61スレ/あなたの幸せ-mdhmください

Last-modified: 2014-05-21 (水) 01:28:09
960 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2013/07/12(金) 12:19:51.98 ID:j1HiTRih0
本当の気持ちと向き合えますか? mdhmください。


 最近のほむらちゃんの口癖。

 朝の待ち合わせ場所で。
「おはよ、ほむらちゃん。」
「おはようまどか」
 そしてほむらちゃんは小さく、
「幸せだわ」
 と呟いた。

 お昼休みに。
「ふいー。ようやく昼休みだね、さやかちゃんお腹ペコペコだわー。まどか、ご飯食べよ」
「うん。ほら、ほむらちゃんも」
「ええ。…幸せだわ」
「また大袈裟な。ほむらもそんなにお腹空いてた?」
「……」

 そして、下校途中の別れ際。
「じゃ、ほむらちゃんまた明日」
「ええ」
 背を向けた私の耳に、今日も幸せだったわ、という呟きが届いた。

 ほむらちゃんは、幸せと感じる閾値が低い。
 私がそう感じるということはつまり、私がごく当たり前だと思うようなことを、ほむらちゃんが当たり前に得られなかったことの裏返しで、
なんでもないことで本当に幸せそうにしているほむらちゃんの顔を見ていると、私は嬉しいけれど胸を締め付けられるような、複雑な気持ちになる。
 きっと私は、ほむらちゃんに本当に幸せになって欲しいのだ。

「…で、さやかちゃんはどうすればほむらちゃんが本当に幸せになると思う?」
「いやなんて言うか…お幸せに?」
「もー、真面目な話なのに」
「こっちだって大真面目だよ! …でもまあ、どうも勘違いしちゃってるみたいだから言っておくけど」

 まどかはきっと、ほむらに幸せになって欲しい、なんて本気で思ってるわけじゃないよ。

 さやかちゃんは、そう断言した。

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「…っていうことが昨日あってね。だから私と結婚を前提にしたお付き合いを」
「今の話をどう捻れば求婚に繋がるのかわからないわ」
 朝の待ち合わせ場所で、挨拶もそこそこにプロポーズを切り出した私を、ほむらちゃんは珍獣を見るような目で見つめました。
「さやかちゃんに教えてもらったの。私、ほむらちゃんに幸せになって欲しいんじゃなかったんだよ」
「…不幸になって欲しいの?」
「なんでそうなるの。幸せにしたいの。私が、ほむらちゃんのことを、幸せに、したいの。どうやったら、ほむらちゃんを幸せにできるのか一晩寝ないで考えたの。
 やっぱり結婚するのが一番かなって」
 寝不足で太陽が黄色く見えます。
「まどか…貴女疲れてるのよ。学校に着いたら保健室に行きましょう。少し眠って冷静になりなさい」
 そう言うと、ほむらちゃんは私の手を取って歩き出しました。フラれてしまいました。
「…ゆっくり眠って、落ち着いて、それでもまだそうしたいなら、」

 もう一度、同じ事を言ってちょうだい。

 前を歩くほむらちゃんの長い髪から覗く耳は真っ赤で、私は鈍った頭で感じた幸せを噛み締めた。


自分の欲するところを精確に把握するところから始めましょう。mdhmください。

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