52スレ/手放さないように

Last-modified: 2014-05-16 (金) 19:50:58
772 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2013/03/25(月) 00:06:58.59 ID:KsVrx4eU0
クラス外でも噂になるほどの美少女転校生暁美ほむら
彼女はその美しい外見と無口でミステリアスな雰囲気から、異性だけでなく同性からも人気が高く
休憩時間だけでなく放課後などもひっきりなしに声をかけられたりと、半ばクラスのマドンナのような立場にありつつあった
しかし当のほむらのほうはというと、クラスメイトたちの誘いには乗り気ではなく
いつも「まどか」の一点張りである

鹿目まどか、特にこれといって特徴もなく、まさに「平凡」の二文字が似合うような、クラスでもそれほど目立つほうでもない女の子である
端から見ても不釣合いなふたり。なぜ暁美ほむらが彼女に執着するのか?クラスでは暗に噂が絶えず
「ひょっとして、あのふたり付き合ってるんじゃない?」
「女の子同士で?それってレズビアンってやつ?」
「なんで鹿目さんみたいな子と・・・」
と心無い陰口を叩く者もいた

(自分のせいで、ほむらちゃんまで酷いこと言われるなんて・・・)
元々自分のことを卑下しやすくネガティブな思考に陥ることも多かったまどかは
この噂を真に受け、ほむらを避けるようになってしまう・・・


ああだめだ、このあとまどほむしい展開にまで持ち上げることができない・・・
どうして最近こんな陰鬱シリアスまどほむばかり妄想してしまうのだろう
百合霊さん助けて


783 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2013/03/25(月) 00:36:14.66 ID:KsVrx4eU0
「私は、誰からどう思われようとどうでもいいことだわ。・・・私には、まどかさえいてくれれば」
「でも、それじゃほむらちゃんがっ・・・」
「でも・・・そうね」
「えっ・・・?」
「・・・私が今のままでいたら、むしろまどかに迷惑がかかってしまうのよね・・・」
「ち、ちが・・・・・・わたし、そんなつもりじゃ・・・」
「ええ・・・わかってる・・・・・・わかっているの・・・まどか」
「ほむらちゃん・・・」
「でも」

「いまのままでは、私たちは一緒にはいられないのよ」
「そんなっ・・・ほむらちゃぁん!!」

「許してね・・・・・・まどか・・・これもあなたを守るためなの・・・」

だれかたすけて


796 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2013/03/25(月) 03:09:53.85 ID:KsVrx4eU0
>>783
踵を返し立ち去ろうとするほむらだったが、ふいに裾を?まれて立ち止まる
「・・・ほむらちゃんは」
まどかは顔を俯いたまま語りかける。その表情は窺い知れない
「・・・・・・ほむらちゃんは、ほんとにそれでいいの」
「・・・・・・・・・わたしは・・・・・・やだよ・・・」

まどかから目を背けるように
「・・・・・・じゃない」

「えっ・・・」

「・・・いいわけ・・・ないじゃない。・・・・・・私は・・・」

振り返る勢いにまかせてまどかを強く抱きしめる
「私・・・・・・だって・・・。私だって、まどかのことが好き・・・!・・・大好きなのに・・・」

「ほむらちゃん・・・」

「私は・・・私のせいで、まどかが奇異の目で見られるのが嫌。・・・まどかには・・・まどかだけには、明るい日向の道を歩いていてほしい」
「辛いことも・・・苦しいことも知らなくていい・・・まどかは幸せなままでいてほしいの・・・・・・だから」

「違うよ」

「っ・・・ま、どか・・・?」

「それは違うの。ほむらちゃん」
「辛いこと・・・苦しいこと・・・・・・ほむらちゃんひとりで背負い込むのなんて、そんなのだめだよ」
「・・・・・・ほむらちゃんが辛いときは、わたしが傍にいてあげたい。ほむらちゃんが苦しいときは・・・わたしが抱きしめてあげたい」
「・・・それにね」
「・・・・・・わたしが、いちばん幸せなのは・・・・・・ほむらちゃんといるとき・・・だから」

「・・・いいの・・・?」

「うん」
「辛いことも苦しいことも、ほむらちゃんと一緒に分かち合いたい。幸せなことは、ほむらちゃんと一緒に噛み締めたい」
「わたし、ほむらちゃんと一緒なら、どんなことにも前を向いていられるの」

「・・・」

まどかにそれ以上の言葉は無かった、ただ優しく微笑んでいるだけだった
ほむらにそれ以上の言葉はいらなかった、まどかの純粋な想いを受け取ったのだから

ふたりは陽の沈むまで抱き合った。周りの目も声もふたりには届かなかった
ただ、辛く苦しい現実の中で確かに存在する幸せを手放さないようにと誓い合っていた


打ち切り

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