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Last-modified: 2025-05-27 (火) 21:36:11

クロネッカー「さてと――ここで話すべきことは、ひとまずこれで全部ですね」

アルデント「ふぅん、なるほど。じゃあ、これで情報はひと通り得られたって感じ?」
(アルデントは腕を組み、少し考える素振りを見せる)

クロネッカー「まだ全体像は掴みきれていませんが……とりあえずは、このくらいで十分でしょう。
あ、それと――せっかくですから、このタイミングで“とあること”を試したいと思っているんです」
(クロネッカーが意味ありげに微笑む)

リクティ「……それって、もしかして“あれ”のこと?」
(リクティの目が、期待と不安が入り混じったように細められる)

ドゥンケル「ふふ、もし“それ”をやるなら――彼女が本当に“破壊神”かどうか、ある意味、最も手っ取り早く確かめられるかもしれないな」

アルデント「えっ、え?何それ、置いてかないでよ、私だけ話分かってないんだけど!?」
(アルデントが慌てて声を上げる)

クロネッカー「安心してください。説明は現地でします。
――とりあえず、こちらへ。移動しましょう」

(そう言って、彼女たちは無言で車両へ乗り込み、重たい沈黙の中を走り出した。アルデントは、これから何が起こるのか、言いようのない緊張感を覚えていた)

地下都市 フォリトス ― Kronecker本部深層区域

(車両を降りると、ひんやりとした空気が肌を刺す。周囲は金属と硬質プラスチックで構成された無機質な空間がどこまでも続いていた)

クロネッカー「この地下に……とても重要なものが眠っています」
(クロネッカーの声が、静かな通路に反響する)

B-IV「“破壊神の神器”だな。あの小型アーギュメント、Arg-000のことだろう?」
(B-IVがこともなげに言う)

クロネッカー「そうです。我々はそれを“Arg-000”――『プロト神器』とも呼んでいます。
あなたにはこれに触れていただきたいのです、アルデントさん」

(クロネッカーが奥の厳重な扉を開け、保管室へ足を踏み入れる。そこは他の区画とは異なり、まるで聖域のような静謐な空気に満ちており、中央の台座に淡い光を放つ何かが安置されていた)

クロネッカー「……これです。さあ、手に取ってみてください」

(提示されたのは、手のひらに収まるほどの小さな立方体だった。表面は滑らかで、継ぎ目一つない。内側から漏れ出すように淡く発光し、まるで生きているかのように微細な脈動を繰り返している)

アルデント「これが……神器?見た目はただの箱に見えるけど……わかった、触るよ」
(アルデントはごくりと唾を飲み込み、ゆっくりと立方体に指を伸ばした)

(その瞬間――世界が揺れた。いや、揺れたのはアルデントの意識そのものかもしれない。目眩と共に、脳内に直接、膨大な情報が流れ込んでくる感覚に襲われた)

<< SYSTEM CHECK INITIATED... >>
USER IDENTIFICATION: NEIPHIMTLT_PROTO_SEQUENCE_7
DNA PATTERN MATCHING… COMPLETE. HIGH SYNCHRONICITY DETECTED.
ACCESS LEVEL: GOD-TIER - CONFIRMED
RELEASING PRIMARY RESTRAINTS…
SYSTEM UNLOCK COMPLETE
[Q.U.A.O.A.R PROTOCOL] - ACTIVE. STANDBY FOR MANIFESTATION.

アルデント「……!?っ……な、何これっ!?」
(掌の中で迸るような光が収束し、立方体は音もなく、水が形を変えるように滑らかに変形を開始する。鋭く、美しく、そしてどこか禍々しい黒曜石のような輝きを放つ、一振りの“ナイフ”の姿へと――)

ドゥンケル「……まさか、本当に……!起動するとはな……!」
(ドゥンケルが息を呑む)

クロネッカー「……これで、はっきりしました。あなたが“破壊神”であるということが、正式に証明されました」
(クロネッカーは、緊張と興奮が入り混じった表情でナイフを見つめている)

アルデント「私が……破壊神……?ほんとに? まだ全然実感湧かないけど……
っていうか、このナイフみたいなの、どうしたらいいの?これ、持ってるだけでいいの?」
(アルデントは自分の手に現れたナイフを恐る恐る眺める)

クロネッカー「ええ、正直なところ……私たちも、これが“発動”し、このような形態を取るのを見たのは初めてで……現時点では対応マニュアルも存在しないんです」

アルデント「うーん、じゃあ……とりあえずは持っとくよ。
へんな反応とか起きないなら、それでいいかなって」
(アルデントはナイフを軽く握り直す)

ドゥンケル「そうだな……念のため聞くが、そのナイフ、持ってて違和感とかないか? 例えば、勝手に力が吸い取られるとか、手が痺れるとか、妙に重たく感じるとか」

B-IV「……アルデントの生体情報をスキャン中。……バイタルサイン、オールグリーン。
むしろ、精神感応波形及び身体エネルギー循環が活性化、最適化されている。神器が彼女の生体情報と高度に共鳴し、急速に適応プロセスを進行中と判断できる」
(B-IVは仮面の位置を微調整することもなく、淡々と分析結果を述べる)

アルデント「へぇ……共鳴、ね。なんか、妙にしっくりくるんだよね。手に馴染むっていうか……最初からこれを知っていたような、そんな感じ」

クロネッカー「それは――本物の証。破壊神と、その神器が魂のレベルで繋がったということですよ、アルデントさん」
(クロネッカーの声には、確信と、どこか畏怖のような響きが混じっていた)

アルデント「……この先、何があっても……私が壊す役割ってこと、か」
(彼女の瞳に、一瞬だけ鋭い光が宿った。それは諦観ではなく、自らの運命を引き受けようとする、確かな意志の輝きだった)