お前絶対捕まえて体重見てやるからな

Last-modified: 2019-11-21 (木) 00:35:43

概要

お前絶対捕まえて体重見てやるからなとは、がもうレオンさんの『ポケットモンスター金』プレイ中における発言である。
この「体重」は唐突に出てきた要素ではなく、パッと見大柄なマンタインの「おもさ」がそこそこあると踏んでヘビーボール*1を投げたのに捕まえられなかった流れから来ている。

発言の珍妙さもあるが、がもうさんがマンタイン捕獲に苦戦した流れを含めて印象に残った視聴者も一定数いると思われる。

詳細

動画は『がもうレオンさんの ポケットモンスター^金^ その63【実況プレイ】』を参照。

 

(18:16~), (22:44)

初めて見るマンタイン相手に早速、すいとるを忘れさせられたクサッツで捕獲に取りかかるがもうさん。
倒してしまうことを恐れ、まずはHPバーが黄色&ねむり状態でスーパーボールを投げた。
しかし、ボールが1回も揺れることなく*2マンタインが飛び出し、失敗。 がもう「ウェイ!?」

悩んだ末もう1回攻撃を加え、今度はHPバーが赤&ねむり状態でハイパーボールを使用。
だが無情にも、再びボールは1回も揺れず失敗。 がもう「one・・・ワン!?」

次の一手を考える最中ヘビーボールが目に留まると「重いか!?お前重いんじゃね?」と発言。(21:29)
その画面には

たいじゅうの おもい ポケモンを
つかまえやすい ボール

との説明文が表示されていた。

実在するマンタやエイは、代表的な種の成体で体重が1トンを優に超えるという大型の生物である。
そのイメージを踏まえると、ヘビーボールが有効ではないか、という予想はごく自然な発想である。

とりあえずもう一度スーパーボールを投げてみると・・・3回揺れて捕獲成功直前までいったが、惜しくも失敗!

今度はヘビーボールにカーソルを合わせ「こいつが重いかどうかだな」と思案した結果、ついに「重い!お前は重い。多分、60キロぐらいある」と言いながらヘビーボールを使用。(22:19)
その結果は・・・ボールが1回も揺れずに失敗! がもう「ワンッ!?」

期待が外れたがもうさんは次の手としてスーパーボールを選びつつ、

「ちょっとお前、絶対捕まえて体重見てやるからな・・・

と宣戦布告をするのであった。

おそらく、マンタインにヘビーボールが有効だという予想が当たっていたのかを気にしての発言と思われるが、文面だけ見ると妙な印象を抱かせるものだった。
相手の体重を知りたがるフェティシズム持ちのストーカー的な人物を連想させるようでもある。

その迷言を視聴者コメントにいじられながらも、ボールを投げ続けるがもうさんだったが・・・
最後のひとつとなったヘビーボールも3回揺れたものの、あえなく失敗。
通算14個*3のボールを破られ、手持ちのボールが無くなってしまった。 つみです

マンタインの体重を見ることは叶わず、ボール分などの損失が大きいと思ったがもうさんはリセットすることに。

再挑戦

リセットから約5分後、再びマンタイン捕獲のチャンスがやってきた。
ボールを買い足したりはしておらず、前回と同じだけのボールで挑むことになった。

 

(5:13~)

ボールを次々と破られる中、ヘビーボールの1発目で3回揺れるところまでいったのを見たがもうさんは、「ヘビーでも行けるってことは重いんじゃないかコイツ?」と、やはりマンタインとヘビーボールの相性が気になる様子。
続いて2発目のヘビーボールを投げるが、今度は揺れが1回だけで出てきてしまった。 がもう「one、わ~ん・・・」

その後(今回の戦闘において)12個目のボールまで破られ、残すはスピードボール2個のみとなってしまった。 (11:45~)
がもうさんはスピードボール*4の特性から捕獲率の上昇は期待できないと踏んでいたのか、直前のスーパーボールで「実質最後だ」と言っていたが・・・

「ひとつ、ふたつ、みっつ、ウソやろ!?

投げやり気味に使ったスピードボールで、まさかの奪取!

「いや、そりゃあ、ね?しょうがないけどさあ、何か納得いかねえな・・・」

と微妙な笑いを浮かべつつ、マンタインの図鑑登録に進む。

体重!うおー!やっぱ重いじゃないっすか!

画面には「おもさ220.0kg」という情報が映し出されていた。

「60キロどころじゃなかったわ・・・」

種明かし

こうしてがもうさんは体重を見ることはできたのだが、それだけではヘビーボールの有効性までは分からない。
実際のところ、マンタインに対してヘビーボールはどの程度有効だったのだろうか?

※内部的な仕様に言及することになるため、詳細は折りたたみ部分の内側に収めてあります。

 

展開する

捕獲が成功する確率の仕様として、以下の点を挙げる。

  1. ポケモンの種族ごとに「被捕獲率」(捕捉率、レア度などとも呼ばれる)が設定されており、この値が低いほど捕獲成功率も低くなる。
  2. ほとんどのボール(スーパーボール、レベルボールなど)の効果は、被捕獲率に対して「1.5倍」「2倍」といったように乗算で補正するものだが、ヘビーボールだけは加減算で補正する。
 

まず1番について、マンタインの被捕獲率(捕まえやすさ)はというと、普通にエンカウントする野生ポケモン(伝説系やカビゴンのような特殊なエンカウントをする系統を除いたもの)としては、かなり低い(捕まえにくい)部類である。
特に、マンタインの初登場となる第2世代においては、同じくらい低い種族はエアームド、ヤミカラス、ラッキーと数えるほどしかいない。

ラッキーは出現率も非常に低く、いかにもレアといった雰囲気を帯びているが、マンタインの出現率は「やや低い」程度であり、その生息地が広い水道であることを考慮すると、比較的「探し回らなくても割と遭遇しそうな種族」といえる。
能力的にもそれほど目立った特徴がないこのポケモンがなかなかボールに収まってくれない光景は、意外性という面で印象に残りやすい。
(『銀』バージョンでは野生で出ない、という特徴はあるが、バージョン限定と「捕まえにくさ」はあまり関係ない。)

次に2番について言及する。
ヘビーボールの効果は被捕獲率に対して加減算で補正するものなので、元の被捕獲率が非常に低いポケモンに対しては乗算よりも効果的である。
一方、被捕獲率が「割と低い」程度の相手だと(倍率の高い乗算のボールと比べて)効果的とはいえない程度の補正となる。

ではマンタインの場合はどうなのかというと、残念ながらヘビーボールによる捕獲成功率は「スーパーボールよりは高いがハイパーボールよりも少し低い」程度になるらしい。

マンタインの「おもさ」を知った後ではなおのこと、ヘビーボールが有効なのでは?と思いがちだが・・・
実際は「被捕獲度の低さ」においても「おもさ」についても中途半端なので、ヘビーボールの補正がハイパーボールを超えるには至らない、ということのようである。
しかし、第2世代において「おもさ」が第5位(ラプラスと同点)のマンタインですらヘビーボールが効果的でないということは、それだけ活用できるケースが少ないということであり、バランス調整不足は否めない。
「おもさ」2位のハガネールと3位のゴローニャは野生で出現しない点を踏まえると、なおさらである。

 

とはいえ、マンタインに対するヘビーボールとハイパーボールとの差は誤差範囲内のようなものである。
つまり、値段の張るハイパーボールの代用としてならヘビーボールの利用価値はあると思いたいが・・・
残念なことに、こちらの出しているポケモンのレベルが相手のマンタインより1でも高ければ、レベルボールがハイパーボールと同等の性能になるらしい。(しかも、レベルボールは条件次第でさらに高くなる)
がもうさんが奪取!までに遭遇したマンタインはどちらもレベル20であり、手持ちポケモンのほとんどがそれを上回っていたことから、レベルボールはハイパーボールと同等であったといえる。
野生のマンタインは最大でレベル24の個体が出現するらしいが、それでもクサッツのレベル25の方が上であった(経験値の分散しがちながもうさんのプレイングでさえ)。

以上の点に加えて、1日1個ずつしか増やせないという点はヘビーボールもレベルボールも同じなので、マンタイン用にヘビーボールを用意する意味はほとんど無いといえる。

何にせよ、被捕獲度がマンタインくらいのポケモンをHP赤ゲージまで削り、さらにねむり状態にした状況においては、モンスターボール~ハイパーボール程度の性能差では捕獲の成功率にあまり大きな差が出ない。
計算上の捕獲成功率はおおよそ13%~22%といったところ(まひ状態なら11%~20%程度)であり、1回捕まえるだけなら試行回数は大して伸びないので、1割も2割もそう変わらない(誤差範囲内)といえる。
がもうさんが最終的にマンタインを捕まえたスピードボールは、その条件においてはモンスターボールと同等の性能であり、11%を引き当てたに過ぎない。

ちなみに、マンタインの捕獲率を安定させるには、レベルボールの性能を最大限に引き出すか、ラブラブボールの補正を効かせるという手段がある。
HPを減らす&ねむり状態と組み合わせると捕獲成功率は約80%にまで上昇するらしい。
しかし、レベルボールの場合は少なくともレベル80台のポケモンが必要であり、ラブラブボールについても同じ性別*5のマンタインが必要となる。
攻略中の初めての捕獲を想定すると、どちらもないわーということになる。

 

参考

捕捉率一覧 - ポケモンWiki
https://wiki.ポケモン.com/wiki/捕捉率一覧
捕獲補正率 - ポケモンWiki
https://wiki.ポケモン.com/wiki/捕獲補正率

POKeMON Analysis ポケモンの解析をいっぱいしたよ~ v(^‐^)o
http://psense.lib.net/Analysis/AuAg/

 

 

結論としては、マンタインにヘビーボールを投げて捕獲に失敗すること自体は、珍しくもなんともない。
むしろ1回や2回失敗する方が自然である。
マンタイン自体が捕まりにくいポケモンということで、割り切って何度もボールを投げるのが現実的な対処法である。

ちなみに、がもうさんが1匹目のマンタインに14個のボールを破られた全体の確率を概算すると、5%~6%程度となった。
つまり、1キメラ(6.25%)よりも珍しいくらいには運が悪かったといえる。
さらに2匹目にもボール12個まで失敗した点を加味すると、5%よりもだいぶ低確率な(珍しい)出来事であったといえる。

用法

基本的には、がもうさんとマンタインの戦いを象徴する言葉として引用される。

 

応用としては、相手の体重が気になったときに使おう。

もっとも、「捕まえて」という不穏なフレーズが入っているのでTPOを選ぶかもしれない。
また、キャラクターの体重を作品内で見ることができるのか(そもそも公式に設定されているのか)という点もあるが、意識されることはあまり無いと思われる。

状況に合わせて「捕まえて」や「体重」といった要素を別の語に置き換えると、応用の範囲が広がりそうである。
ただ、相手の何らかの一面を暴こうとするような言い方から離れてしまうと、何の用語の改変なのか伝わりにくいかもしれない。

元の発言に比較的沿った(?)用法としては、ポケモンの捕獲のように仲間キャラクターを勧誘する等の場面でなかなか成功しないときに、じれったさと諦めない姿勢を表現するために使えるかもしれない。
その場合、実際には体重に興味がなくとも、用語っぽさを強引に出すために「体重」の部分はそのままで使われることもあると予想される。

他方、「体重」を見るという要素さえ固定していれば伝わる人も一定数いることを期待して、元の言い回しを大きく崩した用法も考えられる。 例:「こいつの体重気になるすね」「仲間にして体重確認しなきゃ!」

「お前」「捕まえて」の部分から「おまつか」と略すと「これつか」風になるが、もはや何の略だか分からなくなりそうである。

余談

きれ生でお馴染み、『ときめきメモリアル*6や『パティシエなにゃんこ』には、キャラクターに身長の設定はされているが、体重の設定はされていない。

初代『ときメモ』に登場する早乙女好雄には、女の子のスリーサイズを見抜く能力がある。また『ときメモ4』にも彼のソウルを受け継いだと思しき「Yの魔眼」というスキルが存在する。いずれも体重を見抜くことまではできなかったようだ。
好雄や主人公が「あえて見ないようにした」という解釈もできるが、スリーサイズを見ておいて今更な話ではある。

このように、製作サイドが意図的にキャラクターの設定を行わない、あるいは公にしない例は、ゲームやアニメではままある。例えば、藤子・F・不二雄氏が、「ドラえもん」のジャイアンの妹であるジャイ子の本名を不明のままとしたのはよく知られている*7

 

何にせよ、設定が無いのであれば捕まえようが体重を見てやることはできない。
場合によっては、製作スタッフを捕まえて設定を聞き出せば判明する可能性もあるかもしれない。

関連項目

お前ら絶対リンク先開いて体重見てやるからな!


*1 後述の内容と重複するが、ゲーム内の説明文によると「たいじゅうの おもい ポケモンを つかまえやすい ボール」となっている。
*2 仕様上、捕まえにくい(捕獲に成功する確率が低い)状況ほどボールの揺れる回数が少ない段階でポケモンが出てきやすい傾向がある。これは、内部的な仕様を詳しく知らなくても、プレイヤーが体感的に分かることである。なお、揺れる回数は最大3回で、3回揺れた後に成功するパターンもあれば失敗するパターンもある。
*3 内訳:スーパーボール×5, ハイパーボール×3, スピードボール×2, レベルボール×1, ヘビーボール×2, ラブラブボール×1
*4 ゲーム内の説明によると「にげあしの はやい ポケモンを つかまえやすい ボール」だが、設定ミスにより実際にはコイル・モンジャラ・ベトベターのみに有効。
*5 ゲーム内の説明では「違う性別」となっているが、設定ミスにより条件が逆になっているらしい。
*6 ただし、『Girl's side』シリーズの攻略キャラはゲーム内のプロフィールで体重が表示されるし、本家『2』のヒロインにも設定は存在する様子。『ときめきメモリアル大辞典』のこちらのページを参照。
*7 同名の女の子がいじめられないようするため、という藤子氏の配慮だという。参考:Wikipedia