897 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2013/02/26(火) 13:23:31.59 ID:mVNyBGsd0
いつものようにヤマもオチもイミもありません。
http://ux.getuploader.com/homumado/download/209/extracurricular.txt
字数いつもより少ないのに行数いつもより多いってつまり、スカスカな文章…mdhmください。
http://ikura.2ch.net/test/read.cgi/anichara2/1361184001/897
txtファイルはこちら
最近、体育の授業が憂鬱です。運動が苦手だから…ではなくて――
「暁美さんすごーい! バスケ部に来ない? 暁美さんなら即スタメンになれるって!」
「ちょっと、暁美さんは先にバレー部が」
「陸上部が先だってば!」
「テニス! ウチ結構強いんだから!」
「卓球! 卓球!」
得意だからです。ほむらちゃんが。
眉目温厚容姿端麗文武両道を地で行くほむらちゃんは、各方面から引っ張りだこです。
ほむらちゃんは部活動にあまり興味はないみたいで、ことごとく誘いを断ってしまうのですが、
みんなに囲まれているほむらちゃんの姿を見てるとちょっぴり面白くなくて、小声で「…手芸部」とか言ってみたりします。
「そんな小さな声じゃ届かないって。このままだとほむらを取られちゃうぞ」
隣に居たさやかちゃんがニヤニヤしています。うう、聞かれちゃった…。
「そうですわ。正妻だからって油断しているとさらわれちゃいますわよ」
「仁美ちゃんまでさやかちゃんみたいなこと言わないでよぉ」
ほむらちゃんとのことは隠してたつもりだったのに、みんなにはすぐにバレてしまいました。私はどうも隠し事が下手なようです。
ほむらちゃんにすら、「あれで隠してるつもりだったの…?」って言われてしまいました。
仁美ちゃんになんて言い返そう、って考えていたら、ほむらちゃんの側に居た陸上部の人と目が合いました。…なぜか、こちらに走ってきます。
「鹿目さん! 陸上部のマネージャーにならない!?」
「は、はい?」
「暁美さん! 鹿目さんを専属のマネージャーでつけるから陸上部に!」
「あ、あう」
ど、どうしてこんなことに。
「まずは馬から、でしょうか」
「確かに、ここ最近のイチャつきっぷり見てるとまどかとワンセットで勧誘しなきゃいけない気になるよね」
ああ、さやかちゃんも仁美ちゃんも既に離れたところで傍観モードです。…そんなにイチャついてないもん。多分。
でも――
ゴールラインでストップウォッチを持って待ち構える私の前を、綺麗なフォームで駆け抜けるほむらちゃんの姿に見蕩れて、
危うくスイッチを押し損ねそうになる。
「凄いよほむらちゃん、また自己ベスト更新だよ」
全力で走ってきたほむらちゃんは息も絶え絶えで辛そうだけど、私にとびっきりの笑顔を向けてくれて。
「まどかが…ゴールに…居てくれるから…頑張れるの…」
――なんて。どうしよう。凄く、心惹かれます。
「あ!? ずるい! バレー部もマネージャー大歓迎!」
「テニス部でしょ! なんだったら暁美さん絡みのお仕事だけやってくれれば全然OKだから!」
「卓球! 卓球!」
球技の部活の、マネージャー――
練習が終わって、ボールを片付ける私を、ほむらちゃんはいつも手伝ってくれる。いつも断るんだけど、私が使ったんだから、って
優しく微笑んで取り合ってくれない。
体育倉庫の所定の位置に器具を戻して、こういうことで手伝わせちゃってたらマネージャー失格だよねって言ったら、ほむらちゃんは
少し意地悪な笑みを浮かべて私の手をとって、
「じゃあ、今日の練習の疲れ…マネージャーさんに癒して欲しいな」
って言いながら、私にそっと顔を寄せてきて――
「だ、だめだようほむらちゃぁぁぁ…」
「か、鹿目さん? 大丈夫?」
「まどか? 具合が悪いの?」
いつの間にかほむらちゃんが近くに来ていました。
「ほ、ほむらちゃん、ちゃんと体育倉庫の扉は閉めてから…」
「…だいぶ悪そうね。まどかを保健室に連れて行ってくるから、悪いけれど先生に言っておいてくれるかしら」
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道すがら、我に帰った私はほむらちゃんに部活に入るつもりはないのか訊いてみました。
「そうね…入院してた頃は憧れてたわね。でも、私の身体能力は魔法で底上げしたものだから。
真剣に部活動に取り組んでる人に失礼だわ」
そう言ってほむらちゃんは寂しげに笑いました。
…今ならきっと、届きます。
「手芸部」
「ふふ、それから、園芸部との掛け持ちも悪くはないわよね」
「今度の…水曜日が手芸部の活動日だよ。まずは見学にきて欲しいな」
小さなマスコットを作って交換しあったり、花壇の手入れをしたり。セイシュンの汗っていうのも楽しそうだけど、
2人でならきっとなんでも楽しいはず。
ごめんなさい、運動部のみなさん。