409 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2013/07/03(水) 00:49:36.73 ID:wCGBQHCn0
息がお酒臭い…気持ち悪い…。mdhmください…。
――見滝原がどうなったって構うものか。世界中の誰が死んだとて知るものか。
路上で寝るには、肌寒い季節。でも、人間を辞めてしまった身の上としては大した問題にならない。。
そして、強かにアルコールの回ったこの頭では、おおよそ世界中のどんなことだってどうだっていいことに成り下がった。
ただ、あの子のことだけを除いて。
――ヘンな意味じゃなくてね、かっこいいなーって…
また駄目だった。だから、もう一度やり直そうとした。いつも通りだった。あの子が、まどかが、私の名前を褒めてくれるのも、いつも通りだったんだ。
なのに。なんでだろう。あの時私は、何かが音を立てて崩れる音を聞いた。どうでも良くなった。
勝手に口が動くままに警告を発して、そのまま足の向くままに街をふらついた。
視界に一枚ベールが掛かったような、朧な意識の中でも頭の何処かは冷静で、その冷静な私は冷静でない私を羨んでいた。
お前たちばかりずるい。私も何も考えたくない。もう嫌だ。
だから私は、年齢確認が杜撰そうな個人商店を狙って、酒類を買い込んだのだ。
暴力団事務所に銃器類と一緒に積んであった、とても合法に見えない薬を一緒に盗んでいなかったことを初めて悔やんだ。あれがあれば、もっと手っ取り早かっただろうに。
それでも、恒常性を保とうとする魔力を遮断してしまえば、酔ってしまうのは簡単だった。
胃から立ち上る、酒精を含んだ息。覚束ない足元。投げ付けられる怪訝そうな視線。
構うものか。通報したければしてしまえ。私がどうなろうと、この街がどうなろうと、どうでもいい。
「ほむら…ちゃん…?」
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「うっ…ぐ…」
「全部出したほうが楽だよ…吐き方、わからない? …ごめんね」
喉の奥にするりと入り込んだ異物への防御反応。流し込んだアルコールが、便器に吸い込まれていく。
殆ど残ってない理性が感じた、背中をさする手の暖かさ。その暖かさが、なけなしの羞恥心を呼ぶ。私は、よりにもよって、こんなところを、
「大丈夫だよ。私のママ、随分酔って帰ってくることもあるんだ。もう、慣れちゃった」
慣れた対処はそのせいか。逆流の苦痛の中で、ちらりとそう思った。
「…もう、出ないかな? 少し休んでいったほうがいいよ」
「わたし、もう、ぜんぶどうでもよくなって、」
何を言おうとしているんだ、私は、
「うん、大丈夫だよ」
「違うの、私、まどかが、」
「うん、大丈夫」
「私、明日風見野に行く」
「…うん」
それを言って、どうするの。まどかは何も知らない。
「佐倉杏子ともう一回話してお願いする。巴マミともう一度向き合う。美樹さやかも」
「うん」
「必ず、必ず約束を守るから、だから」
「うん、うん…ほら、横になって。ごめんね、私のベッドだけど。少し、待ってて。パパに言ってくるから…」
「やだ、お願い、行かないで、鹿目さん、お願い、お願い」
「…うん。大丈夫だよ、どこにも行かない」
しがみついた手の暖かさ。頬をなぞる優しさ。回る視界の中の柔らかい微笑み。落ち着く声。何もかも捨てたかった私のすぐ傍に、たった一つの守りたいものがあった。
こういうことだってありますよね。目が覚めて、TMHSさんお手製のしじみ汁を飲んだら、風見野に出かけましょう。mdhmください。…うっ
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