878 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2013/06/13(木) 21:49:59.75 ID:93ev3hPL0
がんばった。mdhmください。
梅雨の合間の、雲ひとつ無い空模様の朝。かすかに夏を予感させる、うららかというには少々強すぎる陽光に照らされた通学路。
爽やかなロケーションであるが、三連休明けの通学路というのはほのかに気怠い雰囲気を漂わせる。
尤も、休み明けの朝の憂鬱というものは、私とは無縁である。何せ――
「おはよ……」
「お、おはよう、まどか」
――憂鬱を吹き飛ばしてくれる筈のまどかが、とてつもなく陰鬱な表情でいつもの待ち合わせの場所に現れて私は面食らった。
休み明けともなれば、休日に何をしていたかを学校に着くまで楽しげに喋り続けるあのまどかが、頬に手を当てて俯き、ただ無言で歩いていく。
どうしていいのか分からず、私もただ黙々と歩き続ける。
休日中に何かあったのだろうか。三日の休みの内、初日は2人でデートをした。その時はいつも通りのまどかだった。昨日、一昨日でいったい何が。
「…うううぅぅ」
「まどか!?」
物思いに耽っていると、唐突にまどかが足を止めて呻き出した。具合が悪いのかもしれない。学校に着いたらすぐに保健室へ行くべきか。
それともいっそ、この場から一番近い病院へ、
「昨日から歯が痛いの…」
「……」
脱力した。気が抜けて、んふ、とヘンな笑いが漏れてしまって、まどかが恨めしそうに睨みつけてくる。かわいい。
「ご、ごめんなさい。心配してたものだから、安心しちゃってつい」
「むー…ほむらちゃんって、歯は丈夫?」
「そうね。あまり虫歯に悩んだ記憶は無いわ」
ますますまどかの目が不機嫌に細められる。手で抑えられた頬が膨れて、ますますコミカルな可愛さがにじみ出てきて笑いを堪えるのに必死である。
「ぷっ…大変ね」
「むぅぅぅ…ホントに痛いんだからね。ほらほら」
まどかはこちらに向けて可愛らしい口を開ける。綺麗に並んだ歯の、向かって右奥の方の下の歯が、黒ずんでいるのが見えた。
見せられても困るのだけど。舌が歯を撫でる艶めかしい動きに、不意に三日前のデートの別れ際の柔らかい感触が蘇ってきて、つい目を背けてしまった。
「虫歯って、感染症だと聞いたことがあるわ。虫歯菌は本当は人間の口には居なくて、小さい頃に周囲の人間が噛み砕いたものを与えられたりして感染しちゃうんだって」
顔に血が集まってくる感覚に、照れ隠しに話を逸らした。
「――ふぅん?」
ぞわり、と鳥肌が立った。怖い時のまどかの声だ。突然手を取られたかと思うと、あれよあれよという間に路地へと連れ込まれた。
「マドカサン、そろそろ行かないと遅刻…」
「誰かにうつせば治るかもしれないよね」
「治らないわそれは風邪よいや風邪も治らないわ今日歯医者に行きましょう私も付き添うから近い近いまどか待って待っていやあああ犯されむぐ」
学校が終わったら歯医者に行って、帰り道に薬局でデンタルグッズを買い込もう。まどかと一緒に。
口内を蹂躙される甘美な感覚に、そう誓った。
>>832ほむまどじゃないけど許してくだちい。mdhmください。
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