77スレ/いともたやすく行われるえげつない行為の果て Ⅳ

Last-modified: 2014-06-03 (火) 01:35:04
82 名前:75スレ202[sage] 投稿日:2013/11/12(火) 00:00:44.66 ID:hZZG9/XL0
体調崩して数日空いちゃいましたが、これで完結です
というわけで血塗れルミナスです
http://ux.getuploader.com/homumado/download/364/%E3%81%84%E3%81%A8%E3%82%82%E3%81%9F%
E3%82%84%E3%81%99%E3%81%8F%E8%A1%8C%E3%82%8F%E3%82%8C%E3%82%8B%E3%81%88%E3%81%92%E3%81%A4%E3%81%AA%E3%81%84%E8%A1%8C%E7%82%BA%E3%81%AE%E6%9E%9C%E3%81%A6%E3%80%80%E2%85%A3.txt

で、会社の昼休みに書いた絵、こいつはすぐに削除します。
http://ux.getuploader.com/homumado/download/365/131111.jpg

http://hello.2ch.net/test/read.cgi/anichara2/1384169584/82

txtファイルはこちら

Dirty Deeds Done Dirt Cheap


いともたやすく行われるえげつない行為の果て Ⅲ


「これでいいかな…」
破壊された身体を引きずるように2人は椅子にたどり着く
椅子はボロボロだったし、あの光溢れる草原とはほど遠い荒野だったが、
それでも確かに体裁だけはあの夢の光景だった。
急に暗くなり始めた、さやかはふと空を見上げる、ああ…月が飲み込まれていく…もう時間は残されてない。

「うぇひひ」
「ふふっ」
お互いの顔を見て少し照れながら笑う、そして少し躊躇しながらも
お互いの身体に体重を委ねる。
「何か…しないとね」
「でも…もうこれでいいのかも」
これが正真正銘最期の逢瀬だ、さりとて…余りにも沢山の思いが溢れ出て
却って金縛りにあったように何も出来ない。
「なんてこといっちゃダメだよ」
まどかの舌がほむらの頬を這う。
「なっ」
不意打ちにおもわず目を見開くほむら。
「さっき…私の血、舐めてくれたから」
もういちどペロリとほむらの鼻の頭を舐めるまどか。
「ほむらちゃ…ほむらの身体、一杯穴だらけにしてごめんね」
「ううん…まどかの付けてくれた傷だから、全部が愛しい」
少しだけ頬を染めるほむら、昔の痛い発言を思い出したようだ。
「顔…綺麗にしてあげる」
ほむらはまどかの顔にかかった血を舐め取っていく
「ほむらのお顔も…ね」
まどかもまたほむらの顔に舌を這わせる。
互いの顔を甘い吐息を漏らしながら無心で舐めあう2人。舌と舌が出会えば夢中になってキスを交わす。その繰り返しだ

しかし甘やかな吐息の中にも苦悶の声が上がる。
「まどか…痛いの?」
「うん…すっごく痛いよ…でもほむらちゃ、ほむらの付けてくれた傷だから…それにもうすぐ痛みも何も感じなくなるよ
…それが寂しいかな」
「大丈夫」
ほむらはまどかの手を握ろうとして自分の手がない事を今更のように思いだす。
「泣いちゃ…ダメだよ」
ほむらの代わりにまどかがほむらの首に手を回す。

「あのさ…痛くなくしてあげようか?」
ここでさやかが唐突に声を掛ける、考えて見れば自分は癒しの魔女なんだから…しかし。
「さやかちゃん…今のは」
「空気が読めないのも相変わらずね」
と、露骨に邪魔者扱いされてしまう、いつもそうだ。
「あーすんませんお邪魔っすか」
苦痛を快楽に転化する魔法で2人共々ヨガリ死なせてやろうか!と一瞬思ったが
(作者も最初はそういう予定だったが、長くなるのと倫理観の狂ったセリフが多くなるのでやめた)
あれは自分のために取っておこう、杏子に抱かれる夢を見ながら死ぬために。

「でも…さやかちゃんも頑張ってくれたし、だから」
まどかがほむらの膝の上を指差す。
「さやかちゃん、死ぬ時はここで死んでいいよ、いいでしょ?」
「まどかがそういうなら…」微笑むほむら
「ということで美樹さやか、私たちの膝の上で死んでいいわよ」

「どういう言い草だよ…たくアンタら、いいから続けなよ」
2人の上からの物言いに苦笑するさやか。

そしてまた2人の愛撫が始まる。
もうすでに互いの全身は壊れ尽くされていながら
それでも2人は抱擁を、愛撫を、接吻を止めようとはしない。
「これが終わったら銀のお庭に行こう…そこなら誰にも邪魔されたりなんか…しないよ」
「もう…帰さないから」
「うん…もう帰らないよ」
微笑みあう2人だが、しかしまっ黒い血がまどかの、そしてほむらの口元から溢れ出す。
苦悶の叫びを上げる前にその叫びを互いの唇が塞いでいく。

「なんだか眠くなってきたわ……ねぇまどか…そろそろいきましょうか」
荒い息遣いながらも至福に満たされ安らかな笑みを浮かべるほむら。
「うん…いいよ…先に逝ってて…私はほむらの綺麗なお顔を見ながら死にたいから」
「そんなの…私だって…まどかの可愛いお顔を見ながら死にたいわ」
「じゃあ…いっしょに…ね」
小鳥が互いの嘴を啄ばむような愛らしいキスの音が何度続いただろうか、それがどちらからか何時の間にか絶えた時。
鹿目まどかと暁美ほむらはようやくその傷だらけの生を終えることが出来たのだった。

人の身でありながら女神と魔王の座にまで上り詰めた2人の少女、
もし後の世があるのならば悲劇を孕んだ英雄譚として語られることもあるのかも知れない。
しかしその願いの根本は大好きな人を救いたかった、そして大好きな人の傍で微笑んでいたかった。
それだけのことにどれほどの長い時間と残虐な枷と過酷な寄り道を強いられたのだろうか?
そして許されたのは共に死ぬことだけだった。

(でも…ようやく誰にも邪魔をされない場所にいけたんだな…2人とも)
至福に満ちた2人の顔を満足げに眺めると、まだ温もりの残る2人の膝にさやかは倒れこむ。

(全部終わったよ…やっとそっちに逝けるよ杏子、ああ…マミさんカップは3つでいいや…その代わり…さ)

(小鳥を連れて行くよ…番いのさ…銀の庭の中で永遠に終わらない愛の歌を囀りつづける…)

(だからさ…遅れたの勘弁して…)

2人に遅れること30秒、美樹さやかも全てに満ち足りて甘き死の門を潜った。


そして観察出来うる全ての存在は消滅した。