657 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2013/06/23(日) 03:24:10.99 ID:SAD1VlqI0
>>643んな展開はたまらんですね
隣ではほむらちゃんがスースーと軽い寝息をたてている。
窓から差し込む月の光がわたしとほむらちゃんを照らしていた。
しっかりしていてなんでもできるほむらちゃんは、同い年に見えないときもある。
けど、無防備なほむらちゃんの寝顔は結構あどけない。
昼間見せる顔とは違う、こんなほむらちゃんを知っているのは、たぶんわたしだけだよね。
そう思うとちょっと優越感が湧いてくる。
でも、ほむらちゃんが繰り返した中にいたわたしも同じなんだろうか。
ううん、もっと違うほむらちゃんを知ってるわたしがいたのかもしれない。
わたしがこんなふうに悩んでるなんて知らないで、気持ちよさそうに眠っているほむらちゃんに、
ちょっとだけ腹が立った。
「・・・えいっ」小声で呟いてほむらちゃんに軽くデコピンをした。
完全な八つ当たりだ。
わたしだって、過去の自分に嫉妬してるなんて、ほむらちゃんに知られたくないのに。
「ん・・・」しまった。ほむらちゃんが目を覚ましてしまった。
「まどか? 眠れないの?」
舌の回らない、まだ半分眠っているような声でほむらちゃんが聞いてくる。
ごまかせばよかったのかもしれない。
でも、ほむらちゃんの目を覗きこむようにして聞いてしまった。
「ほむらちゃん、過去のわたしは、ほむらちゃんのことどれくらい知ってたのかな」
ほむらちゃんはトロンとした目のまま、頭の上に?マークを浮かべている。
突然こんなこと言われたって意味がわからないよね。
「ううん、なんでもない。起こしちゃってごめんね」
勝手にお茶を濁して話を終わらせようとしたわたしを、ほむらちゃんはしばらく見つめて・・・ふっと微笑んだ。
ほむらちゃんの両腕がわたしの体に巻き付くように回されて、きゅっと締まる。
「私にとってまどかはまどかよ」
綺麗なすみれ色の瞳が、月の光に柔らかく光る。
「今のあなたも、過去のあなたも何一つ変わらない大切な人だわ」
わたしを抱きしめている腕に込められている力は、壊れ物を扱うかのように優しく、
ほむらちゃんが気を遣ってくれているのが伝わってくる。
それに何より、言い終わったほむらちゃんの口は幸せそうに笑っている。
わたしは何を悩んでいたんだろう。
ほむらちゃんは確かに私一人を好きで居てくれているのに。
「うん。わたしもほむらちゃんがとっても大切で、大好きだよ」
>>643は、隣に「寝て」居てくれている、とは書いていなかった、ということに書いてから気づいた
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