キャリア情報

Last-modified: 2013-02-07 (木) 10:07:32

キャリア情報とは

キャリア情報は大きく次の3つにわけられる。
1.クライエント自身に関する情報
2.職業や企業の採用についての情報・・・目的に応じて設定されて基準に基づき、現存する職業を体系的に分類したもの。
3.経済動向や労働市場についての情報・・・職業そのものについての、多面的な情報、産業情報、企業情報、求人情報などをさす。


2.と3.は雇用情報と呼ぶこともある。


3.は厚生労働省の「雇用動向調査」や、労働政策研究・研修機機構の「労働政策レポート」や「労働政策研究報告書」などで得ることができる。

##職務経歴書の重要性について述べよ。

 採用担当者は「応募者がこれまで何をしてきたか、これから何ができそうなのか」を職務経歴書から判断する。この職務経歴書はほかの応募書類に比べてクライエントによって大きな差が出るため、面接の機会が得られるかどうかに大きな影響を与える。

##職歴の記述方法を三つ挙げて、それぞれについて簡単に説明せよ。

 年代式は年代を追って書く従来の方式で、職歴が短い人に向いている。
 逆年代式は現在から過去にさかのぼって記述する方式で、最新の職務経験や能力を強調するのに適している。
 職能別(専門別)は時系列にこだわることなくそれぞれの職務における経験と業績を強調した書き方で、転職歴の多い人や専門性の高い職歴を持って人に適している。

##顕在情報と潜在情報ついて説明せよ。

 顕在情報とは新聞や雑誌、インターネットなどのメディアを通じて公募されている情報、ハローワークや人材紹介会社などで斡旋している情報など、一般に公開されている情報を指す。
 潜在情報とは、まだ公募をしていないが、「いずれ人材を募集するつもり」「良い人材がいれば欲しい」など、経営者の頭の中にある求人情報のことである。

##顕在化している求人情報について具体例を挙げて説明せよ。

①ハローワークや人材銀行などの公的機関の求人情報、②新聞広告や折り込み広告、求人雑誌、インターネット上の求人情報提供サイトなどのメディアの求人情報、③人材紹介会社、人材派遣会社、再就職支援会社などの民間人材ビジネス会社、④転職・再就職フェア、⑤自治体などの再就職支援セミナー

##ダイレクトメールの有効性と問題点について述べよ。

 本当にやりたい仕事を中心に探せること、同時に多数へアプローチできること、競争相手が少ないこと、経営者を直接説得できること、年齢などの制限にとらわれないことーーなどの利点がある。
 しかし、応募先からの反応率が低いこと、クライエントが抵抗を感じることなどの問題点がある。

##面接の目的について「採用者側の目的」と「応募者側の目的」の両面から説明せよ。

 採用者側の目的は、応募者が履歴書や職務経歴書に書いてあるような能力を持っているか、仕事に対する意欲があるか、組織に溶け込めるような人物かどうかなどを見極めることである。
 応募者側の目的は、自分に与えられる仕事や自分が働く職場が自分に合っているかどうか、自分の能力と照らし合わせてこの職業を選ぶことが妥当かどうかを確認することである。

##登録型人材紹介会社とサーチ型紹介会社、アウトプレースメント型紹介会社について説明せよ。

 登録型は求人を希望する会社と求職を希望する個人をマッチングするスタイル。サーチ型は求人会社からの依頼に基づき求人スペックに合う人材を探し出すスタイル。アウトプレースメント型は、人員調整を進める企業などからの依頼 に基づいて、雇用を継続することができなくなった社員の再就職を支援するスタイル。

キャリアプランニングプロセス

○ステップ1:意思決定の必要性の自覚
       現在の雇用状況や社会状況に関するデータが必要
○ステップ2:自己の再評価
       クライエントのアセスメントの結果や興味、関心、スキルを把握することが必要
○ステップ3:職業・仕事の特定
○ステップ4:選択肢に関する情報収集
○ステップ5:仮決定
       職場体験や職場訪問を行うためのアレンジが必要
○ステップ6:教育・訓練
○ステップ7:就職・異動
       履歴書の書き方や面接試験の準備の援助が必要

##八つの意志決定スタイルを挙げ、もっとも望ましいスタイルについて説明せよ。

 計画型、苦悩型、衝動型、直感型、従順型、延期型、運命論型、無力型。 計画型は、①決定事項の明確化→②情報収集→③選択肢の明確化→④根拠の評価→⑤選択肢の中から最終選択→⑥行動→⑦決定と結果の検討ーーという順序で進む。

##キャリアプランニングプロセスの7段階について説明せよ。

①意志決定の必要性の自覚→②自己の再評価→③職業・仕事の特定→④選択肢に関する情報収集→⑤仮決定→⑥教育・訓練→⑦就職・異動

##インテーク面談の狙いについて述べよ。

①クライエントとの間に信頼関係をつくる
②来談目的を知る
③キャリアプランニングプロセスのどこにいるのかを知る
④クライエントに関する情報を収集する

##キャリアプランニングプロセス上で、サポートグループをつくるメリットについて述べよ。

 同じ時期に求職活動をしている人たちでサポートグループをつくるのは効果的である。コミュニケーションをすることで、自分の問題を受け入れやすくなったり、相手から勇気や希望を与えられたりする機会になるからである。
 
##集団を対象にしたプログラムを開発する手順(10)について説明せよ。

①対象集団の特性の明確化→②ニーズの特定→③ニーズに応えるために測定可能な目標設定→④キャリアプランニングプログラムの実施方法の決定→⑤内容決定→⑥費用決定→⑦告知の開始→⑧実施→⑨評価→⑩修正。

日本におけるキャリア情報

職業ハンドブックOHBY
「職業情報」と「職業探索」の2つのパートから構成されている。職業情報では、430種にのぼる職種を取り上げている。職業探索では、職業探索機能だけでなく、個人の職業の興味や、適性の自己チェック機能も含まれている。CD-ROMで提供されており、コンピューターをもちいたセルフガイドシステム(CACG)である。


職業ハンドブック
米国労働省のOOHをモデルとして、1981年から1983年にかけて、全31分冊、242職業を収録したものが、雇用職業総合研究所(現・労働政策研究・研修機構)から出版された。1996年の職業ハンドブック第4版には、職業や諸産業を代表する300職業を新たに選びなおし、職業解説をすべて書き直すとともに、2010年までの職業別の就業者数の将来推計をおこなったものが刊行された。


職業レファレンスブック
1000職業についてそれぞれ400時程度の解説。職業ハンドブックや日本標準職業分類へのリファレンス機能がついている。

米国におけるキャリア情報

国際労働機関(ILO)は職業分類のモデル提供と統計データの国際比較を目的として、国際標準職業分類(ISCO)を定めている。

職業辞典(DOT)

米国の公的な職業分類。1939年に初版刊行、1991年の第4版には約13000の職業名と職業情報が収録されている。現在では、DOTをデータベース化したO*NETが米国労働省から公開されている。

職業展望ハンドブック(OOH)

米国の代表的な職業情報。OOHは2年ごとに改訂版が発行される。OOHの特徴は、推計に基づく職業展望情報と個別の職業情報があり、後者には職業についての詳細な記述と写真が掲載されている。日本の職業ハンドブックのモデルになった。