あわしまマリンパーク閉園騒動

Last-modified: 2024-03-01 (金) 16:11:26

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 あわしまマリンパーク閉園騒動とは、2024年(令和6年)2月10日に、静岡県沼津市内浦重寺・淡島にある水族館『あわしまマリンパーク』の周辺で発生した騒動である。一部の『急進派・強硬派ラブライバー(以下:急進派)』による迷惑行為も含まれている。
 『ラブライブ! サンシャイン!!』の舞台にして聖地となった同館が、老朽化や来園者数の減少を理由に2024年2月に閉館することが決まり、その後Aqoursのメンバーの1人である松浦果南の誕生日を受けて同館が記念イベントを開催。メンバーの誕生日や水族館へのお別れを告げに多数のラブライバーが訪れた結果、急進派が同館・周辺施設および沼津市民に対して狼藉ともいえる行為を繰り返し、警察が出動する騒ぎとなった。
 この騒動は本来はバンドリと無関係だが、反響が大きいので記述する。

《概要》

 駿河湾に浮かぶ淡島はかつて、旧日本海軍の音響兵器の実験場が立地しており、その名残は今でも桟橋として残っている。
 同島の東岸に位置する『あわしまマリンパーク』は、1960年代に前身の『淡島海洋交園』として開園したのを機に、1980年ごろに実業家が「島全体をレジャー施設にしよう」と経営計画を立案。1984年に開園した。
 国内最大の50種類にも至るカエルの展示、イルカやアシカのショー、滑り台によるペンギンの給餌などといった水族館らしい演出もさることながら、一番の特色は「陸続きではない淡島に船で上陸する」というものだった。
 淡島までは250mしか離れていないものの、橋をかけるという計画はない(ロープウェイは存在していたが2008年に廃止)ため、開園当時から船による上陸が珍しいと言われ、沼津市の観光スポットの1つとなっていた。
 2019年末に親会社の社長が詐欺罪で逮捕され、償還金絡みの事件も起きたことで船が差し押さえられるということもあったが、約40年間にわたり営業を続けた。
 2020年の新型コロナウイルスの流行による来場者数の減少、昨今のウクライナ情勢などに影響された光熱費・燃料費の高騰、同園のオーナーが存続に否定的だったこと、さらに施設自体も塩害で老朽化したことで営業を継続できず、2024年2月12日(のちに同月25日に延長)をもって閉園することとなった。最終イベントとして松浦果南の誕生日(2月10日)を盛大に祝うことになったが……

《事件発生》

 今回の閉園騒動において発生した事件は、急進派による『徹夜組問題』『駐車場問題』『実用性のない署名運動』の3つである。記事をわかりやすくするために、順番に記述していく。

【徹夜組問題】

 閉園するのは2月のため、冬季の営業時間を採用する。
 マリンパークの営業時間は、チケット発売・開園が9:50、閉園が16:30(最終入場は15:00)、船舶は10:00~16:20となっており、鉄道やバスの始発(7時台)であっても十分に開園時間に間に合う。
 ところが、前日(9日)の19時49分ごろに投稿されたX(旧Twitter)の投稿においては、「すでに何台かのラブライバーの車が止まっている」という証言があり、さらに10日のチケット購入において一番前に並んでいた客は、前日23時から並んでいたと報告されていた。
 急進派は車中泊などの方法で、朝になるまでマリンパークの駐車場を占拠し、近辺のコンビニエンスストアや民家に対しても騒音をまき散らす、2車線の生活道路の片方を渋滞で封鎖するなどの迷惑行為を繰り返し、地元住民から「近隣が迷惑している」「通報してもいいか」と苦言を呈する声が寄せられた。
 マリンパークの駐車場は私有地であることに間違いはないため、車中泊を目的とした無断駐車は住居侵入罪に問われかねない。

【駐車場問題】

 駐車場は臨時も含めマリンパークの船着き場の前にしかなく、最大で150台ほどしか止めることはできない。
 しかし、先述の徹夜組は駐車場を占拠していたために、他地域からやってきた来場者の車が入ることができず、駐車場は朝の5時(開園5時間前)の段階で満車になり、内浦地区の2車線道路に数十台もの渋滞・路上駐車が確認された。
 また、2kmも南にある近隣の水族館・三津シーパラダイスの駐車場に止めて、東海バスの停留所を占拠するという無断駐車も行われ、さらには駐車場スタッフに対して罵声を浴びせる急進派の姿もあった。
 徹夜組問題でもいったように、シーパラダイスの駐車場はシーパラダイスの私有地であることが明白なため、れっきとした法律違反である。
 

【署名活動】

 1月24日、世界最大の署名サイト『Change.org』において、『あわしまマリンパークの運営継続を支持します』という旨の署名活動を行い、2月12日12時現在で1194人ほどの署名が集まった。
 宛名はマリンパークの園長であり、署名の説明欄においても「オーナーを探すことを含めて再開に向けての活動は続けていきたいと考えています」「閉園後も可能な限り継続に向けて努力していきたい」との発言を引用し、マリンパークが存続してほしいという意思が伝わってくる。
 さらにクラウドファンディングによる赤字補填も提案され、何としてでもマリンパークを存続させたいという熱意も感じられた。

 しかし、マリンパークは1984年の開業から40年も経過し、駿河湾からの潮風による塩害も進行していることから、陸上に立てられた他の建物よりも老朽化が早い。
 存続や建て替えが決定した場合においても、数百万から数億円にもわたる建設費用や維持費(燃料代やスタッフの給与など)の財源はどこから来るのかという新たな問題に直面し、仮に財源をクラファンやふるさと納税で集めても、莫大な維持費の前では雀の涙程度にしかならない。
 
 沼津市の市営にすべきという意見もあったが、水族館の大半は民営(例外として、しながわ水族館は東京都品川区が保有するが民間企業が運営)であり、市営化したところで老朽化や維持費の財源問題は解決しない。
 たとえラブライブサンシャイン効果で、観光客が増えた沼津市であろうと、経営が赤字状態で老朽化した施設を、市税を投じて補修することに納得するのかという課題にも直面する。
 仮に市営化で沼津市民の税金をマリンパークに投入した場合、税金の無駄遣いという批判が寄せられ、存続させたいはずが逆に閉園を煽ってしまうという本末転倒な状態に陥る。

《そもそも……》

【裁判沙汰】

 マリンパークは2019年より、近隣の淡島ホテルともども『オーロラグループ』によって経営されていたが、淡島ホテルの旧運営会社の破産手続きにおいて、債券の償還金を支払わずにホテルを存続させようと不当に財産を処分したオーロラグループ経営陣が、破産法違反で逮捕(後に執行猶予)された。
 同時に司法手続きの一環として、マリンパークに向かう4隻の渡し船のうち3隻が静岡地方裁判所によって差し押さえられてしまう。
 淡島ホテルは裁判でオーロラグループへの譲渡が無効となり、香港企業と従業員が経営する『フェニックス』という企業により再出発を果たした。
 しかし、マリンパークはただでさえバブル崩壊や新型コロナのために傾いていた経営が、一連の裁判やオーロラグループの撤退により壊滅的な状態となり、閉園は避けられない状態へと達した。
 結局マリンパークは、創業者一族や運営会社を取り巻く数々の疑惑の犠牲となってしまったのだ。

【災害対策】

 30年以内の発生が予測されている『南海トラフ巨大地震』『東海地震』においても、マリンパークの老朽化した設備では『震度6強の地震』、及び10分ぐらいで到達する『13mもの津波(沼津市の予想)』には耐えきれない可能性がある。
 さらに淡島の避難経路も、地震の影響で道路事情が最悪の中、一般的な成人の男性や女性ならまだしも、逃げるのが難しい高齢者や車椅子の方や子供たち、意思疎通が難しい外国人や障害者を含めて、全員無事で避難させるのは至難の業となる。
 本土との交通手段やインフラも寸断されることから、マリンパークが存続したとしても避難計画を改めて考え直す必要がある。

《顛末》

 2月25日、無事にあわしまマリンパークは閉園を迎え、40年もの歴史に幕を閉じた。多くのラブライバーや沼津市民は名残惜しさを残しつつ、聖地と化した水族館に別れを告げ、大団円となるはずだった。
 閉園同日、マリンパークのファイナルパーティーと称し、シェフを呼んで料理を振る舞うという行事を3月に行うと告知。それに関するクラウドファンディングが開設されていたことが発覚した。
 さらには裁判の判決に則り、『差し押さえ』された渡し船1隻を返礼品として用意するという、どちらも現場との方向性の違いを漂わせる内容で、ラブライバーからも疑念の声を持たれていた。