくるから。 カラ松兄さん! |
「ちわー!出前でーす!」 | |
―おわり― |