60スレ/過去の私も、今の私も

Last-modified: 2014-05-19 (月) 20:37:38
657 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2013/06/23(日) 03:24:10.99 ID:SAD1VlqI0
>>643んな展開はたまらんですね

隣ではほむらちゃんがスースーと軽い寝息をたてている。
窓から差し込む月の光がわたしとほむらちゃんを照らしていた。

しっかりしていてなんでもできるほむらちゃんは、同い年に見えないときもある。
けど、無防備なほむらちゃんの寝顔は結構あどけない。

昼間見せる顔とは違う、こんなほむらちゃんを知っているのは、たぶんわたしだけだよね。

そう思うとちょっと優越感が湧いてくる。

でも、ほむらちゃんが繰り返した中にいたわたしも同じなんだろうか。
ううん、もっと違うほむらちゃんを知ってるわたしがいたのかもしれない。

わたしがこんなふうに悩んでるなんて知らないで、気持ちよさそうに眠っているほむらちゃんに、
ちょっとだけ腹が立った。

「・・・えいっ」小声で呟いてほむらちゃんに軽くデコピンをした。

完全な八つ当たりだ。
わたしだって、過去の自分に嫉妬してるなんて、ほむらちゃんに知られたくないのに。

「ん・・・」しまった。ほむらちゃんが目を覚ましてしまった。

「まどか? 眠れないの?」
舌の回らない、まだ半分眠っているような声でほむらちゃんが聞いてくる。

ごまかせばよかったのかもしれない。
でも、ほむらちゃんの目を覗きこむようにして聞いてしまった。

「ほむらちゃん、過去のわたしは、ほむらちゃんのことどれくらい知ってたのかな」

ほむらちゃんはトロンとした目のまま、頭の上に?マークを浮かべている。

突然こんなこと言われたって意味がわからないよね。

「ううん、なんでもない。起こしちゃってごめんね」

勝手にお茶を濁して話を終わらせようとしたわたしを、ほむらちゃんはしばらく見つめて・・・ふっと微笑んだ。

ほむらちゃんの両腕がわたしの体に巻き付くように回されて、きゅっと締まる。

「私にとってまどかはまどかよ」

綺麗なすみれ色の瞳が、月の光に柔らかく光る。

「今のあなたも、過去のあなたも何一つ変わらない大切な人だわ」

わたしを抱きしめている腕に込められている力は、壊れ物を扱うかのように優しく、
ほむらちゃんが気を遣ってくれているのが伝わってくる。

それに何より、言い終わったほむらちゃんの口は幸せそうに笑っている。

わたしは何を悩んでいたんだろう。
ほむらちゃんは確かに私一人を好きで居てくれているのに。

「うん。わたしもほむらちゃんがとっても大切で、大好きだよ」

>>643は、隣に「寝て」居てくれている、とは書いていなかった、ということに書いてから気づいた

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