17スレ/525-526

Last-modified: 2014-04-13 (日) 17:38:07
525 : 名無しさん@お腹いっぱい。 : 2012/04/15(日) 02:30:50.42
昼間、桜が散るところを見てたら浮かんだ
-------------------------------------------------------
穏やかな陽光に包まれて、満開の時期を終えた桜の花びらが舞い落ちる。
花びらはまるで流れる水のように途切れること無くひらひらと舞い、
あたり一面をうすい桃色に染め上げていた。
私は待っている。あの春色の友達を。
いや、友達よりももっと大切な・・・。
、
彼女は私の名前を呼んでくれる。
甘くて心地いいその響きは、冷えきって固くなった私の心を溶かしてくれる。
この春の日差しのようにやさしく暖めてくれる。
彼女の声をきくことができるなら、どんな長い時間を費やすことだってできるだろう。
どんなに遠い道のりだって超えていけるだろう。
何があってもきっと。必ず。
・・・突然、一陣の風が吹いて地面に積もっているたくさんの花びらを舞い上げる。
同時に私は私の名前を呼ぶ声を聞いた。
「ほむらちゃん」


526 : 名無しさん@お腹いっぱい。 : 2012/04/15(日) 02:31:24.88
わたしは急ぐ。きっとあの子は待っているはずだから。
遅れているわけではないけど、なんだか随分待たせてしまったような、
そんな感覚が私を急がせる。
どんなに待ったとしてもきっとあの子はわたしにそんな素振りをみせないだろう。
「今来たところよ」なんて言うんだろう。
どんなに辛くても苦しくても人に見せない、そんなあの子の強がりを、優しさを、
わたしはとても大切に思う。
早く会いたくて、声が聞きたくて走る。
わたしよりも少し落ち着いた大人びたあの声で、きっとわたしの名前を呼んでくれる。
それが誇らしいほどに嬉しい。
・・・桜の花びらの舞うその場所で、眩しげにすこし目を細めて見上げていた。
舞い散る花びらに気をとられているその子に呼びかける。
突然さあーっと吹き渡った風に流される黒髪をおさえながら、
わたしの大切な人はけぶるような笑みを浮かべて言った。
「まどか・・・」

http://ikura.2ch.net/test/read.cgi/anichara2/1333962792/525-526