643 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2014/09/28(日) 13:28:31.47 ID:U3Bv9WEa0
そういえば秋分の日っていつだっけと思ったら過ぎていた件
光陰矢のごとし長生きされたし恋せよまどほむ
「もうすっかり秋ね」
長い髪を風に揺らしながら、どこか嬉しそうにほむらちゃんが語りかけます。
涼しく透き通った秋の風。私も心地いいと思っていたところでした。
本格的に秋めく10月を前にした祝日、今日は秋分の日です。
「ほむらちゃん、今日は昼と夜の長さが半分になる日なんだよ」
「そうだったのね。私、疎かったわ。まどかは物知りね」
きょとんとして私を感心しながら見つめるほむらちゃん。
そういう何気ない表情を見ることに小さな幸せを感じてるんだよ。
「でもね、本当は大気の屈折とか色々な理由でお昼のほうが長いんだって」
「そう……ちょっとだけ得した気分ね」
ほむらちゃんは頬を緩ませて少し嬉しそうです。
「何かいいことでもあるの?」
私がそう聞くと、ほむらちゃんは私を見てちょっぴり赤くなって顔を逸らします。
言葉で聞いてみてもよかったけど、その様子が可愛くてもう少しだけくっつきました。
ほむらちゃんの言葉で伝えて欲しかったから。
そうこうしているうちに、お互いもじもじしてしまいます。
春夏を通して恥ずかしいくらい想いを伝え合っていたのに、今でも二人はどこか初心なままだね。
大好きなのに恥ずかしくてもどかしい。でも暖かくて、この時間がずっと続いて欲しい。
きっと二人でいれば秋の夜長もずっと幸せなんだろうなって。
そんなことを考える私は寂しがり屋さんなのかな。
ほむらちゃんの名前を呼んで振り向いて欲しい。そんな気持ちになっちゃうね。
644 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2014/09/28(日) 13:29:29.70 ID:U3Bv9WEa0
「まどか」「ほむらちゃん」
二人は同じタイミングで名前を呼び合って、目が合うとどちらともなくそっと手を重ねていました。
ひんやりとした二人の指先がそっと絡みあい、相手の温もりが伝わってきます。
恥ずかしさから少し俯いちゃったけど、ほむらちゃんがもう片方の手で私の頬に触れてくれたから
顔を赤くしながらも見つめあうことができました。
「お昼が長くて嬉しい理由、あなたなら分かるはずよ」
「でも、ほむらちゃんの口から聞きたいな」
「いじわるね……」
「ううん、お願いだよ」
「あなたのお願いなら断れないわ。耳を貸して」
内緒話をするよう形で、私は耳元に小さな甘い吐息を感じていました。
ずっと感じたかった、大好きな人の吐息……
大好きなあなたと一緒にいる時間が、とても幸せだから
胸がいっぱいになった二人は小さな吐息を重ねました。
収穫の秋を一緒に迎えて、これからもずーっと……二人で実り多き恋を結んでいようね。
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