594 : まどほむネタ : 2011/10/08(土) 23:39:14.97 三周目まどほむ マミさん死亡後、ほむホームにて
「鹿目さんのお父さんとお母さんには連絡しておいたからね。今日は私の家に泊まるって」 「うん…」 「…今お布団敷いたから。狭い部屋だけど二人なら並んで何とか寝られるよね」 「うん……」 「……喉乾いてるよね。コーヒー入れるから少し待ってて」 「………ほむらちゃんはさ。どうして平気な顔してるの?」 「え………?」 「…こんな事になっちゃって。もう何もかも終わりだよね」 「…そんな事ないよ。鹿目さんと私がいれば、二人できっとワルプルギスの夜を倒せるよ…」 ほむらちゃんの目を見て。その途端、私が抑えていた感情が何もかも爆発した。 「気休めなんか…言わないでよ…っ!」 襟首を掴んで、布団の上にほむらちゃんの頭を力任せに押し付けた。 ほむらちゃんの眼鏡が外れて、床で硬い音を立てた。
595 : 名無しさん@お腹いっぱい。 : 2011/10/08(土) 23:40:48.30 「さやかちゃんも!杏子ちゃんも!マミさんも死んで!二人きりでワルプルギスの夜を倒せるわけないよ!」 「…鹿目さん…く…苦し…い…」 「もし倒せても、私たちもさやかちゃんと同じようにいつか魔女になっちゃう!もう人間には戻れない!何を希望に戦えっていうの!」 「鹿目さ…落ち着…いて…」 「ほむらちゃんが落ち着いていられるのは、『またやり直せばいい』と思ってるからだよ!私のことを見捨てて過去に戻って…そしたら私は…一人ぼっちに……っ!」 目の前の景色が潤む。知らない間に頬を大粒の涙が流れてて、ほむらちゃんの顔に落ちてぽたぽたと音を立てていた。 腕の力がどんどん抜けていく。声は言葉にならなくて、ただの嗚咽に変わっていく。 「ほむらちゃん…私を、一人にしないで…」 「……大丈夫。鹿目さんを一人になんてしないから…」 ほむらちゃんは私の体を優しく抱き止めて言った。 「たとえ魔女になっても、私は貴女と一緒にいるから…だから…泣かないで…」 「…本当?約束してくれる?」 「うん、約束」 「嬉しいな…ずっと、ずっと一緒にいられるんだね…」 ほむらちゃんの三つ編みはいつの間にか解けていた。 初めて見た眼鏡を外したほむらちゃんの顔は、女の子の私が見てもびっくりするほど綺麗で、そして悲しげで。 私はもう頭の中がぐしゃぐしゃで、何もかもが抑えきれなかった。
神様……。 もしこの世に本当に神様がいるのなら、今すぐ私を雷で撃ち殺して下さい。 私がこの健気な子を汚す前に私を裁いて下さい。
597 : 名無しさん@お腹いっぱい。 : 2011/10/08(土) 23:46:20.54 薄れていく意識の中で、さっきのほむらちゃんの言葉が繰り返し響いていた。 (たとえ魔女になっても、私は貴女と一緒にいるから…) (たとえ魔女になっても…) …違う。こんな事があっちゃいけない。 ワルプルギスの夜が越えられたとしても、きっと私の心は壊れてしまう。 だけど、ほむらちゃんにはまだ未来がある。 私の道連れにしちゃいけない。 死なせない。魔女になんかさせない。 何があってもほむらちゃんだけは救ってみせる。
そうだ。あの時思わず拾ったさやかちゃんの欠片。 私は嘘つきだ。キュゥべえなんかよりもずっと卑怯で意地汚い詐欺師。 ごめんね。やっぱり、ほむらちゃんとの約束、守れそうにない。 だけど……せめて、今だけは。
ほむらちゃんの温もりを感じながら、私の意識は深い夜の闇の中に沈んでいった。
何か書いてるうちにどんどんヤバい方向へ行っちゃったスマソ
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