95スレ/春休み

851 名前：春休み 1/4[sage] 投稿日：2014/03/11(火) 23:24:24.22 ID:2d2lujGGO
3月に入ってしばらくして、だんだんと陽気を感じるようになったある日のこと。
散歩もかねて、まどかとほのかと私の三人で、少し離れたスーパーまで歩いて買い物に行った帰りのことだ。
歩きながら、ふと違和感を感じる。
その正体を考えていると、繋いでいた手がひっぱられて我にかえる。

｢ほむらママ、どうしたの？　かんがえごと？｣
｢ほむらちゃん、どうしたの？｣

いけないいけない。二人が心配そうにこっちを見ている。

｢ごめんね。ちょっと考えごと。｣
｢なになに？｣
｢ここ2,3日、制服姿の子を見かけないなと思って……｣

見かける度に、懐かしさと着ている子にちょっとした親近感を覚えていた見滝原中学の制服はもちろんのこと、
高校のセーラー服を着た子も、ランドセルを背負った子も見当たらない。
カレンダーを思い浮かべてみても、今日の日付は黒もじ。
他に何か……と考えていると、まどかがあっさりと答えを導きだした。

｢だって、もう春休みだよ｣

その言葉で、疑問が氷解する。

｢そう言われてみれば、そんな時期ね。すっかり忘れていたわ｣

学生だった頃は忘れるはずもない長期の休み。
しかし社会人になれば、休みを決めるのは基本的にカレンダーの文字の色だけだ。

｢見慣れたものが見あたらないってちょっとさみしい気もするね。｣
｢……わたしもきてみたいなぁ、せいふく｣
｢もうちょっとの辛抱だよ｣
と、まどかが意味ありげな笑いと共に言ったところで、家に着いた。

852 名前：春休み 2/4[sage] 投稿日：2014/03/11(火) 23:25:33.05 ID:2d2lujGGO
買ってきたものを冷蔵庫にいれたあと、まどかはほのかと一緒に寝室にこもっている。
何をしているのか、大体の想像はつくけれど……
とてとてと、寝室の方から足音が聞こえてくる。

｢みてみて、ほむらママ！　せいふく！｣

リビングのドアを勢いよく開けて入ってきたのは、見滝原中学の制服を着たほのかだった。
サイズ的に、まどかの制服だろう。そでも長く、ぶかぶかではあるものの。

｢よく似合っているわよ。かわいいわ｣
｢えへへ～｣

ほのかは嬉しそうに笑う。

｢ところで、まどかママは？｣
｢まどかママはね～｣

どたどたどた…ガチャッ

｢じゃーん、制服。久しぶりにきてみたの｣

……

｢中学校の制服よね、それ｣
中学校を卒業して、それなりに時間がたっている。
それでもまだ制服が着られるということがあるのだろうか。いや、不可能ではない…？

｢あーっ、今、なんか失礼なことを考えてるでしょ！｣
｢い、いいえ、そんな事ないわ｣
｢ホントに～？｣
｢まどかママ、かわいいよ。すっごくにあってる！｣
｢そう？　ありがとう｣

853 名前：春休み 3/4[sage] 投稿日：2014/03/11(火) 23:26:37.14 ID:2d2lujGGO
｢それで、その制服は……？｣
｢これ？　ほむらちゃんのを借りたんだ｣
｢そういうことね｣

まどかより背の高かった私の制服なら、着れないことはないだろう。
しかし、私とほとんど身長の変わらない今のまどかが着るとやはり袖も丈も足りず、
何より、大きく成長したある部分のせいで上着が窮屈そうである。
……当時はそんなに差はなかったのに、一体なぜなのかしら。

｢やっぱり、ちょっと無理があったかな？｣
｢いえ、そんなことはないはずよ｣

とっさに否定してしまった。

｢だよね。じゃあ、ほむらちゃんも着てみよっか｣
｢……え？｣
｢ほむらママのせいふくすがたもみれるんだぁ！｣
｢いえ、まだ着るとは…｣
｢さあ、もう服の準備はできてるからね。ほのか、ちょっと待っててね｣
｢うん、いいこにしてるね｣
｢待って、ああ～っ｣

854 名前：春休み 4/4[sage] 投稿日：2014/03/11(火) 23:27:42.44 ID:2d2lujGGO
おまけ

｢久しぶりの制服、新鮮だったね｣
｢ええ、たしかにそうだったんだけど……｣
｢どうしたの？｣
｢少しくらいならよいのだけれど、
お風呂にはいるまでずっと制服はさすがに恥ずかしかったわ｣
｢着ているうちに慣れてこなかった？｣
｢慣れなかったわ…｣
｢そんなに恥ずかしいかなぁ？｣
｢恥ずかしいわ。特に上着とスカートの丈が……｣

と、まどかの目が怪しくひかる。

｢ねぇ、ほむらちゃん？｣
｢な、なにかしら｣
｢私が制服を着てるとき、ほむらちゃん、
私のおっぱいをチラチラ見てたよね｣
｢！？｣
｢ちゃーんと気づいてたよ｣
｢それに、おへそとパンツが見えそうなくらい短い上着とスカートだったよね｣
｢いや、制服を着させたのはまどか……｣
｢もう、完全に誘ってるよね｣
｢そ、そんなことは……｣
｢大丈夫。ちゃんと期待に答えてあげるね｣
｢ああ、まどかぁぁぁ｣

おしまい

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