Npec 0.45:Ashmore Incident

Last-modified: 2025-08-02 (土) 00:18:15

――それは、ひとつの名前が抹消され、もうひとつの名前が生まれた夜。

西暦4952年
アルブァナ帝国は、極秘裏に進めていた「不老不死者計画」の実験場として、外界から隔絶された諸島――アシュモア=カルティエ諸島を利用していた。
人の名を与えられず、番号で呼ばれる少女たち。彼女たちは兵器でも奴隷でもなかった。
ただ、「永遠に死ねない」存在として、“生きてしまっていた”だけだった。

帝国海軍特殊部隊《フェネクス》に所属する17歳の少年士官、カルディエ・アスタロト。
“灰風の悪魔”の異名で知られるその少年は、帝国の忠犬でも反逆者でもなく、
ただ一つ――父を探すために軍に身を投じていた。

そして、4952年6月26日。
歴史に残されなかった“アシュモア事件”が発生する。
3人の不老不死の少女たちと、ひとりの遭難者が島から脱走。
それは偶然ではなく、裏でカルディエが仕組んだ“救出”だった。