48スレ/抱きしめて

Last-modified: 2014-05-13 (火) 01:57:27

448 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2013/02/13(水) 22:45:06.42 ID:yw1TFvuxP

胸をくっつけて、もっともっと抱きしめて、どうしよう、どうしよう……

みたいなSSかイラストが欲しいのでお願いします

449 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2013/02/13(水) 23:09:23.70 ID:d7QFGrSq0

僕も欲しいです

474 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2013/02/14(木) 01:15:13.92 ID:cSaJ3Hr4P
>>449

そこに境界線はなかった。
私達の体は互いを埋め合うように重なっていて、もし服を着ていなかったら私達を分かつ輪郭線すら闇に溶けそうな気がした。
暗闇に繊維が擦れる音と、二人分の不規則な息遣いだけが聞こえる。
吐息が首にかかる。肌に纏わりつくそれは私の体を溶かす効果が含まれているのではと思うほど、私に熱を与えた。
熱は肌から骨に伝わって、やがておなかの底をきゅんと震わせる。
我慢できなくて抱きしめた腕に力を込めた。
ほむらちゃんは私を押し倒したまま何も言わずにそうしていた。
力任せに抱きしめるほむらちゃんはとても不器用に思えた。
……初めて抱きしめあったときのほむらちゃんもそうだった。
控えめにというのはお世辞で、震える手で私の背中を抱いて、すがるように体を寄せたのがほむらちゃんだ。
私が耳元でもっとしていいよと囁く度に色んな抱き方を試して、最後には乱暴な抱きしめ方に落ち着いていた。
どこまで好きを伝えてよいのか、どういう好きなら許されるのか。
信頼のある私達の仲でも、こういった問題は繊細なんだなと思った。
私は、どんな形でもほむらちゃんならば許してしまえるのに。
もっと甘えてほしい。それが素直な気持ちだった。
だから、私の手はそのか細い背中を撫でて、乱れた黒髪を整えるように撫で付けた。

会話はなく、あるのはささやかな甘えだけ。
私達は無知だった。愛し方を知らなかった。
気持ちだけが先行する。歯が浮く言葉を何度交わすよりも体を寄せ合うべきだと本能が囁く。
なのに私達はまだ子供で、膨れ上がった気持ちを小さな胸に留めておく術を知るはずもなかった。
だから、不器用に抱きしめあって、みっともないキスをして、子供らしい好きを語るのだ。
頬擦りをしたほむらちゃんが小さく私の名前を呼ぶ。
甘えるようで、どこか寂しげで、私には助けを呼んでいる声に聞こえた。
背中を撫でて、小さく「うん」とだけ答える。
返事はなく、代わりに重なった体を擦り寄せられた。
ほむらちゃんがどんな顔をしているのか気になって隣を見ようとしたら
横顔が見えたところでそっぽを向かれてしまった。続いて「見ちゃだめ……」と声が返ってくる。
恥ずかしがり屋さんなんだから。そう心の中で呟いて私はまた天井を見る。
……見たことないような横顔だった。
まぶたは眠たそうに垂れていて、だらしなく開いた口が見えた。
きっと、私もそんな顔をしていた。

さっきのやりとりが相当恥ずかしかったのか、ほむらちゃんはしきりに体を擦り寄せている。
くすぐったい。でも、それよりも嬉しくて、気持ちいい。
胸が潰れるほど押し付けて重なりあう。私達の鼓動が混ざり合ってどっちが私のものかわからなくなる。
もっと、もっと……。
もっと抱きしめたら、体が壊れるくらい抱き合ったら、どれだけ幸せになれるんだろう。
今だって心臓の音が混ざってわからなくなってる。
私達を区切っているのはもう体だけだと思った。
いっそ服を脱ぎ捨ててしまえば体ごと捨てられるのだろうか。
本能の囁きは確信めいていた。
理屈はいらない。囁かれるままに肌を合わせれば私達はもっと幸せになれる。
そう、わかっていても、やっぱり私達は無知で。
どうしようもなく幼かったんだ。
震える肩を撫でれば、ほむらちゃんは「ごめんなさい」とだけ漏らして、私の首に唇を這わせてくれた。
その顔はいつもの凛々しいもので、目が合えば私にしか見せない笑みを作ってくれた。
少し、目に涙が溜まった。恥ずかしくて目を瞑る。
私が目を瞑ったのと同時に、額に肌の感触があって、次に頬を撫でられた。
慌てて目を開けた先には視界にいっぱいのほむらちゃんの顔があった。
目が合う。お互いにおどけた顔を見せてから、どちらともなく目を閉じて、キスをした。
やっと唇を求め始めたばかりの、幼いキス。
唇が離れる。目を開ければ、唇を尖らせたほむらちゃんがいた。
思わず可愛いなと思ってしまう。私はほむらちゃんの頭を抱いてキスの続きを求めた。
だって、きっと、私もそんな顔をしていた。

http://ikura.2ch.net/test/read.cgi/anichara2/1360406874/474