531 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2013/06/09(日) 00:10:25.93 ID:EQYDJeok0
これくらいの描写なら許してもらえるかしら。mdhmください。
触れ合う頬の温もり。服の下で忙しなく這い回る指先。こんなこと、いけないってわかってるのに。
「鹿目さ、ん…だめ…ぇ…」
吐き出した拒絶の言葉は、形ばかりのもの。自分ですら聞こえない程にか細い。これ以上大きな声を上げれば、私の浅ましい期待が透けてしまうから。
「そんな甘えた声で言っても、説得力ないよ」
耳元で囁かれる優しい声に、また身体が震える。やっぱり、鹿目さんにはバレてしまった。
「ふふ。やっぱり、ほむらちゃんは女の子同士でこういうことするの、好きなんだね。凄く嬉しそう」
「ちが…あっ、」
ますます怪しく蠢く指先と、耳朶に絡みつく温かい舌の感触が、私に反論を許さない。
嬉しいのは、私に触れるこの温もりが、他の誰でもないあなただから、なのに。
女の子同士だとか、そんなの何も関係ないってわかって欲しいのに。
わかって欲しいから、
「あ…」
私は、鹿目さんの手をとって、そのまま自分のスカートの中へと
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下校時刻を過ぎて無人の教室に、全力で閉じた文庫本が乾いた音を響かせる。
何よこの…何?
買い物ついでに立ち寄った書店に展開されていた、あまり目にしたことのないデザインの文庫本。
パステルカラーを基調にした表紙の、可愛らしいそれらは見覚えがないのも当然で、今月から新しく創設された「ルミナス文庫」というレーベルだった。
表紙が綺麗だったことと、その中の1冊の『交わした約束』という作品の帯に書かれた推薦文が、好きな作家によるものだったから特に内容を確かめずに買ってしまったのだが…後悔しきりである。
官能小説まがいの内容もさることながら、キャラクターのネーミングに閉口してしまう。
何なのだ、このメインキャラの「鹿目(しかめ)まどか」と「穂村暁美」というのは。
「鹿目さん」呼びだと字面が全く同じじゃないの。
どうしてこの鹿目(しかめ)さんは「暁美ちゃん」と呼ばずに「ほむらちゃん」呼びなのだ。しかも平仮名表記。
ストーリーも、長い入院生活から解放された穂村暁美が、ようやく通えるようになった学校で出会った一人の少女、鹿目(しかめ)まどかと心を通わせていく…という悪意すら感じられる内容。
しかも、『交わした約束 ~MDHMシリーズ 1~』と銘打ってある。
シリーズなの。これ。
まだ続きがあるの。これ。
裏表紙の返し部分には、他の作者の同時刊行作品のタイトルが4つ並んでいた。
創設月に5冊刊行というのが多いのか少ないのかはわからないが、確かに書店で見かけた時には、淡いピンクの表紙の『交わした約束』を含めて、5色の表紙のルミナス文庫が並んでいた。作品ごとに表紙の色が違うのだろう。
次巻もピンクの表紙だろうか。それとも、違う色で出るだろうか。次を探す時には表紙の色は当てにならないかも知れない。
いや、別に続きを読みたいわけではなく。
今回はまどかと仲良くならないようにしてるから、せめてお話の中では、とかそういうつもりもなく。
言い訳がましい気持ちを吐き出すように深呼吸を一つして、文庫本を鞄にしまう。そろそろ帰ろう。
立ち上がると同時に、教室のドアが開く。
「あ…」
「……」
部活動が終わったのだろうか。鞄とソーイングセットを持ったまどかが、教室の入口からこちらを見て動きを止めた。
何の冗談だろうか。夕日に照らされた教室に2人きり。『交わした約束』の冒頭シーンと全く同じだ。
登校初日、一緒に帰る友だちを見つけられなかった穂村暁美に、シカメまどかが声をかけるところから、物語が始まるのだ。
期待とも悪寒とも取れない落ち着かない心地に押されるようにして、私は会釈を一つ残してそこから去ろうとした。
「あ、あのっ! …一緒に、帰らない?」
背後から掛けられた言葉に、恐る恐る振り向く。
恥ずかしげにはにかむまどかの鞄のファスナーの隙間から、淡いピンクの文庫本が垣間見えた。
MDHMシリーズの作者、院久 米太先生に励ましのお便りを。mdhmください。
http://ikura.2ch.net/test/read.cgi/anichara2/1370074296/531