アセスメント

Last-modified: 2013-05-28 (火) 14:57:44

フォーマルアセスメントとインフォーマルアセスメント

フォーマルアセスメントの特徴
・尺度が標準化されている。(信頼性・妥当性が確保されている。)
・マニュアルに従うことで、誰でも検査を実施することができる。
・結果は数量化され、数値に基づいた評価ができる。
・実施者の主観が入りにくい

インフォーマルアセスメントの特徴
・尺度が標準化されていない。
・目的に沿って、個人的に考案した方法やツールを用いることができる。
・単に数量的に評価するのではなく、反応に至るまでの経過や反応の仕方をも考慮した評価ができる。
・実施者の主観や経験によって、情報の性質がゆがめられやすい。

フォーマルアセスメントは、ある程度の信頼性と妥当性が保障されており、数量化した検査結果が得られる。よって、カウンセラーの主観が入りにくく、クライエントを相対的に評価できる。
 インフォーマルアセスメントとは、チェックリストやカードなどを使いながら進める方法で、クライエントの反応を見ながらできるというメリットはあるがCDAの主観に左右されやすいと言う面がある。
 両者にはそれぞれ一長一短があり、また単独の検査だけでは人間理解のための十分な情報を得ることは困難である。よって、各アセスメントの特徴をよく理解した上で、いくつかのアセスメントを組み合わせて行うことが必要である。

フォーマルアセスメントを実施する上での7つの心構えについて述べよ。

 目的を持って実施すること、CDAがアセスメントを熟知していること、CDAがクライエントに実施方法をよく理解させること、結果の解釈は柔軟に行うこと、結果をクライエントとCDAで共有すること、結果だけにとらわれないこと、結果は機密扱いにすることーーが大切である。

フォーマルアセスメントの限界とそれに対する対応について述べよ。

 フォーマルアセスメントだけでクライエントを完全に理解することは不可能である。あくまでもクライエントを理解するための補助的なツールとして用い、クライエントの状況などを考慮しながら結果を解釈するべきである。
 精度を上げるために、ライススケールを利用したり、いくつかのツールを組み合わせて実施することも考慮すべきである。

パーセンタイル得点について説明せよ。

 ある集団内での相対的な位置を示す数字フォーマルアセスメントは、このパーセンタイル得点のような標準得点を用い個人の得点が世間的な標準と比較してどのあたりにいるかを明らかにする

YーG性格検査」について述べよ。

 ギルフォード教授が考案した3つの調査目録を、日本文化に適合するように矢田部教授(京大)、辻岡教授(関大)らが標準化した性格検査。120の質問文から構成されており、人の性格を形成する12の尺度(項目)について、強弱の状態を測定する。

VPI職業興味検査の内容と特徴を述べよ。

 ホランドによって開発されたVPI(Vocational Preference Inventory)をもとにして社団法人雇用問題研究会が日本向きに翻案したものである。
 160の具体的な職業名を提示し,それに対する興味・関心の有無を回答することにより,6種の職業領域に対する個人の興味の強さを測定する。それに加えて、個人の心理的傾向を5つの領域について把握できる。

CPS-Jについて説明せよ。

 ホランドの理論に基づき、米国のACT社によって開発されたCPS(Career Planning Survey)を(株)マンパワーが日本版に改訂したアセスメントツール。職業興味(150項目)と「能力に関する自己評価」(15項目)から、個人の特性を把握しようとするテストである。

MBTIについて説明せよ。

 ユングの性格類型論をベースにマイヤーとブリッグスが開発し性格検査。感覚-直観、思考-感情、外向-内向、判断-知覚の四指標で表され、人間を16タイプに類型化して捉えようとする。
 
GATB厚生労働省編一般職業適性検査

 米国労働省が開発した、GATB(General Aptitude Test Battery) を原案として、日本の労働省(現・厚生労働省)が作成した検査。
 仕事で必要とされる代表的な9種の能力(適性能)を測定することにより、望ましい職業選択を行うための情報を提供する。

インフォーマルアセスメントについて、一般的に用いられる手法を一つあげて具体的に説明せよ。

 チェックリストによる方法がある。たとえば、仕事の特徴をリストアップしておき、クライエントに重要だと思うものを選んでもらう。CDAはクライエントになぜそれを選んだのかを聞く。これによって、フォーマルアセスメントだけでは得られないクライエントの情報を知ることができる。
 
インフォーマルアセスメントの利点と注意点を述べよ。

 フォーマルアセスメントに比べてクライエントが不安を抱きにくいこと、内容の深い話し合いによって詳細な情報が得られるいう利点がある。しかし、その一方で妥当性に疑問が残ること、主観的になりがちである。よって、標準化されたアセスメントと併せて行うことが必要である。

職業情報の重要性について述べよ。

 人は自分の知らない職業に関心を持つことはない。よって、職業情報は職業選択の幅や可能性を広げるという重要な役割を持つ。また、職業情報に触れることで個人のキャリア発達が促進され、職業選択のレディネスが高まるという役割もある。
 職業情報を蓄積していくには時間がかかる。できるだけ、早い時期から職業情報を活用し、職業世界の理解を深めていくことが望ましい。